鈴鹿央士、Snow Man目黒蓮に救われた言葉・2人で話し合ったこと オリジナルドラマならではの“強み”語る<「silent」インタビュー>
2022.10.26 05:00
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俳優の鈴鹿央士(すずか・おうじ/22)が、現在出演しているフジテレビ系木曜劇場「silent」(毎週木曜よる10時~)の第4話の放送に合わせ、モデルプレスら報道陣による囲み取材に応じた。鈴鹿演じる戸川湊斗の思いや本作の強み、共演する女優の川口春奈、Snow Manの目黒蓮の人柄までたっぷりと語ってもらった。
川口春奈&目黒蓮共演「silent」
オリジナル作品となる本作は、主人公の青羽紬(川口)がかつて本気で愛した恋人である佐倉想(目黒)と、音のない世界で“出会い直す”という、切なくも温かいラブストーリー。鈴鹿は、紬の中学時代からの同級生であり、現在紬が交際している相手・湊斗を演じる。想とは高校時代にサッカー部で知り合い、親友だったという間柄でもある。
鈴鹿央士「silent」湊斗役への思い
― 放送が始まって数週間経っていますが、現在の心境や反響に対する感想を教えてください。鈴鹿:紬と想とは最初から複雑な関係だと思っていたのですが、撮影が進んでもやっぱりその複雑さを感じていますね。湊斗の考えていることや持っている感情が1つではないので、いろいろなことを考えながらその場にいます。「紬といられて幸せ」「想と話せて嬉しい」というだけの思いではなく、プラスもマイナスもいろいろな感情を持っているんだと思っています。さっきもスタッフさんと「湊斗が普通の顔をしている時ってなかったよね?」という話になり、「たしかに」と思いました。(湊斗は)ずっと人のことを考えながら生きていると思っています。
また、第2話で湊斗が紬にコンポタ(コーンポタージュ)を渡すシーンやパンダが落ちる動画を見せるシーンから、湊斗の持つ優しさが皆さんに伝わっていることがすごく嬉しいです。湊斗の思いを考えてくださって、応援してもらえて、幸せです。放送後には「#鈴鹿央士くんを幸せにしたい」というハッシュタグができたということを知って僕自身が幸せでした。
鈴鹿央士「silent」オリジナルならではの強みを語る
― 今まで出演されてきたドラマとの違いを感じることはありますか?鈴鹿:原作があると流れが分かるので観てくださる方もなんとなく予想できる部分があると思うのですが、今回はオリジナルドラマということもあって、言葉や表情、作られた画などいろいろなところに意味があって、「ここまで細かく考えられているんだ」と驚きました。ラブストーリーですが、皆さんが考察をしてくださっているのは初めてなので新鮮な気持ちもありますし、「楽しみにしてくださっているんだな」とひしひしと感じています。
― オリジナルドラマを作っていくことへの楽しさや難しさを感じることはありますか?
鈴鹿:既に撮影したシーンでも、自分が思っていたものと変わっていることがあるのですが、人の思いやアクセントになるところの大きさが変わることで、シーンとしての深みも大きく変わっていると感じます。原作があると次のストーリーが決まっているので「ここではこれぐらいで」と制限が出てしまう部分もあると思うのですが、オリジナルですと撮影をしながらでも変化していて、生ものの面白さを実感します。ですが、結末が見えていない分、「ここまでにはこういう気持ちで」と台本の行間を詰めていく作業は難しいです。ですが、いろいろなことを考えながらできるので、それも含めて面白いですし楽しいです。
鈴鹿央士が考える湊斗の「主成分優しさ」の本質
― 鈴鹿さんがクランクインするまで思い描いていた湊斗像と現在で変化はありましたか?鈴鹿:変わってないですね。優しさを持っている人で、ずっと人の心を、誰かのことを考えているところは今も変わっていないです。
― 湊斗を象徴する優しさを表現するために意識していることはありますか?
