宇垣美里「弱音とか、吐いても無駄」ブレない信念と素顔 フリー転身後の思いとは<フォトエッセイ「風をたべる」インタビュー>
2019.04.16 12:00
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この春TBSを退社し、フリーとして新たなスタートを切った宇垣美里(うがき・みさと)アナウンサー。4月16日、28歳の誕生日に、『週刊プレイボーイ』で連載中のコラム「人生はロックだ!」をまとめたフォトエッセイ「風をたべる」を発売する。沖縄での撮影エピソードに加え、まっすぐな発言が印象的な宇垣アナの原動力、そしてこれからの展望に迫った。<インタビュー前編>
フォトエッセイ「風をたべる」沖縄での撮影を振り返って
― 人気のコラムがフォトエッセイという形でまとめられるということで、オファーをもらった時はどのような心境でしたか?宇垣:連載が本になるのはすごく嬉しかったです。ただ、フォトエッセイというのはあまり考えてなかった形で、どういうものだろう?とも思いました。なのでいろんな方のフォトエッセイなどを読ませて頂いたりもしました。
―「風をたべる」というタイトルにはどんな思いが込められているのでしょうか。
宇垣:マレー語で「旅をする」というのを「マカンアンニン」といって、直訳すると“風をたべる”という意味だそうなんです。旅についてのエッセイもたくさん書きましたし、普通に日常生活を送っている中でも、こういった撮影ですとか、いつもとは違う場所の空気を味わうのが好きなので、それも含めてこの名前にさせて頂きました。
― 沖縄で数日間撮影をされたそうですが、いかがでしたか?
宇垣:2年以上お世話になった編集の方たちと、スタイリストさんも一緒だったので、緊張したというよりかはみんなでなんとなく沖縄の綺麗なところを散歩しつつ「ここ綺麗だね」って言った瞬間に写真を撮ってもらう、という感じでした。あまり構えたりとかはなくて、すごく自然体なのかな、と思います。
― 印象に残っているエピソードはありますか?
宇垣:以前奄美大島に行った時にシュノーケルをしたのですが、それがすごく楽しかったんですね。それで今回も「シュノーケルがとっても楽しかった」と言い続けたら、編集者さんたちが「じゃあそれも入れよう」とシュノーケルの撮影も入れてくださったんです(笑)。
あとは、初めて三線に挑戦したのですが、もともとずっとピアノをやっていて、吹奏楽部だったのもあって、音を覚えて弾くというのがすごく楽しくて。先生のおじいに教えてもらいながら、写真に撮られていることを忘れてかなりのめり込んでしまいました。「カメラ見て」って途中注意されるくらい没頭してしまって(笑)。バチっと正しいところを抑えた時に、正しい音が鳴るのというところがすごく楽しくて、自分で買って挑戦してみようかなと思うほどでした。
― エッセイの中では、ご自身に課している“7つのルール”を明かされているそうですね。いくつか紹介して頂けませんか?
宇垣:例えば「折に触れて手紙を送る」。頂いた資料を返さなくてはいけない時とか、付箋を添えて「ありがとうございました」と伝えるようにしています。お土産をもらったときは「お土産嬉しかったです」と一言付箋に書いて、すぐにデスクに貼ったり。メールやLINEももちろんしますけど、手紙で書いた方がより伝わるじゃないですか。旅先から現地で買ったハガキを送ったりとかもよくしますね。結構手軽ですし、字に自信がない人でもかえって味が出るし、不器用ながらも一生懸命書いた字は絶対に伝わるので、いいんじゃないかなと思います。
あとは「関西弁を忘れない」。私、関西出身なんですが、それでスイッチングができるんですよね。関西弁を喋っている時は完全にオフ。仕事する時は標準語。もちろんそれがぐちゃぐちゃになることもあるし、仕事中にパっと関西弁が出ることもあるのですが、ルーツを忘れないというか、もちろん便宜上標準語は覚えるけど、母国語は関西弁だから私は忘れませんし、直しませんという気持ちはありますね(笑)。
「弱音とか、吐いても無駄じゃんって思う」宇垣美里の原動力とは
― このエッセイは、どんな方に読んでほしいですか?宇垣:誰と決めているわけじゃないけれど、例えばテレビや写真で見るイメージで、私のことを「どうせこういう人なんでしょ」「こういう人なのかな」と思っている人に読んで頂けたら、もしかしたら「全く違う一面がある人なんだ」と思ってもらえるのかな、と。私のことをよく分からないと思っている人に、「こういう人なんです」って説明する代わりに読んでもらえたらと思います。
― イメージというと、宇垣さんはアナウンサーの中でも「宇垣美里」という個性が確立されている印象です。テレビやラジオでのストレートな発言が話題になることもありますが、それはいつも素なのでしょうか。ご自身の信念や原動力はありますか?
宇垣:基本的に素だと思います。もちろんテレビ番組とかだと演出もありきですしまた別になってくると思いますが、例えばラジオだとかエッセイだとか、そういうところで発言する言葉というのはやっぱり私から出たものだと思います。
その原動力ってなんだろうと考えた時に、なぜだか分からないけれど小さい頃から「絶対に負けない。絶対自分の力でこれは手に入れる」みたいな反骨精神が強くて、それがあるのかなとは思います。
― 物心ついた頃から負けず嫌いだったのですか?
