生田斗真(C)2019『偽義経冥界歌』

生田斗真、主演舞台「偽義経冥界歌」開幕に喜び 稽古中のエピソード明かす

2019.03.08 04:00

俳優の生田斗真が主演を務める舞台『偽義経冥界歌』(にせよしつねめいかいにうたう)が8日、大阪・フェスティバルホールにて開幕する。

  

生田斗真主演『偽義経冥界歌』

“春公演”の演目は『偽義経冥界歌』。2016年の『乱鶯』以来のいのうえ歌舞伎の新作で、劇団の座付き作家・中島かずき氏によるゼロベースからの完全新作は2014年の『蒼の乱』以来。また、演出のいのうえひでのり氏にとっては、この2年の経験と出会いからの刺激を財産とし、改めていのうえ歌舞伎に向き合うことで時代劇でできることの新たな可能性を探っていく。

今回のモチーフは“奥州三代”と“義経黄金伝説”。源義経は、歴史上の一大事に大きく関わっているというだけではなく、その後、数多なる物語に登場しており、実は偽物説、影武者説等、ドラマティックな謎を多く抱えているという魅力的な人物でもある。その義経が実際に奥州に匿われていたという史実をベースに、奥州三代の盛衰の行方も絡めつつ、中島脚本ならではのファンタジーも散りばめたストーリーが展開される。

今作は、主人公の偽義経を中心としながらもまるで群像劇のような、それぞれの人間ドラマをも堪能できる味わいの作品であり、新感線ならではの笑いたっぷり、殺陣、アクション満載の王道エンターテインメントとなっている。

舞台「偽義経冥界歌」(C)2019『偽義経冥界歌』/ヴィレッヂ・劇団☆新感線、撮影:田中亜紀

源九郎義経役:生田斗真コメント

生田は「前作『Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~』(2016年)は大阪フェスティバルホールにて大千秋楽を迎えました。あれから3年近く時が経ち、また同じ場所からスタート出来る事に喜びを感じています。かなり大きな会場ですが、最前列から、2階席、3階席の1番後ろのお客様まで、誰一人置いていかない、お芝居にしたいと思っています」と喜び。

稽古中については「橋本さとし先輩の天然ぶりに終始翻弄された稽古場でした。久しぶりに本公演に参加する、さとしさんと、それを心から喜んでいる劇団員の皆さん。素晴らしい連帯感と幸せに満ちた稽古場でした」と振り返り、「『偽義経冥界歌』は久しぶりの劇団☆新感線の新作!とにかく役者が駆け回る!闘う!歌う!少年漫画のようでありながら、誰もが楽しめるスペクタクル作品です。難しい事は考えず、僕らが創り上げる劇空間にお付き合い下さい」と自信をのぞかせていた。(modelpress編集部)

舞台「偽義経冥界歌」(C)2019『偽義経冥界歌』/ヴィレッヂ・劇団☆新感線、撮影:田中亜紀

あらすじ

日の本の国が、源氏と平氏の勢力で二分されていた時代。源頼朝(粟根まこと)が鎌倉を拠点に力を蓄えていた一方で、国の北方、“みちのく”と呼ばれる奥州はどちらにも属さず独立自治を貫いていた。奥州をまとめていたのは奥華一族。その都である奥泉は“黄金の都”と噂されており、また奥華の民は死者を木乃伊(ミイラ)にする風習があるため奥泉のはずれにある洞窟には先祖代々の木乃伊が眠っている。

その地元のものが聖なる場所として崇める洞窟で、ある若侍が暴挙を行った。彼の名は遮那王牛若(早乙女友貴)、頼朝の義理の弟で平氏の追っ手から逃れるために奥華によりかくまわれていたのだ。お目付け役の僧<常陸坊海尊(山内圭哉)と奥華次郎泰衡(中山優馬)の制止を無視して死者を冒涜、とうとう次郎と斬り合いになる。そこに割って入った次郎の兄<奥華玄久郎国衡(生田斗真)だったが、はずみで牛若を死なせてしまう。

僧兵に追われ逃げる玄久郎の前に立ちはだかったのが<武蔵坊弁慶(橋本じゅん/三宅弘城)。玄久郎を錫杖で打ち据えると、奥華の屋敷へ連れていく。屋敷では奥華の当主奥華秀衡(橋本さとし)が待っていた。次郎をかばうためとはいえ頼朝の挙兵直前だったこともあり、牛若を殺したのは大問題だと頭を抱える一同。だが「牛若はそこにいる!」と玄久郎を指さす弁慶。弁慶や海尊ら僧たちが口裏を合わせ、さらに奥華の金塊を軍資金として差し出せば、義兄の頼朝は騙せると踏んだのだ。あまり深く考えず、その提案を受け入れる玄久郎は、ここで元服もし、以降は源九郎義経を名乗ることとなる。

舞台「偽義経冥界歌」(C)2019『偽義経冥界歌』/ヴィレッヂ・劇団☆新感線、撮影:田中亜紀
そうして義経らが頼朝を丸めこみに行っている間、奥泉では先祖代々の木乃伊が並ぶ洞窟内で巫女たちが歌い踊り、酒宴が行われていた。そこで、秀衡の妻にして次郎の母でもある巫女長の黄泉津の方(りょう)は、次郎が正当な後継ぎであると主張。その企て通りに、次郎に秀衡を殺させる。そんなことは露知らず義経は進軍を続けていたが、壇之浦にてさらに戦いは激化。その海辺にひとりの若い女性が現れる。

静歌(藤原さくら)という大陸渡りの歌うたいで、ギターに似た楽器“六絃(ろくしん)”を操り滅んでいく平氏の兵のために哀悼の歌をうたっているのだった。すっかり心を奪われてしまった義経に乞われて死者を冥界に送る歌を静歌がうたうと、そこに血まみれの秀衡が現れ「妻と弟に諮られ、実の息子に手を下された」と語り、「仇をとって父の無念を晴らしてくれ」と義経に訴える。この不可思議な現象は、静歌の歌に秘密があると睨んだ義経は彼女を連れて奥華へ向かうことにするが…。

偽りの身分を盾にしつつ、常にポジティブシンキングと機転とで数々の苦難を軽々と乗り越えていく義経。その目に映るのは日の本の天下の光か、はたまた冥界に広がる闇か…?

2019年劇団☆新感線39興行・春公演 いのうえ歌舞伎『偽義経冥界歌(にせよしつねめいかいにうたう)』

【大阪公演】2019年3月8日~21日 フェスティバルホール
【金沢公演】2019年4月2日~7日 金沢歌劇座
【松本公演】2019年4月18日~21日 まつもと市民芸術館
【東京公演】2020年2月予定 TBS赤坂ACTシアター
【福岡公演】2020年4月予定 博多座
【Not Sponsored 記事】

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