TOMOO、“唯一無二の歌声”で表現する恋愛の終わり「感情が最後に爆発する」<3rdシングル「Cinderella」インタビュー>
2023.01.19 19:00
2022年8月にメジャーデビューを果たし、2023年1月13日に3rdシングル「Cinderella」をリリースしたTOMOO(ともお)。昨年はメジャーデビューなど変化の大きかった年だが、TOMOOは意外にも「根の年」だったと振り返る。最新曲「Cinderella」に込められた新たな挑戦や、2023年の音楽&プライベートの目標までたっぷり聞いた。
TOMOO、ファン待望のメジャーデビュー
唯一無二の歌声と、瑞々しい情景描写や繊細な感情を表現する歌詞で人気を集めるTOMOO。2020年8月に発表した「らしくもなくたっていいでしょう」は117万再生を突破し、2021年8月に発表した「Ginger」はリリースから5ヶ月あまりで150万回再生を突破した。そして2022年8月にリリースした「オセロ」でメジャーデビューを果たし、同月に行われたワンマンライブは早くにSOLD OUT。同年12月からは全国5大都市を巡るツアーを開催するなど、彼女の歌声と楽曲に魅了される人々は着実に増えている。
別れを歌う3rdシングル「Cinderella」
― 「Cinderella」のリリースおめでとうございます!今作はメジャー3枚目となりますが、どのような楽曲となっていますか?TOMOO:今作は歌詞にも書かれているように“別れの歌”になっています。頭の中でエンドロールが流れてエンディングの音楽が大音量で流れているようなイメージの楽曲です。これまでの自分の中にあったストーリーを、映画の終わりのようにドラマチックに頭の中で情景を刻み込むというか。浄化のようなサヨナラの歌になっています。
― ここまで恋愛に寄った楽曲はメジャーになってから初めてですね。
TOMOO:そうですね。2ndシングルの「17(セブンティーン)」も多少は入っていますが、ここまで直接的でダイレクトなのはメジャーでは初めてですね。
― 「17」もミディアムバラードで今作もバラードと、雰囲気の似ている楽曲が続いていますが何か狙いも?
TOMOO:メジャー前のシングルも合わせると軽快な曲が続いて、そろそろバラードも出したいという思いはありました。でも2曲連続バラードには本当になんの意図も無くて、どっちも早く出したかったんです。「17」は個人的な裏テーマもあって、音楽活動を始めたのが17歳で今年で10年という節目になるので27歳に出したいなと。それと、私の一面を表す楽曲も出したいと思っていて、それが今回の「Cinderella」です。情感がドスッとストレートで伝わるような今の私を表す曲も早く出したいなと思ったこともあり、バラードが続いた感じですね。
― インディーズの頃からバラードの内容に変化はありましたか?
TOMOO:昔から聴いてくださっている方は「ちょっと違う」と感じるかもしれませんね。10代の頃に書いていたバラードは、もう少し穏やかで平和だったと思います。メロディーも昔はブラックミュージックの影響を全く受けていませんでしたが、2017年頃からブラックミュージックにだんだん惹かれていって、その影響が「Cinderella」に出ていると感じます。
― 「Cinderella」の制作も2017年ごろから?
TOMOO:そうですね。2017年の秋ごろから構想はあってメモを取っていました。確か翌年の2月ごろにはメロディーが浮かんでサビもできていましたね。2018年5月ごろには楽曲が完成したので、あとはいつリリースしようかと機会をうかがっていました。
― 1番にサビのない独特な構成をしているので、制作時間もかかっているのかと思っていました。
TOMOO:なかなか無い構成ですよね(笑)。だいたいAメロ、Bメロ、サビと続きますが、「Cinderella」はAメロ、Bメロ、Aメロ、Bメロ、サビですから。ただ、意図してこうしたわけじゃなくて成り行きで今の構成になりました。今作も歌詞から先に書いたんですけど、それを曲にしていったら今の形になった感じですね。
― 意図的ではなかったんですね。
TOMOO:この曲は歌詞にもあるようにすごく堪えている内容になっているんです。A・Bときたらサビがきそうなところを我慢してもう一度A・Bになることで、すごく堪えているんです。ギリギリまで堪えて、感情が最後に爆発(サビ)する流れがそのまま楽曲の構成になったんだと思います。
TOMOO、最新曲に込めた新たな挑戦
― メロディーラインで特にこだわった部分はありますか?TOMOO:メロディーも感情のままに作ってるんですが、各パートにテーマがあるんです。Aメロは安心感と懐かしみのある優し気なメロディーなんですが、Bメロはコード進行(音の動き)も変わって少し時代が変わったようなイメージ。歌詞にもあるようにBメロは気持ちが溢れかえりそうなギリギリのラインを意識しました。今回はチャレンジした部分もあって、サビの音程が14連ずっと一緒なんです。今までそういった曲を作ったことがなくて、同じ音を連打するのはあまり歌謡的じゃないというか、楽器的な歌い方というか。日本語のポップスはイントネーションがあるから緩急があるはずなんですけど、今回は全部同じ音程で歌うという新しいチャレンジにも挑戦しています。
― どういった理由で同じ音程に?