宇垣:生まれついた気性が本当に負けず嫌いなんです。「痛い」とかもあまり言えないんですよ。言いたくないんですよね。「すごい足痛いな」と思って、引きずったりけんけんしながら家に帰って、親に病院に連れていかれて骨折していたみたいなこともありました(笑)。
痛みに強いっていうのもあるんでしょうけど、我慢できる。「弱音とか、吐いても無駄じゃん」って思うので。だったらそれを絶対に克服したいと思っていましたね。
― 悩んだ時に相談とかもあまりされてこなかったタイプでしょうか。
宇垣:あまりしないですね。それこそフリーになるのも親には事後報告だったので、びっくりしていました(笑)。
― 全部自分で決めて、あとで報告する。
宇垣:そうですね。大学も「ここに行きたい、なので滑り止めはここです」と伝えたら、「受けなさい」みたいな感じでした。
アナウンサーになったのも、もともと東京に行きたかったのですが、長女だったので親が厳しかったんです。どうすれば上京を許してもらえるかな、と考えて、1人で自立できるだけのお給料がもらえる場所、かつ今までやってきたことが1番効率的に発揮できる場所として、テレビ局は興味がありました。だったら向いているかもしれないアナウンサーになろうと。行くまでのお金は絶対に親に頼みたくないから、アルバイトをして、夜行バスで。全部自分でやったから文句ないでしょ?という感じでした。
― それは何も言えないですね。でも辛い事があった時は、どうやって乗り越えるのですか?
宇垣:妹と仲が良いので、妹に話したりはします。彼女に言うと、答えをくれるというより「それってこういうことだよね」と整理してくれる感じなんですね。そこで、じゃあどうするべきかと自分で選択するという感じです。
女性からの支持が力に 周囲の反響に変化も
― 最近は宇垣さんがテレビやラジオでまっすぐに発言された言葉が広まって、女性の共感や支持を得たりといった反響もあるのではないでしょうか。宇垣:ありがたいですね。アナウンサーとして、自分の感情や自分の言葉を表現する機会がなかった頃よりも、女性の方から「すごくファンなんです」とか「言葉に勇気を頂きました」と言って頂けることが増えたんです。
ファンレターを頂いたり、イベントに毎回来てくださる人がいたり、そういうのはすごく支えになっているし、「ああ、もっと頑張れる」と思います。
宇垣美里アナ、今後の展望は?
― フリーになられて、新たに事務所に所属された理由がMC以外の仕事も充実できるからだとお聞きしました。今後どういったことに挑戦していきたいですか?宇垣:今までできなかったことをとりあえず色々チャレンジしてみたいな、と思います。まだその中から今後どれが1番合ってるのかな、と選ぶ段階ではなくて、今はとにかくいろんなことに挑戦する時期。全てが新鮮だし、全部を楽しんで仕事していきたいなと思います。
どこに求められているのか、何が向いているのかを決めるのは私ではないと思っていて、様々なことに挑戦してみて見えるものなのかな、と。もしかしたら、その中でどうしても自分がやりたいことが出てくるかもしれないし、まだそこに至る材料が自分の中に出揃っていないので、その状態で決めたくはない。選択肢はたくさん残しておきたいなと思います。
宇垣美里アナの“夢を叶える秘訣”
― 最後にモデルプレス読者に向けて、宇垣アナが考える“夢を叶える秘訣”を教えてください。宇垣:諦めないこと、限界を決めないこと、自分で言い訳を作らないこと。もう年齢が何歳だからとか、私は~~出身だからとか、身長が何cmしかないからとか、やりたいことへの言い訳って探せばいくらでも出てくるじゃないですか。でもそれは言い訳でしかないと私は思います。「それでもやる」と決めて頑張ったら、叶わないことはないんじゃないかな、と思うんですよね。
それに例え叶わなかったとしても、何かに向かって努力したことって絶対に自分を裏切らないので。行きたかったところに行けなかったとしても、でもあれだけ頑張った、あれだけ私は頑張れる人なんだと分かることが1つの成果ですから。無駄なことなんて何もないんじゃないかなと思います。
― ありがとうございました。(modelpress編集部)
インタビュー後編では、メイクポイントや、ビューティーケア、ファッションのこだわりなど、宇垣アナの“美しさの秘訣”に迫る。
宇垣美里アナ1stフォトエッセイ「風をたべる」
「人生はロックだ!」から抜粋したコラムに加え、沖縄での撮り下ろし写真を収録。宇垣アナの魅力や、知られざる素顔が詰まった1stフォトエッセイとなっている。どのようにして、今の宇垣アナが形成されていったのか。虎柄が似合い、『セーラームーン』に魅了された幼少期、“宇宙系アンドロイド”と言われた高校時代、ミスキャンパスに輝いた大学時代、そしてTBS入社後から今に至るまでを赤裸々に告白。人生に課している7つのルール、SNSで話題になった「マイメロ論」など、人生観やライフスタイルについても書き綴っていく。
撮影は沖縄の街やビーチ、リゾートホテルなどで敢行。三線に挑戦するシーンなど、テレビでは見られない無防備な姿も披露する。
宇垣美里(うがき・みさと)プロフィール
生年月日:1991年4月16日血液型:O型
出身地:兵庫県
出身校:同志社大学 卒業
身長:162cm
趣味:音楽、映画、舞台、アニメ鑑賞、読書、茶道、乗馬、旅行
特技:サックス演奏、ピアノ演奏、速読、着付け
免許/資格:漢字検定2級、ニュース時事能力検定2級、乗馬ライセンス5級
好きな音楽:邦ロック、クラシック
2014月4月、TBSに入社し、アナウンサーとしてその後数々の番組に出演。2019年3月、TBSを退社し同年4月よりオスカープロモーションに所属した。
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