「THE FIRST FINAL」より(C)日本テレビ

BE:FIRST、苦楽を共にした仲間と再集結「THE FIRST」の軌跡を辿るプレミアムステージ<「THE FIRST FINAL」ライブレポ>

2022.02.03 18:00

SKY-HIが1億円を出資して開催したボーイズグループ発掘オーディション番組「THE FIRST」から誕生した7人組ボーイズグループ・BE:FIRST。感謝を込めたライブイベント「THE FIRST FINAL」が29日・30日に横浜ぴあアリーナMMにて開催された。

  

BE:FIRSTら再集結「THE FIRST FINAL」

「THE FIRST FINAL」より(C)日本テレビ
アーティストのSKY-HIがCEOとして辣腕を振るう、「アーティストやアイドルが<自分のまま>いられる空間」を作るために立ち上げた「BMSG」。そしてBMSGとSKY-HIが主体となって、「クリエイティブファースト、クオリティファースト、アーティシズムファースト」を主眼に置き、世界を目指すボーイズグループを生み出すために、2020年9月より行われたオーディション「THE FIRST -BMSG Audition 2021」。

そのオーディションとサバイバルの模様は、日本テレビ「スッキリ」やネット配信メディア「Hulu」を通して、「THE FIRST」として2021年4月から8月まで放送され、その合格者によってBE:FIRSTが誕生。プレデビュー曲「Shining One」に始まり、デビュー曲「Gifted.」のリリースや、立川ステージガーデンでのワンマンライブなど、その活動の幅と認知度は日々高まっている。また、残念ながらBE:FIRSTに選抜は叶わなかったオーディション参加者も、BMSGのトレーニー(育成生)として研鑽を積む者や、ソロアーティストとして抜擢された者なども登場し、このオーディションから登場した数々の才能が、日の目を見るようになっている。

そして、その「THE FIRST」という物語の決着となるイベント「THE FIRST FINAL」が行われた。その30日の夜公演をレポートする。

SKY-HIの登場で幕開け「THE FIRST」が紡いできたストーリーを追体験

「THE FIRST FINAL」より(C)日本テレビ
コロナ禍という状況を反映し、密を避けるためエリアごとに時間差での入場となったぴあアリーナMM。徐々に埋まっていく会場にはSKY-HIのライブ音源が流れ、ライブへの期待を高めていく。そして満員となった開場の客電が消えると、ステージ上の巨大モニターには「THE FIRST FINAL」という文字が浮かび上がり、続いてSKY-HIがオーディションの中で発してきた、プロジェクト立ち上げのきっかけや参加者やオーディションへの思い、そしてBMSGや音楽シーンへのメッセージ群がコラージュ的に映し出された。

そして映像が終わると、ステージにはSKY-HIが一人で登場。先にネタバラシのような形になってしまうが、この「THE FIRST FINAL」は、「THE FIRST」が紡いできた一つの物語を、再体験し、再確認し、再構築するといった構成となっていた。それはこのステージのオープニングが、SKY-HIの歌う「To The First」から始まったことからも気付かされる。このオーディションを自己資金を使って立ち上げたSKY-HI。前例のないプロジェクトゆえに、スタート当初には約一年半を経た先にぴあアリーナMMをフルハウスにすることなど見当もつかなかっただろう。その意味でも「To The First」をソロで歌う彼の姿には、このプロジェクトを始めた瞬間とその決意がオーバーラップし、これから始まる物語の序章を感じさせる。

そして「Let's get started!(さあ、始めよう!)」という言葉に続いて3次審査の課題曲でもあった「Mr.Psycho」を披露。「全て燃やすか/這いつくばるか」と歌われるように、成功の全く約束されていない、未知のプロジェクトを立ち上げ推進するには「Mr.Psycho」と呼ばれてしまうような精神力が必要だったことを感じさせられる。そしてこの曲にはSHUNTOとSOTAが参加し、ラストではこの日に登場する15人の「THE FIRST」出身者たちも登場。フォーメーションを組んでのダンスを見せ、「THE FIRST」チームの結束力の高さと、SKY-HIが始めた「THE FIRST」が、オーディションを通してこういった仲間を生み出したことをビジュアルとしても表現する。

「THE FIRST FINAL!こうやって集まって頂いて心から嬉しく思います」というSKY-HIからの言葉に続いて、この日登場するメンバーがSKY-HIから紹介される。改めて年齢もスタイルもバラバラなメンバーだと気付かされるが、「“こんなイケてるチームなんざ他にない”ぜ!」という言葉から「Snatchaway」へ。edhiii boiが曲のリードを取り、SHUNSUKEもマイクを握る構成となり、SKY-HIと共にトリオで歌う姿は、才能と努力に年齢は関係ないことを感じさせられる。