TOMOO:これも自然と生まれたんですが、どうにもならない悲しい気持ちが自分の中で反響しているのを表現しようと思ったら同じ音の連打になったんだと思います。あまりうまく言えないんですが、何度も同じ音を叩きつけることによって、気持ちが増幅する心の有り様をイメージしています。
― 2018年には完成していたとのことですが、リリースする上で変更した点などもありましたか?
TOMOO:ほぼ変わっていないですね。強いて言えばコード進行がアレンジの段階で変更になっています。サウンドプロデュースの高木祥太さん(BREIMEN)の提案で変更していて。高木さんにはインディーズの頃からお世話になっているんですけど、毎回どこかでコード進行が変えられていて、なんとなく遊びでやっているのかなって思っていたんです(笑)。
― 遊びで(笑)。
TOMOO:私は変化に弱い人間なので、最初は抵抗があったんですけど、聴いていくうちに「こっちのほうがいいかも」と思えるようになっていって。最近「ここはどういう意味があって変えたの?」と聞いたらすごくちゃんと考えてくれていたんです。飽きさせない展開とか、ドラマチックさとか。数年の付き合いですが、リスナー目線で真剣に考えてくれているというのを最近知りました(笑)。
― 最近知ったんですね(笑)。MVの撮影もすでにされましたか?(12月初旬インタビュー)
TOMOO:実は日付変わって明日の早朝4時から撮影が始まります。
― 4時ですか…!かなり早いですね。決まっている範囲で構わないのですが、どういった撮影になるんでしょうか?
TOMOO:今までも屋外でMVの撮影をしたことはあるんですが、ちょっとおまけみたいな感じの撮影でした。今回は楽曲的にも街中で撮影したいと私が強くお願いして、初めてちゃんとした屋外での撮影になる予定です。それに今までは軽快だったりエネルギッシュなMVはあったけど、感情が前面に出ているMVって無かったんです。まだ撮影前なのでなんとも言えませんが、演出や環境など全部ひっくるめて感情表現がダイレクトに伝わるMVになるんじゃないかなと思っています。
― どのようなMVになるか楽しみです!
TOMOO:今まで見せていないような表情だったり、リアルだけど幻想感もあるMVにできればと思っています。
TOMOO、最近始めた意外な習慣とは?
― 前回のインタビューでは週3日の運動と水を飲むことが目標とお話されていましたが、その後いかがですか?TOMOO:水はよく飲むようになりました。前はライブリハでも水を全然飲まないから、みんなが言ってくれるんです。それからよく飲むようになったと思います。
― 運動はいかがですか?
TOMOO:もう本当に駄目ですね(笑)。誰かと約束して報告するくらいにならないと、運動できないかも…。最近は忙しくて家にこもっている時間もなくなり、より運動しなくなっちゃいました。
― 忙しいとどうしても難しいですよね。逆に何か新しく始めたことなどは?
TOMOO:腸内環境の改善です!喉の調子が悪くなることがあって、実は腸の状態と喉が直結していると最近知ったんです。
― 知らなかったです!
TOMOO:乳酸菌やビタミンCを摂取したり、水溶性の食物繊維を摂るようになりました。
― ビタミンCも喉に関係あるんですね。
TOMOO:私もビタミンCって肌のイメージがありました。結局、肌も喉も粘膜なので、調子が悪い時の回復力をビタミンCが高めてくれたりするそうです。
― 確かにビタミンCが風邪予防になると聞いたことがあります!腸内環境の改善は喉の調子が悪くなったことで始めたんですか?
TOMOO:そうですね。喉の調子が悪い時に、「腸が大事ですよ」って教えてもらったんです。確かに腸内環境を意識している時は喉の調子が悪くなることはないので、効果はあるのかなって思います。オリゴ糖と、乳酸菌と、食物繊維を一緒に摂ることが大事らしくて、空腹の時に摂取しても菌が胃酸にやられちゃうらしいです。
― 色々と勉強されているんですね!
