Mrs. GREEN APPLE、活動再開後初となるミニアルバム「Unity」への想い “純度を大切にしたかった”<インタビュー>
2022.07.07 18:00
約2年の休止期間を経て、今年3月に新体制で活動再開したバンド・Mrs. GREEN APPLEが、7月8日にミニアルバム「Unity」をリリース。“フェーズ2”を歩み出した3人に活動再開後の心境やアルバム制作エピソード、ファンへの想いを聞いた。
Mrs. GREEN APPLE フェーズ2開幕の反響
― 活動再開から3ヶ月経ちましたが、いかがですか?今の心境を教えてください。大森:走り出したら本当にあっという間でした。今年の春に復帰しようと話をしていたのは去年の夏ぐらい。そこからちょっとずつ準備していたんですが、時間はこんなにも早く過ぎていくんだと驚いています。
― フェーズ2開幕となった「ニュー・マイ・ノーマル」は再生数670万回突破(6月28日時点)。待ち望んでいたファンからも反響が大きかったと思います。
藤澤:みんなが「おかえり」って言ってくれてるのがすごく嬉しかったです。休止中に僕たちを知ってくれた方もいて、インスタにもたくさんの声を届けてくれたり。待っていてくれた方はもちろん、僕たちを最近知ってくれた方にもこれから楽しんでもらえるようにしていきたいなと思っています。
― かなりコメントも殺到しましたが、心に響いたものはありますか?
大森:「復活してくれてありがとう」は、一番シンプルに嬉しいですよね。
藤澤:そうだね。あと「待ってたよ!」とか。
若井:フェーズ2を楽しみにしてくれているコメントがたくさんあって。見るたびにパワーや元気をもらっています。
大森:休止中はファンからの言葉が直に届く場所がなかったので、インスタを開設した時には復帰したんだって実感しましたね。体制が変わっての活動再開でしたし、僕らも不安があったのが正直なところ。皆からの声でこれでよかったんだと思えたのは大きかったです。
体制の変化も「届けたい題材は何も変わってない」
― フェーズ2になって意識されていることはありますか?大森:個人的には変わったことはそんなにないですけど、頑張らなきゃいけないことが増えたかな(笑)。今までもちょっとはあったけど、ビジュアル面の表現はフェーズ2ならでは。急に髪の毛を伸ばして鮮やかになったり。変わらないことは各々の性格とか、音楽で大事にしていきたいコアな部分、届けたい題材は何も変わってない。音楽自体は何も変わってないです。
― 心が躍るような楽曲にミセスらしさを感じつつ、確かにビジュアルの変化には驚きました!どのような意図があったんですか?
大森:「ニュー・マイ・ノーマル」は、武装ではないけれど鮮やかに華やかにしていこうと話していて。“ポップな暴力”に挑戦しています。最初にそういうイメージを作ったまま今もその流れでいる感じです(笑)。
若井:僕は、フェーズ1期はずっと黒髪だったんですよ。フェーズ2に入って表現の幅が広がったのを実感しています。これからもっといろんな面を見せていきたいなと思いますね。
大森:作品によってビジュアルのコンセプトが異なるので、急に黒髪にもなるかもしれないです。
― 3人の絆が深まったと感じることはありますか?
若井:メンバーの関係性は変わらないですね。相変わらずメンバーと一緒に遊んだりとか。
大森:洋服を買いに行ったりとかね。ただ、前までは「この楽曲は…」「このライブは…」って逐一言葉にして、皆で擦り合せをしてたんですけど、もはやそんなことしなくても、「そうだよね」って割と言わずもがな。意識を共有できてる感じは以前より強いかもしれないです。
若井&藤澤:(深くうなずいて)そうかも。
ミニアルバム「Unity」が2年ぶりにリリース
― 丸2年ぶりとなるミニアルバム「Unity」は、どのような想いが込められていますか?大森:この2年間は、僕らは編成が変わったり、世間はコロナで情勢が変化したり、すごく大きな2年間でした。僕らのコアな部分はどこなのか何なのか、と深い部分まで掘り下げるきっかけにもなったし、その答えをアルバムに込めています。
― 結束、一つのものという意味の「Unity」。初めから決めていたんですか?
大森:いや、決まったのは曲が全部出そろった頃かな?「Part of me」という曲を最後に入れたんですけど、それを作ってるときに、「Unity」という言葉が出てきました。いつもは曲が出そろう前から、次のアルバムは「こういうタイトルでいこうと思うんだ」って僕が率先して話をしていたんですけど、今回は最後のほうで。今までと違った新鮮な気持ちで作ることができたアルバムだと思います。
― 結束も深まり、まさに今のミセスが詰まっているんですね。久しぶりのアルバム制作はいかがでしたか?
