【竹内涼真&町田啓太「10DANCE」インタビュー前編】「片時もお互いの存在を切り離したことはない」ダンスを通じて深く結ばれた絆と芝居の駆け引き
俳優の竹内涼真(たけうち・りょうま/32)と町田啓太(まちだ・けいた/35)が、甘く刺激的な男性同士の愛と、濃密なダンスの物語に挑んだNetflix映画『10DANCE』が、12月18日より世界配信される。
「片時もお互いの存在を切り離したことはない」―――長期間に渡る練習期間を経て、撮影本番まで、ダンスを通じて想いが伝わるようになるまで、深く、濃密に結ばれたという2人の絆に迫った。【インタビュー前編】
Netflix映画『10DANCE』
男性2人のダンスに懸ける情熱と闘志、苦悩、嫉妬、愛を描いた井上佐藤による漫画「10DANCE」(講談社「ヤングマガジン」連載)を実写化。タイトルの<10ダンス>とは、スタンダード5種目とラテン5種目、全10種目を踊るダンス競技で、主人公はスタンダードとラテンを極める2人のプロダンサー、鈴木信也(竹内)と杉木信也(町田)。生きてきた世界も、性格も何もかも異なり交わるはずのなかった2人の<信也>が、共に<10ダンス>の頂点を目指すことで、ぶつかりながらも強く惹かれ合っていく様子を、情熱的かつ丁寧に表現する。竹内涼真&町田啓太、オファー時お互いに感じた直感
― まずは、原作を読んだ感想とオファーを受けたときの心境を教えてください。町田:原作はお話をいただく前に好きで読んでいて面白いなと思っていました。ダンスシーンが生々しく描かれていることと、2人の関係性やダンサーたちの関係性もすごく面白くて情熱に溢れているから、映像化を聞いたときは「この熱量を映像化できるのかな?日本タイトルや世界タイトルを獲るダンサーを演じるのはハードルが高すぎるだろう、Netflixさん攻めすぎじゃない?」と思いました。
竹内:僕は競技ダンスのことをあまり知らないまま読んだのですが、知識がなくても熱量をすごく感じました。2人の関係の描き方が一番面白いし素敵だなと思ったので、もちろん乗り越えなくてはいけない部分はありながらも挑戦したいと思いました。最初はどちらを演じるかは決まっていなかったんですけど、僕は原作を読んで感覚でラテンダンサーの方だと思いました。
町田:僕も多分スタンダードだと思いましたね。
― 役柄とご自身が重なるところと重ならないところは?
竹内:それで言うと、僕はこの役を全部自分と繋げる作業をして演じているので、かけ離れている部分や重なる部分という分け方はしていないです。全部を自分と重ねて考えて、距離が埋まらないものは排除して。繋がるものだけを自分とリンクさせているので、自分と重ならない部分は思いつかないですね。
町田:僕もそうですね。キャラクターを上から見下ろしているのも嫌だし、下から見上げているのも嫌だし、キャラクターの一番の理解者であって、そのキャラクターになりたいので、「ちょっとこれは理解が追いつかない」ということがあったらわかるまで掘るし、別のアプローチをします。
竹内涼真&町田啓太、お互いに尊敬する部分とは
― お2人は8年ぶりの共演となりますが、今作での共演を経て印象が変わった部分はありますか?竹内:すごく仲良くなりました。信頼関係や絆が、今までにないくらい深まりました。
町田:本当に闘いだったからね。より深く関われたから嬉しかったです。
― 今まではお互いどういった印象を抱かれていましたか?
町田:最初は8年前ですが、今とそんなに変わらなくて、本当にお芝居が大好きで楽しもうとしている姿勢がすごくキラキラしていて、人として良いなと思っていました。今回一緒にやってみて、よりお芝居に対する熱量が高まっていたし、より素敵な役者だと思って、頼りがいもあるので一緒にできることが本当に嬉しかったです。
竹内:僕も本当に町田くんの誠実さや作品に対する几帳面さ、丁寧さに助けられています。僕は勢いで乗り切ってしまうところがあるんですけど、町田くんは勢いだけじゃなくて、丁寧に1個1個手応えみたいなものをエネルギーにして力強く上がっていくので、そういった部分をリスペクトしています。
竹内涼真「町田くんに集中していました」長い期間で築いた関係性
― 役作りをする上で特に一番大事にしてこだわった点を教えてください。町田:やっぱり一番大事なのは2人の関係性ですね。
竹内:一番欲しいものは何かということをちゃんとわかっていることだと思います。それがお互いにあるので、絶対に一時も相手から目を離さないという気持ちでした。
町田:あとは全てにおいて諦めないこと。発見していくこともそうだし、ダンスにもそう。本当に諦めたら終わっちゃうので。キャラクターを掘っていく作業もそうだし、ここ(竹内)との関係性を見つけていくのもそうですね。
竹内:ビジュアルやダンスの役作りについては、ありすぎるから一番に絞れなくて。
町田:全部一番にしたいよね。
竹内:ダンスに関してもそれを目指していました。ただ、原作を読んだときにこの2人の人間関係が面白いと思ったからこそ、ダンスで繋がるときも離れているときも、より相手に仕掛けて何を得るか、どういうエネルギーの交差をさせていくかということを大事にしていました。
― 演じていく中で2人の関係性ができていきましたか?
