モデルプレスのインタビューに応じた兒玉遥 (C)モデルプレス

兒玉遥、引退も考えた1年半の休養・IZ*ONEコンサート鑑賞秘話も<舞台「私に会いに来て」インタビュー>

2019.09.12 07:00

6月9日をもってHKT48を卒業した兒玉遥(こだま・はるか/22)が、モデルプレスのインタビューに応じた。

  

兒玉遥、HKT48を卒業し女優の道へ

2011年、HKT48の第1期生としてデビューし、宮脇咲良とともにグループの創成期を牽引した兒玉は、2017年12月より約1年半活動を休止。今年6月4日にグループからの卒業とエイベックス・アスナロ・カンパニー株式会社への所属を発表し、女優として新たな道を歩み始めた。

兒玉遥 (提供写真)
そんな彼女が卒業後初めて挑戦するのが、舞台「私に会いに来て」。1996年に韓国で初演され、再演に再演を重ね約20年間ロングランを遂げた異例の国民的ヒット舞台の日本版。9月13日~東京・大阪にて新たに上演される今作で、パク・ヨンオク記者役を演じる。

兒玉遥、約1年半の休養期間を振り返る

― まず、6月の卒業発表から時間が経って、会見の際はまだ実感がないと仰っていましたが、改めてアイドルを卒業された実感は湧いてきましたか?

兒玉:1人で行動するので、こういうインタビューのときも周りに喋ってくれる子がいなくて(笑)。今までは隣にメンバーがいる安心感があったけど、これからは「しっかり喋れるように頑張らなきゃ」とか、「しっかり言葉を選ばなきゃ」とか、緊張感があります。

― 休養中はどんな生活をしていましたか?

兒玉:最初の半年間くらいはずっと家にいて休んでいたんですけど、少しずつ元気になっていって、その後は割と規則正しい生活をしていました。朝は決まった時間に起きて予定が入れられる日は出かけて夜も遅くならない時間には寝て、という健康的な生活をしていました

― 元気になっていったきっかけは何かあったんでしょうか?

兒玉:明確なきっかけがあったわけではなく徐々に自分を取り戻していった感覚です。アイドル活動をしていたときは、忙しすぎて目の前が見えなくなっていたんですけど、ゆっくりと自分と向き合う時間を作ったら色々と見えてくるものがあって、すごく気持ちが明るくなりました。15歳から突っ走ってきたので、休む時間は大事だったかなと思います。

兒玉遥、女優という道を選んだ理由

― 休養中は、引退を考えたこともあったと聞きました。

兒玉:周りの同級生の皆が、大学を卒業して就職活動というタイミングだったので、次のステップに進むというか社会人として独り立ちするために自分はどうすべきかを考えていて、芸能界を辞めるべきか続けるべきか迷っていました。

― そこから女優の道に進もうと決意した経緯を教えて下さい。

兒玉:元々お芝居に興味があって、将来について考えたときにもっと演技を学びたいという気持ちが強くなりました。そこでお芝居に集中できる女優という仕事にチャレンジしたいと思って、こういう形で舞台をやらせて頂くことに。

― アイドルの卒業後の進路としては、ソロ歌手だったりタレントさんだったり、他にも色々選択肢はあったと思うんですけど、その中でも女優への思いが強かったですか?

兒玉:「絶対女優さん一本!」という気持ちは特になくて、歌や映画の吹替とかにも興味があるし、コスメがすごく好きなので何かメイクに関わる仕事ができたらなと思うし、そこまで女優にとらわれずに、SNSも活用して色んな活動ができたら良いなと今は考えています。

― アイドルに戻るという選択肢はそのときはありませんでしたか?

兒玉:アイドルはいつか卒業するものだと思っていたので、休養前からいつ卒業するか、ということを考えることもありました。このタイミングが良いのかなと思ったから卒業を決心しました。

― 具体的に女優を目指すきっかけになった作品はありますか?

兒玉:映画「湯を沸かすほど熱い愛」(2016)を観て、宮沢りえさんと杉咲花さんの演技がすごく素敵で引き込まれてカッコいいなと思って感動しました。

― HKT48時代も舞台をやられたり、ドラマに出演されたりしていましたが、そういった経験も女優を目指すきっかけの1つになりましたか?

兒玉:そうですね。歌って踊ることで観ている人が喜んでくれる感覚とか楽しんでもらえているなというのは劇場公演のときから感じていたんですけど、お芝居で人を感動させるということも歌って踊るのとは違う楽しさがあるなと味わったので、こうしてまだ舞台に立てるのはすごく嬉しいです。

兒玉遥、アイドル時代の経験が強さに「あの経験が今に生きている」

― 卒業の発表があって数日後に会見があって、1年半ぶりに報道陣の前に登壇されました。発表を受けてファンの方からはどんな反応がありましたか?

