舟山久美子、益若つばさ(C)モデルプレス

【益若つばさ×舟山久美子/後編】“ギャル黄金時代”を生きた2人が語る未来のギャル文化 動画クリエイターとの共通点とは

2023.09.16 18:00

“平成ギャル”として一斉を風靡した、益若つばさ(ますわか・つばさ/37)と舟山久美子(ふなやま・くみこ/32)の初対談が実現。令和の今“ギャルマインド”が注目される理由や夢を叶える秘訣まで、赤裸々に語ってくれた。<モデルプレスインタビュー後編>

  

益若つばさと舟山久美子にとっての“ギャルマインド”

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― 昔は見た目や装いなど等身大の姿を重要とされていたギャルでしたが、現在は“ギャルマインド”という言葉があるように内面的な部分を重視している印象です。なぜ、この様な変化が起きたと思いますか?

舟山:私の場合、自分に自信がないタイプで、ギャルに変身するとなんでもできる気持ちになりました。赤面症で周りに見られることが嫌いで、人前に立つことが苦手でしたが、ギャルになることで新しい自分に生まれ変わることが出来たと思います。

ギャルになった当時、父親がとても厳しく髪の毛を染めることや眉毛を抜くことを反対され、メイクやつけ爪まで、全部剥ぎ取られたことがありましが、誰かに迷惑をかけているという感覚は全くないので、否定されることが理解できず…。ギャルになることも雑誌に出ることも父に言わず、全て自分の責任でやっていました。結果、いろんなこと認められるようになったので、ギャルマインドには自分の変われるきっかけやなりたい自分に近づいていけるという部分が共通してあるのかなと思います。

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益若:当時はやはり、鎧を纏うことでギャルになれるという感覚があったんだと思います。私も本当は大人しい子で中々自分の意見を言うことが出来ず、家にいることが多い子でした。ギャルは、太陽の下でお友達と沢山笑って思い出を作れる人気者というイメージがあり、とてもキラキラしている存在で、私も10代の時はギャルのようにお友達と思い出を沢山作りたいと思っていました。あと単純にバービー人形みたいなギャルの見た目が好きで、なりたい自分に変身していく様にも憧れていたのだと思います。当時は、ギャルは形から入るものと思っていましたが、下の世代に続くにつれて衰退していきました。でも、みんなどこかであの時代のギャルがかっこよかったと思っていたんじゃないかな。

舟山:かっこよかったと思っていたし、元気を貰っていた人は多かったと思います。

益若:そうそう、元気を貰っていた感覚がどこかに刻まれていて、ポジティブなギャルのイメージを「あのマインドいいな」と改めて思ってもらえたのではないかと感じていて、ギャルの見た目も流行ってきたから“ギャルマインド”というワードが大きく注目されるようになのかな。私たちの上の世代にも芯があり、時代を引っ張っていった方がいると思いますが、意見をはっきり言うとか、人を裏切らないとか、友達大切にするという義理人情のような部分を改めて今“ギャルマインド”として「素敵じゃん」と理解していただけるようになったと感じています。

舟山久美子が感じた動画クリエイターとギャルの共通点

益若つばさ(C)モデルプレス
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―今後のギャル文化はどのように変化していると思いますか?

舟山:金髪やお人形さんの様なメイクで可愛い服着るというスタイルはあり続けると思いますが、ギャルだけでは括れないものになる気がします。また、集団で何かを作り上げていく、合わさった時のエネルギーの強さという部分も“ギャルマインド”の1つだと思うのですが、当時の「Popteen」を振り返ると、動画クリエイターたちの関係に似ているなと思います。

益若:すごく似ている!今の動画クリエイターは、読者モデルの感じに限りなく近い。

舟山:経済効果も含めて、コミュニティのみんなで力を合わせる感じが似ているなと思っていて、先日コムドットさんの『Creator Dream Fes ~produced by Com.~』に行かせていただいて「Popteen祭り」のことを思い出しました。

益若:当時は、自分たちが発信しているものに影響力があるとか、当事者の私たちはわかりませんでした。とにかく楽しい、もっとみんなで盛り上げようという感じでしたが、周りからは「何が人気なの?」「なんで読者モデル流行っているの?」と少し馬鹿にされていたと思います。今、同じことが動画クリエイターに起きていて、影響力や勢いがある中でも、心無い声をぶつける人がいて、動画クリエイターたちが抱えている葛藤は、当時読者モデルをしていた私たちと近いのではないかなと思います。

舟山:テレビに読者モデルが出てきた時、それを嫌がる方がいてバッシングされましたが、現在だと動画クリエイターの方がテレビに出演されるとバッシングを受けることもありますし、本当に同じ現象だなと思って見ています。

