出口夏希インタビュー つらい時期を支えた「是枝監督の言葉」と「ファンの存在」(C)モデルプレス

出口夏希インタビュー つらい時期を支えた「是枝監督の言葉」と「ファンの存在」

2025.01.01 12:00

【「2025年モデルプレスヒット予測」女優部門・出口夏希インタビュー】

今、ヒロイン指名したい女優として間違いなく名前が挙がるのが、出口夏希(23)。ファッション誌「Seventeen」を経て「non-no」専属モデルを務めるなど、Z世代からの人気はすでに申し分なし。直近では国民的女優の登竜門といっても過言ではない「JR SKISKI」のメインキャストにも起用された。今まさにノリに乗っている彼女だが、つらいことや悲しいことと無縁ではない。話を聞いていくと、支えになっている言葉やファンの存在にたどり着いた。

  

出口夏希、2024年は「仕」の1年

― ドラマ「ブルーモーメント」(4月-6月)、映画「余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。」(6月)「赤羽骨子のボディガード」(8月)と立て続けにヒロインを務め、世間の耳目を集めた2024年は出口夏希にとってどんな一年だったのか。

【出口】一文字で表すと仕事の「仕」。新しいことにたくさん挑戦させていただいた1年でした。振り返ればずっとなにか撮影をしていました。短期間でこんなにも色々な役を演じるのは初めてで、すべてが数年前に感じるくらい怒涛でした。

― 「赤羽骨子」と「ブルーモーメント」の撮影はほぼ同時並行。当時のスケジュール帳を開きながら「見てください、このスケジュール!(笑)」と茶目っ気を見せる。

【出口】同じ期間に映画とドラマをやると、ごちゃ混ぜになると聞いて不安に思っていましたが、全然違う役柄だったので気分転換にもなったのかなって思います。「ブルーモーメント」はセリフが難しい言葉だらけ。それでも演技を少しずつ楽しめるようになってきたと思います。

― モデルプレスのヒット予測をはじめ、注目度の高さやトレンドを調べるランキングで上位に名を連ねることが一気に増えた。

【出口】自分の名前を見て、最初は「えー!?」「わー!!」と驚いていたんですけど、今だとある一人の芸能人が1位になっているという感覚で、それが自分と思えないというか。でもとても嬉しいです。9月に東京ガールズコレクションに出演させていただいたときに歓声をいただけたり、この1年は地方撮影も多く地方で声をかけていただきました。そういう意味では少し実感できた気がします。

つらい時期を支えた「是枝監督の言葉」と「ファンの存在」

― 飛躍の年になったことは間違いないが、その裏では落ち込んだり大変だなと思うことも多かった。そのときの支えになったのが、是枝裕和監督からもらった「あなたの明るさは才能です」という言葉。

【出口】「舞妓さんちのまかないさん」クランクアップの日、集合写真が入ったボードにみなさんからメッセージをいただきました。その中に是枝さんからも一言その言葉が書いてあって。そのときはそんなに深く考えていなかったんですけど、久々につらいかもと思ったときにそれを見たら「私はこれでいいんだ」ってすごく勇気をもらいました。今もそのボードを飾っています。

― 知名度と認知度が上がるほど、心無い言葉も目にする。それに苦しんだ時期があった。

【出口】今までにないくらい作品を見てくださる方がいて、人の目に初めてこんなにも触れているんだと感じました。これまでは落ち込んでもすぐ立ち直るタイプでしたが、すごく落ち込んでしまって、たくさん泣いたり。。そのときに思ったのは落ち込むだけ落ち込んでやろうと。やっぱりわざと元気を出してしまうこともあるんですけど、でも無理やり元気でいようとすると、嫌な気持ちを溜め続けてそれが残ったままになってしまう気がして。私の場合、どよんって思いっきり落ち込んだので、立ち直ったときはすごくスッキリしていました。

― その時期を乗り越えられたもう一つの理由がファンの存在。「出口夏希のファンは熱い」というのはこの業界で常識となりつつある。

【出口】最近お仕事でご一緒する方に、夏希ちゃんのファンの子って熱いよね、と言っていただくことが多くて、すごく嬉しくて!私も本当にそう感じていたから。つらかったときもみなさんからの素敵なコメントばかりを見ていました。昔から応援してくださる方に「でぐたんらしくて好き」って言ってもらえたら、頑張れちゃいます。みなさんのコメントに何度も何度も励まされました。愛が本当に嬉しくて、ちゃんと伝わっているよ、っていっぱいお返ししたいです。

