「アイドルになるためには?」トップを走った乃木坂46山下美月の回答(C)モデルプレス

「アイドルになるためには?」トップを走った乃木坂46山下美月の回答 モデルプレスインタビュー

2024.04.24 07:00

【乃木坂46山下美月/2nd写真集「ヒロイン」(4月23日発売/小学館)発売記念インタビュー】

5月に乃木坂46を卒業する山下美月(24)。彼女を見て、アイドルになりたいと思った人も多いのでは。約8年間のアイドル人生は、決して心が穏やかなときばかりではなかったが「楽しかった!」と笑顔を見せる。ライブで全国をまわり、歌番組に出演し、ファンとのイベントもこなす。いち女優としてドラマに引っ張りだこで、ファッション誌「CanCam」専属モデルとしても輝く。文字通り“日本一多忙な女性アイドル”だった彼女の「生きた言葉」の数々をとくとご覧あれ。

  

山下美月「最後まで自分らしくやりたい」と語る理由にファンの存在

山下美月(C)モデルプレス
― 卒業発表をしたブログが本当に素敵で。写真集では12000字超、8ページにわたるエッセイも書いていますが、改めて自分の言葉を持っている方だなと思いました。

山下:ブログの文章は、先輩の卒業発表のブログを全員分読んでから考え始めました。どのように伝えたらファンのみなさんに納得していただけるのか、なるべく悲しませないような文を書くにはどうしたらいいのかと考えを巡らせました。

― 「もう悔いはない!」と綴っていましたが、残りの期間をどんなものにしたいですか。

山下:最後まで自分らしくやりたいです。自分ってなんなんだろうと思いながら8年間を生きてきました。振り返ってみると、山下らしさってファンのみなさんがいたから生まれたことに気づいて。山下らしくて好きって言葉があったから、私のアイドルとしてのキャラが成立していった。だからこそ卒業するそのときまで、ファンのみなさんの期待にそえるような時間にできたら、きっとそれが幸せなんだろうと思います。

― アイドル人生、どの瞬間もきっと、今の山下さんにとって欠かせないことばっかりだったのかなと。この8年間を振り返って、喜怒哀楽どれでも一番感情を揺さぶられた出来事はなんでしたか。

山下:一つを選ぶのは難しいくらい、いろんなことがありました。ずっと感情揺さぶられマシーンだったとは思います(笑)。なんて言ったらいいんだろう、例えると映画「すずめの戸締まり」でミミズが出てくるようなイメージで、常に誰か「閉めて―!」みたいな感じ(笑)。

― すごい例えですが、言いたいことはとても伝わってきます(笑)。

山下:気持ちが安定している期間というのは正直あまりなかったです。常に忙しさに追われたり、やらないといけない困難に直面したり。でもそれは決してネガティブな意味ではなくて。私は安定を求めるのではなく、いろんなことに挑戦したかった。やってみたらできるかもしれない、だからやってみようをやり続けたからこそ、今に繋がったんだと思います。

「アイドルになるためには?」山下美月の回答

山下美月(C)モデルプレス
― トップアイドルをしながら朝ドラはじめ、連ドラレギュラーを複数こなす。お世辞では決してなく、新しい道を切り開いた存在だと思います。そんな山下さんがアイドルを目指す子に「アイドルになるためには?」と聞かれたら、なんと答えますか?

山下:自分から掴みにいくこと、チャンスは一つじゃないと思うこと、後悔するかもしれないことを一つずつなくしていくこと、です。

― 山下さんがそれを言い切ると、途端に説得力が増しますね。

山下:私は乃木坂46に入るまでにたくさんのオーディションを受けていましたが、どれもダメで。それこそ欅坂46もひらがなけやきも受けたけど、一次審査で落ちていました。面接にすら呼ばれないなんてことはざら。でも乃木坂46の3期生オーディションは最終審査に進んで合格して。だから諦めずに自分から掴もうと行動し続けることは本当に大事だと思います。あと落ち込みすぎないこと。絶対にこのオーディションに受かりたい、という気持ちはやっぱりあると思いますが、そのチャンスは自分のものではないかもしれない、だとしたら他のチャンスを手に入れるために切り替えることも必要だと思うんです。

― なるほど、オーディションの合否は必ずしも自分がダメというわけではないことも確かに多そうです。

山下:そうなんです。でもいつか自分に合うチャンスがきたとき逃さないために、努力はしないといけない。頑張り方は人それぞれですが、後悔しないために例えばダイエットをする、自分に合った服を選ぶ、メイクを勉強する、ダンスの教室に通う。私も小学生のときから、いつか絶対に受かるんだと、毎晩一人でアイドルの動画を見ながらダンスを踊っていました。1ミリでも合格に近づけるように、どれだけ自分が熱量を注げるか、頭を使って考えられるか、というのが結果につながっていくと思います。

