モデルプレスのインタビューに応じたバチェロレッテの福田萌子(C)モデルプレス

女性版バチェラー<「バチェロレッテ」福田萌子インタビュー>最後の決断までの葛藤告白 「涙が止まらなくなった」最終話の真意・得られたこと…

2020.11.02 07:00

【※ネタバレ注意】10月30日配信の最終話、そして特別編「アフターファイナルローズ~旅の終わりは私が決める~」の2エピソードを配信し、Amazon Prime Videoのリアル婚活サバイバル番組「バチェロレッテ・ジャパン」シーズン1が完結。“誰も選ばない”という選択をした初代バチェロレッテであるスポーツトラベラー・モデルの福田萌子(ふくだ・もえこ/32)に「私にできる最大限の決断でした」と語る決意までの道筋、最後まで残った画家の杉田陽平(すぎた・ようへい/35)と実業家の黄皓(こう・こう/33)の2人の男性への思いを聞いた。<モデルプレスインタビュー後編>

  

男女逆転版バチェラー「バチェロレッテ・ジャパン」衝撃の結末

日本で既に3シーズン配信されている「バチェラー・ジャパン」は、成功を収めた1人の独身男性=バチェラーのたった一人のパートナーの座を勝ち取るために、性格もバックグラウンドも異なる約20名の女性たちが競い合う「婚活サバイバル番組」だが、「バチェロレッテ・ジャパン」は独身男性ならぬ独身女性が主役となり、多数の男性候補から未来の結婚相手を選び抜く、言わばバチェラーの「男女逆転版」作品。

『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1エピソード1(C)2020 Warner Bros. International Television Production Limited
『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1エピソード1(C)2020 Warner Bros. International Television Production Limited
年齢、職業、国籍もバラバラの個性豊かな男性17名が奪い合う魅力あふれる独身女性に選ばれた福田は、長身の抜群スタイルと健康的な日焼け肌、柔らかな雰囲気をまとったチャーミングな笑顔が印象的な美女で、感情豊かで心優しい女神のような一面とストレートに意見をぶつける聡明な一面を併せ持ち、その達観した考え方や人間力の高さで視聴者から称賛の声を集めている。

そんな“萌子様”との出会いを通して変わっていく男性陣の成長物語として楽しめた「バチェロレッテ・ジャパン」だったが、迎えたのは“ノー・ローズ”という衝撃の結末だった。

「バチェロレッテ・ジャパン」最終話で2人の男性とお別れ

福田萌子『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1エピソード9(本編最終話)(C)2020 Warner Bros. International Television Production Limited
最終話では福田の母と2人の男性が対面。そして、屋久島にてそれぞれとたっぷりデートを楽しんだ後にローズセレモニーへ。黄には男性として最初から惹かれていたが、最後のデートで本音を語り合った上で「私の人生のパートナーは黄さんじゃない」と気づいたと語り、お別れ。そして、杉田へは「もっと一緒にいたい」という思いがあるが「でも恋人としてじゃない」と本音を涙ながらに打ち明け、別れを告げた。

黄皓『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1エピソード9(本編最終話)(C)2020 Warner Bros. International Television Production Limited
杉田陽平『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1エピソード9(本編最終話)(C)2020 Warner Bros. International Television Production Limited
前編で福田は「バチェロレッテ・ジャパン」参加前の大恋愛について語ってくれていたが、最終話で杉田に話したのがその元恋人のことだった。

福田萌子、ローズセレモニーで杉田陽平にハグをした理由

黄皓、福田萌子『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1エピソード9(本編最終話)(C)2020 Warner Bros. International Television Production Limited
― 元恋人のお話を杉田さんにあのタイミングでしたのは、何故だったんでしょうか?

福田:してもしなくても良かったんだけど、してみようと思ったんです。それが私を知ってもらう術になるかも知れないし私を表現することかもしれないと思ったから。皓さんにもその人の前にお付き合いしていた方のお話をしたんですよ。それぞれに違う人のお話をしたのは言葉や行動の節々に少し共通している部分を感じたから。

もちろん違う部分の方が多いし、決めつけているわけではないのですが「私はこういう経験があったよ」ということをシェアしたかった。私がどういう人間でどういう恋愛をしてきて、何を経験して感じてきたかという私自身のことをちゃんとお話して相手に伝えなきゃと思ったんです。

杉ちゃんをローズセレモニーのときに抱きしめたのも自分を表現したかったから。それまでの私はバランスを取っていて、自分の気持ちを優先することよりも「私がこれをしたら他の男性に辛い思いをさせちゃうかな」と思ってしなかったことが沢山あるんですよね。でも時間が経つにつれて、他の人を傷つけることを恐れて伝えたい想いを抑えるのは違うと感じるようになった。私も愛を表現しなきゃと思い、皓さんには目の前で申し訳なかったんですけど、杉ちゃんにお礼を言って抱きしめました。

杉田陽平、福田萌子『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1エピソード7(C)2020 Warner Bros. International Television Production Limited
― スタジオでは「黄さんに見せたかったんじゃないか」という意見もあったんですけどそういう意図は特になく?

