蒼井翔太&七海ひろき、奇跡のコラボ実現「15秒で泣いた」ソロ曲カバー秘話とは<「METEORA」インタビュー>
2025.08.27 15:00
声優、歌手、俳優とマルチに活動する蒼井翔太と七海ひろき。同じレーベルに所属しながら異なる表現スタイルでファンを魅了する2人がタッグを組み、8月27日にコラボミニアルバム「METEORA」をリリースした。
2人は2024年に開催された「KING SUPER LIVE 2024」(通称キンスパ)で、T.M.Revolutionと水樹奈々のコラボ楽曲「Preserved Roses」を歌唱し話題に。モデルプレスのインタビューでは、今回のアルバムの制作秘話、お互いのリスペクトする部分について、9月に開催するライブへの意気込み、夢を叶える秘訣などたっぷり語ってもらった。
コラボミニアルバム「METEORA」では、そんな2人の持ち味が凝縮された全5曲を収録。2人で歌唱するオリジナルの3曲はストーリー仕立てになっており、蒼井が植物も咲かない砂漠の星で1人で生きる「アオ」、七海が銀河の宇宙船に1人で取り残された「ウミ」を演じ、孤独な両者の出会いから物語が始まる様子が描かれる。
蒼井:そうです。キンスパの反響を受けてコラボが決まって嬉しいです!「Preserved Roses」を2人で歌ったのはやっぱり印象に残っていて、七海さんは元々CD音源で聴いていた声よりもさらにパワーが増していてすごかったんです。僕もより力強く歌おうと思えたし、相乗効果が生まれた気がしますね。歌唱パートは水樹奈々姉さんご本人から「2人ならもちろんパートは逆でやるんだよね?」と言っていただいて、あの振り分けになりました(笑)。
七海:まず2人で歌わせてもらえて嬉しかったし、2人で出ていった時の歓声、パートが想像の逆だと分かった時の歓声と、ファンの方の歓声の大きさにも段階があったんですよ。その時の音は今でも耳に残っていて、忘れられません。今回のミニアルバムやライブ開催に繋がったのもあの経験があったからこそですし、ありがたく思っています。
― 蒼井さんと七海さんは元々プライベートで交流も?
蒼井:七海さんとは4、5年前に初めてお会いしてから番組でご一緒したり、2人とも甘いものが好きなのでプライベートでも仲の良い俳優さんも一緒にアフタヌーンティーに行ったりしました。そうした交流があったので、今回のコラボ制作もスムーズに進んだ気がします。
七海:特に一緒に番組をやらせてもらったことが大きくて、色々トークする中でお互いのことを知ることができました。
― そんなお2人がコラボしたミニアルバム「METEORA」は、どのような作品になったか教えてください。
蒼井:METEORAはギリシャ語で「宙に浮かぶもの」という意味があって。今回のコラボは、去年の共演やファンの皆さんの声など、様々な巡り合わせや引力が重なって奇跡的に実現しました。「宙に浮かぶ」という言葉が持つ、不確かで奇跡的な巡り合わせのイメージを大切にした作品になっています。作品自体、僕たちが演じる「アオ」と「ウミ」のストーリーを軸にして「普通だったら巡り会えないであろう人物たちの巡り合わせ」という物語としての意味も込めて制作に臨みました。
蒼井:僕たちのレーベルの先輩でもある、音楽ユニット「angela」のatsukoさんとKATSUさんが作詞作曲してくださっていることがまず注目ポイントです。アルバムの始まりを告げる曲になっているので、僕たちが紡ぐ物語の幕開けを感じていただけたらなと。楽曲の最後の七海さんのラップは聴きどころです!ラップは初めてでしたっけ?
七海:アーティスト活動としては、2曲目かな。「CosmoS」は、同じ日にお互いのレコーディング風景を見ながら順番に録りました。
― レコーディングでお互いの歌声を聴いてどうでしたか?
