佐野勇斗「真犯人フラグ」“真犯人”と共有した心境「一つの壁を破れた」一星役で得た成長とは<モデルプレスインタビュー>
日本テレビ系日曜ドラマ「真犯人フラグ 真相編」(毎週日曜よる10時30分~)に出演した俳優の佐野勇斗(さの・はやと/23)。13日放送の最終話では全ての謎が明かされたが、このインタビューでは、“真犯人”と共有した心境や同作を通して感じた自身の成長について語ってもらった。<※以下ネタバレあり>
西島秀俊主演「真犯人フラグ」
同作は、企画・原案の秋元康氏と「あなたの番です」制作スタッフが手掛ける、西島秀俊演じるごく普通の中堅サラリーマン・相良凌介が、家族の失踪事件をきっかけに、真実を暴く壮絶な戦いに挑んでいくという予測不能のノンストップ考察ミステリー。最終話では、全てを裏で操っていた真犯人は凌介の学生時代からの友人で「週刊追求」編集長・河村俊夫(田中哲司)だったことが判明した。佐野は、物語の鍵となるITベンチャー『プロキシマ』を立ち上げた若手起業家・橘一星を好演。18話では、一星が失踪事件に関わっていたことを衝撃告白し、大きな反響を呼んだ。
佐野勇斗“真犯人”河村(田中哲司)と共有した心境「ねぎらいあっていた」
― 真犯人が判明する最終話が放送されます(取材は放送前)。今のお気持ちを教えてください。佐野:純粋に、みなさんの反応が楽しみです。犯人が河村さんじゃないかって言っている人が少ない中での河村さんなので。
― 真犯人が罪を犯した理由を聞いた時、どのように思いましたか?
佐野:人は三者三様で全員違う考え方を持っているので、こじらせるとこうなるのだと。本当に大きな恨みがあるというわけでもなかったので、僕自身としての意見をいうと、あまり理解はできない理由だと思いました。
― 河村演じる田中さんが自白するシーンはご覧になられましたか?
佐野:20話のラストシーンの撮影には立ち会えなかったのですが、哲司さんの最後の真犯人告白の長いセリフが圧巻だったとスタッフさんから聞きました。弱い動機だと感じるものでも、哲司さんが演じることで説得力があってすごくいいシーンになる。哲司さんの人柄も素晴らしくて、18話の僕の大変なシーンが終わった後、一番に「めっちゃよかった。本当に感動したし俺も頑張んなきゃなってプレッシャーかけられたわ」と声をかけてくれました。「哲司さん、すごい人格者だな」と思いました。
― 撮影裏で話しかけてくれる優しさと、真犯人という役柄とのギャップがありますね。
佐野:哲司さんは初めから自分が犯人だと知っていたので「みんなに聞かれてもどういう反応していいか、わからないんだよ」と毎日のように言っていました。僕も初めの方から真犯人を知っていたので、犯人を知っている人しか共有できないこの気持ちを、二人でねぎらいあっていました。僕も一応、犯人の一味だったので(笑)。
― 気持ちを共有しあっていたのですね。その田中さんが、真犯人であることを知りながら演じている姿を間近で見て、何か感じることはありましたか?
佐野:河村さんに限らず、みんな何かを抱えていたので、怪しく見えるような表情をすることも多かったのですが、哲司さんは全20話ある中で最後まで「犯人は河村だろ」って思われないように演じることは本当に難しかったと思います。僕が演じたら、怪しくなりすぎるか、全く関係のないように見えてしまうかだと思うので、その微妙なラインを演じられていてすごいなと。
佐野勇斗、印象に残っているシーンを回顧
― 「真犯人フラグ」の撮影を終えて、今の率直な心境をお聞かせください。佐野: 2クールで半年間撮ってきたのですが「半年も撮っていたんだ」ってくらいあっという間でした。12月から2月辺りまではほかの作品やM!LKのライブなども重なって、体力的にも精神的にもきつかったです。「真犯人フラグ」の18~19話と後半になるにつれてシリアスなシーンも多くなっていたのですが、そんな中でキャストのみんなが仲良く、西島さんがいい空気感を出してくださり、リラックスできる居心地がいい現場だったなと思うことができました。
― 2クール通して、特に印象に残っているシーンはありますか?
佐野:やっぱり18話の一星が自白するシーンです。一星を演じる中で波を作るとしたら、一番そこが最高潮だと思っているので、全20話の中であのシーンに焦点をあててやってきたところはあります。
― そのシーンについて、印象に残っている周りからの反応はありますか?
