モデルプレスのインタビューに応じた坂東龍汰(C)モデルプレス

坂東龍汰、“7クール連続出演中”躍進の年にぶつかった壁と実感した成長「今年はすごい年なんです」<「ユニコーンに乗って」インタビュー>

2022.08.23 17:00

正統派イケメンから陰のある個性的な脇役まで、多才に演じ分ける俳優の坂東龍汰(ばんどう・りょうた/25)。23日に第8話が放送されるTBS系火曜ドラマ「ユニコーンに乗って」(毎週火曜よる10時~)では、天才エンジニアの森本海斗(もりもと・かいと)を好演している。第7話で衝撃の展開が描かれ、第8話でその隠された過去と真相がついに明らかになるが、ミステリアスな役柄とは対照的に、当の本人は「海斗とは逆で何でも表現しちゃうタイプ」とオープンで気さくな人柄だ。

モデルプレスのインタビューでは、役柄についてはもちろん、7クール連続で地上波ドラマに出演中と活躍が目覚ましい俳優業から、「今年は成長していくタイミング」と語る壁にぶつかった経験や乗り越える方法などたっぷりと語ってくれた。

  

「ユニコーンに乗って」天才エンジニア・森本海斗の過去と真相が明らかに

西島秀俊、坂東龍汰「ユニコーンに乗って」より(C)TBS
坂東龍汰/「ユニコーンに乗って」第8話より(C)TBS
本作は、教育系スタートアップ企業「ドリームポニー」の若き女性CEO・成川佐奈(永野芽郁)のもとに、ある日突然、自分の会社の雰囲気とは全く異なるおじさんサラリーマン・小鳥智志(西島秀俊)が部下として転職してきたことで、仕事に恋に奮闘しながら、夢に向かって真っすぐ生きる主人公たちの成長を描く “大人の青春”ドラマ。

海斗は、小鳥と同じ日に「ドリームポニー」の面接を受け、採用された現役大学生。過去に最年少で数学オリンピックに優勝したこともある、プログラミング能力も高い天才エンジニアだが、コミュニケーション能力には難ありという役どころ。ヘッドホンにメッシュヘアがトレードマークの個性的な出で立ちでも注目されている。

大手の競合企業・ゲームアカデミアが、「ドリームポニー」の技術を横取りし特許を出願していたことが発覚。情報を漏洩していた疑惑がかけられた海斗は、黙ったまま会社を飛び出してしまった。

坂東龍汰「海斗とは逆」な素顔とは

― 第8話で海斗のバックボーンが初めて分かりますが、最初に台本を読んだときの感想を教えて下さい。

坂東:全貌は8話の準備稿を読んだ段階で初めて知ったので1、2話を撮っているときは知らなくて、僕もそれまでの台本の中から汲み取れる海斗の人間性を頼りに演じていました。やっと8話で海斗の過去を知ることができてそこに焦点を絞って演じられることはすごくありがたいですし、今やりがいを感じています。過去に色々なトラウマがあって、人とのコミュニケーションに難があって自分を上手く表現できなくなってしまっているという海斗の人生を知ることができると思います。

― 好きなものに対しての想いは共感できますか?

坂東:結構僕も好きなこととか自分がハマっていることにどっぷり浸かると周りが見えなくなるタイプなので、海斗が5話のビジコンのときに「スタディーポニー」のキャンパス作りにワッーと没頭している姿は「分かるな~」とすごく共感しながら演じていました。

前原滉、青山テルマ、杉野遥亮、永野芽郁、坂東龍汰/「ユニコーンに乗って」第5話より(C)TBS
坂東龍汰/「ユニコーンに乗って」第8話より(C)TBS
― 逆に自分と違う部分や演じていて難しさを感じるところはどこですか?

坂東:それがですね…僕は海斗とは逆で何でも表現しちゃうタイプなので隠せないんですよ。息を吸うように吐くように思ったことがすべて自分の口から2、3割増しで出ちゃいますよね(笑)。

― 2、3割増しなんですね(笑)。

坂東:自分の表現を過度にし過ぎるタイプとしなさ過ぎるタイプだと思います。海斗は自分を隠して隠して、たまに空気を読まずに人の突いてはいけないところを突いてしまったり、そういう暴走するところも含めて愛嬌がある役だなと思っているんですけど、自分とは全然違うところですね。

― 坂東さんは自分を表現できなくて悩んだ経験はありませんか?