七海:これまでのしょーたん(蒼井)の楽曲は色々と聴いていたので「きっとこういう感じで歌うかな」って想像していたんですけど、それを軽く超えてきてびっくりしました。最初のテイクからすごく完成されていて、元々の基準が高いんだなと改めて感じました。「うわ、CosmoSだ…。今日初めて歌うんだよね?」って思ったくらい(笑)。
蒼井:ありがとうございます。でも、僕だけだと絶対にこの曲は完成しないんです。後からレコーディングだった七海さんの第一声を聴いた瞬間、「ピースがはまった」と思って鳥肌が立ちました。他の方のレコーディングを見る機会は普段ないので、ピースがはまる瞬間を目の当たりにできたのは奇跡的なことだと思います。
― 「CosmoS」のMVは、アオとウミそれぞれの視点が描かれたストーリー仕立てになっていますよね。
蒼井:そうなんです。アオとウミの世界の予告編とも取れるような内容になっています。曲だけで聴いてももちろん世界観が感じられるんですけど、MVはドラマとして撮っているのでぜひ映像と合わせて楽しんでもらいたいですね。
七海:2人が今後どうなっていくのか、ぜひ皆さんに見守ってもらえたらなと思います。
― 2曲目「Stella」はジャズ調、3曲目「砂漠の花」はお2人のハーモニーの美しさが際立っていて、どれも雰囲気の異なる曲になっていますね。
七海:2曲目と3曲目は、お互いがソロで歌っている曲の雰囲気を出していこうというテーマがあって。「Stella」は、私っぽい曲調を2人で歌うというコンセプトで作っていただきました。舞台の上でスポットライトを浴びて、踊りながら歌うようなイメージで、そこに「METEORA」の物語が組み合わさった情景を想像してもらえたらな、と。
蒼井:「砂漠の花」は、砂漠の星に住むアオの目線を中心に描かれている楽曲だと感じています。ただ、1番ではアオとウミが歩み寄ってコミュニケーションを取っていたけど、2番で「もういい 聴きたくない」とウミが歌うところで、歌詞の流れが少し変わるんです。彼が抱える孤独の真の意味が詰め込まれているのでは?と考察できる部分でもあるので、注目してほしいですね。
七海:私も感動しました。
蒼井:七海さんが歌う「ポラリス」は、聴き始めて15秒で泣いたくらい大好きな楽曲だったので、もしいつかカバーさせてもらうならこの曲しかない、と心に決めていました。原曲のもう1つのバージョンとして、手紙を読むように語りかける風に歌ったのですが、僕は倍音がすごく広がる声質なのでささやくように歌うと音に負けちゃって。だから、マイクをより声が乗るものに変えたりして、色々とこだわりながらレコーディングしました。せっかく歌うからには、聴いた方に「素敵だった」と言っていただけるようにしたかったんです。
― そうだったのですね。七海さんがカバーされた「give me ♡ me」(ギミラミ)も、別の曲のように仕上がっていて驚きました。
七海:ギミラミは「蒼井さんだから歌える曲」と思っていたんですけど、だからこそ今回チャレンジしてみました。実際歌ってみると「なんと難しい曲か」と(笑)。私なりのギミラミになるように楽しく歌いました。
蒼井:七海さんが歌ってくださったアレンジは、僕の好きな“平成のギャル”を感じるようなサウンドで本当に胸アツでした!僕は元々可愛いアイドルのようなイメージでこの曲を歌っていたんですけど、七海さんはかっこいい歌声で同じ曲だけど全く違うものになっていて、聴いていて楽しかったです。ライブで歌ったら間違いなく「きゃー!」ってなるだろうなあ(笑)。
- ライブといえば、9月にはDRAMATIC LIVE "METEORA”も開催されます。ファンの方に向けて意気込みをお願いします。
七海:「DRAMATIC LIVE」と掲げているので、1つの作品を観るようなストーリー性のある部分と、純粋にライブとして楽しむ部分を一度に体験してもらいたいと思います。心を忙しく動かしてもらえるライブにしたいです。
蒼井:コラボは僕たちにとってチャレンジなので、この2人だからできるライブを作って皆さんに納得、驚き、そして楽しんでもらえるようにしたいですね。
― ちなみに今回のコラボ制作を通して、歌声のほかに改めて感じたお互いの魅力はありましたか?
