モデルプレスのインタビューに応じた鈴木絢音(C)モデルプレス

乃木坂46鈴木絢音、卒業発表前に語っていたグループ愛 感動した生駒里奈の言葉<「言葉の海をさまよう」インタビュー>

2023.03.05 18:00

3月28日をもって乃木坂46を卒業する鈴木絢音(すずき・あやね/24)。

胸を打たれた先輩の言葉、胸を張って示したい後輩への道標。卒業発表前に行った書籍「言葉の海をさまよう」(幻冬舎)のインタビューでは大好きな乃木坂46への愛が滲み出ていた。

  

鈴木絢音、行き着いた先が“辞典”だった

鈴木絢音(C)モデルプレス
― 小説幻冬で対談連載していた「言葉の海をさまよう」を書籍化した同作。辞書の編纂者・編集者・校正者・印刷会社・デザイナーなど様々な方と対談してきた中で印象に残っていることを教えて下さい。

鈴木:大まかになってしまうんですけれど、言葉の向き合い方に変化がありました。今までは正しい言葉遣いというか、「この言葉はこう使わなければいけない」みたいな柵があるように感じていました。それが無くなった訳ではないですが、あまり意識せず、今使われている使い方で言葉を使ったり、思ったことをそのまま発信したりできるようになりました。

― 辞書への強い愛を持つ鈴木さんですが、子どもの頃は辞書が苦手だったとか?

鈴木:めちゃくちゃ引きたくなかったです(笑)。国語の授業で国語辞典の使い方を学ぶ時にやっていた早引き勝負が苦手だったんですよね。他にも気になる言葉がたくさんあるのに、次の言葉、次の言葉って調べて書き写さないといけないのが結構苦痛でした。

― そんな幼少期だったにも関わらず、上京する時に“紙の辞書”を持ってきたんですよね?

鈴木:上京して東京の高校に転校することになり、勉強するにも時間ができそうだなと思って、せっかく調べるんだったら、電子辞書より紙の辞書かな、という感じで持ってきました。

― そこから辞書が好きになってきた?

鈴木:実際は読む本が無くなったので辞書に手を出しました(笑)。たくさん本を買ってもすぐ読み終わってしまって、近所の図書館に行っても読む本が無くなってしまい、行き着いた先が辞書でした。

鈴木絢音(C)モデルプレス
― 辞書を読み込むようになって活きたことを挙げるとしたら?

鈴木:今回、こうやって書籍になること自体がそうです。それ以外だと、すごく「言葉遣いが綺麗だね」と言って頂くことがあって嬉しいです。

― ブログもそうですが、モバイルメールが「#絢音ちゃんめ」でTwitterトレンド入りすることも多く、鈴木さんの言葉がしっかりファンの方に届いているのかと思いますが、ご自身のもとに反響は?

鈴木:「トーク(=モバイルメール)面白いね」って言って頂く機会もあります。 私自身あまり写真を送らない方なんですけど、それでもこうして話題にして頂けるということは面白い文章、言葉選びができているのかなって思います。

実は「苦手」 試行錯誤の連続

「言葉の海をさまよう」(3月7日発売)帯付きカバー:鈴木絢音/撮影:新津保建秀(C)幻冬舎
鈴木絢音「言葉の海をさまよう」カバー/撮影:新津保建秀(C)幻冬舎
― 鈴木さんは他の方のブログは読みますか?

鈴木:自分が書く身なので昔は結構読んでいたんですけど自分の書きたいことがうまく書けるようになった気がして、他の方のはあまり気にしなくなりました。

― それは「自分の言葉でしっかりまとめられるようになった」のか、「書きたいことが伝わるようになった」のか?

鈴木:今までは、読んで下さる方にこう伝わって欲しいみたいな思いを載せて書いていたんですけど、今はこの連載を通じて、色んな読み方、受け取り方があっていいよねという考えになったことも大きいと思います。

― 連載で様々な人と出会い、その中で文章を書き続けてきた境地かもしれないですね。

鈴木:そうかもしれないですね。苦手だけどこれからも文章を書き続けて、やめちゃいけないなって思いました。

― 苦手だったんですね。

鈴木:なるべく自分のことを自分の言葉で発さなくていいなら、発したくないぐらい苦手です(笑)。ブログを書いていても、気が付いたら「違う、違う」ってなって全部消していることもあります(笑)。

鈴木絢音、感動した生駒里奈の言葉

鈴木絢音(C)モデルプレス
― 辞書は歴史の積み重ねそのものですが、乃木坂46もデビュー11周年。2期生として先輩の背中を見送り、後輩を迎え入れ、歴史を刻んできた鈴木さんにとって、乃木坂46の変わらないモノって何だと思いますか?

鈴木:やっぱり メンバーみんなの温かさ、その中に強さがある感じは、私が憧れた1期生の皆さんの乃木坂46と、今の乃木坂46で変わらないなって思います。

― 反対に変わったコト、新しい発見などはありますか?

鈴木:新しい発見というか気づきですが、私はグループ外に出ると「まだまだ若いね」って言われるんですけど、それは後輩のみんなの若さを吸えているからだろうなって、最近ちょっと先輩になって感じたことの1つです。

鈴木絢音(C)モデルプレス
― 長く活動してきた中で、先輩・同期・後輩メンバーの言葉で支えになったものはありますか?

