清原果耶、翡翠に感じる魅力

― 本作は、死者からのヒントを頼りにする「霊媒探偵」のヒロイン・城塚翡翠が、推理作家・香月史郎（瀬戸）とバディを組み、アシスタントの千和崎真（小芝）に支えられながら難解な事件と向き合っていく姿を描きます。会見では演じるのが難しいとお話しされていましたが、翡翠にはどんな魅力を感じていますか？

清原：翡翠は今まで真ちゃんはいると言えど、1人で生きてきた女の子なんです。あまり自分が持っている力を誰かに話したりもせず、「寂しい」という言い方をすると少し違うかもしれないですが、分かってもらえる人がいなかった子なんです。

香月と出会うことができてやっと、自分のことを理解してくれる相手を作ることができた女の子なんですが、基本はもう本当にピュアで。可憐で天然な女の子なので、その少女感と、事件に対して真剣に紳士的に向き合っている姿が魅力かなと思います。

― 小説の実写化作品であることも含め、翡翠として生きる上で大切にしているのはどんな面でしょうか？

清原：本当にすべてが伏線で、私1人の力では本当に役作りができないんです。台本を読んでこういう感じになるだろうなと想像はできますが、実際に現場に行って、監督とちゃんと話し合う・すり合わせることをとても大事にしています。それが作品の中での重厚感に関わってきてしまうので、そこは大事にしています。

清原果耶、小芝風花・瀬戸康史との交流

― 会見では小芝さんと食事もご一緒される予定だとお話しされていましたよね。お芝居や現場でのお話も含め、女優としてどんな先輩だと感じていますか？

清原：「壁が全くない人だな」と第一印象で思いました。私が「仲良くなりたい」っていう一心でずかずか踏み込んでも（笑）、「あ、いいよいいよ」みたいな感じで抱き留めてくれるような「安心感・安定感」を持たれている方だなと思っています。それは現場で風花ちゃんが真として生きるときも同じような感覚を私はなんとなく覚えていて。とても頼りがいがあるお姉さんだなと思っています。

― 会見では、瀬戸さんがよくボケているというお話もありました。現場はどんな雰囲気ですか？

清原：瀬戸さんが生み出したわけではないですが、現場全体で流行っているのは、ギャルのノリみたいな感じです。ありますよね？「アゲ～」みたいなことを、みんなが言っているんです（笑）。

― 警視庁捜査一課・警部の鐘場正和を演じる及川光博さんも含めてですか？（笑）

清原：及川さんは巻き込めていないんですけど（笑）、現場の衣装部とかヘアメイク部とかと、前室でずっと一緒にいるので。みんなで楽しい会話をしていたら「アゲ～」「サゲ～」みたいな話をずーっと（笑）。それだけ。そんなに中身のないような話をずっとして遊んでいます（笑）。

清原果耶、不思議な体験

― いい雰囲気なんですね！ところで、翡翠には犯人が視えるという特殊能力がありますが、清原さんには「見えないけれど見てみたいもの」はありますか？

清原：真面目に答えると天気ですかね（笑）。ロケにも関わってきますし、やっぱり自然は予測ができないので、それが見られるのであれば、役に立てることはきっとあると思うので、天気です（笑）。

― では、清原さんが解明したい・あるいは最近体験した不思議なことは？

清原：前の日まではなんともなかったのに、朝にぱっとカーテンを開けたら、窓の外にリアルにこのくらいの（両手を広げながら）めっちゃ良さそうな蜘蛛の巣があったんです。蜘蛛が午前中は居なかったんですけど、夜になるとおうちに帰ってきて「うわ、なんでいるんだろう？」と思って。そんな大きい蜘蛛は家で見たことなかったので、「どうしちゃったんだろう？雨が降ってたからかなあ」とか、色々考えたんですけど、撤去させてもらいました（笑）。「あの蜘蛛は、なんであそこに居たんだろう…」って、たまに考える夜はあります（笑）。

