三代目JSB登坂広臣×音楽プロデューサーSTY、「R.Y.U.S.E.I.」の裏側をすべて語る―初対談で見えた“想い”「本当にチャレンジ」【対談前編】/(左より)STY、登坂広臣【モデルプレス】

三代目JSB登坂広臣×音楽プロデューサーSTY、「R.Y.U.S.E.I.」の裏側をすべて語る―初対談で見えた“想い”「本当にチャレンジ」【対談前編】

2014.12.26 20:00

7人組ボーカル&ダンスグループ・三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBEが、今年6月に発売した「R.Y.U.S.E.I.」で「第56回 輝く!日本レコード大賞」優秀作品賞を受賞した。彼らにとって2012年「花火」以来、2度目の大賞候補にノミネート。モデルプレスでは今回、三代目J Soul Brothersのボーカル・登坂広臣(27)と「R.Y.U.S.E.I.」の作詞・作曲・プロデュースを担当した音楽プロデューサー・STY(エス・ティー・ワイ)に対談インタビューを実施し、同作の制作をはじめ、これまで語られてこなかった数々のエピソードを明かしてもらった。

  

三代目JSB、「R.Y.U.S.E.I」で2014年の顔になる

2014年、三代目J Soul Brothersは春夏秋冬をテーマに4枚のシングルをリリース。春「S.A.K.U.R.A.」、夏「R.Y.U.S.E.I.」、秋「C.O.S.M.O.S. ~秋桜~」、冬「O.R.I.O.N.」を発表し、そのうち「S.A.K.U.R.A.」「R.Y.U.S.E.I.」「O.R.I.O.N.」の3曲をSTYが手がけた。

今回レコード大賞にノミネートされた「R.Y.U.S.E.I.」は、疾走感溢れるサウンドとキャッチーな歌詞で今年の音楽シーンを大いに盛り上げた。曲中にメンバー全員で披露する“ランニングマン”も話題となり、YouTubeで公開されたミュージックビデオの再生回数も2014年動画ランキングの8位にランクインした。

三代目J Soul Brothersメンバーは、EXILEを兼任するNAOTO、NAOKIにパフォーマーのELLY、山下健二郎、4月に行われたEXILE新メンバーオーディションにも合格した岩田剛典、そして「VOCAL BATTLE AUDITION 2」出身のボーカリスト今市隆二、登坂広臣の7人。2010年11月、「Best Friend's Girl」で鮮烈なデビューを果たしてから4年…STYとタッグを組んだ最新曲「O.R.I.O.N.」(12月10日発売)の初週売上が、デビュー以来最高を記録するなど、その勢いは増すばかり。今“熱狂”の最中にいる彼らは何を想うのか?

【後編】三代目JSB登坂広臣×音楽プロデューサーSTY ブレイクの2014年を振り返る - モデルプレス

「Best Friend's Girl」「花火」でできたバラード街道を打ち破る――「R.Y.U.S.E.I.」で新たな挑戦

三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE(左より:岩田剛典、NAOTO、登坂広臣、小林直己、今市隆二、ELLY、山下健二郎)
― 今回、2度目のレコード大賞最優秀賞ノミネートされた三代目J Soul Brothers。「Best Friend's Girl」でデビューし、その後「花火」でレコード大賞を受賞――バラード曲を中心に大きな注目を浴びてきた彼らにとって、「R.Y.U.S.E.I.」は大きな挑戦だった。

登坂広臣:「レコード大賞」という名誉あるステージにまた立てるということで、すごく誇らしい気持ちです。それもSTYさんの作って下さった「R.Y.U.S.E.I.」でということが、とても嬉しいです。

STY:僕も嬉しいです。その半面、自分の作った曲がこんなに広く伝わっているということにびっくりしていて…。今の現状は全く想定していなかったんですよね。三代目さんは本当にスターですしミュージックビデオの再生回数もすごかったですけど、今まで曲を作っていてこんなことはなかったので。

