モデルプレスのインタビューに応じた中川大志(C)モデルプレス

<中川大志「G線上のあなたと私」インタビュー>話題の“シャッタードン”は考え尽くされていた?“酔っぱらい理人”の裏話、理想の恋愛像も明かす

2019.12.03 08:00

TBS系火曜ドラマ「G線上のあなたと私」(毎週火曜よる10時~)に出演する俳優の中川大志(21)が、モデルプレスのインタビューに応じた。

  

中川大志「G線上のあなたと私」インタビュー

中川大志、波瑠/「G線上のあなたと私」より(C)TBS
恋愛マンガの名手・いくえみ綾氏の同名漫画をドラマ化した今作は、大人のバイオリン教室を舞台に、寿退社間近に婚約者から婚約破棄を告げられた主人公・小暮也映子(主演・波瑠)、大学生・加瀬理人(中川)、主婦・北河幸恵(松下由樹)の世代を超えた友情とちょっぴり切ない恋を描く物語。

中川演じる理人は、少々不愛想だが憎めない、イマドキの男の子。バイオリン教室の講師で兄の元婚約者である久住眞於(桜井ユキ)に恋をしていたが玉砕。その後は、也映子とのもどかしい関係が続いている。

不器用でなかなか素直になれない理人に胸キュンする女子が続出中。今回のインタビューでは、話題を集めた“シャッタードン”“無言の手つなぎ”、さらに酔っぱらい演技の裏側を中心に話を聞いた。

中川大志、話題の“シャッタードン”は考え尽くされていた?


中川大志(C)モデルプレス
― “理人くん”人気が爆発中です!反響は実感していますか?

中川:色々な世代の方に観ていただけているなと感じています。最初は女性が多いのかな?と思っていたんですけど、例えばおじさん世代とか。知り合いの方からも感想をいただきますし、撮影しているときに「観てるよ」って声をかけてくださる方もいました。大人の男性も観てくださっているのは予想外ですごく嬉しいです。

― 幅広い世代に届いているという実感は、これまでにはなかった感覚ですか?

中川:今まで出演してきた作品って“若い女性”とか“大人”とか、ターゲット層が固まっているイメージだったんですけど、そういう意味では今回は全く違って。也映子さん、理人、幸恵さんって違う世代の3人が中心になった話なので、色々な世代に届くようにっていうのは放送前からひとつの目標に掲げていたんです。

― どの世代の方が観ても、誰かに共感できるポイントがありますよね。

中川:台本がすごく素敵で、キャラクターが魅力的に描かれているんです。理人はまさしく“いくえみ男子”という感じですし、最初に台本をもらったときはいちお客さんとして「うわー!」とかテンション上がってドキドキしながら読んだんですけど、ふと我に返ると「これを俺がやらなきゃいけないんだ」って(苦笑)。自分が台本を読んだときに受けたドキドキとか高まりを実際に演じるとなるとプレッシャーを感じました。放送が始まるまでは自分がやっていることが正しいのか分からなかったので、反響をいただいたことで、それが自信になっています。

― 好演の裏にはそんなプレッシャーが…理人は決して分かりやすい胸キュン男子ではないですし無愛想なところもありますが、だからこそ、也映子とのもどかしい関係やナチュラルなやりとりにドキッとさせられます。

中川:いくら反響をいただいたからといって、理人は調子に乗ってやりすぎてしまうと違うなと思うんです。あくまでも自然体でねらっていない。そうしないと理人ではなくなってしまうので、反響を喜びつつあまり気にし過ぎないようにして演じなきゃいけないなと思っています。

― そんな理人の分かりやすい胸キュンシーンが第3話の“シャッタードン”(※シャッターに向かって理人が也映子に“壁ドン”したシーン)だったかと思います。SNSでの反響もすごかったですね。

中川:“シャッタードン”のシーンは、いくらでもわざとらしく誇張することができたと思うんですけど、今回のドラマではいわゆる漫画的なシチュエーションをいかに日常の一部にできるかってことを僕の中のテーマにしてやっているので、ファンタジーにしたくなかったんです。どれだけ自然な流れでできるかっていうことを大切にしていましたし、親近感というか「もしかしたらこんなことがあるかもしれない」と思ってもらえるようなキュンキュンできるシーンにすることが目標でした。

― シチュエーションはファンタジーですが、日常に溶け込んだワンシーンでしたし、居酒屋からの流れが最高でした。

中川:居酒屋で酔っ払って、その勢いで“シャッタードン”があったっていうのが大きいんですよね。今まで僕がやったことのある学園モノとは違う、日常のハプニング的な胸キュンシーンにできたのは“酔っ払っている”っていう要素が加わったから。やり過ぎてしまうとダメなので、バランスは気をつけました。

“酔っぱらい演技”に反響が集まった居酒屋シーン/「G線上のあなたと私」より(C)TBS
― あのシーンで理人に完全に“落ちた”視聴者の方も多いと思います。居酒屋での酔っ払った理人もまた自然で、理人の新たな一面が垣間見えたシーンでした。

中川:メイクで顔を赤くしてもらっているんですけど、酔っ払った演技って“酔っ払った人”を演じようとしてしまうので難しくて。あの酔っ払い方は普段の僕の酔っ払ったときに近いと思います。それは成人したからこそできる演技ですし、台本を読んだときから居酒屋のシーンが好きだったので色々研究もしました。

あのシーンはすごく重要で、理人が二十歳の誕生日を迎えたことがはじめて明かされましたし、アラサーの元OLと10代大学生だった也映子さんと理人の距離が、一緒にお酒を飲むことで一気に縮まる瞬間でもあるんです。せっかく2人が近くなるシーンなのに、酔っ払い方が嘘くさくなってしまうのは嫌だったので、本当に居酒屋で起きていそうなやりとりにしたかったんです。

― SNS上では「本当に酔っ払っているんじゃないか疑惑」がでるくらい目がトロンとして(笑)。

中川:目が座ってましたよね?僕もちょっと思いました(笑)。

― “酔っぱらい理人”待ちの視聴者がたくさんいると思います!

