LE SSERAFIM「CRAZY」で挑戦した“ヴォーギング”の意味 パリ五輪開会式でも表現された“抑圧からの解放”
2024.09.01 11:55
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5人組ガールグループ・LE SSERAFIM(ルセラフィム)が8月30日、4th Mini Album『CRAZY』をリリース。タイトル曲「CRAZY」では、本格的な“ヴォーギング”の振り付けにも挑戦し注目を集めている。
LE SSERAFIM、本格的なヴォーギングに挑戦
同日公開された「CRAZY」のミュージックビデオは、曲名にふさわしいクレイジーさを表現したユニークな演出が話題に。5人のメンバーは銭湯、水族館などでパフォーマンスを繰り広げ、頭からパラボラアンテナを被ったり、おでこから金魚が飛び出したりと、不可思議なシーンの連続で見るものを引き込んでいく。ミュージックビデオの後半には、アメリカの有名ヴォーギングダンスチームIconic House of Juicy Couture所属のダンサーたちが登場。メンバーとヴォーギングのパフォーマンスを繰り広げながらハイライトを飾る。メンバーは印象的な手の動きはもちろん、しゃがんだ状態で足を蹴り出しながら前進する“ダックウォーク”や、床に倒れこんで足を上げる“ディップ”など様々なヴォーギングの要素に挑戦。カムバックショーケースでも「音楽からパフォーマンスまで、これまでやったことのない新しいジャンルにチャレンジした」と意気込みを語った。
ヴォーギングの意味、起源とは?
最近K-POPでもトレンドの1つとなっているヴォーギングの起源は、LGBTQ+カルチャーだ。ヴォーギングは1970年頃、米ニューヨークのハーレムの「ボール・ルーム」と呼ばれたダンスシーンで誕生。この「ボール・ルーム」は、黒人・ラテン系の性的マイノリティが人種差別・同性愛差別から逃れ、ありのままの自分をアピールできるナイトクラブだった。
ヴォーギングという名前は、ファッション誌「VOGUE」の印象的なモデルポーズに由来。同性愛者たちがディスコミュージックに合わせ、モデルのように芸術的なポーズを決め、その美しさを競い合ったことから始まっている。
ポップミュージックにも影響を与えるヴォーギング
ヴォーギングは多くのポップアーティストにも影響を与えており、特にマドンナの「ヴォーグ」(1990)はヴォーギングの認知度と人気を高めた楽曲として知られている。韓国ではかつて“韓国のマドンナ”と呼ばれ、LE SSERAFIMとも親交のあるオム・ジョンファが、ヴォーギングを取り入れたパフォーマンスでヒット曲「Come 2 Me」を踊った。近年はCHUNG HA(チョンハ)、SOMI(ソミ)、MAMAMOO(ママム)のSolar(ソラ)など、女性ソロ歌手が次々に本格的なヴォーグパフォーマンスに挑戦している。特にSolarが5月にリリースした「Colors」は、実際にボール・ルームを再現したようなナイトクラブで、 ドラァグ衣装・メイクのダンサーたちと踊るパフォーマンスが、クィアカルチャーへのリスペクトとして好評を得た。
パリ五輪開会式でも見せ場に
同性愛者を公表している芸術監督トマ・ジョリーが演出を手掛けた、パリオリンピックの開会式でも、ヴォーグダンスは大きな見せ場となった。Netflixのリアリティ番組「ル・ポールのドラァグ・レース」に出演した人気ドラァグクイーンらが登場し、セーヌ川にかかるドゥビリ橋で多様性をテーマにしたショーを繰り広げた場面だ。あの開会式が多様性と共存を体現していたように、ヴォーギングは抑圧されたマイノリティーコミュニティーが生み出した解放のためのアートでもある。様々な受難に直面したLE SSERAFIMが「CRAZY」の活動を通してどのような姿を見せていくのか注目が集まっている。(modelpress編集部)
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