益若:動画クリエイターの方たちも本当に素敵な方たちが多く、クリエイター事務所には入っていると思いますが、いい意味で素人らしい。自分たちで企画を考えていて自己プロデュース力も高く、撮影から編集まで自ら行っていて、誌面か動画かの違いだけで提案の仕方や周囲を巻き込んでいく感覚が本当に読者モデル時代の私たちと近いですよね。

益若つばさ・舟山久美子の夢を叶える秘訣

― モデルプレス読者の中には今、夢を追いかけている読者もたくさんいます。そういった読者に向けて、お2人の考える「夢を叶える秘訣」を教えてください。

益若:夢や目標は、掲げた方がいい、声に出した方が周囲も協力してくれると言われることが多いと思うのですが、私は言わないです。先を見るよりも毎日、1つひとつの仕事を丁寧にやる事が大事だと思っていて、結果的に未来の自分に繋がっていきます。自分を期待しすぎると落胆するし、人生って読めないことも多いので、私の性格的に決めすぎない方が、自分らしくいられると思うので、絶対にこれは頑張りたいとか自分の中の目標設定をこっそり決めて、声に出さないことが自分のルールです。

舟山:確かにつばさちゃんは、密かに秘めているミステリアスな方なので。

益若:自分でもそう思います。でも時代的には、声に出した方がいいと思います(笑)

益若つばさ(C)モデルプレス
― モデルプレスの取材でも、夢を叶える秘訣は「夢を声に出すこと」と答えられる方が多いです。

益若:ですよね。声に出すと応援したいなと思っていただけてプラスに働くことが多いと思いますが、私は過程を見せる行動があまり得意ではないのでとても羨ましいです。夢や目標が無くても大丈夫ですし、毎日コツコツ努力すれば繋がるということを伝えたいです。

舟山:私はつばさちゃんとは反対に色々目標を作るタイプですが、過去に目標を見失って時間に追われ過ぎて、誰の人生を生きているのかわからなくなる時期がありました。周りを見て、言わない方がいいのかな、ダメなんじゃないのかな、諦めた方がいいのかなと思うこともありましたが、自分の感覚を信じて突き進んでいくと、身を結んでいくのだなと体感しました。日常の中のときめきを大切にしていくと、夢と出会える瞬間があるし、目標に近づいていけるのかなと思います。

益若:それが多分、自分のことを知ることに近づけると思います。好きなものだけをどんどん集めて、意思表示をしていくと、自分が何を好きか分かることが出来ますし、何に弱くて何が好きという 他人の評価とか、他人の目ではなく、まずは自分。どんな時に自分は落ち込むか、何に気持ちいいと思うか、朝日が好きなのか、夜の時間が好きとか、ちょっとしたことでもいいから、好きなものを沢山リストアップすると、自分がわかるようになり、自分の役割が分かるようになります。

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舟山:長所がわかったら苦手なことを頑張ってやらなくていいじゃないですか。苦手なところは得意な方にしてもらえばいいと思うので、そうすると夢を叶えるスピードが上がるなと思います。

― ギャルの助け合いという部分にも繋がってきますね

益若:苦手なことをちゃんと伝えることは大事ですね。

舟山:先日、『ダウンタウンDX』でギャルが集結して収録を行ったのですが、皆が何を苦手かわかるじゃないですか。なのでお互いにサポートし合いました。

益若:くみっきーはバラエティで攻撃されることが苦手で、たまに慌てて思っていない事を言っちゃうのが悩みらしくて、それを事前に理解していたのでフォローに徹しました。ですから、苦手なことを公開しておく事が大事だと思います。

舟山:周りに共有していると、夢にも近づけますし、生きやすくなると思います。

― 貴重なお話をありがとうございました。

(modelpress編集部)

益若つばさ、舟山久美子(C)モデルプレス
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益若つばさ(ますわかつばさ)プロフィール

益若つばさ(C)モデルプレス
1985年10月13日生まれ、埼玉県出身。17歳で雑誌の街角スナップに紹介されたのをきっかけに「Popteen」の読者モデルとして活躍。彼女が身につけるファッションアイテムが飛ぶように売れ「つばさ売れ」という言葉が生まれ、当時彼女の経済効果は100億円を超えるとも言われていた。美容やアパレル商品など様々な商品のプロデュースを行うほか、バラエティ番組などにも出演している。

舟山久美子(ふなやまくみこ)プロフィール

舟山久美子(C)モデルプレス
1991年4月29日生まれ、東京都出身。17歳のときに渋谷でスカウトされモデルデビュー。雑誌「Popteen」の専属モデルを務め、連続表紙起用は17回(2009年3月号~2010年7月号)、通算表紙起用は37回を記録。“ギャルの神様”として人気を集めた。現在はテレビなどでタレントとして活動する一方で、会社を経営するなど積極的に取り組んでいる。
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