モデルプレスの取材に応じた山本舞香(C)モデルプレス

山本舞香、飛躍の2018年も「主演じゃない役が代表作というのはダサい」“正直すぎるキャラクター”でバラエティ番組でも存在感<モデルプレスインタビュー>

2019.01.04 17:00

2018年、ドラマ「チア☆ダン」(TBS)や映画「SUNNY 強い気持ち・強い愛」、「恋は雨上がりのように」などで強い存在感を発揮し、若手女優の筆頭に躍り出た山本舞香(やまもと・まいか/21)。2011年5月「三井のリハウス」14代目リハウスガールとしてデビュー後、出演作は多数。出演を重ねるごとに実力を蓄え、注目度を高めてきた。そんな山本だが2018年は、初写真集「サニー/ムーン」出版や初舞台「漫画みたいにいかない。」、ファッションショー「東京ガールズコレクション」「GirlsAward」でのランウェイなど、初経験のことも多かった1年だったそう。

また私たちにとってもバラエティ番組を中心に山本の新たな一面を伺えた年といえる。2017年4月よりレギュラーを務める「王様のブランチ」(TBS)では、その正直すぎるキャラクターで数々のロケを盛り上げ、「ホンマでっか!?TV」「アウト×デラックス」(ともにフジテレビ)では飾らない発言でマツコ・デラックスから「なかなかこんな子出てこなかった」と絶賛されるなど、例をあげればきりがない。モデルプレスは、彼女にとって転機となった2018年を振り返ってもらいつつ、さらなる飛躍を遂げるであろう2019年の抱負を聞いた。21歳、今の本音しかない素直なインタビューをお届けする。

  

山本舞香、飛躍の1年 苦労した「チア☆ダン」で得たもの

― 2018年は写真集や舞台など初めてのことが多かったですが、どんな1年でしたか?

山本:本当に新しいことをたくさんやってきた1年でした。あとはずっと運動していましたね。去年の年末に映画「恋は雨上がりのように」で陸上部の役をやって、年明け早々ドラマ「チア☆ダン」で8月までチアをやって、映画「東京喰種 トーキョーグール2(仮)」(7月19日公開)でアクションをやって。とにかくずっと動いていました。

「チア☆ダン」(C)TBS
― では、1番印象的だったお仕事はなんですか?

山本:やっぱり「チア☆ダン」かな。1月から9月までずっとやって、キツかったなー(笑)。本当にキツかった。画面を通して見る人は「普通にできるもんなんだ」と思うかもしれないですけど、みんな凄い努力してやっていたんですよ。普通、部活って1年、2年、3年とか長期でやりますが、撮影ではそれほど時間をかけられないので、赤の他人が数ヶ月集まって、ぎゅっと集中してやる。しかも全国大会に行くぐらいのダンスの上手さも追求しなきゃいけない。女の子ばかりの現場だからこそのぶつかり合いもある。ダンス練習+セリフ+芝居+気遣い、という日々を続けたのは、本当にキツいし嫌で…。途中で本当に投げ出したいと思いましたね。

投稿が見つかりません

でも、その分あの現場で学んだことは大きかったです。本当に全力で死にそうなくらい頑張れば、誰だってできないと思っていたことが、できるようになるんだ、と気付かされました。「自分に向いてないから」とかじゃなくて「やらなきゃいけないこと」を本当に死に物狂いで頑張ってやれば誰でもできるんだ、と8ヶ月を通して学びました。

― ダンスは未経験ですもんね。

山本:やったことがなかったので、1日3~6時間の練習を週3、4日やっていました。それにヒップホップダンスをやっている役だったので、その練習もしたし、他の仕事もあって、体力的にもキツい時期でした。

山本舞香(C)モデルプレス
― そうですよね。同世代とのお芝居は刺激になりましたか?