登坂:僕自身も本当にありがたい反響をたくさんいただきました。「R.Y.U.S.E.I.」ってやっぱり自分たちにとって挑戦だったんですよ。今ではすごい多くの方に認知していただいて、僕らの代表曲にもなりましたけど、EDMのあの曲っていうの今の音楽シーンでは本当にチャレンジ。

STY:今、登坂くんも挑戦だって言ってくれたけど、「R.Y.U.S.E.I.」は僕にとっても少し実験的なところがある曲。J-POPの世界って「僕と君」みたいな二人称のストーリーで完結することが多いけど、この曲ではそこから一歩踏み込んで「僕ら、俺ら、仲間」をテーマに作ったんです。それは僕の中の三代目さんのイメージと通ずるものがあるというか。

登坂:そう!その歌詞がすごいんです、本当に。すご過ぎてエグいっす!自分でも歌詞を書いたりするんですけど、絶対出てこないですもん。

STY:えー嬉しいです。「R.Y.U.S.E.I.」を作るとき最初は、フワ~っとしたバラードとオーオーオーっていうノリのいいものを組み合わせて作っていたんです。でも、「三代目ってもっとヤンチャで縦ノリなイメージだな」と思って、作るのを途中で止めたんですよ。それで、僕がやってるASY(エイシィ)ってグループのために、作っていたのが「R.Y.U.S.E.I.」で、結果的に三代目さんに書こうと思っていた曲とテレコになったんです。で、三代目さんに合うように「R.Y.U.S.E.I.」を作り直したのが今の形です。

三代目J Soul Brothers「R.Y.U.S.E.I.」(2014年6月25日発売)
「R.Y.U.S.E.I.」候補となっていた「S.T.A.R.S.」が収録されたASY新アルバム「Repackage “#Zero_ASY” ~S.T.A.R.S.~」(2014年12月24日発売)
登坂:じゃあその元々僕らのために書いてくれていたものが、今は…?

STY:僕が歌っているんです(笑)。

登坂:すごいですね。連動してますね。

STY:そうなんです。「R.Y.U.S.E.I.」は本当に三代目さんのための歌詞。多分EXILEさんの歌詞だと「風になって遊ぶ」とかは書かないです。

登坂:何度も言いますけど、本当にすごいっすよ!メンバーの僕らが共感できる歌詞を書いて下さいますし、ボーカリストとしても、音のハマり具合であったり、譜割やリズムに乗った感じとか「マジか!こんなのどんな頭の中してんだ!エグ過ぎるだろ!」って(笑)。すご過ぎて、STYさんのデモを聞いて覚えようとしても中々覚えられないんですよ。歌詞カードと向き合って悩むのは、STYさんの曲ぐらいですね(笑)。レコーディングまでに「やべぇ!譜割が全然入らない!」って。

STY:とは言いつつも、すごくプロフェッショナルだから、登坂くんも今市くんもデモを聞き込んで来てくれますよね。世界観とか曲の理解度が高い状態でレコーディングが始まるから楽ですよ。

登坂:いやいや…レコーディングでも、細かいニュアンスとか「こうしたらもっといい」っていうのをその場で教えて下さるので、本当に毎回勉強させていただいています。

STY:「R.Y.U.S.E.I.」でも細かいところを話したよね。微調整しながら作っていく感じ。「この一文字だけにビブラートかけれます?」みたいな(笑)。

登坂:そうですね、細かいですよね。「ここの隙間にビブラート入れるんですか!?」って(笑)。

STY:0.2秒とか(笑)。

登坂:STYさんのレコーディングって本当に勉強になるんです。僕らがデビューしてすぐの頃から一緒にお仕事をさせていただいてますが、いい意味で皮を破ってくれたのはSTYさん。「R.Y.U.S.E.I.」も、メンバーで聞いた瞬間「ヤバイね!」ってなって、すぐパフォーマンスのイメージが湧いてステージでやりたいって気持になったんです。視聴会の段階でELLYが、「ここの音サビのところで、みんなで揃ってなにかやったら面白いよね」とかアイデアも。音入した後は、「ヤバいのできたね。こういうのやりたかったよね」って盛り上がりましたよ。みんな、ヒップホップやR&Bといったダンスミュージックが好きなので、「R.Y.U.S.E.I.」は本当に求めていたものだった。今回もまた、STYさんが殻をひとつ破ってくれたと思っています。