TOMOO:人から聞いたことを実践しているだけなんですけどね(笑)。色々なことを試してるから何で効果が出ているのかもわからなくて(笑)。
TOMOO「2023年はシンプルかつ、ひねくれた曲を」
― 2022年はメジャーデビューなど変化も大きな年だったと思います。振り返ってみて2022年はどんな年でしたか?TOMOO:2022年は“根の年”でした。「デビュー=華々しい」というイメージもあると思うんですけど、私にとっては一緒に音楽を作ってくれる方たちとの関係作りがメインの年でした。色々なことを試したり迷ったり探ることも多く、いわば根を伸ばして張っていくようなイメージです。2023年も根をしっかり張って良い関係性を築けていければと思っています。そこから目に見える部分へと繋がっていくのかなと。
― 2023年は“根”から“幹”のほうへ?
TOMOO:そうですね。2022年も曲をたくさんリリースさせていただき、聴いてくれる方も増えたと感じています。2023年はさらにチームワークも良くなっていき、色々な楽曲を放っていけるんじゃないかなと思っています。
― 楽曲作りにも変化が?
TOMOO:最近ふと2022年の楽曲は、構成や音作り、言葉の詰め方が少し複雑だったかなと思ったんです。昔と違い複雑な音楽も受け入れられるようになってきたこともあり、やや複雑な楽曲を出させてもらっていたというのも理由なんですが。だけど、2023年はシンプルかつ、ひねくれた曲を作りたいなって漠然と考えています。
― シンプルというのは直接的に伝わりやすいというような?
TOMOO:表現が難しいんですが、言葉数や展開、見える景色がシンプルな楽曲ですね。婉曲表現がストレートになるのではなく、例えばシンプルなTシャツにでっかいボタンが1個ついてるだけみたいな。簡単な言葉を使うことへの憧れはあるんですけど、直接的で分かりやすいとは違うんです。伝えるのが難しいのですが…。
― 「シンプルなTシャツにでっかいボタンが1個ついてるだけ」の楽曲がどのようなものなのか楽しみに待っています!
TOMOO:意味わからないですよね(笑)。忘れてもらっても大丈夫です(笑)。
― (笑)。ちなみにプライベートでの2023年の目標などもありますか?
TOMOO:旅に行きたいですね。ライブで遠出することはありますが、それ以外はほとんどなくて。
― 一人旅のような?
TOMOO:そうですね。2022年は色んな方と出会って、新しいことも意外とできたような気がします。気持ちがチャレンジングになっているからか、旅がしたいのかもしれないです(笑)。
― 行ってみたい場所もあるんですか?
TOMOO:瀬戸内海の方に行ってみたいんです。あと長崎にも行ってみたいし、夏の日本海側にも行ってみたい。ただ旅行に行きたい人みたいですね(笑)。あとはリアルな話で、生活力を上げたいです。健康的なご飯をちゃちゃっと作れるようになりたい。
― 2023年の目標は旅へ行き、健康的な食事が作れるように。
TOMOO:言ったら満足して実行しないことも多いので叶えられるように…。
― “有言実行”も2023年の目標に?
TOMOO:そうですね…。あと、私は色々なことを一律でこだわりすぎてしまう人間なんです。「そこ、こだわらなくてもいいよね」という部分でもこだわってしまうので、そこの見極めもできるようになりたいなって思います。見極めができるようになれば、もっと別のことに時間を使えるようになるし、本当にこだわりたい部分にも時間が使えると思うので。目標すごく多くなっちゃいました(笑)。
― 2023年はかなり盛りだくさんですね(笑)。今年の活躍も楽しみにしています。ありがとうございました。
(modelpress編集部)[PR]提供元:株式会社ポニーキャニオン
【衣装クレジット】
フーディー ¥31,977、パンツ ¥27,687/ともに、irojikake
TOMOOプロフィール
ステージに上がるとたちまち目を引く存在感と、ハッとする唯一無二の歌声が人々を魅了するシンガーソングライター。6歳よりピアノを始める。聴いたことがない楽曲の歌詞に自分でメロディをつけて歌っていたことをきっかけに作曲を始める。中学に入りオリジナル曲の制作を開始。その後本格的に音楽活動をスタートさせる。PONYCANYON/IRORI Records より、2022年8月3日にMajor 1st Digital Single「オセロ」をメジャーリリース。同年8月7日にはTOMOO one-man live "Estuary" at LINE CUBE SHIBUYAをソールドアウトにて開催。2022年12月より東京・Zepp DiverCity公演をはじめとする全国5大都市を巡る、TOMOO 1st LIVE TOUR 2022-2023 "BEAT" を開催。