TANA(C)モデルプレス

日本でストリートボール発展のために何が必要か?「SOMECITY」のレジェンド・TANAに聞いた

2019.02.20 20:00

国内最高峰・最大規模の3on3ストリートボールリーグ「SOMECITY」が、様々な街で創り上げられ、注目を集めている。そこで、モデルプレスでは「SOMECITY」で活躍するキーマン3人にインタビューを実施。3人目は、SOMECITYの立ち上げた中心人物で、現役時代は世界のストリートバスケに挑戦するほどの実力の持ちTANAに話を聞いた。

  

「SOMECITY」とは

SOMECITYは、様々な街で創り上げられる「バスケットボールを究極に遊ぶ(=ストリートボール)」リーグ。2007年12月にSOMECITY TOKYOが始まり、2009年にはSOMECITY OSAKA、2014年にはSENDAIがリーグとして通年開催を開始、続く2015年にNAGANO、NAGOYAと立て続けにリーグ化。2017-2018シーズンでもAOMORI、NIIGATA、FUKUOKAが正式にリーグとして運営。2016年には中国でSOMECITY SHANGHAI、BEIJING、GUANZUHOUを実施し、今なお勢いを増してその開催都市を次々と増やしている。

他のバスケットボールリーグとは異なり、クラブチッタ川崎・新木場Studio2 Coast・SHIBUYA O-EASTなどクラブを会場に、MCやDJが盛り上げる中、スポットライト照らされたコートで真剣勝負を繰り広げる“エンターテイメント性”が大きな特徴。プロアマ問わず、様々な人が活躍出来るのも大きな魅力。

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2019年3月2、3日には、クラブチッタ川崎で各年を勝ち抜いたチームが集結してNo.1を決める「THE FINAL」が開催される。

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SOMECITYの設立秘話

― まずSOMECITY設立の経緯についてお伺いしたいです。

TANA:もう11年ぐらい前、僕がバリバリにプレーしていた時です。世界にはストリートボールっていうカルチャーが当たり前にあるんですけど、それがカッコよくて「日本でやりたいな」「自分たちの納得いく世界を作りたいな」って思うようになったのがキッカケです。そこで、手を挙げたボーラーたちと協力して始めました。

― SOMECITYが出来る前は「そもそもストリートボールが日本にはなかった」、それとも「ストリートボールはあったけど、自分たちの納得いく世界ではなかった」?

TANA:厳密に言うと、今も世界で言われているストリートボールっていう文化が日本にあるかは難しい話です。世界中には、街の中に当たり前に公園がたくさんあって、バスケットコートがあって、そこに集まった人数でゲームが出来ている日常がある。でも、日本は公園でボールをついたら怒られたり、何時以降は使っちゃダメって決められたり、正直文化にはなってないんです。バスケが出来る場所が限られている日本でお客さんに見てもらうことも考えた時、クラブの中でバスケットをやる今のスタイルがハマって、10年ぐらい経った今は少しずつストリートボールという言葉や世界が知られてきましたけど、文化という面ではまだまだかなと思っています。

― 今後発展の可能性は十分にあるんですね。

TANA:そうですね。今は、僕らが色んな場所に人を呼んでやっていますが、目指すのはそういうことではなくて、僕らだけじゃなくて、日本中でやりたい人たちがそれぞれの街でやること。そういう意味で「SOMECITY」という名前にもなっているので、その街その街の出来る形で面白いバスケット、カッコいいストリートボールを見せられる世界を作りたいです。

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― とはいえ、日本を飛び出しての活動もあり、当初に比べたら目指してきている世界に近づいているのでは?

TANA:「SOMECITY」というワードを知ってくれていたり、ストリートボールっていう単語も知られてきているのとは感じています。

― 同じく立ち上げに関わったK-TAさんも仰っていましたが、最初は大変だった?

TANA:そうですね(笑)。今はもう笑い話なんですけど、当時は本当にボーラーだけの集まりだったので、昔の話をすると結構みんなびっくりしますね(笑)。

― 例えば?