清原果耶を導いてくれた人

― 本作では、翡翠が死者からのヒントを頼りに事件の謎を解決していきますが、清原さんが俳優業を続けるうえで道標になったような、ヒントや気付きを与えてくれた人は？

清原：俳優業を続けていくうえでは、私は現場に入ると疑問を残したままお芝居をするのが難しいなと思うタイプなんです。それで監督とかスタッフの皆さんに聞いて、腑に落ちてから取り組むことがほとんどなんですが、藤井（道人）監督とご一緒した時に「果耶ちゃんのいいところは、めんどくさいところだよ」と言われて。

「そうやって、ちゃんと役とか現場とかについて向き合うって、普通の人じゃできないし、みんな目を瞑りがちなところとかもあると思うけど、ちゃんとそういうのに向き合っているのがいいところ」だと話してくれて、「そんなのやる必要ないよ」と言うような人ではなく「同じくらいめんどくさい人と一緒に仕事した方がいいよ」と言ってくれたことがあったんです。

それを言われたときにすごく救われた気がしました。「あ、このやり方も持っていていいんだな」というか、安心して現場に向かえるようになりました。

清原果耶の夢を叶える秘訣

― では最後に、清原さんが考える「夢を叶える秘訣」を教えてください。

清原：努力だと思います。何事も「知りたい」と思う気持ちとか、自分がそこに関わっていたいと思う気持ちが、自分を突き動かすと思うんです。私も、このお仕事を始めるきっかけとなった今の事務所のオーディションを受ける時も、「オーディションを楽しみたいから」という理由ではありましたが、家で自己アピールの練習をたくさんしていました。やっぱり何事にも努力は欠かせないと思います。

― ありがとうございました。

（modelpress編集部）

「霊媒探偵・城塚翡翠」第2話あらすじ

香月（瀬戸）と親交のある大御所推理作家・黒越（阪田マサノブ）の別荘で起きるという心霊現象を調べることになった翡翠（清原）。

明治時代に英国人が建てた通称“水鏡荘（みかがみそう）”は、歴代の主を次々と不幸が襲った縁起の悪い建物。屋敷の中にある鏡に、青い目の見知らぬ白人女性が映っていたという証言が相次いでいた。

別荘でバーベキューに参加できると聞いた翡翠は、今までの人生で経験したことのない“普通の”楽しみに挑戦できると、張り切る。

集まったのは黒越と、大学時代に黒越のゼミ生だった新谷（筧美和子）、黒越の弟子で作家の別所（入江甚儀）、編集者の有本（谷田部俊）たち。翡翠は、年の近い新谷と距離を縮め、千和崎（小芝）以外の人と初めて連絡先を交換できたことに喜びを感じる。

しかし、翌朝、黒越が遺体で発見されたことで事態は急変。駆けつけた鐘場警部（及川光博）と雨野天子刑事（田中道子）によると、死亡推定時刻は午前0時から2時の間。その間に黒越の部屋に出入りした可能性があるのは、新谷と別所、有本の3人。そんな中、有力な証拠があがり、新谷に任意同行がかかる！

新谷に逮捕状が出るまで1時間。大事な友達である新谷を救いたいと願う翡翠の思いを汲んだ香月は、翡翠が見たある“夢”を頼りに、難事件の推理に立ち向かう…。

清原果耶プロフィール

2002年1月30日生まれ、大阪府出身。

新人発掘オーディション『アミューズオーディションフェス2014』でグランプリを受賞し、NHK連続テレビ小説『あさが来た』（2015年）で女優デビュー。主な出演ドラマは『透明なゆりかご』（NHK／2018年）『俺の話は長い』（日本テレビ／2019年）『ファイトソング』（TBS／2022年）など。映画には『ちはやふる-結び-』（2018年）、『まともじゃないのは君も一緒』（2021年）、『線は、僕を描く』（2022年）などに出演している。

パニエ／Victorian meiden
シューズ／卑弥呼
アクセサリー／agete
スタイリスト：宮本茉莉
メイク：三好啓子（スタジオまむ）