兒玉:多くの人から「戻ってきて嬉しい」とか「待っていたよ」というコメントを頂けてすごく励みになったし、嬉しかったです。

― SNSの更新も久しぶりでしたよね。

兒玉:そうです!ずっと止まっていたので。1回リセットしてから再開してみるとすごく楽しいです。

― 会見は人前に出ること自体が久しぶりだったと思うんですけど、すごく堂々とされていました。

兒玉:本当ですか?でも緊張していましたよ。

― 緊張しているように全然見えなかったです。

兒玉:ふふふ(笑)。多分緊張が伝わらないタイプです。

― プレッシャーはありませんでしたか?

兒玉:多少はあるんですけど、今までアイドルのときに本当に沢山の経験をさせて頂いたので、場数を踏んでいた分、強いかなと(笑)。あの経験が今に生きているなと感じます。

― 会見が始まった瞬間に「戻ってきたな」と感じましたか?

兒玉:終わった後に感じることが多いです。終わった後の達成感とか疲労感で「ああ、頑張った!気持ちいいな~」と思いましたね。

― 今後、ファンの方に向けてはイベントなどでの交流も考えていらっしゃいますか?

兒玉:舞台以外に私を応援してくれている方が参加できるイベントを今計画中で、定期的にできたら理想だなと思います。今はこの舞台を成功させたいという思いが一番に強いので、終わってからかなと思いますけど、できるだけイベントを開催してファンの皆さんと直接触れ合える機会を作りたいなと思っています。

兒玉遥、タイでIZ*ONEのコンサート鑑賞

― 兒玉さんの休養中はHKT48も大きな変化があったと思うんですけど、グループの活動は見ていましたか?

兒玉:ちょこちょこは見ていましたが、そんなに深くは知らなかったです。「PRODUCE48」は観ていて、(宮脇)咲良と(矢吹)奈子の活動はずっと応援していました。

― 兒玉さんが卒業を発表された際、SNSで言及しているメンバーも沢山いらっしゃいました。何か連絡はとりましたか?

兒玉:森保まどかちゃんとか本村碧唯ちゃんとか、同期から沢山連絡がきました。「舞台観に行きたい」とか「ご飯行こうよ」とか言ってくれましたね。

― 6月16日にはタイでIZ*ONEのコンサートを鑑賞されたんですよね?(Twitterで報告)あれはどういった経緯で?

兒玉:そうなんですよ。元々はたまたまタイに旅行に行っていて、そしたら知り合いがチケットを取ってくれて観ることができました。

― お2人(宮脇&矢吹)の反応は?

兒玉:実際に面会する機会はなかったんですけど、事前にLINEしたらすごく驚いていました。「えー!タイに来るの?!」って(笑)。奈子が「見つけますね」と言ってくれたので、めっちゃ手振ってジャンプしたんですけど…レスはもらえなかったです(笑)。

― さすがに会場も広いですもんね(笑)。

兒玉:さくちゃんと「絶対目合った!」と思ったんですけどね。多分あれは気づいてないと思います。

兒玉遥「殺人の追憶」原作の舞台で女性記者役 ラブシーンは「すごく挑戦」

― 今作は2003年に韓国で公開された映画「殺人の追憶」の原作としても有名です。最初にオファーを受けたときの作品の印象はいかがでしたか?

兒玉:すっごく題材が重くて苦しい作品だったので、私も映画を観た後は、重たい気持ちになって余韻が何日か抜けなかったです。「それを日本で舞台にしたらどんな感じになるんだろう?」とワクワクしました。それで台本を読んだら、舞台版は映画には出てこない女性記者が出てきて、コンセプトがラブ・サスペンスになっていて、映画よりは見やすいように作られているなと思いました。私が演じるパク記者は、結構喧嘩のシーンがあるんですけど、言葉遣いが荒かったり、強い口調が出てきて、普段私が使わないような言い回しもあるので、そこでどれだけ振れ幅を見せられるかが楽しみだし、自分の中のテーマになっています。

― 会見では、パク記者と秘めた関係になるチョ・ナンホ刑事役の中村優一さんが 「結構刺激的なシーンがある」とも予告していました。兒玉さんにとっては挑戦になりますか?

兒玉:そうですね。恋愛の要素があるシーンがちょこちょこ出てくるんですけど、すごく挑戦です(笑)。そういったお芝居の経験はほとんどないので、どうやって表現するのかいっぱい話し合って、良いものを作れたらなと思います

― (インタビュー当時)稽古に向けて何か努力や準備はしていますか?

兒玉:道で歩いているスーツを着た女性を人間観察したり、台本を沢山読み込んでイメージを膨らませている段階です。

― いきなりベテランの方々とご一緒されるということで緊張されますか?