鈴鹿:湊斗の優しさは取り繕ったものではないと思っているので、撮影が始まる前もずっと紬や想のことを考えています。例えば、コンポタもパンダも紬の好きなものだったので、パンダが落ちる動画を紬のために自分で調べて知っていたのは、その場その場で出てくる優しさではなく、常日頃から考えているからこそできたことだと思うんです。日々暮らしている中でも、「あ、ここは紬が喜ぶかな」「想とこういうことあったな」など考えながら演じています。
― 先程おっしゃっていた「湊斗はずっと何かを考えている顔をしている」という発言にも繋がりますか?
鈴鹿:紬との会話や紬から受け取った言葉を考える中で、想のことが思い浮かぶなど、誰かからもらった言葉が、その誰かとの一対一のものではなく、他の人への思いも馳せていて、湊斗はずっと周りの人のことを考えているからこそ「何かを考えている顔」になるのだと思います。
― 紬から「主成分優しさ」と言われていましたが、湊斗のトータルを「100」だとしたら、優しさの割合はどのくらいですか?
鈴鹿:優しさ「95」、自分のこと「5」くらいです。
― 自分のこと「5」について具体的に教えてください。
鈴鹿:優しさというところでいったら「100」なのかもしれませんが、高校時代は自分がキューピッドとなって大好きな人(紬)と大好きな友達(想)が結ばれて、それはすごく 良いことですし、湊斗としてもそれが良いと思っていたんです。紬と付き合いたいという気持ちもあるけれど、その2人が結ばれることが一番良いですし、自分も満足するので、そこでネガティブにはならないんです。そういう意味では「100」なのですが、一応「5」にしておいています(笑)。
鈴鹿央士、川口春奈&目黒蓮の印象は「変わらない」
― 川口さんと目黒さんの最初の第一印象と現在の印象で変わったところはありますか?鈴鹿:本当に表裏なく接してくださる2人なので、初めてお会いした時から印象は変わらないです。川口さんはすごく明るい方で、壁を作らずフラットに接してくださりますし、目黒さんとも少しずついろいろなことを話せるようになっているのですが、印象が変わったかと聞かれるとそうでもなく、最初にお会いした時の優しいままです。本当は僕が気を遣わないといけないのに、目黒さんの方が気を遣ってよく見てくださります。
― 板垣李光人さん演じる光との共演も多いと思いますが、何かエピソードがあれば教えてください。
鈴鹿:板垣くんは映画「ホリミヤ」(2021年)でご一緒したのですが、共演シーンはなく、挨拶した程度だったので、今回紬の家でお会いして、「あの時は挨拶したくらいだったよね」とお話していました。あとは、板垣くんがおしゃれなので服の話をよくしていて「服どこで買ってるの?」など個人的に気になったことを撮影の邪魔にならない程度に聞いていました。
鈴鹿央士、目黒蓮に救われた言葉
― 第3話では、想と湊斗の対峙シーンがすごく印象的だったのですが、撮影前に2人で相談などされたのですか?鈴鹿:あのシーンは、僕が上手く感情を出すことができず、すごく時間が掛かってしまったんです。僕が悩んでいる時に、目黒さんが「2人で話そっか」と声を掛けてくださって、2人で話す時間を設けて、湊斗と想の高校時代から再会を果たしてどういう思いが込み上げてくるのか、何を考えるのかなど、高校時代から現在までを辿って話してから本番の撮影に臨みました。川口さんも目黒さんもすごく優しくて、ずっと見守ってくださいますし、支えてくださるんです。(ドラマの)設定としては同級生なのですが、(実際は)やっぱり先輩なんだなと実感します。寛大な心を持った方々なので、僕はつい甘えがちになってしまいます。一つひとつのシーンの中でも、川口さんは朝の挨拶時から「元気?」と一言声を掛けてくださるし、目黒さんもそうやってシーンの中で悩んだ時に、2人で話す時間を作ってくださるので、本当に良い現場だなと日々思っています。
― 思い悩んでいた時に目黒さんと相談されていく中で、腑に落ちた瞬間や印象的だった言葉はありますか?