福田:2人きりでも、同じことをしました。むしろ皓さんに色々考えさせちゃうんじゃないかなと思って迷っていたけど、でもあの瞬間に表現したかった。それだけ杉ちゃんが心を動かしてくれたから。

黄皓が最終話で見せた涙…福田萌子があそこで踏み込んだ理由

黄皓、福田萌子『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1エピソード5(C)2020 Warner Bros. International Television Production Limited
― 放送を観ていると、黄さんは男性陣の前だとすごく強気な面がフューチャーされている印象なんですが、萌子さんは後から観て男性陣の前で見せる顔と、萌子さんの前で見せる顔のギャップに驚くことはなかったですか?

福田:そうですね。びっくりしなかったかなぁ。「男性といるときはこんな感じなんだなぁ」と思っただけ。他のお友達といるときや家族といるときだって違う表情だから、そのうちの一つの顔を見ただけ。本質って隠したり取り繕っても見えてしまうから、私は私に見えているモノを信じていたし、それ以外の表情はその人の肉付けするもの。だからまた一つ、その人のことを知っただけで驚きではなかったですね。

福田萌子、黄皓『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1エピソード9(本編最終話)(C)2020 Warner Bros. International Television Production Limited
― 最終話では黄さんに「殻を破って欲しい」というお話をされて、黄さんが涙するシーンがありました。他の男性のときは早い段階で曖昧な答えをされた方を追及していたのに対して、黄さんに対しては最後だったなと感じました。

福田:だって皓さん曖昧じゃないもん。すごく理知的で自分の意見を持っていて、それを伝える会話の構築の仕方も素晴らしい。私の母とお話しているところを見て下さったら分かる通り、どんな時だって誰とだって安定して接することができる素敵な方です。もし曖昧だと捉えられたのなら、多分それは恋愛に対しての部分と混ぜて受け取られたんじゃないかな。皓さんも恋愛に対して経験値があるからこそ、過去のトラウマがあって踏み込めずにいたんです。私が過去に曖昧な言い方で別れを告げられたから悩んで愛が分からなくなったように、皓さんも昔何かがあって…きっとお話してくれた元婚約者とのことが大きかったんじゃないかな。

全てのストーリーを知っているわけではないから、どれくらいの年数一緒にいて、どんな会話があって、どの言葉に彼が傷ついて、どういう経緯でそのトラウマに至ったかは壮大過ぎて分からない。けどそこに何かがあるから一歩が踏み込めない。自分をコントロールして恋愛にちょっと臆病になっているなというのをずっと感じていました。だから私から「一緒に気持ちを一歩踏み込もう」と提案したんです。経験が邪魔をして慎重になっていってしまうから「一旦経験を忘れよう。お互い初めての恋くらい本心でぶつかり合おう」という会話でした。私が『だからお別れの言葉は曖昧にせずはっきりと伝えよう』とトラウマを自分の血と肉に変えたように皓さんもあの日何かを吹っ切れたような気がします。

福田萌子、最後の決断までの葛藤・心境の変化

― 最後の選択はすごく悩まれたと思います。「誰も選ばない」という選択肢はいつ頃、考えに浮かんだんでしょうか?

福田:いつ頃だったんだろう。もうず~っと色んなことを考えて何十周もしているのでどこだったかは分からないんですけど、最終的な決断はローズセレモニーの前の朝。ドレスに着替える前に決めて、あの場に行きました。その決断に至るまでに何十通りの選択肢を考えて葛藤したので、いつ最初だったのかは分からないです。

最初に1人ずつレッドカーペットで会ったときも「この中にいる誰かのことを本気で愛したい、そういう人が見つかるかな」というワクワクがずっとあったので、数えるならそのときからですよね。段々進んでいく内に自分の気持ちが動いていないのを知っていたから、最初は「誰が私のことを好きにさせてくれるの?ねえ!お願い私を好きにさせてきて!」と思っていたんですけど(笑)。