坂東:…しすぎて悩んだことはあります(笑)。あまりにも話すので仲の良い友達にはたまに飲んでいるときとかに「自分のことばっか話してんじゃねーよ」「ちょっとは俺の話を聞けよ」みたいに言われますね。だから今後はあんまり自分のことを話しすぎない大人になっていけたらもうちょっと人として深みが出るんじゃないかな。Too much talkingなので、分からないからこその魅力をもうちょっと出したいなと(笑)。そういう部分でこのドラマを客観的に観ていると、皆がテンション高くてワッーと盛り上がっているシーンで海斗だけ会話に入らないでいると空気的に目を引くし、「何考えているだろう?」「本当はどういう人なんだろう?」と思わせるそういうミステリアスで寡黙な要素も海斗から盗んで人生に活かしていこうかなと今、考えています。

― そんなことを考えていらっしゃるんですね(笑)。

坂東:いやいや、そんなことばっかり考えているわけじゃないんですけど(笑)。

坂東龍汰、7クール連続ドラマ出演も「ただ必死にやっていたら…」

― 昨年から沢山の作品に途切れなく出演されていて、編集部でも注目させていただいているんですが、自分としては注目を集めている実感はありますか?

坂東:僕自身は7クール連続とか全然気付かなくてただ必死にやっていたら「そんなに何ヶ月も連続で出させていただいていたんだ」というのをモデルプレスさんなど色々な記事で知ったので、本当にありがたいです。仕事が上手く行かない時期や無かった時期もあったので今こういう状況に自分がいれるのは色々な人に支えられてここまで来れたんだなと改めて実感しましたし、不安とともにこれからどうなるんだろうというワクワクの方が大きくなってきました。それはいくつ作品をやっても常に思うことだとは思いますが。

― 同時に作品を進行しているときもありましたか?

坂東:それはあんまりないんですけど、1年に1回くらいは同時進行の作品が入ることはあります。でも基本的に1つの作品に集中できる環境を整えてもらっています。

坂東龍汰、作品ごとの出会いへの想い 満島ひかりからの言葉明かす

― 幅広い役柄を演じられていますが、作品によって切り替えが難しく感じることは?

坂東:同じ役じゃない方が逆に切り替えられるんです。似た役が続くとその中でどういう風に違いを見せていくかと迷っちゃうかもしれない。本当にありがたいことに本を読んだときに「前回と全然違うな」という挑戦的な役を毎回いただけていて、前回は「未来への10カウント」(テレビ朝日系)で熱いキャラクターをやらせていただいていました。いつも本に書かれているキャラクターの中で最大限に良いものを表現していきたいなとは思っています。

― プライベートで役を引きずることはないですか?

坂東:役は引きずらないんですけど、ドラマの現場で仲良くなった人やスタッフさんの関係、監督と色々と話したことなどそういう今後の僕の役者人生にすごく影響を与えるような出会いは心に残っていて、それがずっと自分の血となり肉となり、役者としての未来に繋がっているなという感覚は常に色々な現場で持っています。「未来への10カウント」で一緒だった満島ひかりさんに「別れ際『寂しいな』と思う人には必ずもう一回会うから」とおっしゃっていただいたことがすごく印象に残っているんですけど、役と向き合って色々な壁にぶつかって辛い想いも楽しい想いもしたし、その感覚を忘れたくないなと常に思っているし、それがずっと残り続けて次の作品に入ったときに良い方向に自分のメンタルをコントロールしていけているのかなと最近よく思います。

坂東龍汰が壁を乗り越えた方法

― ご自身で成長を感じることはありますか?

坂東:一番成長していると思う瞬間は、自分が落ちているときや、忙しくて寝る暇がないとかそういうストレスがかかっていて、気持ちが不安になっているとき。自分ではそういうときの方が考え時だと思っていて、色々なことを広い視野で考えられるようにメンタルを回復させて体を動かしてみたり、本や映画に沢山触れたりします。今年はすごい年なんです。今年に入って体力的にきついとかメンタル的に落ちることもあって、今までももちろんきついなと思うことはあったんですけど、今年の方がよりしっかり感じられるようになってきました。考えることによって今まで出会えなかったものと沢山出会えている感じがするので、壁をぶち壊して成長していくタイミングだと思っています。

― 俳優業で壁にぶつかった経験はどんなものでしたか?

坂東:3月に1回乗り越えなくちゃいけない経験がありました。色々な作品が重なったのとメンタル的にも結構来ていてそこから来るプチパニック障害とかイップスみたいな感じになって、気持ちが萎縮して現場でセリフが出なくなってしまったことがありました。それは多分全員の役者さんが1回は経験することだと思いますし、同世代の俳優さんと話すとやっぱり一度は現場にとてつもなく迷惑をかけちゃう経験をしているという人が多くて。僕もそれに今年出会えて、迷惑をかけちゃったんですけど、経験できたことが僕の中で1つの財産ですし、今後そうなったときにどうすればいいかの対処法や自分のメンタルコントロール、睡眠とかの生活の管理などもすごく勉強になりました。そのときは辛かったんですけど今思うと今年経験できて一番良かったことかなと思います。

― 上半期で一皮むけましたか?

