“仮面ライダーヴァレン”日野友輔「変身」の2文字に感じた重み「1年間に何人しかいない」
ラマや映画、舞台などマルチに活躍する日野友輔。先日放送を終えたテレビ朝日『仮面ライダーガヴ』では仮面ライダーヴァレン役を務め、幅広い世代の人気を集めた彼に、子どもの頃の話や、芸能界に入ったきっかけ、さらに9月12日に発売する待望の1st写真集『hiSTORY 1』の制作秘話についてたっぷり話を聞いた。
日野友輔、幼少期・芸能界入りの理由とは
― 仮面ライダーヴァレン役で子どもたちのヒーローになった日野さんですが、ご自身の幼少期はどういうお子さんでしたか?日野:家の隣に公園があったんですが、明るいうちから暗くなるまでずっとサッカーをやってました。活発な方だったと思います。
― やはり、時間を忘れて打ち込むのがサッカーだったんですね。
日野:はい、肌も日焼けして真っ黒でした(笑)。
― そんなサッカー少年だった日野さんが芸能界に足を踏み入れることになったのは、なにか転機があったのでしょうか?
日野:中学生くらいまでは本気でプロのサッカー選手を目指していたのですが、その頃全国大会レベルの選手と争う機会があって、そこでどこか自分が“プロにはなれないな”と気づいてしまった瞬間があったんです。そこでそれでも諦めずにプロを目指すという選択肢もあったと思うのですが、心のどこかで無理だって分かってるのに、本気で打ち込むということが自分の中でどうしても納得できなかったんです。
夢を失って、じゃあこれからなにを目標にして、なにを生きがいにしていこうかな、と思っていたそんな時に、高校生活がはじまってすぐくらいだったのですが、叔母がテレビ好きで、僕のことを思って色々探してくれたみたいで、「東海地方出身の男の子でグループを作る」というニュースを教えてくれて“これだったらサッカーと両立してもできるんじゃない?”って言ってくれたんです。
― 叔母さまきっかけだったんですね。
日野:叔母はまず母を説得してくれたみたいで、了解をとって写真を送ったみたいです。両親としては学業とサッカー、というのがまず念頭にあったみたいなのですが、サッカーの代わりの、新しく打ち込めるかもしれない、そのうちのひとつ、くらいの感覚だったと思います。
― 叔母さまがとても上手にプレゼンされたんですね。
日野:そうですね(笑)。
日野友輔、芸能界での転機
― それで実際に、芸能界に入るわけですが、最初から楽しい、とか向いているな、という感覚になったのでしょうか?日野:これはみなさんそうだと思うんですけど、普通の学生生活をしていたら、日常的に歌を歌ったり、ダンスを踊ったりする事はないですよね。歌もダンスも経験のない、真っ黒なサッカー少年がレッスンを受けて、衣装を着せられて、すぐに名古屋にあるガイシホールで8000人の前でパフォーマンスをやるって、本当にすごい事で。必死についていくしかないところで、歌もダンスも頑張って覚えました。そんな中、ライブでお客様の反応を生で感じられるのはすごく楽しかったのですが、そのときはまだ、この仕事をずっとやっていくんだろうなというイメージは持てなかったです。
― その想いが変わったのはどういうタイミングだったんですか?
日野:コロナ禍がきっかけですね。そこでグループでの活動が難しくなり、個人の活動を行っていくところで、御縁があって舞台に出させていただいたんです。僕はもともと、自己肯定感が高いほうじゃなくて、”俺なんて“みたいに、すぐにネガティブなほうに思考が行きがちな人間だったんですが、舞台に出させていただいたことで、“役や作品を通せば、こんな自分でも人の心を動かすことができるんだ”と気づいて、役者に本気で打ち込もうと思ったんです。
― 舞台でのお芝居がきっかけだったんですね。これまで、様々な役に挑戦されて、色々な方々とコミュニケーションを取ってこられたと思いますが、一番印象に残っている言葉はありますか?
