吉川尚輝選手(C)読売巨人軍

読売巨人軍・吉川尚輝選手、子供の夢を支援 “副キャプテン”就任来シーズンへの意気込み明かす

2022.12.14 14:25

読売巨人軍・吉川尚輝選手が13日、「食品無料配送の梱包ボランティア」に参加。副キャプテンに就任し、来シーズンに向けての意気込みを語った。

  

吉川尚輝選手、支援に感謝状送られる

吉川尚輝選手、赤坂緑氏(C)読売巨人軍
貧困などを理由に夢をあきらめざるをえない子供をなくす活動「吉川尚輝チャイルドドリームプロジェクト」をスタートさせている吉川選手。司会者は吉川選手による支援について「チャイルドドリームプロジェクトは、『シーズンの公式戦で記録した得点数と盗塁数の合計×1万円』を認定NPO法人に寄付をするという内容です。今年は、得点64、盗塁16で、80万円を寄付いただきました。寄付金は、子育て家庭への食品無料配送・相談支援事業である『こども宅食』の活動に充てられます」と説明した。

その後、「当法人が行う、『親子の笑顔をさまたげる社会問題を解決するための活動』に深くご理解を示され、ご寄付を通して誰もが安心して子育てができる社会の実現に大きく貢献されました。深く感謝の意を表します」という言葉とともに、認定NPO法人代表理事の赤坂緑氏より吉川選手へ感謝状を贈呈。吉川選手は深々と頭を下げ、はにかみながらも嬉しそうに感謝状を受けとっていた。

吉川尚輝選手、赤坂緑氏(C)読売巨人軍
その後、認定NPO法人職員は『こども宅食』について「2015年にこども食堂を実施した際、こども食堂に来ることが難しいと思っている親子がいるかもしれないという課題が見えてきました。私たちは、こども食堂で待っているだけではなく、こちらから支援を届けていくアウトリーチ型の支援として、2017年より『こども宅食』を開始。経済的な困り事を抱えるご家庭に、定期的に食品などを配送することでご家庭との繋がりを築き、信頼関係を保ちながら支援を行っていきます」と説明。こども宅食のメリットとして、「支援を受けていることを周囲に知られたくないご家庭とも繋がることができますし、ご病気などで外出が難しいご家庭も支援できる仕組みとなっています。定期的な食品の配送によってゆるやかに関わることにより、ちょっとした悩み事を伝えて相談ができるような関係性も築くことができます。また、継続的に繋がれるので、ご家庭のちょっとした変化を見つけやすくなるのもこども宅食のポイントです」と話した。

吉川尚輝選手、ボランティアに参加

吉川尚輝選手(C)読売巨人軍
次に、メインイベントである、吉川選手の梱包ボランティアがスタート。まずは、7歳と10歳の子供がいる家庭への梱包を実施。食品だけではなく、おもちゃやぬいぐるみの他、エプロンや歯ブラシ、ハンドクリームなど、両親にも喜んでもらえるような品物をバランス良く詰めていく。7歳以上の子供がいる家庭には、じっくり組み立てる大きなブロックを贈った。吉川選手は丁寧にブロックやお菓子、パスタ、ツナ缶などを梱包。吉川選手の丁寧な手つきに、赤坂氏が「すごく綺麗に入れてくださりありがとうございます」とコメント。吉川選手は照れたような笑顔を見せていた。最後には菓子がぎっちりと詰まった大きなサンタブーツと、可愛らしいクリスマスカードを添え、配送セットを完成させた。

吉川尚輝選手、赤坂緑氏(C)読売巨人軍
二つ目は、3歳の子供がいる家庭への梱包。先ほどの家庭ではブロックを入れたが、幼い子供にはまだ組み立てられないため、代わりに可愛いぬいぐるみを入れた。また、おむつや風呂グッズなど、子育てに必要なアイテムも大きな段ボールいっぱいに詰めていく。吉川選手は非常に真剣な顔つきで、梱包と向き合っていた。