兒玉:緊張します。でも、心強いですね。経験がないなりに1から教えてもらえたらなと思っています。

兒玉遥、海外のファンに向けて…

― 女優としてこれからどんな作品に出てみたいですか?

兒玉:作品だと、「コード・ブルー」の影響が大きいんですけど、医療系。絶対現実世界じゃなれない仕事だから役で演じてみたいなと思います。

― すごく見た目も大人っぽくなられたので、そういうカッコいい役柄も似合いそうです。HKT48のときは寸劇のイメージが。

兒玉:多かったですね(笑)。本当にあれは笑わせるためのお芝居だったんですけど今回の舞台にはおもしろ要素は全くないので、全然表現の仕方が違うなと思います。

― またコメディ系も見てみたいです。

兒玉:やりたいですね。

― 今回の作品の出演に対して、ご家族の反応は?

兒玉:役に対してというか、親にお芝居ができるのか心配されました(笑)。

― (笑)。今後の活動の目標を教えて下さい。

兒玉:目標はいっぱいあります。1つは海外に進出したい。まだ日本でも全然なのにあれですけど(笑)。いつか海外に出て、言葉も勉強して、もっと活動できる世界が広がればなと思っています。

― その思いはどこから?

兒玉:海外にも応援してくださるファンの方がいて、インドネシアが多いのかな?でもなかなか直接会う機会がないので、会いに行けたらなと思っています。全く具体的な想像はできないんですけど、いつか日本を飛び出して活動できたら楽しいなと思います。あとは、さっきも話したんですけど、メイクとか、旅行も好きなので、そういった関連で発信できたらなと思います。

― では最後に、モデルプレスの読者に向けて、兒玉さんの夢を叶える秘訣を教えて下さい。

兒玉:夢のために頑張るというよりは、“自分がやりたいこととか好きなことを夢中にやっていたら気づいたら叶っちゃっている”というのが理想です。楽しんで毎日一生懸命に過ごしていたら振り返ったときに足跡があって、ここまで来てたな、と。自分に負荷をかけずにずっと楽しめる方法を模索するのが良いんじゃないかなと思います。

― ありがとうございました。

“女優・兒玉遥”に期待

約2年前にインタビューをしたときから、グッと大人っぽくなった印象の彼女。そのことを伝えると、「大人っぽくなりましたか?何でだろう?何もしていないです(笑)」と昔のままの笑顔で照れたが、「でもすごく痩せました。休養する前が太っていたので、規則正しい生活になって自然と」と続けた。

制作発表会見では久しぶりに報道陣の前に登壇したとは思えないほど、堂々とコメントし、独特のおっとりしたキャラクターでキャスト陣を和ませていた。大勢の女の子の中で一際輝きを放っていた彼女は、きっと舞台の上でも強い輝きで私達を魅了してくれるはずだ。(modelpress編集部)

「私に会いに来て」舞台概要

舞台「私に会いに来て」メインビジュアル(提供画像)
実際の殺人事件の資料をもとに創作され、次々と起こる猟奇的殺人事件の捜査を担当するため、ソウルから華城警察署に派遣されたエリートの若手キム刑事が主人公。怪しい人物を取り調べていくが、決定的な証拠がつかめず焦りはつのるばかり。キム刑事に惚れる茶房の従業員ミスキムとの恋愛や、チョ刑事とパク記者の秘めた関係など、捜査本部の人間模様を描く究極のラブ・サスペンス。

出演:藤田 玲/中村優一 兒玉 遥 西葉瑞希/グァンス(SUPERNOVA)/栗原英雄 大澤信児 高山猛久 田中 亮 畑中竜也 曾田彩乃 藤本かえで 髙石あかり/Anna(ヴァイオリン演奏)
原作:キム・グァンリム
演出・映像:ヨリコ ジュン
上演台本訳:後藤温子
日時・会場:2019年9月13日(金)~16日(月祝)東京・新国立劇場 小劇場
2019年9月19日(木)・20日(金)大阪・サンケイホールブリーゼ

兒玉遥(こだま・はるか)プロフィール

兒玉遥 (C)モデルプレス
生年月日:1996年9月19日
出身地:福岡県
身長:158cm
血液型:O型

2011年7月10日、HKT48の第1期生オーディションに合格。同グループのメンバーとして活動を開始し、 センターポジションも務める。2016年には第8回AKB48選抜総選挙で、 自身最高となる第9位に輝く。2019年6月にHKT48を卒業し、 エイベックス・アスナロ・カンパニーへ所属。女優としての活動を本格化し、 2019年9月に卒業後初の舞台「私に会いに来て」への出演を控える。
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