蒼井:七海さんも僕も仕事モードへの切り替えはきっちりしているんですけど、休憩になった時とかにお互いふわっとした空気が漏れることが分かりました。人との出会いは財産なので、改めて「またご一緒したいな」と強く思える方だと知れてよかったです。
七海:しょーたんとは以前ご一緒したのが“天界の住人”みたいな設定の番組だったんですけど、本当にそうなのかもしれないって思うくらい、およそ欠点が見つからないというか…。「しょーたんは本当に人かな?」と思いました(笑)。
蒼井:弱点はありますよ~(笑)。
七海:弱点はあるかもしれないけど、欠点じゃないんですよ。物事を絶対悪い方に持っていかず、素敵に捉える考え方や行動が尊敬できます。自分に対して怒ることはあっても相手のせいにしないし、素晴らしいなって。
― 蒼井さんは普段イラっとしたりしないんですか?
蒼井:うーん、基本ないなあ。するとしたらどういう時だろう…。自分に対して「これ確認できてなかったな」って思ったりすると、イライラというか凹むことは多いかもしれないです。
― 七海さんは表情に出やすいタイプ?
七海:私、自分ではそんなつもりないんですけど、結構顔に出てるらしくてよく言われます。暑いのが苦手で、気温が高い時はオーラがちょっとイラっとしてるらしくて。夏は危険です!
蒼井:無理に乗り越えなきゃって思えば思うほど苦しくなって、孤独になっちゃうと思うんです。僕たちは仕事柄、「高い壁だな」「挫折するぐらい辛い道だろうな」と分かっていても立ち向かうしかないんですけど、無理して立ち向かわなくてもいい状況もあるじゃないですか。人それぞれタイミングというものがあって、本当にへこんでいる時に踏み出そうとしても絶対にうまくいかない。 だから、今辛い思いをしている方は、乗り越えるための下準備としてまず自分を元気にすること。そっちを優先してあげたほうがいいのかな。焦る必要はない気がします。
七海:すごく分かる。時には撤退することもあるし、その判断が良い結果を生むことだってあるから「全てに立ち向かわなくてもいいよね」くらいの気持ちでいた方がいいんじゃないかなって思います。悲しみや挫折を感じてどうしようもない時は「私、弱ってるな。今はそういう時なんだ」と自分の状態に気づくことが大きな一歩。ただ、どこかで誰かが「大丈夫?」って声をかけてくれてる瞬間が絶対にあると思うから、それを聞き逃さずに誰かに自分の気持ちを話せたら、また展開が変わっていくかもしれないですね。
― お2人は普段行き詰まったら、具体的にどのようにパワーチャージされていますか?
蒼井:睡眠をしっかり取ったり、美味しいものを食べたり、好きな人に会ったり。「トロトロに煮込まれた手羽先か」ってくらい、ぐでーっとだらける時もあります(笑)。毎日テキパキ動いてキラキラ輝いているわけではないんですよ。
七海:そうだね、私もとにかく休みます。1日中家から出ずに、ずっと寝ている時もあるし。
蒼井:チャージして自分に余裕ができると、気持ちが前向きになって新しい発見があったりするはず。そういう状態になったら、自然と動きたくなると思います。
― 最後に、夢を追いかけている読者に向けて、ご自身の「夢を叶える秘訣」を教えてください。
蒼井:いくつかあるけれど、まずは「言霊」かな。僕はマイナスなことを考えてしまった瞬間に「今のなし。切り替える」って口に出して言っています。言葉って思っているだけでは人に伝わらないので、例えばスタッフさんといる時も「こういうことをやってみたいんだけど、どう思います?」と口に出すことで、お互いの目線や目指す場所が合ってきます。あと、僕は占いもやるんですけど、今まで占ってきた中で夢を叶えている人たちに共通していたのは「行動」でした。「これができたらいいな」ではなくて、「これがやりたいから、これを始めたんです」って、叶える前から好きなことに向かって動き出している方が多くて。これはお手本になるな、と思ったりもしました。
七海:私も言霊は大事だと思っていて、しょーたんが言ってくれた通りだなって。それに加えて、この記事を読んでくれている方の中にいるかもしれない、まだ夢がないという方へ。人生において、何も無駄なことなんてないと思うんです。小さい頃の習い事とか、友達と過ごした時間とか、先生に意見した瞬間とか。そういう経験って、いつか「夢ができたぞ」って時に些細なことでもきっと活きてきます。だから、まだ明確な目標がない方は、目の前のことを一生懸命やるというのを大事にしたらいいんじゃないかなってすごく思います。
― 素敵なお話ありがとうございました!