出口夏希、2025年も「自分らしくやっていきたい」

― これからさらに人気者になっていくであろう彼女に2025年の抱負を語ってもらうと、自分のペースで、それが他者から見たらたとえゆっくりでも、いろんなことを吸収して成長したい、という意志を感じた。

【出口】2025年も勉強をしていく年にしたいです。今年も色々なお仕事と出会える機会があると思いますので、だからこそかな、なにかを変えるというより、あと1、2年は慣れていく時間がほしい。人と比べて成長するのが遅いかもしれないと焦りはしますが、何歳ならできるというものでもないと思いますし、遅い早いではなくて今は「自分らしくやっていきたい」と思っています。

― 2024年は「有吉ゼミ」での激辛チャレンジや「沸騰ワード10」での海外弾丸旅行などで見せた素顔が「可愛すぎる」と大バズり。今年もバラエティで弾ける彼女に期待したい。

【出口】バラエティで泥遊びしたいです。◯×の壁に走って行って間違えたら泥まみれになる企画あるじゃないですか。思いきりジャージを着てやってみたいです(笑)。私はたぶん動き回った方が向いていると思います(笑)。

出口夏希の「夢を叶える秘訣」→「挑戦すること」と「諦めないこと」

― 「モデルプレス読者の中には今、夢を追いかけている読者もたくさんいます。そういった読者に向けて、出口さんが今思う“夢を叶える秘訣”を教えてほしい」。最後にそう尋ねると「挑戦すること」と「諦めないこと」と返ってきた。

【出口】お仕事が大変で、もうや~めたい、となっても、やらないといけない、やりきらないといけないので、もちろん途中で投げ出すことなんてできませんが、何事も最後までやると、頑張ってよかったな、という思いになります。これまで何度も、何度も、何度もその達成感を味わってきました。1番感じたのは「舞妓さんちのまかないさん」。1年間、舞をして上手にいかなくて、くそ!くそ!って言いながらやっていたんですけど(笑)、乗り越えて最後まで続けたら楽しいって思えるようになりました。だから「挑戦すること」と「諦めないこと」は大事にしたいなと思っていて、それが楽しければ、きっと夢が叶うまで続ければいいんだと思います。でも一方で最後までやって、やっぱり違ったな、もうやらないな、と思うことも少しはあって。そんなときは、もう二度とや~らない、ってなればいいんです(笑)。

―――――― 成長したか、それは自分ではわからない、と彼女は言う。ただドラマに映画にCM、すべてで引く手あまたになっている現状が、彼女の成長を裏付けている。この日インタビューをしていると「思っていることを言葉にするのが苦手だから、実は取材も苦手で…」と素直に打ち明けられた。逆にとても好印象だった。話してくれたことに一つも嘘がないのだと思ったから。「私はこれでいいんだ」「自分らしくやっていきたい」「挑戦すること」「諦めないこと」……環境の変化に悩みつつも全力で楽しもうとする等身大の言葉は、きっと誰かの支えになると思う。 ――――――

(modelpress編集部)

PHOTO:赤英路

衣装:<ワンピース>ガニー

出口夏希(でぐち・なつき)プロフィール

2001年10月4日生まれ。「ミスセブンティーン2018」に選出され「Seventeen」専属モデルとしてデビュー。現在は「non-no」専属モデルとして活動中。2019年にドラマ「ココア」でドラマ初出演にして初主演を務める。近年の主な出演作はドラマ「舞妓さんちのまかないさん」(2023)、「アオハライド」(2023-2024)、「君が心をくれたから」(2024)、「ブルーモーメント」(2024)、映画「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」(2023)「余命一年の僕が、余命半年の君と出会った話。」(2024)、映画「赤羽骨子のボディガード」(2024)など。

モデルプレスのオリジナル企画「今月のカバーモデル」2025年1月表紙/出口夏希(C)モデルプレス
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