パフォーマンスで見せた成長と「オーディション参加者」から「パフォーマー」への進化

「THE FIRST FINAL」より(C)日本テレビ
SKY-HIがステージを降りると、ここからは「THE FIRST」の審査やチャレンジの一部をなぞる軸と、この日のオリジナルパフォーマンスが交互に披露される構成となる。まずは3次審査の課題曲となったDa-iCE「BACK TO BACK」をMANATO/SHUNSUKE/TAIKI/edhiii boiが披露。曲が終わると再びSKY-HIが登場し、JUNONと共に「ナナイロホリデー」をパフォーマンス。リードを取ったJUNONの柔らかなヴォーカルが印象に残る。

そして3次審査の課題曲だったw-inds.「Beautiful Now」をLEO/REIKO/JUNON/RAN/TENが歌い、続いては「F-3」をTEN/SOTA/SKY-HIが披露。もともとはSKY-HIのソロ曲であり、タイトなラップが印象的な曲だが、3人で歌うことでユニゾンとダンスパフォーマンスの妙でも聴かせる曲となった。そして3次審査曲のラストはSKY-HI「Sexual Healing」をRUI/SOTA/RYUHEI/RYOKI/SHOTA/SHUNTOに加えて、SKY-HIも参加してパフォーマンス。3次審査曲パートは、スクリーンに映し出されたオーディション時の映像も含めて、全体としてオーディション時から現在までの成長や、「オーディション参加者」から「パフォーマー」への進化を感じさせる構成となっていた。

メンバーに贈られたSKY-HIのメッセージ「何回生まれ直しても君たちと出会いたい」

「THE FIRST FINAL」より(C)日本テレビ
続いては参加者を3チームに分け、同一のトラックに対して歌詞とメロディ、ダンスを参加者たちが作り出すというクリエイティブ審査が行われた合宿審査のパートへ移行。そのトップはチームC(SHUNTO/SHOTA/REIKO/RUI/TAIKI)の歌う「YOLO」から始まり、チームB(RYOKI/RYUHEI/JUNON/RAN/SHUNSUKE)「Good Days」、そしてチームA(LEO/SOTA/MANATO/TEN/NAOKI)の「“A”Life」へと展開し、曲の終わりでは、新型コロナウイルス感染症の影響で、残念ながら出演が叶わなかったNAOKIからのビデオコメントが流された。そのままビートが流れる中、SKY-HIからこの日の登場メンバーに対してそれぞれにメッセージが伝えられ、「君たち本当に最高だよ。何回生まれ直しても君たちと出会いたい」という言葉が贈られた。そして「俺はもう行くから、みんなの歌を聴かせてください」という言葉でSKY-HIがステージを降りると、SKY-HIからのバトンを受け取った参加者全員で「Kick Start」が歌い上げられた。

ステージが暗転し、スクリーンに合宿審査「疑似プロ審査」のオープニング映像が流れ、RYOKI/RAN/SHUNTO/TEN/SHOTA/RYUHEIによる「Move On」、LEO/SOTA/MANATO/JUNON/REIKO/RUIによる「Be Free」が連続して披露された。「Move On」の鈍く光る赤い照明に照らされた、ヒリヒリするようなパフォーマンスと音像、「Be Free」の青を基調にした明るい照明に軽やかなダンスとヴォーカルという対象性はオーディション時と変わらないのだが、そのカラーの違いやコントラストがより強く感じたられたのは、彼らのパフォーマンス精度がオーディションから飛躍的に成長しているからだろう。

最終審査の課題曲「Shining One」Team ShiningとTeam Oneの邂逅に沸き起こる拍手

ステージはいよいよ最終審査の段階へ到達。RYUHEI/SHUNTOによる「96black」は「addictive Art」を披露。シンプルなビートに歌とダンスで魅せるスキルが問われる曲を、お互いのパフォーマンスを相互作用させながら上り詰めるような達成感は、恐るべきティーンエイジャーだと改めて感じさせる。LEO/RYOKI/JUNONによる「Club JRL」は「Lonely Night」。重層的に構成されたメロディと旋律を3人が丁寧にハーモニーとして響かせ、大人っぽい色気をライブでも醸し出した。RANとREIKOによる「RanRei」が披露する「Just FUN’ky」は、相手のアクションにレスポンスするようなキャッチーなダンスの掛け合いや、軽やかなヴォーカルを、ディスコティックな明るい楽曲の中で共鳴させる。そしてSOTA/MANATO/SHOTAの「Show Minor Servage」の「No Cap Navy」は、ウィスパーなボーカルを聴かせるSHOTA、SOTAのタイトなラップ、MANATOの伸びやかな歌声と、それぞれの声のキャラクターがより明確になり、それが組み合った時の妙も印象的だった。