撮影:加藤千雅
蒼井ヘアメイク:浅沼薫(Deep-End)
七海ヘア:塩田勝樹(Sui)
蒼井七海スタイリスト:藤長祥平
1.CosmoS
2.Stella
3.砂漠の花
4.ポラリス Covered by Shouta Aoi
5.give me ♡ me Covered by Hiroki Nanami
昼公演:開場14:00/開演15:00
夜公演:開場18:00/開演19:00
会場:Kanadevia Hall(TOKYO DOME CITY HALL)
2人の魅力を詰め込んだコラボアルバム「METEORA」
キンスパで披露した「Preserved Roses」は、役者・アーティストとして活躍する七海が西川貴教のパート、唯一無二の声色を持ちハイトーンも得意とする蒼井が水樹奈々のパートを担当。ファンからも大きな反響が寄せられた。コラボミニアルバム「METEORA」では、そんな2人の持ち味が凝縮された全5曲を収録。2人で歌唱するオリジナルの3曲はストーリー仕立てになっており、蒼井が植物も咲かない砂漠の星で1人で生きる「アオ」、七海が銀河の宇宙船に1人で取り残された「ウミ」を演じ、孤独な両者の出会いから物語が始まる様子が描かれる。
蒼井翔太「水樹奈々姉さんから…」キンスパ2024の裏話明かす
― 今回のコラボは、昨年のキンスパでの共演がきっかけなんですよね。お2人にとっても印象深かったですか?蒼井:そうです。キンスパの反響を受けてコラボが決まって嬉しいです!「Preserved Roses」を2人で歌ったのはやっぱり印象に残っていて、七海さんは元々CD音源で聴いていた声よりもさらにパワーが増していてすごかったんです。僕もより力強く歌おうと思えたし、相乗効果が生まれた気がしますね。歌唱パートは水樹奈々姉さんご本人から「2人ならもちろんパートは逆でやるんだよね?」と言っていただいて、あの振り分けになりました(笑)。
七海:まず2人で歌わせてもらえて嬉しかったし、2人で出ていった時の歓声、パートが想像の逆だと分かった時の歓声と、ファンの方の歓声の大きさにも段階があったんですよ。その時の音は今でも耳に残っていて、忘れられません。今回のミニアルバムやライブ開催に繋がったのもあの経験があったからこそですし、ありがたく思っています。
― 蒼井さんと七海さんは元々プライベートで交流も?
蒼井:七海さんとは4、5年前に初めてお会いしてから番組でご一緒したり、2人とも甘いものが好きなのでプライベートでも仲の良い俳優さんも一緒にアフタヌーンティーに行ったりしました。そうした交流があったので、今回のコラボ制作もスムーズに進んだ気がします。
七海:特に一緒に番組をやらせてもらったことが大きくて、色々トークする中でお互いのことを知ることができました。
― そんなお2人がコラボしたミニアルバム「METEORA」は、どのような作品になったか教えてください。
蒼井:METEORAはギリシャ語で「宙に浮かぶもの」という意味があって。今回のコラボは、去年の共演やファンの皆さんの声など、様々な巡り合わせや引力が重なって奇跡的に実現しました。「宙に浮かぶ」という言葉が持つ、不確かで奇跡的な巡り合わせのイメージを大切にした作品になっています。作品自体、僕たちが演じる「アオ」と「ウミ」のストーリーを軸にして「普通だったら巡り会えないであろう人物たちの巡り合わせ」という物語としての意味も込めて制作に臨みました。
七海ひろき、蒼井翔太は「元々の基準が高い」
― 全5曲が収録されていますが、まずリード曲「CosmoS」の注目ポイントをお聞かせください!蒼井:僕たちのレーベルの先輩でもある、音楽ユニット「angela」のatsukoさんとKATSUさんが作詞作曲してくださっていることがまず注目ポイントです。アルバムの始まりを告げる曲になっているので、僕たちが紡ぐ物語の幕開けを感じていただけたらなと。楽曲の最後の七海さんのラップは聴きどころです!ラップは初めてでしたっけ?
