“人生で主役になれない”アイドル・bancessがずぶ濡れ＆涙 初デジタルEPアルバムMV公開

bancess初のデジタルEPアルバム「僕の中の君との恋の話」

bancessは、「人生において“主役になれない”脇役的存在 bad princess」をコンセプトとしておりYou-A（ゆうあ）、今泉若葉（いまいずみわかば）、レイリとメンバーは全員20代前半で構成されている3人組ユニット。

歌って踊る本来のアイドル姿とは異なり、歌や映像、セリフを組み合わせたストーリー仕立てのライブ演出や、届かない叶わない恋をした女性の心の中の気持ちを歌詞にした楽曲が特徴的。昨年9月には「第33回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2021 AUTUMN／WINTER」のオープニングアクトでファーストシングル「愛を信じた僕が馬鹿だった」を披露し注目を浴びた。

リード曲「僕の中の君との恋の話」は、「片想いをしている相手や元恋人、忘れられない人やテレビの中の好きな人、どんな形の恋心でも必ず存在する他人には言うまででもないけれど心の奥底にある独り言」というものをテーマに、音楽クリエイターの和田春氏と若葉とで作詞。届きそうで届かない一方通行な想いや喪失感、普段言えない独り言のようなリアルな歌詞が特徴だ。90年代を意識した少し懐かしさを感じるメロディアスなサウンドに乗ることで、「主役になれない脇役」な彼女たちの世界観をより一層深く伝える作品となっている。

bancess「僕の中の君との恋の話」MVで涙

今回グループで初となるMVも制作し、メンバーが演出も担当。歌詞の中にある切なさや儚さ、恋愛における色んな感情をメンバー3人の表情で表現した。冒頭のカメラを真っ直ぐ見つめながら泣くシーンでは、メンバーそれぞれが過去や歌詞の世界観に入り込みリアルな涙を流しながら撮影に挑んだ。

また、歌詞の世界観や心の叫びを表現するため、機材を使い実際に雨を降らせながらMVを撮影。ラストスパートにかけ雨でずぶ濡れになりながらも歌い続ける彼女たちの表情も見どころだ。（modelpress編集部）

bancessインタビュー

― 今回MVにもなったメインの楽曲「僕の中の君との恋の話」はどのような曲ですか？歌詞にどのような気持ちでどのようなエピソードをもとに書いたかも含めて教えてください。

若葉：「僕の中の君との恋の話」はプロデューサーである和田春さんとの初めての共作で、和田さんが1コーラス目を作り、それを元に私が2コーラス目を考えるという形で作詞をしました。最初送られてきて目を通した時に、あ、これまんま私が描きたい世界観だ！と思い、早く続きをかきたいとワクワクしたのが第一印象です。

この曲は、片想いをしている相手やお別れしてしまった元恋人、忘れられない人やテレビの中の好きな人、どんな形の恋心でも必ず存在してくる他人には言うまででもないけれど心の奥底にある独り言というものをテーマにして私は歌詞を受け継ぎました。自分自身が過去に経験した気持ちと私が勝手に作り上げた世界で存在する気持ちと半分半分です。“届きそうで届かない”きっと恋をすれば誰もがその中でお相手の方と明るい未来を期待して、期待をしすぎた結果、後に傷ついて落ち込むという経験を一度はしたことがあるのではないかなと思います。その“届きそうで届かない”焦れったさや虚しさ、そんな心の奥にこっそり、でも大きく存在するマイナスな感情達に共感して頂けるような曲になっているのではないかなと思います。

― メンバーが自己プロデュースで演出を決めると伺いましたが、MVの見どころやこだわりポイント（制作に苦労した点）を教えてください。

You-A：歌っている時の表情を私達自身常に大切にするようにしています。MVにも顔アップのカットが多く、表情が見えるように作って頂いているので、是非注目して頂きたいです。あとは私達が結成当初から言っていた、MVを撮るならずぶ濡れ撮影をしたい！という1つの夢を叶えて頂きました。曲が進むのと同時に私達も濡れていくのでその濡れ具合も観て頂きたいです。

若葉：僕の中の君との恋の話のMVは表情が一番の見どころかなと思うのですが、曲が終わりに近づくにつれてどんどん3人の表情がそれぞれ持ち合わせた感情によって深くなっていく過程に是非注目して頂きたいです。

レイリ：今回のMVはストーリー性より表情をメインに撮影しました。歌詞の中にもある切なさや儚さ、恋愛における色んな感情を表現し、ラストにかけてより感情的になっていく3人の表情が見どころポイントです。特にサビの雨でずぶ濡れになっているシーンでは心の叫びのようなものを表現しているので注目して頂きたいです。皆さん自身の恋愛において生じる沢山の感情がこのMVで体現する事ができたら嬉しいです。

― 今回のMVのなかで3人が雨でずぶ濡れになりながら歌うシーンが印象的でした。雨のシーンを絶対に入れたかったと伺いましたが、なぜ入れたかったんですか？

You-A：ずぶ濡れの撮影を体験してみたいという話を結成当初から3人でしていて、とにかく濡れたい願望があったんです。シャワーだったり、川や海に入ったり、ずぶ濡れになれる方法は他にもあったのですが、現実に近いリアルな世界観をMVで伝えたかったので、一番この曲でリアルが伝わりやすいのが雨だと思い、雨のシーンを入れたいとお願いしました。撮影も沢山の方に協力して頂いてとても大変だったのですが、それ以上に念願が叶って嬉しかったのと何より楽しかったので、またいつか機会があれば他の方法でずぶ濡れ撮影したいです（笑）。

