SKY-HI、武道館断り選んだ道…3000人の前で誓い 新たな試みも発表<ライブレポ・セットリスト>
2016.03.14 10:45
views
ラッパーのSKY-HI(AAA・日高光啓)が13日、東京ドームシティツアーホールで「SKY-HI HALL TOUR 2016 ~Ms. Libertyを探せ~」ツアーのファイナル公演を終えた。会場には約3000人のファンが集まり、ライブ終盤には新たなライブハウスツアーも発表された。
圧巻の演出で幕開け
大スクリーンに1月に発売したメジャーセカンドアルバム『カタルシス』のジャケットと同じ大都会の絵が映しだされる幻想的な演出で開幕。まるで空に浮かんだかのようにSKY-HIのシルエットが浮かび上がると、観客は圧巻の光景に息をのむ。徐々に幕が上がり、『フリージア ~Prologue~』が始まった瞬間、ホール中が痺れるような興奮に包まれた。「さあ始めようかTOKYO!君の人生をひっくり返しに来たぜ!」と序盤からパワフルなダンスナンバーを展開し、『トリックスター』『愛ブルーム』などノンストップで4曲を披露。迫力の生演奏で魅せるバックバンドと、SKY-HIと息ぴったりのSKY-HI DANCERSが“スーパーフライヤーズ”。その勢いに応える観衆が“フライヤーズ”。全員が一体となり序盤から瞬く間に会場はSKY-HIの世界そのものと化した。
ライブハウスさながらの熱気に
会場を隅々見渡し挨拶し、「次のツアーに繋がっていく大事な一日だと思うから、一緒に時代でも作るか!」と煽り。「何年か後に振り返った時に最高の一日だって言える日にしたいから一緒に最高の日にしよう!」と呼びかけた。様々なライブの楽しみ方があることを前置きしながら、「こっから先の数曲、君たちのこと存分に煽らせてもらおうと思う!君たちに甘えてみたくなったんだな」と予告すると、“Party Night Zone”と名付けられたパーティーチューンを集約したブロックに突入。『Limo』『Countdown』『Tumbler』などコール&レスポンスやタオルを振り回すハイテンションな楽曲の連続で完全にホールはライブハウスさながらの盛り上がりを見せた。
バンド&ダンサーと息のあったやり取り
ライブ中盤は、友人との別れを歌った『LUCE』で一転、会場を静まり返らせ、幻想的なスクリーンの演出で魅了したかと思うと、『Tyrant Island』と『F-3』のメドレーなどで一気にヒートアップさせ、底知れないワールドに巻き込んだSKY-HI。『Ms. Liberty』では、SKY-HI DANCERSが探偵姿の寸劇を繰り広げる演出の後、グレーのスーツに着替えたSKY-HIが登場。ツアーを象徴する同曲で後半戦の開幕を告げると、『VERY BERRY town Funk』で英出身DJ&シンガーソングライターのマーク・ロンソンのグラミー賞受賞を祝福し、曲の途中で固まってしまったダンサーとバンドメンバーにいたずらを仕掛けるという演出で笑いを誘った。
“誓いと感謝”のラストスパートへ
オールスタンディングの1階を始め、3階バルコニーの端の席まで熱気が止むことのないフロアにSKY-HI本人も「ここまで君たちが貪欲についてくれるとは思わなんだ!」と驚き。「その日一番盛り上がるパートをラストスパートと言うと思うんだ!」とラッパーらしくテンポよく宣言すると、いよいよライブは終盤を迎えた。バンドと観客を交互に煽り、フロアの熱が最高潮に高まったところで、『逆転ファンファーレ』『Seaside Bound』と続き、再び『フリージア ~Epilogue~』で締めくくるというストーリー性を感じさせる流れへ。「俺は俺であり続けることを約束しよう。全ての君に向き合い続けることを約束しよう」と誓いを立てた。
そして繊細、かつ壮大に「愛」を歌ったミッドバラード『アイリスライト』で歌声を響かせると、「東京、ありがとうございました。720個位ある感情をぐっと一言に集約したらその一言にまとまるな」と感謝を伝えた。
ライブツアーを発表
腰を下ろし、言葉を選びながら話し始めたSKY-HIは、知られざるエピソードで驚かせた。今回のツアーの開催が決定した当初、日本武道館でのコンサート依頼を断ったという。「動員は達成できるかもしれない、だけどそうやって今やったら意味が無いとは言わないけどゴールになっちゃうなと思った。ビックマウスと捉えてくれても構わない。だけれど10年後から見た時にその日本武道館公演があくまでも通過点に見えるためのものでなければやる意味が無いと思ったから、俺が俺であるために今回はホールツアーを回ろうって決めたんだ」
それから昨年のツアーで回れなかった青森、秋田などの地名を上げ、今年の夏から秋にかけて、さらに全国を細かく回るライブハウスツアーをやることを発表。箱を広くしていくのではなく、あえて逆をいくという選択の理由はどこにいるファンにも平等に会いに行きたいという思いから。「曲もぶっちゃけめっちゃたくさん作った」と明かし、喜ばせると「俺はこだわる、何人の人に俺の音楽が届いたか」と熱い音楽への魂の叫びで再び観客の胸を熱くした。
“別れ”の曲でラストメッセージ
そして5月11日にリリースする新曲のバラード『クロノグラフ』を「別れは寂しい、哀しい、だからこそ、それを愛してあげる歌を作りたいなって思ったんだ。だから今から聴いてもらう『クロノグラフ』は別れを愛する歌になってます」と披露。『カミツレベルベット』では、最前列のファンにサービス精神旺盛にアイコンタクトを取りながら、生中継中のニコニコ生放送の視聴者にも声をかけ続け、「また次に会う時までずっと幸せなんてことなくて、辛いことも積み重なると思う。また会ったらさ、全部ひっくり返してやるからそれまで生きてろよ!」と叫びステージを立ち去った。パフォーマンスだけでなく、ファンの心に突き刺さる直球の言葉を全力で届けたSKY-HI。ステージに酔いしれた観客はしばらく余韻に浸っていた。(modelpress編集部)
セットリスト
01.フリージア ~Prologue~02.トリックスター
03.ONE BY ONE
04.愛ブルーム
05.スマイルドロップ
06.Limo
07.Countdown
08.マインドコントロール
09.TOKYO SPOTLIGHT
10.Tumbler
11.LUCE
12.Young, Gifted and Yellow
13.As a Sugar
14.Tyrant Island / F-3
15.Enter the Dungeon
16.RULE
17.Dance Part / Sentence
18.Ms. Liberty
19.VERY BERRY town Funk
20.朝が来るまで
21.Blanket
22.逆転ファンファーレ
23.Seaside Bound
24.フリージア ~Epilogue~
25.アイリスライト
26.クロノグラフ
27.カミツレベルベット
28.またね
【Not Sponsored 記事】