坂東:いや~、一皮むけたまではいかないんですけど、してないのとしてるのでは全然違ったなと思います。

― 壁にぶつかったとき、乗り越えるために必ずやっていることは?

坂東:常に情報を入れる、何でも良いから情報を入れて思考を停止させないこと。「うわ、どうしようかな」と悩んでいるときに何も新しい情報を入れないとそこでずっとスタックしちゃうのでそういうときはあえて重い映画を観てみたりすると、感情移入がちゃんとできて自分の気持ちが整理されて「よし!次に進もう!」と思えたりするんです。それが今年の新しい発見です。自分の今のポジションで闘うものが出てきたことがすごくありがたいことですし、今年もあと半年ほどあってどうやって成長していくのか自分自身未知の領域でもあるので今とてもワクワクしています。

― ご自身のポジションを考えることはありますか?

坂東:「このポジションに自分がいて、こう動かなきゃ」みたいなことを考えたことはないし、今後も考えなくていいと思いますが、気づいたら見えてくることはあります。「あれ?」と周りを見渡したときに「自分ってこういうところに今立っているんだな」と思うというか。でも基本的には伸び伸びと常に自分は何者でもないと思っているので、白いキャンバスのような状態で色々な作品に臨んで、作品中はガンガン塗って色々な色に染めていきたいんですけど、それが終わったら何もなくなるという真っ白な状態にしたいです。

坂東龍汰の夢を叶える秘訣

― 最後に夢を追うモデルプレス読者へ向けて、坂東さんの“夢を叶える秘訣”を教えて下さい。

坂東:なんだろう…超ポジティブなことを言おう(笑)!このお仕事を始める前から思っていたし、5年経っても今も変わらない考えは、好きなことはなんでもやっていいし、自分が一番魅力的だと思っていることだったら尚更周りの目を気にせず、大人の声も無視して自分がやりたいことに突き進んで良いと思っています。今もチャレンジ精神は忘れていないですし、自分の感性に触れるものとの出会いは絶対逃したくないなと思いながら普段生きています。それは映画、アニメ、本、脚本、人…何でも良いんですけど「これだ!」と思ったらそこに1回飛び込んでみること。「そんな勇気ないよ」とか「色々考えろよ」と言う人もいるかもしれませんが、僕はあんまり考えないで突き進むタイプなので、知らないからこそ突っ込んでいけと思います。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)


坂東龍汰(ばんどう・りょうた/25)プロフィール

坂東龍汰(C)モデルプレス
1997年5月24日生まれ、北海道出身(3歳までニューヨーク)。2017年8月に俳優デビュー、同年「セトウツミ」でドラマ初出演、オーディションを経て2018年8月、初主演ドラマ『花へんろ 特別編「春子の人形」~脚本家・早坂暁がうつくしむ人~』が放送。2019年、映画「十二人の死にたい子どもたち」の出演で脚光を浴びる。その後、映画「弱虫ペダル」(2020)、「スパイの妻」(2020)、「ハニーレモンソーダ」(2021)、主演映画「フタリノセカイ」(2022)、「冬薔薇」(2022)、「峠 最後のサムライ」(2022)など話題作に相次いで出演。2021年の「夢中さ、きみに。」より「今ここにある危機とぼくの好感度について」「にぶんのいち夫婦」「真犯人フラグ」「真犯人フラグ真相編」「未来への10カウント」と地上波ドラマに連続で出演中。

「ユニコーンに乗って」第8話(8月23日放送)あらすじ

永野芽郁、青山テルマ、前原滉、杉野遥亮/「ユニコーンに乗って」第8話より(C)TBS
坂東龍汰/「ユニコーンに乗って」第8話より(C)TBS
松尾貴史、坂東龍汰/「ユニコーンに乗って」第8話より(C)TBS
海斗(坂東龍汰)の裏切りをいまだに信じられないながらも、前に進むため新たなエンジニアの採用を決意した佐奈(永野芽郁)たち。ネット上で名を轟かす正体不明の天才エンジニア“ミン・ソヌ”をスカウトするため、無謀にも彼が出場するeスポーツ大会に参戦することに!

そんな中、小鳥(西島秀俊)が突然会社を早退。心配に思った佐奈は、須崎(杉野遥亮)の後押しを受けて、小鳥の自宅を訪問する。そこで佐奈は、今まで明かされなかった小鳥の私生活と秘密を知ることに……

一方、早智(広末涼子)は、特許の横取りはゲームアカデミアの永瀬(松尾貴史)の企みの序章ではと佐奈に忠告する。その言葉に、海斗の裏切りも永瀬が仕掛けた罠だったのではとハッとする佐奈たち。真実を知るべく動き出した佐奈は、海斗の隠された過去と真相に近づいていき───

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