赤坂緑氏、吉川尚輝選手(C)読売巨人軍
スタッフから「とてもお上手なので、もうひとつお願いしたいです」と言われ、急遽、1歳の子供がいる家庭への梱包も実施。特に手のかかる1歳児を育てる家庭への宅配のため、忙しい両親がさっと食べられるインスタント食品を入れる場面も。全ての梱包を終えると、吉川選手は満足そうな笑みを浮かべた。

なお、梱包された荷物は19日に発送され、ひとり親家庭に届けられる。スタッフは「受け取るご家庭は、まさか吉川選手が梱包したなんて思わないですよね」と、吉川選手の協力に対して思わずコメントした。最後は吉川選手に大きな拍手がおくられ、和やかな雰囲気の中で梱包ボランティアが終了した。

吉川尚輝選手、2023年の意気込み明かす

吉川尚輝選手(C)読売巨人軍
梱包ボランティアに参加した感想について、吉川選手は「年齢に応じたものを工夫しながら選ばれているというのをすごく感じましたし、お子さんだけではなく、親御さんへのものも多くあったことが印象的でした。また、いかにたくさん詰められるかも大事だとわかりました」と、一つひとつ噛み締めるように語った。

また『ご自身の野球の成績に合わせた寄付活動』について、「小中学校のときに、家庭の事情で野球を諦めなくてはいけない人たちをたくさん見てきました。僕のお父さんがチーム監督だったので、嫌でもそういう話を耳にする機会が多かったです。もしその子が野球を続けていたらプロ野球選手になっていたかもしれないと思うと、本当に心が痛みます。一人でも多くのお子さんが夢に向かって頑張ってほしいなと思いますし、僕がプロ野球選手の立場として少しでも力になれるよう、自分自身も頑張らなきゃいけないなと思っています」とコメント。さらに、「さまざまな家庭環境の中で苦しんでいる人々を、こういった支援によって笑顔にできたら嬉しいです」と真剣な眼差しで語った。

吉川尚輝選手(C)読売巨人軍
さらに、2023年の抱負について聞かれると「来季から副キャプテンを務めることになりましたので、チームとしてリーグ優勝、日本一を目指していきたいです。もちろん、この活動にもすごく力を入れていきたいですし、自分の成績で寄付金額も変わってくるので、責任を持ってしっかり頑張りたいです」と話した上で、「僕は立場上プロ野球選手なので、一人でも多くの人に勇気や感動を与えられるように頑張っていきます」と真っ直ぐな瞳で意気込みを述べていた。

吉川尚輝選手、来シーズンへのこだわり語る

吉川尚輝選手(C)読売巨人軍
イベント後は、メディアの囲み取材に応じた吉川選手。記者からの「来シーズンの盗塁数や点数へのこだわりについて教えてください」という質問に対し、吉川選手は「そこで寄付金額が変わってくるので、より多く盗塁もしていきたいですし、多くホームベースを踏むことはチームにとってもプラスになるので頑張りたいと思います。具体的な数の目標はまだわからないですが、とりあえず今年以上は」と答えた。また、野球をやっていて良かったと思うことについて聞かれると、じっくり考えた上で「友達ができて、仲間ができて、絆が生まれて。野球に限らないと思うのですが、信頼できる人が増えたことが良かったと思います」とにこやかに答えた。

そして「僕は小さい頃からプロ野球選手になることが夢でした。選手になって恩返しをしたいという思いもありましたね。皆さん本当に色んな夢を持っていると思うんですけど、その夢を叶えることこそが親孝行になるとも思います。そこに対し、僕たちが少しでもサポートできれば嬉しいです」と夢を持つ多くの子供へのメッセージも口にした。

赤坂氏は、吉川選手の印象について「お話を隣でうかがっていて、心から子供の夢のために支援をしたいという思いが伝わってきました。直接、食品や物品が届くことも家庭にとっては嬉しいことだと思うのですが、誰かが自分たちのことを見ていてくれるとか、応援してくれているという気持ちを受け取れることが嬉しいというお声もよくいただきます。こうして、吉川選手のような方の思いが届くというのは、こどもたちにとってもすごく勇気になるんじゃないかなと思います」とコメントしていた。(modelpress編集部)

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