「おっさんずラブ」が社会現象に 田中圭&林遣都ブレイクで旋風まだまだ続く【2018年末特集】
2018.12.30 10:00
主人公のモテない独身男・春田創一(田中圭)をピュアな乙女心を持つ部長・黒澤武蔵(吉田鋼太郎)とイケメンでドSな後輩・牧凌太(林遣都)が取り合うという“全員男”のカオスなコメディーが爆発的人気を集め、2018年を代表するヒット作となった「おっさんずラブ」(テレビ朝日系)。ドラマの“その後”を描く続編の映画化も決定し、今年1年話題が絶えなかった同作が起こした様々な社会現象を振り返る。
「おっさんずラブ」圧倒的SNS人気で熱狂的ファン “OL民”生み出す
2016年に単発ドラマとして放送されたのをきっかけに連続ドラマ化した同作は、初回放送までは“知る人ぞ知る”という程度で、クールの中でそれほど注目を集めていたわけではなかった。しかし、初回から部長の絶叫告白シーン、春田と牧の熱烈な浴室でのキスシーン…と攻めに攻めた内容がネットをざわつかせ、その後はうなぎのぼりにゴールデン帯のドラマをも凌ぐほどの話題をさらっていった。視聴率としては最終話が5.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で自己最高と、大きな数字には結びつかなかったが、その分、6話と最終回となった7話の二週連続でTwitterトレンド“世界一”を記録。最終回から数日が経過してもトレンド入りを果たすなど、圧倒的なSNS力を発揮。
また、視聴率に対する「視聴熱」(※SNSや独自調査を集計し、今熱い番組・人物・コトバからテレビの流行に迫る新指標)でも高い評価を受け、“OL民”と呼ばれる熱狂的ファンを生み出した。
その結果、「東京ドラマアウォード2018」にて作品賞<連続ドラマ部門>グランプリ、主演男優賞(田中)、助演男優賞(吉田)と3冠、「第97回テレビジョンドラマアカデミー賞」にて作品賞、主演男優賞(田中)、助演男優賞(吉田)、監督賞、脚本賞、特別賞(Instgram武蔵の部屋)と6冠、「第12回コンフィデンスアワード・ドラマ賞」にて作品賞、助演男優賞(吉田)と2冠と、賞レースを総なめ。
さらに、今年流行した新語・流行語を決める「2018ユーキャン新語・流行語大賞」(『現代用語の基礎知識』選)でもドラマ名がトップ10入りするという快挙を達成。モデルプレス読者が選ぶ“2018年最もハマったドラマ”トップ10でも見事1位に輝いた。
田中圭、“はるたん”役で人気爆発
これほどまでのブームは、主演を務めた田中の存在なくしては到達し得なかったことは明白。元々愛すべきダメ男・クズ男を演じさせたら天下一品の田中にとって、“はるたん”役は王道のハマり役。さらに、飾らない子犬系キャラクターや、「謎の良い体」(劇中の牧のセリフ)といった側面が本人とシンクロし、元々あった安定した人気と潜在的なファンの熱狂に加えて、新規のファンを急増させた。ドラマだけでなく雑誌の表紙にも引っ張りだこで、過去に出版した3冊の写真集は重版。9月に故・大杉漣さんの後継で加入した日本テレビ系バラエティ番組「ぐるぐるナインティナイン」の人気コーナー「グルメチキンレース ゴチになります!19」を始め、バラエティ番組にも多数出演し、年末には24時間生放送で1本のドラマを本気で作るAbemaTV特別番組「田中圭24時間テレビ」にも挑戦。「モデルプレスが選ぶ 今年の顔 2018」男性編に選出されたほか、各種ランキングやアワードで、2018年を象徴する存在として表彰を受けている。
林遣都、牧役で魅力再発見する人続出
そして、春田の相手役・牧を演じた林にとっても、ターニングポイントとなり得る作品となった。家事・料理も万能でSっ気のあるイケメンの後輩という“理想の恋人”要素がありつつも、自分の気持ちに猪突猛進な部長とは対照的に、春田の反応や周りの視線に怯えながら悩み苦しみ葛藤する姿が、女性視聴者の母性本能をくすぐり、人気キャラクターに。田中が唱えた“チワワ似”説も話題になった。モデルプレス読者が選ぶ“2018年ドラマで最も胸キュンしたイケメン”ランキングでも見事1位を獲得。「遣都くんが演じたからこそ魅力的なキャラクターになったと思う」といった意見が多く、改めて実力派・林の魅力に気付かされた人が続出した。
人気は放送後も冷めやらず、冬クールのドラマ「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」ではあがり症の若手弁護士役を好演。“ポチ”の愛称で親しまれ、林の支持層拡大が強く印象付けられた。
インスタ裏アカが話題に
Twitter Japanが発表した2018年国内で最もツイートされたアカウント&使われたハッシュタグランキング「テレビカテゴリー」人気アカウント1位と人気ハッシュタグ2位を獲得。公式SNSアカウントの運用の上手さもドラマを盛り上げた大きな要因の1つだ。Instagramアカウントは公式のほかに、公式を上回るフォロワー数を誇る(2018年12月現在)裏アカウント「武蔵の部屋」が存在。乙女なおっさん部長が愛しの“はるたん”を日々隠し撮りし、ひっそり公開している…という設定のアカウントで、劇中では見られない秘蔵の“隠し撮りコレクション”はもちろん、「手作りお弁当」「初めてのツーショットだお」といったオンエアと連動した投稿、さらには「告白してしまった」「#ライバルが現れました #許せないM」といった“ストーリーが楽しめる投稿”で、ファンを楽しませた。
おっさんずラブ展・公式ブック・漫画化…各方面にブーム止まらず
DVD&Blu-rayの予約数も同局史上最高の予約数を記録、さらに、実際にドラマの撮影で使用された小道具、数々の名場面の写真展示が行われた「おっさんずラブ展~君に会えてよかった。~」は東京、大阪、名古屋、東京とロングランヒット。公式ブックも発売前に緊急重版が決定、漫画化され女性漫画誌「BE・LOVE」(講談社/月2回刊)にて連載スタート、韓国・台湾・香港など海外のプラットフォームでも配信され、人気を博すなど、影響が各方面に波及した。
続編の映画化決定で2019年も「おっさんずラブ」の勢いは止まらない
放送後の“ロス”も著しく、続編を希望する声が続出していたが、ついに12月7日に続編映画化が発表。2019年夏の公開を予定している「劇場版 おっさんずラブ(仮)」ではキャストはドラマ版と同じメンバーが全員続投。田中、吉田、林の3人やお馴染みのレギュラー陣に加え、豪華ゲスト俳優の出演も予定。ドラマ版のその後のストーリーを描く。また、映画化決定記念の全話一挙放送「おっさんずラブ 映画化決定記念!新春イッキ見SPだお」(1月2日6:55~13:00放送)も決定しており、2019年も「おっさんずラブ」ブームが続くことは間違いないだろう。(modelpress編集部)
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