TANA:今考えると成り立たないぐらい厳しい状況だったんですよね……本当に色々あって、無給でやっていた時もあったり、家がなくなってボランティアスタッフの家に潜り込んだり、事務所住み込んだりしていました。

SOMECITY自体も波があって、1回無くなるんじゃないかという時期もあったんです。その時には、人の表と裏がすごく見えました(笑)。当時、僕やK-TAなど、存続のために動き回っていた人間からしたらキツかったんですけど、逆にそのタイミングで「やろうよ」って手を貸してくれた人たちもいてくれて、そういう意味でも色んなものを見れましたね(笑)。

― そういうキツい時期を乗り越えられた理由は?

TANA:どんなにキツイことがあっても、不思議と僕やK-TAは全くSOMECITYが終わるとは思っていなくて、自分たちがやりたいこと、作りたい世界にエネルギーをとことん注いでいたからだと思います。自分たちのやっていることには絶対意味がある、絶対カッコいいものになる、共感してくれる人もいる、やり方が無茶苦茶でも、そういう強い思いがあったからですね。

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TANAが思うSOMECITYの魅力

― TANAさんが思う「SOMECITY」の魅力ってなんですか?

TANA:ストリートボールが根本にあるんですけど、クラブの中でやっているので、コート内にMCがいて、DJもいて、コートのすぐ横、選手に触れるぐらいの近さにお客さんがいて、そういう色んな要素が一体になった空気感です。ボーラーのプレーから起こる一体感は、ギュっと色んなエネルギーが凝縮されていて、どのスポーツでも体験できないと思います。それこそ僕らが目標にしている熱狂する世界ですし、SOMECITYの魅力です。

― 会場に足を運んでこそ味わえるものですね。

TANA:1回見に来たら、絶対誰かしらのファンになるはず!プロじゃなく、仕事をしながらストリートボールをやっている人もいたり、学生もいたり、ある意味人生かけてコート上で戦っているので、間近で見たら心を動かすものあると思います。

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SOMECITY、ストリートボール発展のために

― 今後のSOMECITYの展開についてもお聞きしたいです。

TANA:今、開催都市がどんどん増えていて、海外でもやっているので、今年はレベルアップして世界大会をやりたいという目標がありますし、日本全国にも広めたいです。そうやって、ストリートボールをやる子たちを増やすのも大切なことです。

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― ストリートボールという文化の発展も考えて?

TANA:そうですね。結局、ストリートボールをやる子が増えないと公園も増えないし、公園のゴールが増えないし、例え増えたところで使うことが出来ないから、世界を広めるためには、そういうステップも必要ですよね。

― そうやって次の世代に伝えていくには何が必要になってくるのでしょうか?

TANA:ワクワクすること!これまでも、これからも、自分やSOMECITYのメンバーたちがやりたいことを形にしようと動いているんですけど、そこには心がワクワクするものが必要で、そういうものを取り入れながら発信したものからは絶対にエネルギーが生まれるので大事だと思います。

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― では、最後にTANAさんの“夢を叶える秘訣”を教えて下さい。

TANA:それこそ“ワクワクすること”ですね(笑)。僕らはストリートボールを“バスケットの究極の遊び”って言っているんですけど、夢を叶える人は、夢へのプロセスが本気の遊びの延長みたいな位置にあると思うんです。だから、何でも出来るし、それを苦とも思わない。もちろん大変な時もあるけど、遊んでいるときのようにワクワクしながら、エネルギーを取り入れていくのがいいのかなと思います。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

TANAプロフィール

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日本ストリートバスケ界のレジェンド。SOMECITYの立ち上げた中心人物。現役時代は世界のストリートバスケに挑戦するほどの実力の持ち主。持病により現在はプレイヤーとして活動していなく、SOMECITYを支えている。アパレルブランド「ballaholic」を立ち上げそのブランドディレクターも担当している。

SOMECITYがスペシャル企画を実施

SOMECITYは全国のバスケットボーラ―達に、ストリートボールの魅力を伝えるべく、一般公募から選ばれたバスケットボーラーが、SOMECITY ALLSTARと戦える一日限定のスペシャル試合を実施することが決定。応募方法は、動画共有アプリ「TikTok」上で「#バスケで遊べ」を付けて自分のバスケプレイを投稿するだけ。SOMECITYの選手はもちろん、既に全国の数多くのバスケットボーラ―達が挑戦しており、副賞として、SOMECITYグッズやチケットのプレゼントも!

なお、募集期間は2月6日~3月6日まで。試合の模様は関東圏内にて地上波で放送も予定。
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