「美しい彼」世界各国で虜になる人続出 “5つの魅力”から理由を紐解く

「美しい彼」世界各国で話題に

BLアワード2015で第1位を獲得し、「流浪の月」で本屋大賞2020を受賞した小説家・凪良ゆうのBL代表作ともなったヒット小説を実写化した今作は、思うように言葉を発せない「吃音症」を持ち、幼い頃から周囲に馴染めず“ぼっち”を極める高校3年生・平良一成（萩原）、学校のカースト頂点に君臨する圧倒的カリスマ・清居奏（八木）という対極な同級生のラブストーリー。視聴者からは“ひらきよ”と親しまれ、平良の大学の同期・小山和希（高野洸）との三角関係の行方や2人が迎える展開に夢中になる人が続出した。

海外でも配信され、世界各国で話題を呼んだ今作。最終回放送後には様々な言語で“ひらきよロス”を訴える声が上がっていた。

さらに八木が1月に個人Weibo（微博）を開設した際には、24時間経たずして3万件ものコメントが寄せられ、2月18日放送の萩原がパーソナリティを務めた「萩原利久のオールナイトニッポンX（クロス）」（ニッポン放送／24時～）にも中国ファンからのメールが殺到。

この人気が裏付けるように全編通して魅力だらけの「美しい彼」だが、ここではその中から5つをピックアップして紹介する。

魅力1：萩原利久の“目の演技”が凄い

吃音症を持つため口数が少なく、あまり人前で感情をあらわにしない平良。その分モノローグが多く、視聴者はそこで彼の素直な感情を知ることができる。

1人語りに合わせ、表情だけで視聴者に感情の波を伝えるのには多彩な表現力が必要となるが、萩原はそれを“目の演技”で見事に表現。清居を想うがゆえの愛おしい目、切ない目、苦しい目…細やかな変化で視聴者を一気に引き込んでいく。

子役として活動を始め、近年は「3年A組―今から皆さんは、人質です―」（日本テレビ系／2019年）や連続テレビ小説「エール」（NHK総合／2020年）などで着実に活躍の場を広げてきた萩原。「美しい彼」が新たな代表作となったことは間違いない。

魅力2：八木勇征が“美しい彼”を体現

八木の“美しい彼”ぶりにも触れていきたい。誰もが認めるイケメンで、平良にとって揺るぎない“キング”である清居。脚本家の坪田文氏も清居を演じられる俳優がいるのかというのが1番心配だったそうだが、八木と出会った瞬間に「『美しい彼』いた！！！！」と思ったという。

FANTASTICSのボーカルとして活躍する八木は、今作が個人でのドラマ初出演にして初主演。しかし、演技経験の少なさを感じさせないほどに清居を熱演し、「この美しい彼は誰！？」と原作ファンも驚いたほど。YouTubeにて公開されているFANTASTICSのミュージックビデオのコメント欄には、今作をきっかけにグループのパフォーマンスを観に来たという声も多数寄せられている。

そんなスタッフから原作ファンまでを魅了した八木演じる清居だが、平良と出会って徐々に心境に変化が生まれるのも見どころ。事あるごとに平良に向かって言い放つ「キモ」は、回が進むごとに全く違った意味に聞こえてくる。最終回前にドラマ公式Instagramにて行われたライブ配信では、八木自身も好きなセリフとして「キモ」を挙げ、それぞれニュアンスが「全部違う」と一言に込めたこだわりを明かしていた。

魅力3：視点が切り替わる物語構成

1～4話では平良目線だった物語は5話で清居目線に切り替わり、伏線回収のように“答え合わせ”ができる楽しさもある。

4話までは平良が清居への想いを一方通行のように語っていたが、5話で「その時、清居はどう思っていたのか」を視聴者側が知った瞬間に、最初から全てを振り返りたくなる構成には脱帽。

「実は真の“キング”は平良の方である」とこちらが気付いた時にはもう“ひらきよ”沼から抜け出せない。互いに振り回し、振り回され…2人の感情が絶妙に交差するというじれったさも、より一層ハマるポイントだ。

魅力4：平良＆清居の気持ちを見事に表現した主題歌

平良と清居の世界観を表現した2曲の主題歌は、ともに今作のために書き下ろされた楽曲。

オープニング主題歌であるもさを。の「カラメル」は平良の清居へのピュアでひたむきな愛情がたっぷりと詰まった1曲で、キュートなオープニング映像と相性抜群。また、同曲に合わせて踊る2人のダンス動画もぜひ合わせて楽しんでほしい。

一方、エンディング主題歌であるロスの「Follow」は清居目線。独特の雰囲気を持つ癖になる1曲で、歌詞には清居らしさ全開のツンデレ要素が盛りだくさん。流れるタイミングも毎話絶妙で、視聴者は同曲が流れ出す度に「次回まで待ちきれない」と感じたことだろう。

魅力5：平良の“清居愛”溢れる細かすぎる演出

ちょっぴりコアな視聴者向けの“細かすぎる演出”にも注目。ドラマ内では特に言及されていないが、クラスメートたちが平良の家を訪れる際、平良は清居にのみ大きなグラスに彼の好きなジンジャーエールを注ぎ、ほかのクラスメートたちには普通のグラスに麦茶を注ぐ。さらに、清居が部屋の中で移動をしても、常に扇風機が彼のいる方向に向いており、視聴者の間では「平良、もしかして清居のために扇風機も動かしたのかな…？」「清居に甘すぎる気遣いに萌えた」などと話題を呼んでいた。

また、最終話で自転車に2人乗りするシーンでは、荷台に乗る清居の下に平良のマフラーが敷かれており、平良のさりげない優しさが垣間見える。

平良が清居だけをとことん特別扱いしていることがわかる細かな演出の数々。観返す度にさらなる発見があるかもしれない。

萩原は最終回後に自身も“ひらきよロス”であると明かし、ドラマ公式TikTokでは、八木が「寂しい～」と言いながら萩原をバックハグする動画が公開されるなど、主演2人にとっても深く心に残る作品となった「美しい彼」。

Netflixで配信されることで、さらに多くの人々の心に届くことだろう。（modelpress編集部）