山本:現場ではそれぞれがぶつかり合って僻み合って「この子よりも上に行きたい」という全員の気持ちがすごく表に見えていたので、興奮しましたし、自分も頑張ろうと思えました。私はマイペースで自分がやりたいときに頑張るタイプなので共感はしませんでしたが、みんなの「自分の芝居が1番に見せたい」という気迫を間近で見て、こんなに熱量を持って挑めることはすごいと思いました。

― 舞香さんはマイペースだったんですね。

山本:この現場に限らず昔からそうなんです。自分が落ちようが上がろうが、それは自分の実力なので、誰かを越したいとか、誰より芝居が上手くなりたい、とかは思わない。楽しく自由にやりたいんです。

― 意外です。結構負けず嫌いなのかと思っていました。

山本:じゃんけんとか、そういう勝負事はすごく勝ちたいですよ(笑)。でも芝居では思わないです。自分が上に上がれなかったら、その程度の人間なんだと思うし、そうなったらそうなったで(笑)。

山本舞香(C)モデルプレス

山本舞香「東京喰種2」でヒロイン 本格アクションに挑戦

山本舞香(C)モデルプレス
―「東京喰種2」ではアクションにも挑戦していますね。

山本:すごく楽しかったです。でも、この撮影も大変だったんですよ。完成した映画の中では20~30分くらいで流れてしまいますが、撮影では5日間で250カットぐらい撮りました。どんな映画でもドラマでもそうだけど、みんな努力しているんだ、ということをもっと分かってほしい(笑)。「Zアイランド」でもアクションをやっていて、そのときは足技が多くて好きだったんですが、「東京喰種2」ではワイヤーを本格的に使用して楽しかったです。高い所は怖かったですが、アクションっぽくって!キツかったですけど、窪田(正孝)さんや松田(翔太)さんをはじめ、みんなで楽しくやりました。

― 現場ではお話しましたか?

山本:みなさんとたくさん話しましたし、お酒も飲みましたし、ご飯も食べました。窪田さんは常に、すごく気を使ってくださる方で「一緒にご飯行こう」って誘ってくださって。私は続編からの参加になるので、私の居場所をしっかり作って場を和ませてくださいました。

― 続編からの参加でしたが、悩みはありましたか?

山本:もちろん前作を越えたいという気持ちもありましたし、原作に寄せたいという思いもありました。でも100%原作に寄せることは絶対できないですよね。なので私の感じた董香を、監督とぶつかりながらも私なりに演じました。そうしたら窪田さんも松田さんも「それでいいと思うよ」と言ってくださったので完成が楽しみです。

山本舞香(C)モデルプレス
― 良い現場だったんですね。

山本:そうですね、窪田さんと松田さんとの時間がすごく心地よかったです。「舞香なりに舞香が思う芝居をして良いよ」といったアドバイスもいただきましたし、仕事だけど、お兄ちゃんたちと一緒にご飯を食べている感じがすごく心地よくて、初めてじゃない雰囲気でした。

― 2019年は舞台「漫画みたいにいかない。第2巻」(東京公演:2月19日~/神戸公演:3月8日~)もありますし、ドラマ「遊戯みたいにいかない。」(春放送/日本テレビ)もありますね。

山本:楽しみですね。このメンバーも本当に楽しくて一緒にいて心地良いです。家族みたいで「東京喰種2」とは違う心地の良さ。5人のときの安心感がすごい。やっぱり自分が大好きだと思える作品って、その中だけでも「本当に兄妹なのかな?」とか「家族なのかな?」と思えるくらいの雰囲気があるんです。「漫画みたいにいかない」は東京03の方々も(山下)健二郎くんもそういう雰囲気を作ってくださる。色々な現場があって、そんな幸福な現場だけではないからこそ、そういう作品に出会えたことが本当に幸せだと思います。

― 5人のときの安心感。

山本:安心感が半端ないです。飯塚(悟志)さんが「ゲストが来るときは良い意味で緊張するけど、やっぱり5人のときの安心感ってやばいよね」とおっしゃっていて。その言葉も嬉しかったですし、あのメンバーの中に入られて幸せです。

「嫌だった」はずが「今はお芝居だけしていたい」…心境に変化

山本舞香(C)モデルプレス
― 「nicola」でモデルとして活動後、本格的に女優業をスタートさせた舞香さんですが、その頃と比べて変わったことはありますか?

