TBS4月期改編、日曜激戦区に新バラエティ＆報道番組に大幅改革

改編テーマは「地に足を。」

会見には、編成局長・伊佐野英樹氏、編成部長・菊野浩樹氏、編成部企画総括・石丸彰彦氏、宣伝部長・小笠原知宏氏が出席し、山本恵里伽アナウンサーが司会を務めた。

今回の改編テーマは、「地に足を。」。現行の番組の良さを出来る限り生かしつつ、番組内リニューアルを行っていく小幅なもので、改編率は、全日5．9％、ゴールデンタイム8．73％、プライムタイム13．33％。「全日・NP帯の改革」「アニメサタデー630」「日曜の挑戦」を3本柱とする。菊野氏は「来年度は視聴者に一番寄り添える局になりたい。全日帯の強化に取り組んでいくことが大きな柱となります」とした。

報道番組にテコ入れ

まず、ほか報道番組の好調を受け、夕方ニュース『Nスタ』（毎週月曜～金曜、夕方3時50分）を大きくリニューアル。メインキャスターに井上貴博アナウンサー、ホラン千秋、国山ハセンアナウンサーが加入し、フレッシュな面々に。菊野氏は狙いを「アナウンサーで報道キャスターが出来る人間を今後も育てていきたいという思い」と語り、ホランについては「年末の報道特別番組にも出演して頂いた。信頼感あるコメントと豊富な知識で、報道番組に新たな魅力を与えてくれると思い参加してもらいます」と期待を寄せた。

これまで『Nスタ』に出演していたフリーの堀尾正明氏は『ビビット』（毎週月曜～金曜、あさ8時）にコメンテーターとして出演することとなり、伊佐野氏は「昨年ごろから、目に見えて（『Nスタ』も）数字が上がってきている。より次の段階に行かなきゃいけないということで今回の改編」と説明した。

アニメ枠を拡大

そして、昨年4月より新設していたアニメ枠をさらに拡大し、土曜朝に1時間のアニメゾーンを設置。菊野氏は「TBSではアニメをやっているんだぞという存在感を出したい」と意気込んだ。

激戦区の日曜7時に新バラエティ

さらに、日曜よる7時にクイズバラエティ『東大王』をスタート。昨年秋に「東大生のみが出場し、真の頭脳No．1を決めるクイズ番組」というコンセプトで放送し好評を博した番組で、スペシャルの際は置かなかったMCについては、「スタートとともにどうしていくか鋭意検討中」（石丸氏）とのこと。他局でも人気番組が揃う激戦区となっており、「なかなか苦しい戦いを強いられているのは認めざるを得ない。諦めずに粘り強く戦っていきたい」（菊野氏）といい、クイズバラエティにした理由については「日曜7時は家族で楽しめる番組を制作していきたいと思っております」（石丸氏）と答えた。

上田晋也の報道番組がスタート

このほか、くりぃむしちゅーの上田晋也がニュースの裏側にある背景や思惑を専門家から引き出していく、『上田晋也のサタデージャーナル』（毎週土曜あさ5時30分）を4月1日よりスタート。石丸氏はかねてより「上田さんの高いスキルに注目していた」といい、「上田さんが週の最大関心事にどう斬り込むのか試してみたいと思い挑戦する」と背景を説明した。

月曜22時は…

また、フジテレビ系では『SMAP×SMAP』が終了した月曜よる10時枠には『好きか嫌いか言う時間』が8時から枠移行し、2時間サスペンスを主に放送している『月曜ミステリー劇場』と交換。

石丸氏は「番組の特性上22時の方が良いのではないか」とし、『スマスマ』終了の影響については明言しなかった。

さらに、連続ドラマも日曜劇場『小さな巨人』（毎週日曜よる9時）、金曜ドラマ『リバース』（毎週金曜よる10時）、火曜ドラマ『あなたのことはそれほど』（毎週火曜よる10時）、テッペン！水ドラ『3人のパパ』（毎週水曜深夜11時56分）と充実のラインナップが出揃っている。

2016年度上半期のゴールデンタイムの視聴率は9年ぶりに民放2位（タイ）となるなど、好調ぶりを指摘されると、伊佐野氏は「それほど好調ってほどでもないです、まだまだって感じなんです（笑）」としながらも、「色々な試行錯誤の結果やっと芽が出てきた。視聴者に『TBSは全体的に面白いね』って思ってもらえるタイムテーブルが作れれば」と意気込み。

菊野氏は功を奏している具体的な取り組みとして、社内で行っているマーケティングプロジェクトにて、「視聴者に不快感を与えないように」ということを意識し、観終わり感いこだわったり、嫌なCMの入れ方をしなかったりという取り組みを行っていること、縦流れを意識し、宣伝スポットも制作していることなどをあげた。（modelpress編集部）