中川:(笑)。今後、お酒の力を借りずに理人がどう動くかっていうところも楽しみにしていてほしいですね(ニヤリ)。

― 目の演技も話題になっていて、子犬のような瞳になったり居酒屋のシーンのようにトロンとしたりとても印象的ですが、意図的に操作していますか?それとも演技に入ると自然に?

中川:うわーどうなんだろう…もちろん意識的にそうしようとは思っているはずなんですけど…改めて聞かれると分からない…(笑)。ただ、居酒屋のシーンで言うと、いつも物難しそうな顔をしている理人がはじめて素直になる瞬間だったので、これまで也映子さんに見せていなかった顔になればいいなと思ってやっていました。

このあと2人は手をつなぎ…/「G線上のあなたと私」より(C)TBS
― ほかにも第4話“無言の手つなぎ”シーンも話題になりましたね。理人が也映子の手を自然と握ってそのまま歩く2人…とても素敵なシーンでした。

中川:放送済みのシーンで言うと、個人的にあのシーンが一番好きです。(※インタビュー時は第4話まで放送)

― 2人が直接そのことに触れることなく第4話のラストシーンを迎えたので、どう解釈をしていいのか次週が気になって気になって…

中川:この作品って言語化できない感情がたくさん描かれていると思うんです。だって、クリスマスの夜に何も言わずに手を繋いで歩いて、そのことに触れずに手を離して別れていく…ってわけが分からないじゃないですか(笑)?台本を読んだとき、僕も「何これー!」ってなりましたし(笑)。でも、それが成立するのがこの作品の世界観。上手く言葉にできないけど、何か分かるかもしれない、この感じ自分にもあったかもしれないっていう空気にできる。恋愛とか人間の関係性とか言葉で説明がつかないことっていっぱいあるんだなって感じます。

也映子さんと理人は本能的な部分でお互い繋がっているんだけど、大人だし色々なことがあるから何が起こるわけでもないけど、理解し合っている。台本にも細かいニュアンスが書かれているので、それを大事にしながら、言語化できない部分を映像にどう映し出せるか生々しく演じられたらいいなと思います。

中川大志、理想の恋愛像は?「追いかけたいタイプ」

中川大志(C)モデルプレス
― 理人は眞於に恋をしていますが、憧れの眞於、自然体でいられる也映子、中川さんならどちらの恋愛が理想ですか?

中川:どっちの要素もほしいです。親近感があって楽な関係ってすごくいいと思うんですけど、リスペクトできる部分がないと僕は好きにならないかな。

― 2人の中間?

中川:眞於さんは憧れっていうイメージが強すぎるし、也映子さんみたいに居心地がいいのも大事。でも、僕は追いかけたいタイプなので、どこか行っちゃいそうな手が届かなそうな要素もあってほしいなって思っちゃいます(笑)。

― では、最後になりますが、後半の見どころをお願いします!

中川:前半から中盤にかけては僕らもうずうずしちゃう関係が続いていましたが、お互い何となく気持ちに気づいている2人がどういう形で進んでいくのか…不器用な2人なのでどうやって今の関係を超えていくのか、超えないのか…楽しみにしていてください!

― インタビューは以上になります。ありがとうございました!

中川大志(C)モデルプレス
「花のち晴れ~花男 Next Season~」(TBS系、2018年)の“天馬くん”のような王道イケメン役から、CMの個性的な役柄まで、幅広い演技力でその存在感を発揮してきた中川。新たなハマり役となった理人は、中川の表現力とこだわりがあってこそ出来上がったキャラクターであることが今回のインタビューからわかった。徐々に縮まっていく也映子と理人の距離…さらに距離が近くなったとき、理人の“ツンとキュン”のバランスはどうなっていくのか…最終回に向け物語は加速していく。(modelpress編集部)


第8話あらすじ

理人(中川大志)に傷心している眞於(桜井ユキ)の元を訪ねるように自ら後押しした也映子(波瑠)。

しかし、その後自分の気持ちに気づき、思わず幸恵(松下由樹)に本音を吐露し、泣き出してしまう。

一方で、理人は眞於の元に行ったことで、自分の也映子へ対するの恋心を自覚しはじめる…。

その後、”三コン”の開催が迫り、練習にも真剣さが増す3人。これまで以上に、理人のスパルタ教官ぶりに拍車がかかっていた。

そして訪れたミニコンサート当日。家族や友人ら大勢が集まる中、幸恵は家族への気持ちを、也映子はバイオリン教室での思い出や眞於とのことを語り始める。

そんな也映子のスピーチを、横で聞いていた理人は内緒で録音していて――。

中川大志(なかがわ・たいし)プロフィール

中川大志(C)モデルプレス
1998年6月14日生まれ、東京都出身。小学4年生でスカウトされ、小学5年生で芸能界入り。2009年に俳優デビュー。ドラマ「家政婦のミタ」(2011/日本テレビ系)で一家の長男役を演じ注目を浴びた。

NHKのコント番組「LIFE!~人生に捧げるコント~」にレギュラー出演中。近年の出演作は、NHK連続テレビ小説「なつぞら」(2019年)、映画「坂道のアポロン」(2018年)など。
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