関ジャニ∞横山裕がダークヒーローに!手塚治虫の“幻”傑作を初舞台化<コメント到着>

関ジャニ∞横山裕がダークヒーローに!手塚治虫の“幻”傑作を初舞台化<コメント到着>

2016.11.10 05:00

関ジャニ∞の横山裕が、“幻の傑作”と称される手塚治虫原作の妄想歌謡劇「上を下へのジレッタ」で主演を務めることがわかった。

  
原作となる同名漫画は、1968年に「漫画サンデー」に連載された、数多ある手塚治虫漫画の中では珍しい、知る人ぞ知る異色中の異色作で、そのため“非話題作”とも称される“幻の傑作”。マスコミ社会を舞台に、様々な角度から湧き出る人間の欲望を風刺し、今では現実となったヴァーチャル・リアリティの世界を“ジレッタ”と称して独特の表現で創り出すなど、作品には手塚らしい文明批判が込められており、さらに抜群の先見性も描かれる。

そして今作に鋭い感性で着眼したのが、今、演劇界の次世代を担う若手の中心人物として注目を浴びている気鋭の脚本家・演出家の倉持裕。幼い頃に読み衝撃を受け、主人公のキャラクターが自身の作品世界に多大な影響をもたらしているという今作を、自らの手で戯曲化し演出も手掛ける。

横山裕、強烈な個性放つ“ダークヒーロー”に

自称・天才TVディレクターで、脚本、小説、評論も手がける多才な人物。そして常に野心満々で、己の欲望に飲み込まれて破滅するエゴイスト、門前市郎…そんな強烈なダークヒーローを演じるのが横山だ。バラエティ番組などで見せる明るい一面から一転、演者としては硬軟に演じ分ける色気と狂気を持ち合わせる横山が、強烈な個性で誰しもを惹き付けてしまう門前に選ばれた。

横山は「自分と照らし合わせた時に、僕はここまで我が強くないし、もっと気を遣って生きてるからなあ…と気後れしましたけど(笑)。でもだからこそ憧れるし、やってみたいな!と強く思いました」とオファーを受けた際の心境をコメント。「倉持さんの世界と手塚治虫さんの世界が交わって、どんな化学反応が起きるのか楽しみですし、僕にとっても挑戦の舞台です。まだ明確に何とは言えませんが、そこに向かって今も頑張っているので、新しい横山裕を見せられるんじゃないかなと」と期待を呼びかけた。

妄想歌謡劇「上を下へのジレッタ」は、2017年5月に東京・Bunkamuraシアターコクーンにて、6月には大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。(modelpress編集部)

あらすじ

1960年代、東京。自称・天才TVディレクター門前市郎(横山裕)は、その斬新すぎる演出が大手芸能プロダクション竹中プロの逆鱗に触れ、テレビ業界を追われてしまう。門前はこれを機に身辺を一新しようと、契約結婚していた彼のブレーンである間リエと離婚。門前は竹中プロをクビになった覆面歌手・晴海なぎさをスターダムにのし上げることで復讐しようとする。が、現れたなぎさの容姿が実は不器量であったことを知る。しかし空腹となったなぎさはみるみるうちに絶世の美女へと変貌を遂げる。なんと空腹になると変身するのだ。

門前はすぐさま芸能事務所「門前プロ」を立ち上げ、芸名・小百合チエと名付けたなぎさと専属契約を結ぶ。事務所設立および小百合チエお披露目の記者発表を終え、目玉企画としてブロードウェイのミュージカルスター、ジミー・アンドリュウスとの共演を目論む。チエには共に上京した同郷の恋人、漫画家の卵である山辺音彦がいた。一緒になるために成功を夢見る貧しい2人……。

ある日チエを訪ねてきた山辺が見たのは、仕事の為に空腹を我慢させられ、あられもない姿で写真撮影をしている様子だった。門前は怒り狂う山辺をなだめながら外へ。そのままビルの建設現場でもみ合い、山辺で足を滑らせ、ビルの土台と地面のすき間の穴に落ちてしまう。山辺の死を確信して呆然とする門前…しばらく時が過ぎ、門前は芸能界での大きな仕事に失敗し、落胆の日々を送っていた。

そんな中荒唐無稽な妄想(ほとんどはかつてボツにした漫画のアイディア)によって作られた、夢とも違う「ジレッタ」と呼ばれる世界を彷徨い生きていた山辺と再会。「ジレッタ」の世界を体感した門前はすっかり魅了される。「テレビなんざぁ今にラジオと同じ空気みたいな存在になる。大衆はもっともっとあくどい刺激を求めるようになるんだ。じゃあそいつは何か?その世界へ自分ごと飛び込めるような刺激……『ジレッタ』さ!」

門前は「ジレッタ」で再起を図り、自分を追放した芸能界にも復讐を企てる。それはやがて政治の世界をも巻き込んでいく…

横山裕コメント

原作漫画を読んで、連載された1968年という時代にこんなブッ飛んだ世界観が描かれていたことにまず驚き、これをどうやって舞台化するんだろう!?と興味が沸きました。主人公がダークヒーローだというのも面白さの一つだと思います。このアクの強いキャラクターの成り上がり、堕ちていく姿があまりにも生々しくて…。門前市郎という人はすごく人間らしくて、自信家なんでしょうね。自分と照らし合わせた時に、僕はここまで我が強くないし、もっと気を遣って生きてるからなあ…と気後れしましたけど(笑)。でもだからこそ憧れるし、やってみたいな!と強く思いましたね。

倉持さんの舞台「家族の基礎」を拝見して、その面白さに、とても緻密な計算のもとにモノ作りをされる方なんだろうなと感じました。その時「すでに『上を下へのジレッタ』の舞台の世界観は見えている」とおっしゃっていたので、もうこの人について行こう!と。倉持さんの世界と手塚治虫さんの世界が交わって、どんな化学反応が起きるのか楽しみですし、僕にとっても挑戦の舞台です。まだ明確に何とは言えませんが、そこに向かって今も頑張っているので、新しい横山裕を見せられるんじゃないかなと。僕自身、期待を持って楽しく作品に身を委ねようと思っています。

脚本・演出/倉持裕コメント

今回の原作である「上を下へのジレッタ」に出会ったのは、もう三十年以上前、僕がまだ小学生の頃でした。作中の「ジレッタ」と呼ばれる荒唐無稽で少しエロティックな妄想世界にドキドキしたのを覚えています。その興奮と、「ジレッタ」を利用して成り上がろうと動き回る主人公・門前の魅力は、いつまでも頭から離れず、今の僕のドラマツルギーは確実にその影響を受けています。混沌から生まれる面白さへの興味、エンタメの主人公は常に能動的であれという信条などは、すべてこの「ジレッタ」からの影響だと思うのです。

巨大メディアのテレビがかつての勢いをなくし、ネットが世界を席巻する今、現実よりも妄想に耽ろうとする人間たちを描いたこの「ジレッタ」は、むしろ発表当時よりも批評性を増し、観客の目に生々しく映ることでしょう。主人公の門前を演じる横山裕さんには、目的達成のためには手段を選ばず猛進する野心家の顔と、プライドの高さゆえに傷つきやすい顔の両面を、楽しんで演じ分けてもらえたらと期待します。

【Not Sponsored 記事】

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