大森:「ニュー・マイ・ノーマル」で、ギターソロとキーボードソロがあるんですけど、それを2人に是非作って欲しいって話をして。そこから2人でずっとファイルのやり取りをしてたよね。
若井:普段は、作詞作曲アレンジも全部大森がやっているんですが、今回はソロパートを自分たちに任せてもらうことに。2年ぶりだったから次々とアイデアが浮かんで、お互い送っては送り返して…。
藤澤:若井がこう来るなら、藤澤はこう来るし、レコーディング前日までずっとやりあってました。おかげで、すごくいい感じのソロの掛け合いができたと思います。
― 前日まで!どのようにまとめていったんですか?
藤澤:2人で作った音源を全部大森に送って。
若井:全パターン(笑)。
大森:1個にまとめてよっていう(笑)。これとかこれがいいんじゃないっていう話をしてまとまっていった感じですね。
― では、思い入れのある1曲を上げるとしたら?
藤澤:僕は最後の「Part of me」。たぶん皆そうじゃないかな。大森はいつも作詞作曲するとき、歌詞も音源も一緒に作って、そこまで時間をかけずにデモ作りするんです。この「Part of me」だけは、歌詞を書くところ、音を並べるところから、今まで見たことないくらいに時間をかけていて。大森が言うには、「一語一句、そのままの純度を大切にしたかった」と。「Unity」の一番最後の曲ですし、嘘偽りなくありのまま、今のミセスを届けたいってことですごく思い入れも強くなっていったと思います。
大森:時間かけてたね。…予定していたレコーディングスケジュールを飛ばしました。今まではお利口さんだったので、初めてのリスケ。(藤澤)涼ちゃんが言った通りだけど、やっぱり2年ぶりのフィジカルリリースで、しかも最後の一曲。ビジュアルも変わってるし編成も変わってるし、「なんか変わっちゃったね」っていう風に思うファンは絶対いると思うんです。僕らも順応していくので精一杯なところもあるから、だからこそ曲は綺麗事だけではなくて、何にも装飾されてない一番コアな部分っていうのを書かなければいけないと思い、時間をかけてしまいました。
藤澤:メンバー的にもすごく心配だった部分でもありましたね。でもそうやって歌詞に時間をかければかけるほど、プレイヤーとしてもいい緊張感につながって。言葉に沿った音、自分のピアノを1個1個大切に弾かなきゃいけないんだなっていうのは、他のどの曲よりも一番感じました。
大森:作ってみて「良かった」っていうよりかは、もうこれしか作れないっていう感じのほうが近いですかね。出し尽くした感じです。
― 「Unity」のキービジュアルは2つあるんですよね。がらりと違う雰囲気ですが、世界観やファッションはどのように決めていったのですか?
大森:アーティスト写真やコンセプト写真って、普通は一枚が多いと思うんですけど、一枚で説明しきれないよねって話になったんです。だったら全く異なる世界を表現したくて、ファッショナブルな方とコンセプトに振り切った二軸になりました。幻想的でファンタジックな淡い雰囲気の感じと、可愛げのあるポップな色合いでシックな感じにしたいんだよねっていう話をして、出来上がりました。
― 記念すべきデビュー記念日である7月8日には、一夜限りのアリーナライブを開催。久しぶりのライブですが、どんな1日にしたいですか?
若井:ライブ自体は2年半ぶり、ファンの皆とちゃんと顔を合わせるのは本当に久しぶりなので、まずは「ありがとう」と「ただいま」という気持ちを全力で届けたいなって思います。
藤澤:フェーズ1の頃から好きでずっと応援してくれてる人もそうだし、休止期間の中でも知ってくれた人もいっぱいいるので、どのタイミングでミセスを知ってくれた人たちにも楽しんでもらえるようなライブをしたいです。
大森:緊張してるよね。衣装も、可愛い面白い感じにできたらいいなと思って準備しています。ライブに来られる方は、精いっぱい、体で僕らにエネルギー届けてほしいですね。
藤澤:一緒に楽しみましょう。
大森:これからもライブは続きますし、2年お待たせしてしまった分、これからいろんなことをしたいなと思っています。今回来れなかった方もぜひ諦めずに来ていただけたら!
