「No No Girls」発・HANA(ハナ)YURI、亡き父つづった歌詞で「私は絶対強くなれる」“唯一花道使わない”ステージ演出の裏にちゃんみなの言葉【インタビュー連載Vol.7】
2025.02.23 18:15
SKY-HIがCEOを務めるBMSGがプロデューサーにちゃんみなを迎えたガールズグループオーディション「No No Girls」(通称:ノノガ)より誕生した7人組ガールズグループ・HANA(ハナ)。モデルプレスでは、1人ひとりのパーソナルな一面に迫るソロインタビューと、和気あいあいとした雰囲気の中行われた7人全員へのインタビューを連載形式で届ける。Vol.7は、YURI(ユリ)のソロインタビュー。
「ノノガ」から誕生したHANAって?
同オーディションの最終審査「No No Girls THE FINAL」は1月11日、約2万人を収容するKアリーナ横浜にて満員の観客の前で開催。12日にBMSG Official YouTube Channelから1回限り配信された際には、最大同時接続者数が56万人を超えた。その最終審査のグループ課題曲にもなっていた「Drop」で1月31日にプレデビューを果たし、今春にはソニー・ミュージックレーベルズよりメジャーデビューする。
YURIは当初からちゃんみなに「カリスマ性」を認められていたものの、パフォーマンス時の表情が一定であることを指摘されていた。最終審査時には、中学3年の時に父親を亡くしてから性格が暗くなってしまったことを明かし、ソロ審査では力強いフレーズが特徴的なちゃんみなの楽曲「ハレンチ」に挑戦。「神は綺麗な花から摘んでいって腐った花ほど長く生かす 水をやっても波は止まって呼吸を枯らして 憂き目を見た苦さも知らない子供ながらに焼きついて お父さん聞いてる?褒めてよ I can do for you」と亡き父への思いをつづった歌詞、そしてこれまでとは見違えるようにコロコロと変える表情が多くの人の心を掴み、デビューという夢も叶えた。そんなYURIに、この歌詞に込めた思いや特徴的なステージ演出について、自信が持てたきっかけとなった出来事や言葉を聞いた。
YURI、最終審査で“覚醒”したきっかけはリハーサル
― YURIさんのパフォーマンスには、特に最終審査でこれまで積み上げてきた実力が“覚醒”したという声もあったほど、その進化に心を掴まれた方がたくさんいらっしゃったと思います。最終審査の練習を始めてから本番まで数ヶ月ほどあったと思いますが「こういった練習があったから」「こういった言葉があったから」といった自信を持つことができた出来事があったのでしょうか?YURI:1月に入ってからリハーサルで皆のパフォーマンスを初めて観て、その時にいい意味でも悪い意味でも面食らってしまったんです。悪い意味だと「あ!やばい!」と焦ったということもありましたし、いい意味では鼓舞されて「こんな子たちが仲間なら強いな」という気持ちになったのもありますし。心をオープンに開けたのは、リハーサルが大きいきっかけだったかなと思います。
― ポジティブな気持ちとネガティブな気持ちが交差していたんですね。
YURI:いろんな感情になってしまって「もうすぐ本番なのに平気なのか」と思っていたんですけど、最終的にはすごくいい環境、いい時間だったなと思っています。
YURI「自信あります」と言えるようになるまで
― 最終審査の練習ではボーカルレッスンで悔しくて涙されている場面もありました。そこから「自信あります!」と言えるまでに、どのような心境の変化があったのでしょうか?YURI:「No No Girls」の放送で合否が発表される時の回を観た時に、今まで一緒に頑張ってきた子たちのことを思い出して「ここまで残っている自分がこんなんでいいのか」と思ったことが「自信あります!」と言える過程に繋がったのだと思っています。
― 一緒に戦ってきた仲間のためにもという気持ちが大きくなったんですね。
YURI:絶対に悔しいと思うし、いろんな気持ちがある中で「なんで残っている私が、こんなに気分が落ちてできないと自信を無くしているんだろう」と思って。その子たちにも失礼に当たるし、やってきた自分を否定してしまうことにもなるので、それは絶対に避けたいと思って自信をつけようと考えるようになりました。
― 自信をつけるためにどんなことに励んでいましたか?