STY
STY
STY:初めて聞いた…そんな風に思ってくれてるなんて…。

登坂:本当にそうなんです!「今の大丈夫ですか?やり過ぎですよね」って思っていたことを、「いや全然。そういう感じの方が良いと思う」って言って引き出してくれる。正直、STYさんとやるまでは、僕らどこか守りに入っている気がしていたんです。振り切りもしないのに、安牌なところに行こうとするみたいな。でも、STYさんが作って下さる楽曲はそういう曲じゃない、もっと攻めて感情も出す曲。「やりすぎたかな?」と思っていても、「実はそれぐらいがちょうどいいんだよ」というのを教わった気がします。それは今でも活きていますね。

STY:それって割りと関わりだした初期の話?確か、スタジオで三代目さん同士で喋っているのを見て、「喋り声でこんなに声が出るのに、なんで歌のときは出ないの?」って思ったんだよね(笑)。喋っている時って、声のピッチや強弱で言葉の感情を表現するじゃないですか?それを歌でもやった方がよりリアルに響くと思うし、人の心に届くと思う。特にダンスミュージックだったら音の要素も多いから「やり過ぎなくらいやった方が(サウンドに負けないし)丁度いいんじゃない?」って言った記憶はありますね。

登坂:「もっとカッコつけて!」って言われたりとか。

STY:そうそう!言った言った!今市くんは譜面に大きな文字で「ヤンキー」って書いたり(笑)。

登坂:「もっと不良っぽく、ヤンキーっぽく歌ってみて」とか言われると、ニュアンスが出しやすい。「じゃあこうかな?」と思ってやってみて「今のやりすぎじゃないですか?」って聞いてみると、「全然そんなことないよ」って言ってくれる。そうやって一枚一枚皮がめくれていったような気がしますね。

三代目JSB登坂、今市の“ボーカリスト”としての魅力

登坂広臣
ランニングマンを披露する三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE/「Samantha Thavasa Special Party in TOKYO」
― 三代目J Soul BrothersとSTYの初タッグは、1stアルバム「J Soul Brothers」(2011年)に収録された「1st Place」。今ではライブの鉄板曲となった同曲だが、彼らにとってはデビュー後初のアップテンポナンバーだった。

STY:一番最初は「1st Place」だから、3年以上前か…早いですね。

登坂:そうですね。あの頃はわけもわからずでした。アップテンポなナンバーはデビューして初めてでしたから。STYさんにディレクションしていただくってだけで、ガチガチに緊張してレコーディングにいきました(笑)。

STY:よく覚えてます、それ(笑)。

登坂:「もうできねぇ!」みたいな。

STY:なんかもう呆然って感じだった。

登坂:本当に大変でした…。

STY:でも僕はすごく楽しかったですよ。アーティストさんと、デビュー間もない頃からお付き合いさせていただく機会はあまりないことなので。「1st Place」のときに苦戦したことが、次はもう簡単にできるようになっていたりとか。表現者としての成長が間近で見られて、僕は嬉しいし素晴らしいなと思っています。登坂くんも今市くんも本当に真面目だから、歌に対して真摯に向き合っているなと思いますね。どっちも諦めないし、向上心がある。