日野:色々あるのですが、一番は『仮面ライダーガヴ』の杉原輝昭監督ですね。杉原さんに言われたのは「自分が自分を信じないと、誰もついてこないよ」という言葉で、ハッとしました。それまでの自分は、謙虚でいるのが何よりも正解で、もちろん謙虚でいるのは今でも大事だと思っているんですけど、さっきお話したように、根っこの自己肯定感が高いほうじゃないので、謙虚でいるすぎるがあまり、自分に自信を失っていたんです。そんな中で、“いやいや僕なんて”っていうスタンスでいる自分が楽だったのもあります。
“自分はそのうちもっと売れて、もっとすごい役者になるんだ!”と公言するのって、周りからどう思われるんだろう、という気持ちがあったんですが、杉原さんに「自分がそうなれるって思ってないと、絶対に目標にはたどり着かない。俺は、お前が売れるところが見たい」と言ってくださったんです。自分をこんなにも見つめて、評価してくれる人がいるんだ、という嬉しさも込みで、そこからポジティブな思考に変わりました。
― たしかに、自分でハードルを上げるのは勇気がいりますから、楽な方に逃げがちですが、日野さんはそうしなかったんですね。
日野:本当であれば、頑張ってると言葉に残さず、みんなが見てないところで頑張って、きちんと結果を残すのがスマートだと思うんですけど、ひとつ言葉に残して、頑張っているのがバレるくらい頑張るのも必要なんだなと思いました。これは、人前で頑張るという意味ではなく、頑張るのは当たり前の話で、人より頑張ってやっと普通、周りから“日野は頑張り過ぎだから休みなよ”と言われてやっと頑張ってるという感覚なので、自分には厳しくやっているつもりではあります。
― 今、仮面ライダーのお話も出ましたが、日野さんにとって仮面ライダーはどういう存在ですか?
日野:やはりずっと憧れではありました。自分の中では子供の頃見ていたヒーローとして、の憧れだけではなく、役者として携わりたいコンテンツのひとつとして、もです。実際に選ばれて、1年間撮影させていただいて、俳優としても、人としても成長させていただきました。
基本は、お子さんが見るもの、なんですけど、最近は大人の方が見てもキャラクター、ストーリーともに、“子供番組って決めつけてもらったら困るよ”と言いたいくらい重厚な作品なので、幅広い世代の方に評価してもらえるのが本当に嬉しいです。
監督から言われて、印象に残っているのは、「変身」って多分、これからの俳優生活でも、仮面ライダー以外で言わないだろう、というのと、「変身」という2文字を言える役者は、1年間に何人しかいないんだ、ってことで、この「変身」のたった2文字にどれだけの重みが詰まっているか、という言葉です。改めてその重みを感じています。
日野友輔、写真集のこだわりは?
― 1st写真集『hiSTORY 1』、こちらも日野さんの魅力が存分に詰まった1冊だと思うのですが、どんな作品にしたいと思って撮影に望まれましたか?日野:やはり俳優、日野友輔としてのいろいろな面を知っていただきたいな、と思った時に、作品テイストにしてお芝居をしている瞬間を写真におさめてもらえたら、ビジュアルを楽しんでもらうだけではなく、ひとつの作品として楽しんでもらえるんじゃないかと考えました。
そこでまず、設定やストーリーを自分で考えて、現場でもカットをこだわって撮らせてもらって、かなり作り込んだ作品ができたんじゃないかと思っています。ここまでセルフプロデュースでやらせてもらう作品ははじめてなので、色々模索しながらではあったんですが、僕自身もこれまで色々舞台だったり、それこそ仮面ライダーをやらせていただいて、お芝居の幅が広がったと思っているので、そこがぎっしり詰まっていると思います。
― 『hiSTORY 1』では、様々な役を演じる日野さんが見られますが、設定などはどれくらい考えたんですか?