ミセス流・不安&ネガティブな気持ちの向き合い方
― 読者の中には先の見えない不安や、壁にぶつかっている人も。3人は人生に立ちはだかる壁やネガティブな想いとどう向き合ってきましたか?藤澤:自分の良さを知ることで、前向きに動けることってあるはず。僕自身も休止期間の中で、トレーニングとか今までやったことないことにも挑戦して、つまずくこともありましたし、不安になることもあったんです。そんなときは、今を見つめ直してみる。自分のいいところを見つけ出せたら、ポジティブに一歩一歩進めるんじゃないかなって思います。
若井:自分は以前まで、先のことを考えて「どうしよう、このままじゃ全然ダメだしな…」ってぐるぐる考えてしまうタイプだったんです。でも、先のことを考えるよりも今やってることに対して全力でとにかくやってれば自ずと結果がついてくる。そういう考えになれたのは自分の中で大きかったですし、抜け出す糸口になると信じています。
大森:僕も若井が言ったことに近いですね。先は気にしなくてもいいのかなとかは思います。体を動かしてたら別ですけど、家にいてじっと何かを物憂げに考えていても、端から見たら何も進んでなくて。何かとりあえずアクションを起こしてみるっていうことが、先につながっていくことなのかなとは僕自身も思います。
― 日々の小さなネガティブな気持ちから抜け出すリフレッシュ方法は?
大森:絵を描くのが趣味なので、ばばーっと絵を描いたりします。抽象的なのも描きますし、それこそ新曲リリースのタイミングだったら、こういうイメージのジャケットやMVがいいなって描くのが多いかな。
藤澤:僕は走るのが好きなのでジョギングですね。軽く走るだけで体も頭もスカッとしますし、出発する前と帰ってきた後では、気持ちが切り替わっていることが多いです。僕は学生の頃は運動も全然で、身体動かすの苦手だなって思ったんですけど、やってみると意外と楽しかったので、体動かすのはオススメです。
若井:僕はお風呂に長く浸かることですね。動画を見たりする時もあるんですけど、何も持ち込まず本当にぼーっとして、お風呂から上がったら気持ちは切り替わってたり。入浴剤とかは入れずに、プレーンな状態で入ります。
大森&藤澤:プレーン(笑)。
大森:お風呂は、切り替えになるの?若井は泣くのはお風呂って決めてるんですよ。
若井:なんでそれを言う(笑)。
大森&藤澤:(笑)。
大森:あとは腐ったように寝る!それが一番ですね。
夢を叶える秘訣とは
― 最後に「夢を叶える秘訣」を教えてください。藤澤:まずは言葉にしていくことが大事なんじゃないかなと。僕は音楽の世界でやりたいと、子供の頃は言うのが恥ずかしかったんです。だけど思い切って口にしてみたら、もう体を動かすしかない。自分を奮い立たせるためにも、身近な人に伝えることが第一歩なのかなと思います。
若井:近道をしようとしないこと。僕はギターをやってるんですけど、ギターも基礎が大事で。一気にやろうとして基礎を疎かにすると後々苦しくなっちゃうので、遠回りに見えてもコツコツやることが大事かなと思います。
大森:なるべく明確なビジョンを持つことかな。漠然とじゃなくて、一個でも明確なビジョンに変えていく。ちゃんと自分の中で細分化ができてくると、夢っていうよりは“目標”に変わっていく気がします。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)[PR]提供元:ユニバーサルミュージック合同会社
撮影:堅田ひとみ
ミニアルバム「Unity」
1.ニュー・マイ・ノーマル2.ダンスホール ~フジテレビ系全国28局ネット『めざまし8』テーマ曲~
3.ブルーアンビエンス(feat. asmi) ABEMA『今日、好きになりました。』主題歌~
4.君を知らない
5.延々 ~ゲームアプリ『炎炎ノ消防隊 炎舞ノ章』テーマソング~
6.Part of me
【完全生産限定盤 CD+DVD+GOODS】
<BOX 仕様>
縦241mm 横 193mm 高さ 64mm ¥6,600(税込)
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【通常盤 CD】
¥1,980(税込)
本作は、フェーズ2開幕を告げるアンセムとなった「ニュー・マイ・ノーマル」、フジテレビ系全国28局ネット『めざまし8』テーマ曲の「ダンスホール」、そしてABEMA『今日、好きになりました。』主題歌の「ブルーアンビエンス(feat. asmi)」、さらにゲームアプリ『炎炎ノ消防隊炎舞ノ章』テーマソングの「延々」のほか、「君を知らない」、「Part of me」の全6曲を収録、ミニアルバムとは思えない濃厚な作品が完成した。“バラエティに富んだ”などという表現では到底足りない、活動再開へ至る喜びや苦悩、葛藤といったさまざまな想いが6つの結晶となり、ひとつの結合体=Unityへと昇華した。
本作がフェーズ2の序章、始まりの1枚となり、Mrs. GREEN APPLEのストーリーは新たなステージへと続いていく。