登坂:諦めの悪い2人(笑)。

三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE/「Samantha Thavasa Special Party in TOKYO」
STY
STY:自分の中にちゃんとハードルを設定していて、そこを越えるまで止めないみたいなイメージ。レコーディングしていても、僕的に良いテイクが取れたときは「めっちゃ良いの取れた!」っていう感じなんですけど、2人は「マジっすか?」って弱気に返ってくる(笑)。

登坂:そうかもしれないです。

STY:歌い手さんとして気持ち良いポイントと、聞き手が良いと思うポイントって違ったりするから、そこはもっと信じてもらいたいんですけど(笑)。

登坂:はい(笑)。でも、歌い手と聞き手の両方の視点から指示をくれるのでありがたいです。例えばOKテイクが取れていても、僕が納得いっていないと何回もやらせてくれたりとか。それにSTYさんは、歌い分けも大体決めてくれていますし、僕ら2人の特徴も分かってくれてる。

STY:2人の良い響きのレンジ(音域)が違うから、そこを活かしたいなと思っています。僕、いつも登坂くんにはすごい高いところを振っちゃうんです(笑)。ファルセットがすごく綺麗だから、やっぱり高音を歌ってほしくなる。登坂くんと今市くんって、お互いがお互いを補完する良いレンジを持っているので、パート割の段階ではその良いところを配置してるんですよ。

登坂:今年は「S.A.K.U.R.A.」「R.Y.U.S.E.I.」「O.R.I.O.N.」と作って下さって、どれもいい高音具合を(笑)。

STY:高いですよね。すみません(笑)。

登坂:いや、いいんです!高いキーのいわゆる見せ場のようなパートがくると、「めっちゃ大変だな」とは思いつつも、「すげぇおいしいな」と思っている自分もいるので(笑)。

STY:確かにそれは考えますね。ボーカリストさんが2人いるから、カメラ割りとか良い表情で歌えそうなところはバランス良く配置します。あと今回「R.Y.U.S.E.I.」があったから、次の「O.R.I.O.N.」もちょっとだけまた難易度が高くなっていて、できること増えていってるなって。それが、本当にいいですよね。

登坂:どんどんキーが上がっていってるんですよね…次が怖いです(笑)。

対談後半に続く。(modelpress編集部)

【後編】三代目JSB登坂広臣×音楽プロデューサーSTY ブレイクの2014年を振り返る - モデルプレス

■三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE
メンバーは、EXILEを兼任するNAOTO、NAOKIにパフォーマーのELLY、山下健二郎、4月に行われたEXILE新メンバーオーディションにも合格した岩田剛典、そして「VOCAL BATTLE AUDITION 2」出身のボーカリスト今市隆二、登坂広臣の7人。2010年11月、「Best Friend's Girl」でデビュー。2012年、「花火」で「第54回日本レコード大賞」優秀作品賞を受賞。同年、「NHK紅白歌合戦」に初出場を果たした。2014年には「R.Y.U.S.E.I.」で2度目の日本レコード大賞優秀作品賞を受賞。また、3年連続3度目の「NHK紅白歌合戦」出場が決定している。

■登坂広臣
1987年3月12日生まれ、東京都出身。2010年に行われた「EXILE Presents VOCAL BATTLE AUDITION 2 ~夢を持った若者たちへ~」で約3万人の応募からオーディションで合格。個人活動としては、2014年9月に終了した「テラスハウス」(フジテレビ系)でMCを務めたほか、「ホットロード」春山洋志役で映画初出演、俳優デビューを果たした。

■STY
EXILE や少女時代といったアジアを代表するアーティストのヒット曲を手掛ける音楽プロデューサー。自身が作詞・作曲・プロデュースを手がけた三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBEの「R.Y.U.S.E.I.」が「第56回 輝く!日本レコード大賞」優秀作品賞を受賞。また、「ASY(エイシィ)」の名義でアーティスト活動も行っている。2014年12月24日には、新アルバム「Repackage “#Zero_ASY” ~S.T.A.R.S.~」を発表した。
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