日野:ひとつの設定につき、B5の紙3、4枚くらいに流れをガーッと書いて、そこにあるいくつかの設定を、スタッフさんとじゃあここはこの流れで行きましょう、これはここを修正しましょう、というのを重ねて作り上げていきました。
実は仮面ライダーをやっている1年間、自分で「辛木田※ノート」というノートをつけていたんです。現場で言われたことや、感じたことをきちんと自分の中で消化できるように、そしてあとから見返せるように書いていたんですけど、ストーリーを考える時に、自分で思っている以上にそのノートに書いてきたこと、考えてきたことの積み重ねが生きているんじゃないかと思いました。
※辛木田絆斗(からきだ・はんと) /仮面ライダーヴァレン
― すごいですね!制作日誌じゃないですけど、公開して欲しい。
日野:ただ、手書きのものはパソコンに丁寧に打ち込む、とかじゃなくて、本当なぐり書きに近いものなんです(笑)。スタッフさんがパソコンに丁寧に打ち直したものを打ち合わせでは使用しました。
― そこまで想いが詰まっていると、お気に入りのカットは難しいと思うのですが、1枚選ぶとしたら…。
日野:やはり、刑事に扮した僕の爆破ですかね(笑)。
― (笑)。これはぜひ、買って見てほしいですね。
日野:この刑事編にかぎらず、カメラマンさん含め、スタッフのみなさんと意思疎通はできていて、ロケーションなどもばっちりだったんですけど、セリフはもちろんなくて、役としてのイメージは僕の頭の中にしかない。さらに自分で芝居の流れの中を撮ってほしいと言った手前、きちんとお芝居をしないといけないわけです。この人物像が浮かび上がってくるように意識してやっていました。自分の中でも挑戦的な部分もありました。
― 当たり前の感想になってしまって申し訳ないのですが、シチュエーションごとに別人のように表情が違う日野さんがいて、すごいなと感じました。先程、ストーリーもしっかりご自身で考えているとおっしゃっていたので、まさに役に入り込んでいたんだなと。
日野:演じた人物は、しっかり設定を考えました。刑事だったら、何歳で、普段はどういう性格で、今はこういう事件を追いかけていて、という感じで。自分の中で整合性が取れていないと、いいものにならないだろうな、と思っていたので、こだわったポイントです。
― この写真集に込めたメッセージはありますか?
日野:逆にメッセージしかない作品だなと自分では感じるんですけど、セリフがないからこそ、読者の方々が自由に想像できる余白もふんだんにあるので、例えば“自分はこの刑事はこんな人だと思う”とか、思い思いに想像して考えてくれたら嬉しいなと思います。
― 日野さんにひとつお聞きしたかったことがあって、あんなに打ち込んでいたサッカーをやっていた経験で、今に生きていることはありますか?
日野:あります!具体的には挨拶の大事さとか、たくさんあるんですけど、サッカーに限らず、僕は人との出会いに恵まれているな、と思います。その時その時に、様々なかたに教えていただいたり、学んで成長している。だから今でも、好きなことを仕事にできているので、辛いとか、しんどいとか思ったことがないんです。“明日朝早いな、大変だ”くらいは思うんですけど、裏を返せばそれって凄くありがたいことで。何より、僕のなかでキツイ、しんどいって言ったら、中学時代のサッカーの走り込み、あれに勝るしんどさはないですね(笑)。
― (笑)。日野さんがそう思われるくらい大変だったんですね。
日野:結構大変なことがあっても“走り込みにくらべたら…”って考えたら全然平気!って思えるくらいしんどかったです(笑)。
― その経験が今に生きているんですね(笑)。しかし、日野さんに芸能界を勧めた叔母さんは喜んでいるでしょうね。
日野:イベントをやると母と2人で来てくれます。いつか恩返しがしたいですね。
― いえいえ!今が十分恩返しですよ。
日野:いやいや、まだまだ……そういえば、叔母は相葉雅紀さんのファンで、母は三浦大知さんのファンなんです、いつか共演をしてサインをいただいて、それをプレゼントするのが恩返しですかね(笑)。
― (笑)。発売記念のイベントも行われますね。
日野:写真集をいつかは出せたらいいな、と思っていたので、僕自身感慨深いですし、普段応援してくださる方々に直接お礼を言えるチャンスでもありますし、地元の愛知でも行われるので、すごく楽しみです。
― 最後に、日野さんの今後の目標、野望についてお聞かせいただけますか?
日野:もちろん、もっとお芝居が上手になりたいとか、アカデミー賞を取りたいとか、そういう向上心は常に持っているのですが、どんなに良い作品に出ても、見る人がゼロだったら意味をなしてないし、逆にすごく多くの方に見ていただいても、そこで何も伝えられてなかったら俳優として情けない。結果を出し続けることで得られる、俳優としての期待と信頼、この人が出ているんだったら面白いだろうから見に行こう、と思われるような俳優になりたいです。
(modelpress編集部)
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