「変なヤツがいる」と言われ続けて―“韓国で最も有名な日本人”KangNamはなぜウケたのか?処世術と“逆輸入”の展望
2016.10.13 17:09
「変なヤツがいる!」――どこへ行っても決まってそう言われたという少年は、29歳の今“韓国で最も有名な日本人”と呼ばれる人気者だ。韓国のバラエティ番組で姿を見ない日はない、彼の名は滑川康男(なめかわやすお)、またの名をKangNam(カンナム)。モデルプレスは映画『ハッピーログイン』(10月15日公開)宣伝大使就任のために多忙なスケジュールの合間を縫って日本に帰ってきた彼を直撃、その“フツウじゃない”生き様と展望に迫った。
目次
やりたいようにやっても許されるのはなぜ!?「間違ったことは言わないから(笑)」
明るいキャラクターを象徴するかのような金髪がトレードマーク。つい先日、韓国のバラエティ番組で過酷なジャングル生活を終えたばかりのKangNamは、勲章のごとく真っ黒に焼けた肌を見せて「24時間撮影ですよ?ずっとカメラが回ってる。めまいがするのにご飯もくれない!」とぼやくが、「でも韓国で視聴率トップの人気番組だから。頑張らないと。また11月にジャングル行ってきます(笑)」と先々まで予定の詰まった現状を嬉しそうに報告する。日本国籍を持つ日韓ハーフとして東京下町に生まれ、高校時代は南国ハワイへ。帰国し、日本でバンド活動を行ったあと、スカウトされ2011年に韓国でヒップホップグループの一員としてデビュー……と、ここに書き尽くせない異色の経歴を持つ。バラエティ番組に出演すると“4次元”と称される突飛な言動、飾らないキャラクターが「KangNamを見ると元気が出る」「隣近所のお兄さんみたい」と幅広い年齢層に支持され、2015年には8本のレギュラー番組、6本のCMに出演。そんなブレイク真っ只中、今年5月に日本でシングル「Ready to Fly」をリリース。いわゆる“逆輸入”のデビューを果たすことになった。
「韓国でバラエティに出るまでは大変でしたね。何をやってもダメだった。俺の周りの友達はみんな売れていくし、悲しさはありました」と少々しんみり振り返った次の瞬間、「どうやって立ち直ったかって?そりゃあ“酒の力”でしょ!(笑)」と言い放ち、その場の爆笑をかっさらう。KangNamのどんなところが韓国で“ウケた”のか――「『やりたいようにやれ』と言うスタッフを信じて、本当にやりたいようにやる。言える範囲のギリギリのところまで攻めて、隣にいる人やその場の空気を盛り上げるのが僕の役目だから」と自己分析。
韓国語は「話せるけど読めない」ため、「(収録で)他の出演者は台本を渡されるのに、僕にはない。『どうぞご勝手に』って感じで(笑)」。そのうえ「先輩にもガツンと言うタイプ」というから、時には怒られることもあるのでは…?と聞くとキッパリ「僕、間違ったことは言わないから。みんな納得してくれるの(笑)」――1ミリの迷いもない発言が気持ちよくて、むしろ好感。“なぜだか憎めないヤツ”という言葉がこんなにも似合う人がいただろうか。
「変なヤツがいる」はもちろん褒め言葉「フツウじゃないのは良いことだ」
韓国での独り暮らしに密着した番組で、道行く人々に話しかけまくり、異国の生活の不便を解決していく姿が印象的だった。「道を歩いてて気になる人がいたら、ナンパじゃないけど『何してんの?』って聞いちゃう。これって普通だと思ってたけど、東京で同じことしたら変なヤツだと思われた(笑)」。ここで冒頭の「変なヤツがいる!」だが、これも彼にとっては褒め言葉。「ハワイの高校時代、他の学校の人達から『変なヤツがいる』と噂された。帰国してからも同じで、韓国に行ったらなおさら!テレビ局の人たちの間で『あいつおかしいぞ!変なヤツがいるぞ!』と噂が広まって、それがきっかけで番組に出られるようになった(笑)。かっこいいヤツ、おもしろいヤツはいっぱいいるけど、変なヤツはあんまりいない。だからよかったのかな(笑)」。周囲の人を巻き込むには、何よりもまず自分をオープンにする――少々危なっかしくも感じられるが、それが彼なりの処世術で、今の活躍につながっている。
韓国でブレイクしてからも「また日本で活動したい」という思いが強かった。今回の映画『ハッピーログイン』宣伝大使就任についても「好きな俳優さんがいっぱい出ているのでやってみたいと思いました。日韓の架け橋になれたら」と意気込む。「やりたいようにやって、今仕事が入ってきていることはとても幸せなことでございます」としみじみ感謝。アメリカでコメディアン、ミュージシャン、俳優とマルチに活躍するジェイミー・フォックスがロールモデルといい「今、色々と準備をしていて、来年あたりにちょっと大きく音楽を出そうかなと思っています。ジャンルはロックとHIPHOPでかましていこうかなと。ドラマのオファーも何本か来ています。期待していてください!」と威勢よく宣言してくれた。
夢を叶える秘訣「まずはアドバイスをいっぱい受けて」
最後に、モデルプレス読者へ向けて“夢を叶える秘訣”をアドバイス。「今何が出来るのかを見極めて、1つずつこなしていくこと。やり方が大事だと思う。例えば歌手になりたいんだったら、歌の練習の仕方。モデルになりたいんだったら、ウォーキングの練習の仕方。その方法を間違えると大変なことになるから。まずは色々な先輩に聞いて、アドバイスをいっぱい受けてから選んだほうがいい。絶対サーチ(=Search)するんだ!