山本:女優を始めた頃は、女優という仕事が嫌でした。セリフを覚えてそれをカメラの前で言って「私は何をしているんだろう」と思っていました。悲しくないのに泣けないし(苦笑い)。全然お芝居に興味がなかったし分からなかったので、正直バカバカしいとも思っていました。でも映像で見ると話が繋がっていて、すごいなと思ったんです。だから今はお芝居だけしていたいかな。

― 気持ちが180度変わりましたね。考えが変わるきっかけは何かあったんですか?

山本:なんですかね…年齢かな。12、13歳からお仕事をはじめて21歳までずっとこの仕事をしてきたので「明日から他の仕事をしなさい」って言われても、お芝居以外何をしていいか分からない。その一方で、21歳だから芸能界じゃなくても、まだ何でもできるな、と思うし。ただ昔は「やんなきゃいけない」と思っていたけど、今は「いつでも辞められる」という気持ちです。だからこそ感情や感覚が変わってくるんだと思います。

山本舞香(C)モデルプレス
山本舞香(C)モデルプレス
― 「いつでも辞められる」という気持ちになったのはいつ頃からですか?

山本:20歳の頃に考え方が変わりました。周りの人が色々なことに挑戦する姿を見て、「今から他の仕事をしたとしても、やっていけるんじゃないかな。でもそれが見つかるまでは、このお仕事をしていても良いのかもしれない」と考えるようになって。ただ、この仕事も中途半端で終わらせたら、小さい頃から支えてくれている周りの人に申し訳ないと思うんです。もし他に自分にとって本気でやりたいことが見つかったらどうなるかは分からないですが、それまでは頑張りたいです。

― 舞香さんにとって、どうなったら“中途半端”ではなくなると思いますか?

山本:代表作ができたら。私にはまだないので。

― 世間的にはそれこそ「チア☆ダン」とか「SUNNY」でさらに知名度が広がったと思いますが…。

山:そうですね。「見たよ」「良かったね」と言ってくださる方は多いですし、ありがたいです。でも主演じゃない。主演で代表作がほしいです。ただ、今はそこまで表現できる力も経験もないので、もっと勉強しないといけないと思います。

山本舞香(C)モデルプレス
― 主演へのこだわりはあるんですか?

山本:色々な考えがあるとは思いますが、私は主演じゃない役が代表作というのはダサいと思っちゃうんです。「この作品を本当に死ぬほど頑張ってやりきって、この作品で成長した」と言えるような作品に出会わないと満足しないし、いつか振り返って後悔すると思います。ただ必要以上に焦ってはいないですし、マイペースに続けていくつもりです。その中で別のやりたいことが見つかれば、そっちの道に行く。人生は今の道だけじゃないと思っています。

山本舞香、バラエティ番組で新たな一面

山本舞香(C)モデルプレス
― 2018年の舞香さんの活躍を振り返る上で、やはりバラエティ番組への出演も外せないかと思います。

山本:ね。なんかいっぱい出ました(笑)。私、あまり喋れないから苦手意識があったんですけど、マツコ(デラックス)さんが、すごく優しい方で、本当に良くして頂いていて。「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ)に出たことがきっかけで「アウト×デラックス」にも声をかけてくださったんだと思いますが、ありがたいことですし、全力で応えたいと思っていました。

― 「アウト×デラックス」では「黒が好きすぎる」「家族が好きすぎる」などがアウトな一面として紹介されていましたね。

山本:(笑)。でも自分では全然アウトだとは思っていません。兄弟が好きなのも黒が好きなのも「別に良いじゃん」と思っていて。

山本舞香(C)モデルプレス
― お芝居をしている舞香さんとイメージがだいぶ変わった方も多いと思います。

山本:いや~そうなんですよ(笑)。私は性格的に、思ったことを素直に言っちゃうから…。

― エゴサーチとかするんですか?