そして最終審査の映像が流れると、課題曲「Shining One」のイントロが流れる。そしてTeam Shining(SOTA/SHOTA/MANATO/JUNON/RYUHEI)が舞台左手に立ち1番を、Team One(RAN/SHUNTO/RAIKO/LEO/RYOKI)が舞台右手に立ち2番を歌い、サビで全員がステージ中央で邂逅した瞬間には、会場から大きな拍手が沸き起こった。そして曲が終わるとメンバーがそれぞれ握手や抱擁し、肩を組み、最後は円陣を組んで、彼らの運命を決したとも言っていい楽曲を歌い終え、ステージを後にした。

暗転したステージにピンスポットが灯り、ビートが流れると、RANが登場しコンテンポラリーなダンスをパフォーマンスする。そしてステージにはBMSGの所属第1弾アーティストであるNovel Coreが登場し、「THANKS, ALL MY TEARS」を披露。そのままedhiii boiとSOTAを迎え入れ、全員が1月18日生まれということから企画されて作られた「118」を披露。曲が終わり、ステージを後にしようとするedhiii boiを、ステージに登場したRUIとTAIKIが「もっと遊ぼうぜ!」と呼び止め、SKY-HIと共に「14th Syndrome」のパフォーマンスに移行。RUIのヴォーカル力と、edhiii boiとTAIKIのラップ力の高さには本当に驚かされる。そしてSKY-HIは受容のメッセージをメロウに歌う「me time」をSHOTAと共に歌い上げ、曲終わりには「Aile The Shota」というアーティスト名の入ったBMSGパーカーをSHOTAに手渡した。続いてはREIKOを迎え「One More Day」を披露し、REIKOのソウルフルな歌声がアリーナに響き渡った。

BE:FIRSTの圧倒的なステージ 新曲初パフォーマンス

再び舞台が暗転し、静まり返る会場。そして流れ出すビートに合わせて、舞台にはせり上がりからBE:FIRSTのメンバーがひとりずつ登場。これまでのステージでのカジュアルなコーディネートから一転、メンバーそれぞれスタイルは違うが、黒を貴重としたセットアップに着替え、ファッションからして「プロフェッショナルとしての矜持」を感じさせる。そして全員が登場すると、BE:FIRSTは彼らのメジャー・デビューである「Gifted.」からライブをスタートさせた。シンプルな音像に対して、ヴォーカルとダンスという「彼らの根本」を丁寧かつシンプルに表現し、根源的なスキルの高さと、それを努力によって磨かれていくさまをパフォーマンスとして表現する。

一方で1月31日より配信となった、作詞をSKY-HIとNovel CoreNOVEL COREが、トラックを当代きってのヒットメイカー:KMが制作したBE:FIRSTの新曲となる「Brave Generation」は、ロッキッシュで疾走感のあるサウンドと、それに伴ったアグレッシブなパフォーマンスで魅せ、「Gifted.」との対比も含め、彼らのポテンシャルの高さをリスナーに見せつけた。そしてラストは「Shining One」を歌い上げ、この日のBE:FIRSTのステージは完結した。

ラストは「To The First」をBMSGメンバーで熱唱

「THE FIRST FINAL」より(C)日本テレビ
この日のラストを飾る楽曲は「To The First」。冒頭のSKY-HIがソロで歌った「To The First」が「種」だとしたら、Novel Coreを除くBMSGメンバーで歌われたこの曲は“果実”だと言えるだろう。種が蒔かれ、オーディションという土壌の中で成長し、大きな果実が育ち、それらが音楽シーンを変えていく新しい一歩を踏み出す。そういった一つの物語の決着を、この日のライブと、ラスト楽曲となる「To The First」、そして曲の最後にメンバーが高く掲げた人差し指と、そこからの力強く握られた拳からは感じさせられた。

「あなたが目にした、これが『THE FIRST』でした。すべての出会いに、すべての才能に感謝してます」というSKY-HIの言葉に大きな拍手が起こり、メンバーも観客との別れを、そしてこのプロジェクトの完結を惜しむように会場に手を振る。そして全員で「THE FIRST」という有終の美を飾るにふさわしい掛け声をもって、ステージは幕を閉じた。(modelpress編集部)

「THE FIRST FINAL」より(C)日本テレビ
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