台湾の最後の日くらいかな?「好きにさせて」じゃなくて「自分から好きになりにいこう」と思ったんですね。好きになる努力と言ったら申し訳ないですけど、自分の気持ちをワクワクドキドキさせなきゃいけないなと。幸運にも今までお付き合いした人達がいるから、自分がどういうタイミングで好きを感じたか、どうやってお付き合いが始まったのか、経験値がある。だからそれと同じことをしてみたら良いのかなと思って。例えば辛いお話をしたときに相手から優しくされて気持ちが動いたことがあるから同じことをしてみたり。皓さんと杉ちゃんに以前お付き合いしていた方の話をしたのもその一つでした。あそこでグッと抱きしめられたら好きになったのかもしれない!分からないの。

(最終話の)ベッドでのデートも本当だったらしないけど、皓さんとリラックスした雰囲気で一歩踏み込んでみたら好きになるんじゃないか?とか、シチュエーションを試してみた。いっぱいやってみたけどやっぱり自分の気持ちが動かなくて。

杉ちゃんにも「お友達っぽい関係性もあるよね。一緒にいて恋に発展しなかったら、それはそれで…」と考えたりしたけど気持ちが動いていないのに自分の気持ちに嘘をついてローズを渡すことはできないし、本気で想ってくれてる相手にそんな中途半端な気持ちで向き合うなんてことは失礼すぎる。だけど絶対はないから、渡した先に発展する何かがあるかもしれないとか…もう、ず~っとループなんですよ。

福田萌子『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1エピソード9(本編最終話)(C)2020 Warner Bros. International Television Production Limited
ローズセレモニーの前の朝に「でも待って、人を好きになるのって努力することじゃないよね?」と思って。私は情熱的に愛したい人だと気づいたし、今ここでできる最大の決断は自分の気持ちに正直になることなんだと思ったんですよね。もしかして何か歯車が合ったら結果は違ったかもしれないけど、あのとき私にできる最大限の決断でした。

― では最後が違う人だった可能性もありましたか?ローズさん(最後の3人まで残った歌手の當間ローズ)が別の段階で心を動かしていたら。

福田:それも分からないです。ローズ君とはその前にお別れをしていて、最後まで共に歩んでくれたのが杉ちゃんと皓さんだったという事実しかない。

福田萌子、杉田陽平との最後のデートでの涙の裏にあった思い「男性たちは“落とされた”んじゃなくて”出ていった”」

杉田陽平、福田萌子『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1エピソード9(本編最終話)(C)2020 Warner Bros. International Television Production Limited
― 杉田さんとの最後のデートが個人的にすごく好きでした。杉田さんが絵を描いているときと帰った後も萌子さんは泣いていましたが、あれは悩んでいたから?

福田:杉ちゃんが絵を描きながら「僕の最初の印象覚えてますか?」と聞いたんですよね。そしたら記憶が走馬灯のように蘇ってきて。

印象がないというと語弊があるけど私は人をイメージで捉えないんです。その人の考え方や話したこと、目の配り方とか仕草、着ているものなど事実を全部自分の中にコレクトしていって、どういう人なんだろうとその人の像をキャッチしていく感じ。だから最初の杉ちゃんの印象はないけど、何を着ていてどんなお話をしたかは全部覚えている。カクテルパーティーのときも他の人と話している合間に杉ちゃんがどこにいたかもある程度見えています。もちろん杉ちゃんだけじゃないですよ。他の16人の男性の着ていたものやお話ししたことも今でもほぼ全部覚えています。それを1つ1つ言っていったんです。「杉ちゃん最初に足おろしたときに赤い靴下が見えてこのくらいの丈のズボンでさ、この色のジャケットだったよね」とか。

杉田陽平、福田萌子『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1エピソード1(C)2020 Warner Bros. International Television Production Limited
杉ちゃんは最初「自分には地位も名声もお金もないし、見た目もカッコよくないし、何もないけど、でも絵があるから絵を描いてきました」とあの絵をくれたんですよ。それに対して「そんなことないよ。そんな分かりやすい、目に見えるものにあなたの良さは詰まってないし、存在しているだけで特別な人だから自信を持って」と思っていたことをそのとき伝えました。

それから他の男性たちとのことも走馬灯のように思い出して…。あれが私と皆の長い旅の中で、最後のデートだったんですよ。男性たちは皆輝いてさよならしていくし、皆何か答えを見つけて出ていくというか、“卒業”みたいなことですよね。卒業と言って良いのか分からないし、良い言葉が浮かばないけど…。