山下美月から後輩へ「プラスアルファを持つことの大切さ」

山下美月(C)モデルプレス
― 謙遜されるかもしれないですが、山下さんは乃木坂46のいわゆるエースでした。

山下:いやいやいや(笑)。

― (笑)。山下さんが卒業したら、また別の誰かが乃木坂46を背負っていかないといけない。今の地位を築いた山下さんだからこそ、後輩に伝えられるメッセージはありますか。

山下:まず前提として乃木坂46にいる時点でみんなすごく頑張っています。この間のバースデーライブでも、一人で何十曲、何百曲と覚えないといけない世界。稽古をしながらバラエティに出て乃木坂46の新曲も覚える、本当にとんでもなく大変なスケジュールで動いていて。それが基準になってるからこそ、私が特別頑張っているとは一切思っていないです。ライブの期間中にドラマの撮影が入っていたりすると「美月さんって本当にすごいですよね」って言ってくれるけど、みんなだって本当に頑張ってるよ、って言いたいし褒めたいです。

でも一方でみんなが頑張っているからこそ、プラスアルファで自分の得意分野を見つけること、見つけたらどう発展させていくのかが重要で。私の場合、ずっとドラマや映画を観るのが好きだったので、乃木坂46の活動も頑張りながら、自分のお芝居を磨くためワークショップに行ったりしていました。プラスアルファがあると、より多くの人に見ていただける引っかかりを持つことができます。とはいえ、みんなもう本当に頑張っているから、無理はしすぎず、自分の好きなことを伸ばしていってもらえたら嬉しいです。

山下美月、約8年のアイドル人生から思う「夢を叶える秘訣」

山下美月(C)モデルプレス
― 「自分の好きなことを伸ばす」、いくつもの夢を叶えてきた山下さんらしいメッセージですね。8年間のアイドル人生を振り返って、夢を叶えるためにはなにが必要だと思いますか。

山下:すべての夢を叶えようとせず、自分の得意な分野や好きな分野にこだわって伸ばしていくこと。苦手なことを頑張って耐え続けることも大事ですが、得意なこと、好きなことの方がやっぱり伸びるんですよね。実は私も乃木坂46として叶えたかった夢はいくつも残っています。二人組のユニット曲がほしかったとか、夏の全国ツアーの座長をやってみたかったとか、王道アイドルソングのセンター曲がほしかったとか、このメンバーと歌ってみたかったとか。全部は叶わずに終わりますが、でもだからといってアイドルとしてダメだったとはならないと思います。乃木坂46でありながら朝ドラに出演する、ドラマを掛け持ちする、叶った夢を大切にしてきましたし、それは自分にとってとても大切な財産になりました。

山下美月・2nd写真集「ヒロイン」撮影地はアメリカ・ロサンゼルス

山下美月 2nd写真集「ヒロイン」通常版/撮影:須江隆治(See)
乃木坂46として過ごした約8年間の集大成。ロサンゼルスならではのハッピー感あふれる水着カットや、大人っぽい表現力を増したランジェリーショットなど、アイドル卒業を控えてやりたかったことをすべて詰め込んだ。

「日頃からお世話になっている素晴らしいスタッフのみなさんと、セカンド写真集を作らせていただきました。今回は自分自身で衣装やシチュエーションなども提案し、ファンのみなさんに見ていただきたい姿を詰め込んだ1冊になっております。ロサンゼルスの街並みは自由の精神に溢れていて、私の背中を大きく押してくれました。人々の夢と現実が詰まった場所で己と向き合いながら、アイドルとしての自分を写真におさめることができた素敵な時間でした。乃木坂46としての私の最後の姿を、ぜひ多くの方に見ていただけたら幸いです」

(modelpress編集部)

山下美月(やましたみづき)プロフィール

モデルプレスのインタビューに応じた乃木坂46・山下美月(C)モデルプレス
1999年7月26日生まれ。O型。東京都出身。乃木坂46の3期生。身長159cm。ファッション誌「CanCam」専属モデル。2016年、高校2年生のときに「乃木坂46 3期生オーディション」に合格してデビュー。2018年、乃木坂46の20thシングル「シンクロニシティ」で初めて選抜メンバー入り、2021年1月発売の26thシングル「僕は僕を好きになる」では初センターを務め、以降グループのエースとして活躍。最新曲となる35thシングル「チャンスは平等」で自身2度目の単独センター。卒業コンサートが5月11、12日に東京ドームで開催される。またNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」、TBS日曜劇場「下剋上球児」、TBS火曜ドラマ「Eye Love You」に出演するなど女優としても注目の存在。11月22日公開の映画「六人の嘘つきな大学生」への出演も控える。

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