七海:アーティスト活動としては、2曲目かな。「CosmoS」は、同じ日にお互いのレコーディング風景を見ながら順番に録りました。
― レコーディングでお互いの歌声を聴いてどうでしたか?
七海:これまでのしょーたん(蒼井)の楽曲は色々と聴いていたので「きっとこういう感じで歌うかな」って想像していたんですけど、それを軽く超えてきてびっくりしました。最初のテイクからすごく完成されていて、元々の基準が高いんだなと改めて感じました。「うわ、CosmoSだ…。今日初めて歌うんだよね?」って思ったくらい(笑)。
蒼井:ありがとうございます。でも、僕だけだと絶対にこの曲は完成しないんです。後からレコーディングだった七海さんの第一声を聴いた瞬間、「ピースがはまった」と思って鳥肌が立ちました。他の方のレコーディングを見る機会は普段ないので、ピースがはまる瞬間を目の当たりにできたのは奇跡的なことだと思います。
― 「CosmoS」のMVは、アオとウミそれぞれの視点が描かれたストーリー仕立てになっていますよね。
蒼井:そうなんです。アオとウミの世界の予告編とも取れるような内容になっています。曲だけで聴いてももちろん世界観が感じられるんですけど、MVはドラマとして撮っているのでぜひ映像と合わせて楽しんでもらいたいですね。
七海:2人が今後どうなっていくのか、ぜひ皆さんに見守ってもらえたらなと思います。
― 2曲目「Stella」はジャズ調、3曲目「砂漠の花」はお2人のハーモニーの美しさが際立っていて、どれも雰囲気の異なる曲になっていますね。
七海:2曲目と3曲目は、お互いがソロで歌っている曲の雰囲気を出していこうというテーマがあって。「Stella」は、私っぽい曲調を2人で歌うというコンセプトで作っていただきました。舞台の上でスポットライトを浴びて、踊りながら歌うようなイメージで、そこに「METEORA」の物語が組み合わさった情景を想像してもらえたらな、と。
蒼井:「砂漠の花」は、砂漠の星に住むアオの目線を中心に描かれている楽曲だと感じています。ただ、1番ではアオとウミが歩み寄ってコミュニケーションを取っていたけど、2番で「もういい 聴きたくない」とウミが歌うところで、歌詞の流れが少し変わるんです。彼が抱える孤独の真の意味が詰め込まれているのでは?と考察できる部分でもあるので、注目してほしいですね。
蒼井翔太は「本当に人かな?」お互いが魅力に感じる部分とは
― 4曲目と5曲目には、お互いのソロ楽曲のカバーが収録されています。蒼井さんが歌われた「ポラリス」は切なくて感動しました。七海:私も感動しました。
蒼井:七海さんが歌う「ポラリス」は、聴き始めて15秒で泣いたくらい大好きな楽曲だったので、もしいつかカバーさせてもらうならこの曲しかない、と心に決めていました。原曲のもう1つのバージョンとして、手紙を読むように語りかける風に歌ったのですが、僕は倍音がすごく広がる声質なのでささやくように歌うと音に負けちゃって。だから、マイクをより声が乗るものに変えたりして、色々とこだわりながらレコーディングしました。せっかく歌うからには、聴いた方に「素敵だった」と言っていただけるようにしたかったんです。
― そうだったのですね。七海さんがカバーされた「give me ♡ me」(ギミラミ)も、別の曲のように仕上がっていて驚きました。
七海:ギミラミは「蒼井さんだから歌える曲」と思っていたんですけど、だからこそ今回チャレンジしてみました。実際歌ってみると「なんと難しい曲か」と(笑)。私なりのギミラミになるように楽しく歌いました。
蒼井:七海さんが歌ってくださったアレンジは、僕の好きな“平成のギャル”を感じるようなサウンドで本当に胸アツでした!僕は元々可愛いアイドルのようなイメージでこの曲を歌っていたんですけど、七海さんはかっこいい歌声で同じ曲だけど全く違うものになっていて、聴いていて楽しかったです。ライブで歌ったら間違いなく「きゃー!」ってなるだろうなあ(笑)。
- ライブといえば、9月にはDRAMATIC LIVE "METEORA”も開催されます。ファンの方に向けて意気込みをお願いします。
七海:「DRAMATIC LIVE」と掲げているので、1つの作品を観るようなストーリー性のある部分と、純粋にライブとして楽しむ部分を一度に体験してもらいたいと思います。心を忙しく動かしてもらえるライブにしたいです。
蒼井:コラボは僕たちにとってチャレンジなので、この2人だからできるライブを作って皆さんに納得、驚き、そして楽しんでもらえるようにしたいですね。
― ちなみに今回のコラボ制作を通して、歌声のほかに改めて感じたお互いの魅力はありましたか?