『バチェロレッテ・ジャパン』シーズン1エピソード1(C)2020 Warner Bros. International Television Production Limited
観ている人によっては“落とされた”という人がいるんですよね。でも皆“落とされた”んじゃなくて自分の求めるものや自分自身について知って、人生に気づきを得て“出発した”んです。ただ、私は何を成し遂げたんだろうと思って…。私はあの物語の中で言うなら将来のパートナーを見つけることが到達点じゃないですか?そのたった1人を見つけることもできないかもしれない。真実の愛を見つけきれていない。そう思ったら涙が止まらなくなりました。

そして、表現させることもできずに最初のカクテルパーティーでさよならをした鈴木さんと芹澤さん(※)のことを想うと胸が苦しくて。みんな時間を割いて私に逢いに来てくれて、真実の愛を見つけることを目指して共に旅をしていたのに、私は誰のこともまだ愛せていない。申し訳なさと、悲しさと、自分への腹立たしさと、いろんな感情でした。

※アパレルメーカー営業の鈴木祥友(すずき・よしとも/34)、旅作家の芹澤東洋(せりざわ・とうよう/29)

福田萌子、初代バチェロレッテを経験して得られたこと

― 今はどうですか?「バチェロレッテ」に出て何を得られたか、出て良かったと素直に思えるのか。

福田:あの旅が終わったときに思ったのが、1人だったら自分がどれだけ愛情を持っているかは分からなかったじゃないですか?自分だけ見つめていても相対する人がいないと分からない。17人のユニークな男性を通して自分を知ることができたし「私って、自分が思っている以上に愛情深い人なんだ、色んな愛の形を持ってるんだ」と皆が気づかせてくれました。それぞれへ愛を持って接していたし、本当に今でも皆のことを愛しているから。

(※インタビュー実施は4話まで配信された時点)今ここまで配信されて、私に対して素敵な言葉を投げかけて下さる方が多くて驚いています。私は何も言われても構わないけど、参加して下さった男性達が何か言われるのは絶対に嫌だという信念のもと、全力で向き合ったので、正直もっと色々言われることを覚悟していました。「意見を言うことに勇気が出た」とか「自分の人生をどうしていきたいか、自分の意志をちゃんと育もうと思った」という言葉を沢山頂くので、すごく嬉しいです。始まる前に言っていた私がこの旅に参加した理由の一つ「女性をCheer upしたい」という想いを、少しだけ叶えることが出来たのかな。

意見を言うことはとても大切。配慮と尊重と相手を思いやる気持ちを持った上で、意見を伝え合ってお互いを受け入れること。そして言葉の大切さ。「バチェロレッテ」の私を観て少しでも何かを感じてくれる人がいるのだとしたら、それが私が成し遂げたことなのかな。

― 萌子さんの生き方や選択に刺激を受ける人はいっぱいいると思います。

福田:そうだと嬉しいです。歴史や文化の中で生まれた潜在意識の中で私達が持っている「女性はこうあるべき、男性はこうあるべき」のような固定概念がもう少しオープンマインドになる手助けができる番組であったら嬉しいし、自分がそういう存在であれたらすごく光栄だなと思います。

(modelpress編集部)

福田萌子(ふくだ・もえこ)プロフィール

モデルプレスのカラーに合わせた服で撮影に来てくれました(C)モデルプレス
生年月日:1987年6月26日
出身:沖縄県
身長:176cm

長身を生かして中学生の頃からモデル業をこなし、2010年ミス・ユニバース・ジャパンでファイナリストに残り3位に入賞。現在は、「adidas Global Ambassador」、「COSMOPOLITANICON」を務めるなど輝かしい経歴を持つほか、ロードバイクをはじめマラソンや登山、セパタクロー、キックボクシングといった10以上のスポーツを日頃から世界各国で楽しみ、フィットネス&ライフスタイルメディア「Women’sHealth」のアワードを受賞。さらに「WOMAN in SPORTS」で「スポーツを通じて社会貢献をしている女性」にも選ばれるなど、スポーツトラベラーとしても活躍している。女優業にも挑戦し、沖縄テレビ「ハルサーエイカー」、「ハルサーエイカー2」では主役を務め、2017年には園子温監督作のAmazon Original「東京ヴァンパイアホテル」に出演。実家は、室町時代から続く大地主の家系であり、国内に10軒の住宅を所有、何台もの高級車を乗りこなしている規格外のお嬢様として知られている。


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