竹内:練習からずっと一緒にいたのでそこからですね。で、練習でお互いのタイミングが合わないと「大丈夫かな」と恋しくなる瞬間があって、準備期間を含めて全てに意味がありました。何をこだわったかと聞かれると多分3時間ぐらい話せるんですけど、本当に町田くんに集中していました。
町田:同じくです。
竹内涼真&町田啓太、日常的に助け合っていた練習期間と芝居の駆け引き
― 具体的に練習期間や撮影中に、お互いに救われたと思ったエピソードはありますか?竹内:ダンスは体調や疲れ具合でも変わるので、組んだときに「今日はこんな感じかな」と瞬間的に助け合うことを日常でずっとやっていました。
― 言葉を通じなくても分かり合うぐらいに。
竹内:最後は本当にそうだったと思います。もちろん「ここ、こうした方がいいかな?」という確認はあるんですけど、ずっと身体が触れたまま動くので、触れている感覚でその日のお互いを知るという毎日でした。
町田:そうだね。僕はラテンをたくさんサポートしてもらえたし、僕もスタンダードで力になれることがないか、お互いに交換し合いながらやれていたのが本当に良かったなと思います。あとはお芝居で言うと、最初の方、鈴木はとっても自由に思った通りにやるキャラクターで、これでもかというくらいに向かってきてくれたので、こっちも反応しやすかったですね。杉木にとって鈴木は想定できないキャラクターなので、想定外のことをしてきてくれるんですよ。それが面白くていろいろな駆け引きが生まれました。僕はどちらかというと能動的ではなくて受動的なキャラクターだったので、(竹内が)やってくれればくれるほど、僕もいろいろなことをプラスアルファでき、本当に助けられました。
竹内:延々とそうだったね。一緒のシーンじゃなくても片時もお互いの存在を切り離したことはないんじゃないかな。
町田:マウントを取るということではなくて、「こっちのフィールドに来いよ」と招いてこっちに来たと思ったら、今度は向こうのフィールドに行っちゃっているとか、お互いに招き入れて。最後はそれが合致して爆発したと思うんですが、その駆け引きが面白くて楽しかったです。
※お互いのダンスパートナー役を務めた土居志央梨&石井杏奈との秘話やダンスパートナーとしてのお互いへの想いも語ってもらったインタビュー後編に続く。
(modelpress編集部)
竹内涼真(たけうち・りょうま)プロフィール
1993年4月26日生まれ、東京都出身。2013年、女性ファッション誌の男性専属モデルオーディションでグランプリ受賞。翌年「仮面ライダードライブ」主演に抜擢される。以降、連続テレビ小説「ひよっこ」(17)、「過保護のカホコ」(17)、「陸王」(17)、「ブラックペアン」(18、24)、「テセウスの船」(20)、「君と世界が終わる日に」(21~24)、「六本木クラス」(22)、「龍が如く~Beyond the Game〜」(24/Amazon Prime Video)など多数の作品に出演。10月期TBS火曜ドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」(25)で夏帆とW主演。2026年は、1月より主演を務めるテレビ朝日系ドラマ「再会~Silent Truth〜」(毎週火曜よる9時~)が放送開始し、4月に主演ミュージカル「奇跡を呼ぶ男」の上演を控える。町田啓太(まちだ・けいた)プロフィール
1990年7月4日生まれ、群馬県出身。近年の主な出演作に、大河ドラマ「青天を衝け」(21)、連続ドラマW「フィクサー」(23)、Netflixシリーズ「幽☆遊☆白書」(23)、大河ドラマ「光る君へ」(24)、「失踪人捜索班 消えた真実」(25)、映画『チェリまほ THE MOVIE~30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい~』(22)、『ミステリと言う勿れ』(23)などがある。配信中のNetflixシリーズ「グラスハート」(25)に高岡尚役で出演。待機作にWOWOW連続ドラマW 池井戸潤スペシャル「かばん屋の相続」(12月27日放送)、Netflixシリーズ「九条の大罪」(2026年春 世界配信)がある衣装クレジット
<竹内涼真>ヘアメイク:佐藤友勝(Rond)
スタイリスト:徳永貴士
ジャケット¥319,000、ニット参考商品、パンツ ¥132,000、シューズ ¥198,000/全てFerragamo(フェラガモ・ジャパン)
【問い合わせ先】
フェラガモ・ジャパン
〒104-0061
東京都中央区銀座7-8-2
0120-202-170
<町田啓太>
ヘアメイク:Kohey
スタイリスト:石川英治
ジャケット¥206,800円、シャツ¥129,800、パンツ¥217,800、シューズ¥113,300/全てエンポリオアルマーニ
【問い合わせ先】
ジョルジオ アルマーニ ジャパン
03-6274-7070
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