蒼井:七海さんも僕も仕事モードへの切り替えはきっちりしているんですけど、休憩になった時とかにお互いふわっとした空気が漏れることが分かりました。人との出会いは財産なので、改めて「またご一緒したいな」と強く思える方だと知れてよかったです。
七海:しょーたんとは以前ご一緒したのが“天界の住人”みたいな設定の番組だったんですけど、本当にそうなのかもしれないって思うくらい、およそ欠点が見つからないというか…。「しょーたんは本当に人かな?」と思いました(笑)。
蒼井:弱点はありますよ~(笑)。
七海:弱点はあるかもしれないけど、欠点じゃないんですよ。物事を絶対悪い方に持っていかず、素敵に捉える考え方や行動が尊敬できます。自分に対して怒ることはあっても相手のせいにしないし、素晴らしいなって。
― 蒼井さんは普段イラっとしたりしないんですか?
蒼井:うーん、基本ないなあ。するとしたらどういう時だろう…。自分に対して「これ確認できてなかったな」って思ったりすると、イライラというか凹むことは多いかもしれないです。
― 七海さんは表情に出やすいタイプ?
七海:私、自分ではそんなつもりないんですけど、結構顔に出てるらしくてよく言われます。暑いのが苦手で、気温が高い時はオーラがちょっとイラっとしてるらしくて。夏は危険です!
蒼井翔太&七海ひろきの困難の乗り越え方
― 読者の中には、いま困難を乗り越えたいと思っている人もいます。人生で特に悲しみや怒り、挫折を感じた瞬間、辛かった経験はあったでしょうか。また、それを乗り越えるために行ったエピソード、克服方法を教えてください。蒼井:無理に乗り越えなきゃって思えば思うほど苦しくなって、孤独になっちゃうと思うんです。僕たちは仕事柄、「高い壁だな」「挫折するぐらい辛い道だろうな」と分かっていても立ち向かうしかないんですけど、無理して立ち向かわなくてもいい状況もあるじゃないですか。人それぞれタイミングというものがあって、本当にへこんでいる時に踏み出そうとしても絶対にうまくいかない。 だから、今辛い思いをしている方は、乗り越えるための下準備としてまず自分を元気にすること。そっちを優先してあげたほうがいいのかな。焦る必要はない気がします。
七海:すごく分かる。時には撤退することもあるし、その判断が良い結果を生むことだってあるから「全てに立ち向かわなくてもいいよね」くらいの気持ちでいた方がいいんじゃないかなって思います。悲しみや挫折を感じてどうしようもない時は「私、弱ってるな。今はそういう時なんだ」と自分の状態に気づくことが大きな一歩。ただ、どこかで誰かが「大丈夫?」って声をかけてくれてる瞬間が絶対にあると思うから、それを聞き逃さずに誰かに自分の気持ちを話せたら、また展開が変わっていくかもしれないですね。
― お2人は普段行き詰まったら、具体的にどのようにパワーチャージされていますか?