それと俺が思ったのは、芸能人はみんな頭がいい。例えばバラエティで共演したりすると、みんな自分のイメージを守りながら面白くしようとしているし。何事にも目標を決めて、そこに早くたどり着くためのやり方を選んでる。だからみんなも、頭良く進んで行きましょう。…僕?僕はこれからもこんな感じでいきますよ。あまり考えすぎちゃうとストレス溜まっちゃうからね(笑)」
KangNamがすごい【1】30kgのダイエットで起死回生のオーディション合格
「大学の時90kgあって、オーディションに落ちた。悔しいし、このままじゃ何も始まらないと思って30kg痩せた。その後、道を歩いていたら僕を落としたプロデューサーがいて、話かけると『あの時のお前か!痩せたね!』と驚かれた。次の日、そのプロデューサーから連絡が来て『お前の努力はすごい。入れ』とバンドでデビューすることが決定!結局、そのバンドではうまくいかなかったけど(笑)、努力をすれば必ずいいことが起きるんだって思った。人にアドバイスなんて言える立場じゃないけど、海外で活躍したい人たちには『諦めるな!諦めたら後悔しか残らないぞ』ということを伝えたい」KangNamがすごい【2】ペットの犬もテレビに引っ張りだこ!「僕はパワースポットだ」
「最近はプライベートの時間がなくて、家で犬と遊ぶことが唯一の幸せ(笑)。名前はカンブクちゃん。すっごい可愛い。韓国でテレビのオファーがすごいの!もう6個くらい番組に出ていて、もうちょっとしたら僕より仕事が多くなるかも(笑)。道を散歩してると、みんな僕より先にカンブクに気づくくらい。『あれ、カンブクちゃん!…あっ、KangNamさんだ!』って(笑)。ブクちゃんもそうだけど、なんか僕の周りの人たちがみんな人気になっていくの。僕の叔母さんたちもテレビに出て人気者になったし。売れなかったラッパーが、僕に会ってから売れるみたいなのもしょっちゅう。パワースポットなの。(両手を広げて)さあ、君もおいで!(笑)」
KangNamがすごい【3】今は彼女募集中…結婚はいつでもOK!
「映画『ハッピーログイン』は最近の韓国の恋愛事情がうまく描かれていると思う。チェ・ジウさんがSNSで恋をしようと努力しているんだけど、実際、僕のまわりにもそういう姉さん達が4人もいるんですよ。すごく共感ができるし、僕もこの映画を観て恋したくなっちゃった。今は恋してない。誰かいい人いないですか?(笑)恋人に求めることは…愛嬌。重要な時にセンスよく愛嬌を使える子が好き。例えば、喧嘩した時に愛嬌で丸くおさめようとするとか。俺から謝ることはあんまりないかな。だって悪いことしてないもん(笑)。結婚はもちろんしたい。できることなら今すぐにでも!でも今は相手がいないから、まずは彼女を見つけて、2年くらい付き合ってからかな」
(modelpress編集部)
映画『ハッピーログイン』
10月15日(土)より新宿バルト9、T・ジョイPRINCE品川ほかで限定公開監督:パク・ヒョンジン
出演:チェ・ジウ『連理の枝』ユ・アイン『ベテラン』カン・ハヌル『二十歳』イ・ミヨン『ある会社員』キム・ジュヒョク『ビューティー・インサイド』イ・ソム『愛のタリオ』
気難しく悪名高い売れっ子女性脚本家(イ・ミヨン)と人気絶頂天狗なやんちゃな韓流スター(ユ・アイン)。婚期を逃したお節介なシェフ(キム・ジュヒョク)と、詐欺に遭い家を失った独身アラフォーCA(チェ・ジウ)。女性と付き合ったことのない劣等感を持つ天才作曲家(カン・ハヌル)そして恋愛上級者でも仕事は初心者の新米ドラマプロデューサー(イ・ソム)。仕事はできるが、恋になると全く弱気で恋愛ベタな大人たちだが、口にはなかなか出せない想いをSNSで伝えることで段々と本当の恋に変わってくる。イマドキの恋愛を描きながらも、SNSの先にある本当に大切なものを教えてくれる。それぞれタイプの違うカップルたちに“あるある!”と必ず共感できる等身大の物語。
滑川康男(なめかわ やすお)プロフィール
国籍:日本 (生まれは東京・西葛西)生年月日:1987年3月23日
身長/体重:177cm/64kg
血液型:A型
趣味・特技:韓国語、英語、ピアノ、ドラム、スノーボード、サーフィン、バレーボール
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