鈴鹿:高校時代は想の耳がまだ聞こえていて、湊斗と声で喋っていたけれど、今はその声が届かないので、目黒さんは想として「湊斗が何か話し掛けている言葉を、声を受け取ることができないのはすごく悲しいし、もう一回喋りたいという気持ちになっている」と言ってくださったんです。湊斗としても想の耳が聞こえない、自分に声が届かない、声で何かを伝えることができないというのはすごく大きなところだと思います。紬は手話を覚えて会話をしようと前に進めているけれど、湊斗は受け入れられなくて、その思いが目黒さんと2人で話した時により強くなった気がします。
鈴鹿央士、脚本家・生方美久氏&村瀬Pの思惑通りに
― 今回は当て書きで物語が作られていますが、湊斗を演じるにあたって、自分との共通点を感じた部分はありますか?鈴鹿:自分っぽいな…。(思い悩む)
― ちなみに脚本家の生方美久さんとプロデューサーの村瀬健さんは鈴鹿さんが出演されている動画を観て、「うん」「はい」という言葉をよく使っていて、それを台本に加えたら「湊斗は完全に鈴鹿央士になった」と絶賛されていました。
鈴鹿:たしかに台本上に「うん」というセリフが沢山ありますね(笑)。「うん」や「ん?」は、たしかに使いますし、村瀬さんも「そこがすごく良い」と言ってくださったのですが、話を聞いていて、4連続ぐらいで「うん」がある中で、「同じ『うん』はダメだよな」と思い、工夫しないといけないのかなと考えることもありました。ですが最近はあまり気にせずできるようになってきていて、「うん」はたしかに大事なセリフでもあり、自分もよく言うなと思いながらやっています。第5話では、物を音で表すシーンがあるのですが「これ、自分も時々言うな」と思いながら撮影していました。村瀬さんたちの思惑通りですね(笑)。
― 最後に視聴者の方々にメッセージをお願いします。
鈴鹿:第3話では、僕と想が再会して、湊斗の優しさはもちろんなのですが、聖人君主といいますか、清らかな完璧な人間ではなくて、湊斗の人間臭い部分やいろいろなことを考えて今まで溜め込んでいたものや、苦しみがわかったと思います。第4話では紬にその思いをぶつけてまた紬と想と湊斗の3人が出会うので、ここから3人の関係がどうなるのか楽しみにしていていただきたいです。あと、湊斗はずっと優しいままなので優しく見守ってください(笑)。よろしくお願いします。
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
鈴鹿央士(すずか・おうじ/22)プロフィール
生年月日:2000年1月11日出身地:岡山県
血液型:O型
身長:178cm
女優の広瀬すずが、岡山でのロケ中に“見つけた”イケメン。2018年、雑誌「MEN'S NON-NO」の新専属モデルを決めるオーディションにてグランプリ&ラボ賞をW受賞。2019年、100人以上のオーディションの中から鍵となる役柄を勝ち取った映画「蜜蜂と遠雷」で俳優デビューを果たす。ドラマ「おっさんずラブ」の新シリーズ「おっさんずラブ-in the sky-」(テレビ朝日系/2019)や、NHK連続テレビ小説「なつぞら」(2019)、日曜劇場「ドラゴン桜」(TBS系/2021)、「この初恋はフィクションです」(TBS系/2021)、「クロステイル~探偵教室~」(東海テレビ・フジテレビ系/2022)、「六本木クラス」(テレビ朝日系/2022)、映画「夏へのトンネル、さよならの出口」、「バイオレンスアクション」(ともに2022)など多数出演。現在、映画「ロストケア」(2023年3月公開予定)、Netflix配信ドラマ「君に届け」(2023年3月配信予定)への出演を控えている。
「silent」第4話あらすじ
青羽紬(川口春奈)の家で鉢合わせした佐倉想(目黒蓮)、戸川湊斗(鈴鹿央士)、光(板垣李光人)。思わずその場を去ろうとする湊斗に、紬は想と2人でちゃんと話した方がいいと諭す。湊斗は8年ぶりに想と向き合う中で何も変わっていないと感じ、高校仲間のフットサルに参加してみないかと誘う。そんな湊斗に対して、紬と想の復縁を懸念する同級生たち。だが、横井真子(藤間爽子)は、紬が今は湊斗のことを本当に大切に思っていることを理解する。
迎えた当日、フットサル場で待つ同級生たち。その時、想は…。
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