佐野:一星が光莉やお母さんを大事に思っているところが、好感度が高かったようで、周りからはいい役だねって言ってもらえたのですが、あの裏のある悪い部分の一星を見て、嫌いになったという声も聞きました(笑)。
― その18話では長台詞がありましたがセリフ覚えは大変でしたか?
佐野: 1~2週間前からセリフを入れたので、普段よりも大変でした。僕自身、結構集中していたので、西島さんも気を使ってくださいました。
― 19話の光莉が取調室にて一星に語りかけるシーンでは、同作で3回目の涙を見せていました。どのような意識で撮影に挑んだのでしょうか?
佐野:一星の役を2クール演じているので、すごく作りこまなければできないシーンという訳ではありませんでした。一星の気持ちに寄り添えていたのかスっと演技に入れて、逆に言えば、18話の自白するシーンは作りこまないとできなかったです。今回は、光莉を演じる原(菜乃華)さんに助けてもらいながら演じました。
― また、陽香演じる生駒里奈さんの怪演ぶりをそばでご覧になられていかがでしたか?
佐野:生駒さん自身が普段はおしとやかで面白い方なので、あんな狂気的な役ができる女優さんだったんだと思いました。生駒さんはM!LKのメンバーと共演経験があったので、撮影の合間にはそのお話をさせてもらいました。
佐野勇斗、一星役で得た成長「一つの壁を破れた」
― 佐野さんが考える「真犯人フラグ」がこれほど話題を呼んだ要因は何だと思いますか?佐野:リアルタイムで考察しながら、みんなで犯人を捜すところかな。SNSが活発な時代にテレビを見ながらつぶやくところや、携帯を使ってYouTubeの生配信を見ながら「こういう考え方もあるんだ」って照らし合わせながら見るところは新しいコンテンツだなと。「あなたの番です」もそうでしたが、コロナ禍の大勢で集まることのできない中でコメントを見ながらたくさんの人と見ている感覚になれるのは大きいと思います。
― 佐野さんにとって「真犯人フラグ」はどういう作品になりましたか?
佐野:一星という役が、ストレートに台本を読んで「多分こういう気持ちだな、それを出そう」という役ではなく、もっと先のことを考えて後々見返したらどう思うかと何週も考えなければいけない役だったので、すごく難しくて。18話の一星が自白する狂気じみた演技も実は真犯人に脅されていて一星が演じていたという、「佐野勇斗が演じる」「一星が演じる」という二重の状況もありました。役者としてまだまだだなと感じつつも、この2クール通して一つの壁を破れたような、一個成長できた気はします。
― 「真犯人フラグ」を経験したからこそ、今後挑戦してみたい役はありますか?
佐野:地上波ドラマで1クールを通して恋愛ものをやったことがないので、王道の恋愛ものかな。あと、髪の毛を金髪に染める役もやりたいです。ずっと同じような髪型なので、明るい髪色の役を演じてみたいな。
― では最後に視聴者にメッセージをお願いします。
佐野:2クール見ていただきありがとうございました。たくさん考察をしてくださったり、ファンの方は僕の名前でつぶやいてくれたり、毎日のようにトレンドにいるねと言っていただけて、みなさんと一緒に、このドラマと佐野勇斗が育つことができたという気持ちが強く、感謝しています。Huluでも配信されているので「このときの芝居こういう意味だったんだ」と見返すと面白いと思います。今後ともよろしくお願いいたします。これからもご期待ください!(笑)。
― ありがとうございました!
(modelpress編集部)
佐野勇斗プロフィール
出身地:愛知県/生年月日:1998年3月23日/身長:178cm/血液型:A型2015年の映画「くちびるに歌を」で俳優デビュー。2019年、映画「ちはやふる-結び-」での演技が評価され、第28回日本映画批評家大賞の新人男優賞(南俊子賞)を受賞。数々のドラマ・映画に出演し、演技力で頭角を現す。ついに最終回を迎えた「真犯人フラグ」(日本テレビ系)のほか、映画「嘘喰い」、オリジナルドラマ「嘘喰い 梶隆臣篇」(dTV)に出演。主演ドラマ「就活タイムカプセル」(TBS)が3月27日に放送を控える。ボーカルダンスユニット・M!LKのメンバーとしても活躍する。
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