鈴木:先日、生駒里奈さんと連絡をとっていて「10年アイドルをやってきて私はまだここにいるというか、あまり早いスピードで歩いてこられてないんです」というお話をした時に、「人それぞれ歩むスピードは違うし、与えられる試練も違うから。私は私の道を歩いてきたし、絢音ちゃんは絢音ちゃんの道を歩けばいいんだよ」っていうお言葉を頂いて、すごく感動しました。

ずっと乃木坂46の先頭を走ってきた方なので、そんな方からそういう言葉を頂けたのはありがたいですし嬉しいです。生駒さんのみならず、1期生さんの言葉は私の血となり肉となっている気がします。

― 普段からそうやって相談や連絡することは多い?

鈴木:何かお仕事が決まったというニュースを見ると「おめでとうございます」って連絡することはあります。乃木坂46を卒業したからお別れじゃなくて、その先も関係性が続いているのは嬉しいことです。

相談は同期にすることが多かったんですけど、こうして同期がいなくなると、(秋元)真夏さんや、去年卒業されていた(和田)まあやさん、(樋口)日奈さんに相談することが増えていきました。

「胸を張って道を示してあげたい」“乃木坂46の鈴木絢音”だから出来ること

鈴木絢音(C)モデルプレス
― 今後の活動についても。乃木坂46でこういうことがやりたい、鈴木絢音としてやってみたいことなどあれば教えて頂きたいです。

鈴木:こうして“写真集”じゃなくて“書籍”という形で出版できたことが乃木坂46っぽいというか、(高山)一実さんや山崎怜奈であったり、そういう分野に興味がある後輩の子がいるとしたら「こういうことも出来るんだよ」って胸を張って道を示してあげたいです。それが乃木坂46にいて出来ることかなと思います。

― 書籍の中にあった“職業病”のお話にちなんで、鈴木さんのアイドルとしての“職業病”を挙げるとしたら?

鈴木:なんだろう……乃木坂46の曲が流れていたらつい踊っちゃうとかですね(笑)。

― “アイドル”という職業の良さはどう思いますか?

鈴木:最近よく思うのは、私は1人で生きていけると思って、そのために乃木坂46に入ったはずなのに、気づいたら人と関わって生きていくことがすごく楽しくて、心地いいことだなって気づけたこと。連載の中に出てくる職業だと、意外と営業のような立ち回りなのかなって思ったりすることもあります。

演技など幅広く色んなことをやらせて頂き、その現場現場で「乃木坂46です」と言ってやってきたので、色んな方に乃木坂46を知ってもらっていたら嬉しいですし、「乃木坂46だからまたお仕事したいな」って思って頂けるようなお仕事ができていたらいいなって思います。

鈴木絢音の悲しみを乗り越えた方法

鈴木絢音(C)モデルプレス
― モデルプレスの読者の中には今、さまざまな不安を抱えている読者がいます。そういった読者へ向けて、鈴木さんがこれまでの人生の中で「悲しみを乗り越えたエピソード」を教えてください。

鈴木:私が悲しいと感じるのは、やっぱりメンバーの卒業です。2期生が卒業する度にもう涙が出なくなるんじゃないかぐらいに泣いてきたんですけれど、永遠に会えないわけじゃなくて、それぞれがそれぞれの場所で頑張るって決めて卒業していったので、私は離れていてもみんなのことを応援しよう、見守ってあげようという気持ちで悲しみを乗り越えてきました。

― 乗り越えてきた数は多い方ですよね。

鈴木:そうですね、深い悲しみを乗り越えてはまた…とずっと繰り返して「みんな頑張ってるし私も頑張ろう」っていう気持ちで10年間歩いてきました。

鈴木絢音の夢を叶える秘訣

鈴木絢音(C)モデルプレス
― モデルプレス読者の中には今、夢を追いかけている読者もたくさんいます。そういった読者に向けて、鈴木さんが今思う「夢を叶える秘訣」を教えてください。2021年9月のインタビューでは「素の自分を愛すこと」とお話されていました。

鈴木:(当時の言葉を眺めながら)まさにこの通りだなー…2021年の私はもう気づいていたんだな。

加えるとしたら発信することですかね。私も今回「辞書が好き」って言い続けて、こうやって本好きとして、1度は夢に見る「書籍発売」という夢がかなったので、言い続けること、発信することが大切だと思います。

― ありがとうございました。

鈴木絢音(C)モデルプレス

乃木坂46鈴木絢音『言葉の海をさまよう』

鈴木絢音/撮影:新津保建秀(C)幻冬舎
乃木坂46イチの読書家で、辞書への強い愛を持つ鈴木絢音。書籍『言葉の海をさまよう』は、辞書愛に満ちた鈴木と辞書を作る人々との対談集。辞書出版社の三省堂のバックアップにより、辞書の編纂者、編集者、校正者、印刷会社、デザイナーなど、様々な方にお話を聞いた様子を1冊にまとめた。

また、1st写真集『光の角度』の撮影以来約3年ぶりに写真家・新津保建秀氏が撮影。16pのカラー口絵では、文学少女の休日をテーマに撮りおろした、様々な表情の鈴木を見ることができる。

さらに、3月7~20日までHMV&BOOKS SHIBUYAで同作の発売記念展示を開催する。(modelpress編集部)

鈴木絢音(すずき・あやね)プロフィール

1999年3月5日生まれ、秋田県出身。中学2年生の時に乃木坂46の2期生オーディションに参加し、合格。2018年に21stシングル「ジコチューで行こう!」で初の選抜入りを果たす。2020年、1st写真集『光の角度』(幻冬舎)を発売。

3月28日に開催する「鈴木絢音 卒業セレモニー」をもって、乃木坂46を卒業する。
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