渋谷ハロウィン軽トラ横転事件、若者はどう思う<現地調査>
2018.11.01 05:43
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10月31日、ハロウィン当日の東京・渋谷は、仮装姿で練る歩く若者と警備にあたる警察官とが入り乱れていた。仮装した集団が軽トラックを横転させる事件や、痴漢、盗撮などの問題も発生している中、なぜ渋谷に集まってハロウィンを楽しむのか?モデルプレスでは、現地取材を敢行し、問題となっているニュースなどについて話を聞いた。
渋谷ハロウィン 区長が異例のコメント
今年の渋谷は、週末からハロウィンで盛り上がっていたが、27日夜には仮装した集団が軽トラックを横転させる事件が発生。痴漢や盗撮など複数の逮捕者が出る事態となっていた。これを受けて、長谷部健渋谷区長が「10月31日のハロウィーンに向けたお願い」とした異例のコメントを発表。「複数の逮捕者が出たり被害届が出されるなど犯罪行為も明らかになっており、大変憤りを感じております」と不快感をあらわにし、「また、犯罪に至らなくとも、ルール、マナー違反をしている人たちの様子も多く報道されております。そのような人たちは、渋谷を愛し、この街を誇れるものにしていく思いのない人たちです」と節度を守れない人々を強く批判していた。
全世界各地から集まる渋谷ハロウィン
ハロウィン当日の31日、行き交う人々に話を聞いてみると、海外を含め、東京や埼玉・千葉・神奈川をはじめ、愛知、大阪、滋賀、福島など、全国各地から集結していた。世界各国でもこれほど大規模な面積でストリートハロウィンが繰り広げられる街は無い。海外でも話題となり、是非一度日本の渋谷ハロウィンに行ってみたいという外国人も多い。世界的祭典として認知されているようだ。
ハロウィンのコスプレで訪れた人に話を聞いてみると、手作り衣装の制作をしているという女性は、準備に半年以上かけたそうで、その目的は「雰囲気を味わってみたかった」「好きなYouTuberに会いに来た」「イベントに参加」など様々。
初めて渋谷ハロウィンを訪れたという専門学生の3人組は「こんなに人がいるとは思っていなかった」と目を丸くしていた。
渋谷ハロウィン、長年参加してきた人の思い
また、7年前から毎年渋谷ハロウィンに来ている20代女性の2人組は、「渋谷のハロウィンは純粋に楽しい。可愛い子をたくさん見られるし、一緒に写真も撮ってもらっていい思い出になってます」と楽しそうに語ってくれた一方で、「年々規則が厳しくなっている。若者の行動がどんどんひどくなっているからだと思う」と近年のマナーの悪化を指摘。トラック横転事件をはじめ、ニュースで取り上げられる問題の数々にも「一部のマナーの悪い人のせいで、渋谷全体に悪いイメージがついちゃう。ルールをしっかり守って楽しくしている人もいるので、みんなで安全に楽しくハロウィンを楽しんでほしい」と語ってくれた。
軽トラ横転事件に苦言
マナーの悪化については、モデルプレスが話を聞いた若者のほとんどが「(トラック横転事件は)ありえない。一人間として考えられないし、その行動がどれだけの人を悲しい気持ちにさせるかよく考えてほしい」「今年は特にマナーが悪いかも」「トラックのやつはマジでヤバイと思う」「すごく腹立たしい」と顔をしかめた。加えて「ルールを守っている人がかわいそう」「一部の人のせいで悪いイメージになってる。頑張って安全にしようとしている人もいるので、そういう人には積極的に協力しています」と大半の人がルールを守って楽しんでいるとしたうえで、「何着ようかなって前から楽しみにしているので、こうやって悪いニュースが出ると悲しい」とも話した。
“若者”が悪いわけではない ゴミ拾いをする若者も
また、ポイ捨て問題に関して、同上の20代女性2人組は「最近はゴミがすごい」と近年のマナー悪化を挙げた。そんな中、仮装に身を包んでゴミ拾いに協力する若者たちもいる。複数の大学に在籍する学生たちの集まりは「仮装しながらゴミを拾えば楽しそうだと思った」といい、「トラブルを起こす一部の人たちもいるが、悪いニュースだけでなく、自分たちのようにゴミ拾いをしている人たちもいるということが少しでも多くの人に知ってもらえれば嬉しいです」と語ってくれた。
痴漢・盗撮被害も
さらに、痴漢や盗撮被害に関して聞いてみると「危ないときが結構ある」「こっちが嫌がっているのに無理やり抱きつこうとしてくる」と複数の女性が告白。「歩いているときに胸を触られたんですけど、振り返っても誰がやったか分からないからどうしようもない」と被害に遭ったことを明かし、「こういう露出が多めの衣装を着ている分、周りに注意するのはもちろん、友だちと『気をつけようね!』を言い合うことで牽制するようにしている」と明かしてくれた。ルール厳守
区長をはじめ、渋谷ハロウィン、そして渋谷を愛する人たちの苦言は至極当然だ。一部の心無い人たちによる痴漢や盗撮、泥酔、ポイ捨てなど喧騒に乗じた暴挙は断じて許されることではなく、大勢のルールを守って渋谷ハロウィンを楽しむ人の心も傷つけている。仮装も、着て、観て楽しむものであって、決して盗撮や痴漢は許されない。一部のルールを逸脱した行為によって今後“渋谷ハロウィン”の存続が危ぶまれているので、節度ある行動を心がけてほしい。(modelpress編集部)
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