― MVでは3人とも涙を流していました。リアルな涙だとお聞きしたのですが、何を思い浮かべて涙を流したんですか？

You-A：離れて暮らしている家族です。自分のやりたい事を家族みんなが全力で応援してくれて、好きなだけやってこいと東京へ送り出してくれた感謝の気持ちと、思い出、寂しさ、懺悔の念など、沢山の感情が涙になりました。

若葉：まずは歌詞の世界観に入り込むことを意識しました。私は自分で作詞したということもあり気持ちをネガティブに持っていきやすかったのかなと思います。そのどんよりしたネガティブ要素の中で家族のことを想ったら涙が流れました。

レイリ：私は、訳もなく「自分なんか、、」と思ってしまうことが多くあり、MVの撮影期間は丁度、気持ちが落ち込んでいるタイミングでした。撮影当日までに今回の曲と歌詞を沢山入れ込んで、自分の中にある悲観的な考えや感情を思い浮かべて撮影に挑みました。

― いままで一番泣いたエピソードを教えてください。

You-A：昔から涙腺が緩くよく泣いていたので、今まで生きてきた中での一番はわからないのですが、今年一番泣いたのは、2月に渋谷で路上ライブをした日に優里さんに声を掛けて頂いた時です。嬉しさのあまり号泣してしまい、興奮して鼻血を出したのが初めてで衝撃的すぎたのでとても思い出深いです（笑）。

若葉：私は静かに泣くタイプなので声を上げて泣くというのは物心付いてからはないのですがその中でも、うわ涙止まらないなと思ったのは動物系の映画やエピソードトークを見た時ですかね…「マリと子犬の物語」はものすごく泣いた記憶があります。動物系や命系に弱いです。

レイリ：私は自分の涙をコントロールできなくて泣いてしまう事が多いのですが、一番泣いていたのは中学生の頃に、自分自身の将来について考えている時期です。小さい時から歌やダンスを習っていた事や姉がミュージカル女優を目指していたのもあり、私も歌手になりたいとぼんやりとした夢がありました。将来について母と毎日のように話して、歌手として売れる事は簡単ではないし生活していくのは大変だと、私の意思確認としてずっと言われていました。その頃は世の中を全く知らなかったので「私の人生お先真っ暗じゃん」という絶望感で辛かった記憶があります。

― この曲をどんな人にどんな時に聞いてほしいですか？

レイリ：日々の生活の中で、場所や景色、香りなどをきっかけに誰かをふと思い出す瞬間、懐かしく思う瞬間がきっとあると思います。恋愛模様は人によって様々だと思いますが、自分の中にだけどうしても忘れられずにいる特別な誰かを思い出してしまった時に、どうしようもできない、どこにもぶつけられない感情や想いは、このアルバムのどれか一曲にきっと当てはまるはずです。あなたにあったその曲を聴いて、その人だけを想う事ができたら嬉しいです。

― ファンの方々に向けて、初アルバムリリースへの想いとPRコメントをお願いします。

You-A：若葉が作詞をしてくれて、メンバーみんなで歌詞を落とし込んだり、みんなで大切に歌ってきた曲をやっと皆様に届けられることがとっても嬉しいです。今改めて結成当初にレコーディングした曲を聴くと、今ならもっと歌えるのに、と思う部分もありますが、それを含めこのアルバムの良さだと思うのでbancessの2年間の成長が感じられるこのアルバムを沢山の方に聴いて頂きたいです。bancessは沢山の方々に支えられて応援されて愛されて、今回初アルバムがリリース出来ることになりました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。皆様の力を貰ってばかりなので、これから皆様に貰った力以上に活動でお返し出来るよう頑張ります。

若葉：今回のアルバムでは、作詞というものを始めてから一番最初に作った曲も勿論入っているので、今までの私の成長過程等も見て頂けるのかなと思います。是非、歌詞を見ながら曲を聴いて頂いて皆様それぞれが感じ取ったモノを大切にしまって頂けたら嬉しいです。そしてbancessを結成してからすぐ収録した曲もあり、まだ歌声にあどけなさが見える曲もあるのではないかなと思うのでそちらも楽しみながらbancessの世界観に浸って頂けたら嬉しいです。

レイリ：2人と出会ってから今までの約2年間が詰まったアルバムです。bancessとして初めて歌った曲も入っており、アルバム全曲が活動してきた全ての瞬間を鮮明に思い出させてくれます。3人で夢見てきたことが少しずつ実現できている2年間で、それは沢山の方やいつも応援してくれているファンの皆さんがいるお陰です。今回アルバムリリースが決まり、今まで一緒に歩んできた大切な曲達が沢山の方に届き、誰かにとっての特別な曲になってくれたら嬉しいです。

― また、今後の目標も教えてください。

You-A：昨年のTGCのオープニングアクトに出演させて頂いてからずっと言い続けているTGCのメインステージに立つこと、そしてお客さんいっぱいの日本武道館で歌うことが今後の目標です。

若葉：もっともっと曲数を増やし歌唱力、表現力を磨きいつか日本武道館でbancessの世界観を大きく広げたライブをしたいです。

レイリ：次は、ドラマの主題歌をやりたいです。私自身、若葉が書く詞の言葉選び、情景を感じ取れる表現や世界観が好きなので、ドラマから書き下ろしたものを歌いたいです。そして、沢山の方にbancessの曲や存在を知ってもらい、ライブでは実際に聞いている方の心に響くような歌を歌い、いつかは大きな日本武道館のステージに3人で立つ事が目標です。