蒼井:睡眠をしっかり取ったり、美味しいものを食べたり、好きな人に会ったり。「トロトロに煮込まれた手羽先か」ってくらい、ぐでーっとだらける時もあります(笑)。毎日テキパキ動いてキラキラ輝いているわけではないんですよ。
七海:そうだね、私もとにかく休みます。1日中家から出ずに、ずっと寝ている時もあるし。
蒼井:チャージして自分に余裕ができると、気持ちが前向きになって新しい発見があったりするはず。そういう状態になったら、自然と動きたくなると思います。
― 最後に、夢を追いかけている読者に向けて、ご自身の「夢を叶える秘訣」を教えてください。
蒼井:いくつかあるけれど、まずは「言霊」かな。僕はマイナスなことを考えてしまった瞬間に「今のなし。切り替える」って口に出して言っています。言葉って思っているだけでは人に伝わらないので、例えばスタッフさんといる時も「こういうことをやってみたいんだけど、どう思います?」と口に出すことで、お互いの目線や目指す場所が合ってきます。あと、僕は占いもやるんですけど、今まで占ってきた中で夢を叶えている人たちに共通していたのは「行動」でした。「これができたらいいな」ではなくて、「これがやりたいから、これを始めたんです」って、叶える前から好きなことに向かって動き出している方が多くて。これはお手本になるな、と思ったりもしました。
七海:私も言霊は大事だと思っていて、しょーたんが言ってくれた通りだなって。それに加えて、この記事を読んでくれている方の中にいるかもしれない、まだ夢がないという方へ。人生において、何も無駄なことなんてないと思うんです。小さい頃の習い事とか、友達と過ごした時間とか、先生に意見した瞬間とか。そういう経験って、いつか「夢ができたぞ」って時に些細なことでもきっと活きてきます。だから、まだ明確な目標がない方は、目の前のことを一生懸命やるというのを大事にしたらいいんじゃないかなってすごく思います。
― 素敵なお話ありがとうございました!
深い信頼関係と互いへの温かなリスペクト
インタビューを通して見えたのは、蒼井と七海のアーティストとしての深い信頼関係と互いへの温かなリスペクト。楽曲制作からカバーへの挑戦まで妥協なく向き合う2人の真摯な姿勢が、言葉の端々から伝わってきた。2つの才能が引かれ合い、奇跡の巡り合わせで生まれた今回のコラボ。その物語の続きは、9月のライブでさらにドラマティックに描かれるに違いない。(modelpress編集部)[PR]提供元:キングレコード株式会社撮影:加藤千雅
蒼井ヘアメイク:浅沼薫(Deep-End)
七海ヘア:塩田勝樹(Sui)
蒼井七海スタイリスト:藤長祥平
蒼井翔太(あおい・しょうた)プロフィール
声優、歌手、俳優として様々な分野で活躍中 。2011年に声優デビューし、「うたの☆プリンスさまっ♪」シリーズの美風藍役で注目を集める。唯一無二の声色で多くのアニメ・ゲーム作品に出演する傍ら、13年にアーティストデビュー。16年に日本武道館、17年には代々木第一体育館での単独公演を成功させる。TVアニメ「ポプテピピック」での実写出演や、25年4月のミュージカル「ドリームハイ」への出演など、俳優としても活躍の場を広げている。七海ひろき(ななみ・ひろき)プロフィール
宝塚歌劇団退団後、キングレコードよりアーティストデビューし、俳優・声優・歌手として多方面で活動。声優として「マッシュル-MASHLE-」アビス・レイザー役、「戦国妖狐」千夜役などを担当し、2025年3月には声優アワード「新人声優賞」を受賞。主な舞台出演作に「舞台『刀剣乱舞』禺伝 矛盾源氏物語」歌仙兼定役、舞台「サイボーグ009」009/島村ジョー役など。ドラマ「合コンに行ったら女がいなかった話」では蘇芳役を演じ、大きな話題を呼んだ。蒼井翔太×七海ひろき コラボミニアルバム「METEORA」
【CD収録内容】 初回限定盤 ・ 通常盤共通1.CosmoS
2.Stella
3.砂漠の花
4.ポラリス Covered by Shouta Aoi
5.give me ♡ me Covered by Hiroki Nanami
蒼井翔太×七海ひろき DRAMATIC LIVE "METEORA”
日時:2025年9月6日(土)昼公演:開場14:00/開演15:00
夜公演:開場18:00/開演19:00
会場:Kanadevia Hall(TOKYO DOME CITY HALL)