YURI:まず表情は鏡の前で練習しました。でも練習して出すものって“作り物感”が出てしまうと思ったので、やっぱりメンタルの部分を良い状態で保つように、自分を過小評価しないように意識していました。
YURI、ちゃんみなからの救われた言葉
― 精神面を保つ上で支えになった存在はいますか?YURI:やっぱりちゃんみなさんですね。リハーサルで気分が落ちてしまった時に、自分から「なんでここに残っているのか分からない」と正直にお話をさせていただいたんです。そしたら「YURIは自分のことを過小評価しすぎだから」「YURIはメンタルの部分が足りていないから、練習はもう十分したからメンタルを強く保つように」と言われて「そうなんだ」と気づけました。「全員味方だよ」という言葉にもとても救われました。
YURI、父を亡くした経験つづった歌詞で伝えたかったこと
― 心強い言葉があったからあのパフォーマンスに繋がったんですね。ソロ審査で歌唱された「ハレンチ」では、ラップの部分の歌詞を大胆に変えた部分がありました。中学生の時にお父様を亡くされた経験について書かれていたと思いますが、これまでどのようにその悲しみと向き合ってきたのでしょうか?YURI:今までは隠してきたので、ちゃんみなさんからも「パフォーマンスで表情が出ない」という風に言われてしまったんですけど、隠して生きていくのもいつか壊れてしまうなというのは私も実感していて。なので、無理に話す必要はないけど話したいタイミングで話したい人に話せばいいと思って、ずっと過ごしてきました。
― これまで隠してしまっていた経験やその時の感情を歌詞に書こうと決めた時の心境もお伺いできますか?
YURI:歌詞はあまりノートに書いたりせずに、いつも寝る前に頭の中でぼーっとしてぐるぐると考えていて。でも今まで向き合ってこなかった自分の過去だったので、気持ち的にはぐっと縮こまってしまうような感覚にはなりました。でも「これをKアリーナの観客の皆さんの前で表現できたら私は絶対強くなれる」と思ったので、あまり考えたくないというか考えることが怖かったんですけど、必死に「それに勝つぞ」という気持ちで考えていました。
― ご自身の過去と向き合って歌詞を書いて、それを2万人の前でパフォーマンスするということはとても勇気のいることだったと思うのですが、YURIさんがそれを乗り越えて伝えたかったことは何でしょうか?
YURI:こういう経験をした人はたくさんいると思うし、違う形でも「何かを失う」というのは誰もが経験していることだと思うので、100パーセントその人の気持ちが分からなくても、それには寄り添うことはできるし、少しでも理解してくれる人がいるだけで人って救われるものだと思います。そういう思いが伝わったらいいなと思ってパフォーマンスしていました。
YURI、評価された「カリスマ性」活かしたステージ演出秘話
― そのソロ審査のステージは、ファイナリストの中で唯一花道を使わず上のステージだけでパフォーマンスされていたと思うのですが、そういった演出にも意図があったのでしょうか?YURI:ちゃんみなさんにはよく「カリスマ性」というのを評価していただいていたんですけど、他の子は実力についても言われている中で「カリスマ性ってなんだろう?」と分からなかったんです。でも、最初に着けていたベールを外すというのは「まさにこれじゃないか?」「外すだけで絵になるのではないか?」と思って挑戦しました(笑)。花道を使わず、ずっと台上でパフォーマンスしていたのも、ちゃんみなさんに掛けていただいていた「YURIは立っているだけで素敵なんだよ」という言葉を、何度も何度も考えた上であの演出になりました。
― 確かにベールを外した時にぐっと惹きつけられるものがありました。歓声も大きかったですよね!
YURI:イヤモニをしていてよく聞こえなかったんですけど、でも少し聞こえたので、イヤモニをしている状態で聞こえるのは相当の歓声だと思ってとても嬉しかったですし、やる気になりました。
― その後のパフォーマンスへの力にもなったんですね。
YURI:あの声量が全員味方だと思うととても心強かったです。
YURIの夢を叶える秘訣
― 最後に、夢を追いかけているファンの方々、モデルプレスの読者に向けて、デビューという夢を掴んだYURIさんにとっての「夢を叶える秘訣」をお伺いしたいです。YURI:無理をしないことだと思います。夢を追い続けて追い続けて、と頑張っていると絶対壊れてしまうと思うし、人間はそんな強いものじゃないと思っているので、夢を追い続ける中でも一旦落ち着いて休むというのは大事なんじゃないかなと思います。ずっと前を向いていると苦しい時もあるので「止まってもいいよ」ということは伝えたいです。
― その言葉を聞いて安心する方も多いと思います!素敵なお話をありがとうございました。
(modelpress編集部)[PR]提供元:株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ
INTERVIEW PHOTO:加藤千雅