山本:します。最近見るようになりました。(笑)イライラしてしまうことはありますが、こういう仕事していると皆さん経験があると思いますし、病んじゃうとか、そういうことはありません(笑)。

― そもそも病むことはあるんですか?

山本:病みますよ。病むと態度に出ちゃうし、やる気がなくなっちゃう(苦笑い)。

山本舞香(C)モデルプレス
― どんなときに気分は落ちちゃうんですか?

山本:体調悪いときとか。でもそうやって態度に出ちゃう所は良くないなと思っています。ちょっと嫌なことがあるともう全部嫌になっちゃうし…。そこを上手くコントロールできるような器用な女の人になりたいです。

― 2018年はバラエティにも出て、新たな人気が急上昇した1年だったかと思いますが、実感はありますか?

山本:ありません。自分がテレビを見ていたら「この人、めっちゃテレビに出ているなあ」と思うかもしれないですが、自分がもしそうなったとしても、オンエアを見ることもめったに無いだろうし、分からないと思います。今、どの位置にいるかも全然分からないんです。他の女優さんはすごく上の場所にいるとは思うけど、自分はどの位置なのかは自分自身ではよく分かりません。

― お話は変わりますが、プライベートでの1番の思い出は何ですか?

山本舞香(C)モデルプレス
山本:一人暮らしが始まったことかな。20歳になってすぐ一人暮らしを始めて、自分のテリトリーを持てたことが大きかったです。新しい家具を買ったり、空間を変えたりするのが楽しくて。そのぶんお仕事を頑張れました。

― 逆にやり残したことはありますか?

山本:お酒。年末でこそ、少しは飲んでいましたが、2018年は結構お仕事を頂いていたので、2~3ヶ月に1回くらいしか飲んでいなかったんです。お酒だけじゃなくて友達や自分がいつもお世話になっているスタッフさんを大切にする機会が少なかったので、年末はありがとうの気持ちを込めて一緒にご飯を食べたりお酒を飲んだりできて、嬉しかったです。

山本舞香の夢を叶える秘訣

山本舞香(C)モデルプレス
― 女優として将来を考えることってありますか?

山本:ないです。続けたいと思ううちは頑張って続けていきたいですね。

― かっこいいです。そんな舞香さんの夢を叶える秘訣を教えてください。

山本:周りを大切にしつつ、自由に好きなことをやっていけば夢は叶うんじゃないかなと思います。家族や友達といった周りを大切にできていれば絶対に孤独にならないし、何かあったら助けてくれる人が出てくると思う。そして好きなことに嘘をつかないもの大事。単純に嘘がない人生の方が絶対楽しいし、後悔しないと思います。社会人になれば、そう簡単ではないかもしれないですが、人間なんていつ死ぬか分からないから、嘘ばかりついて嫌なことをずっとして生きていくよりも、楽しいことややりたいことを選んだ方が良いと思うんです。でも正直分かんない、夢がないから(笑)。夢がないから何とも言えないですけど、私はそうやって幸せに生きていきたい。周りを大切にして、やりたいことを自由にやっていきたいです。

山本舞香(C)モデルプレス
― ちなみに舞香さんは何をしているときに幸せを感じるんですか?

山本:友達とご飯を食べているとき。お芝居ではセリフ覚えなきゃいけないから、女優のお仕事があるときはお酒は飲まないですが、それ以外のときは、少しだけ飲みます。でもどんな仕事でもちゃんとしたいので、飲むときにはマネージャーさんに「今から飲みます」と連絡します(笑)。

― 成人式のときには紅茶のリキュール(ティフィンリキュール)にハマっているとおっしゃっていましたよね。

山本:はい。今もそうです。1杯目からティフィンを飲むこともあるけど、そうするとベロベロになっちゃう(笑)。お酒は別に弱くないんですけど、紅茶だからグイグイ飲めちゃって。自分が今何杯目なのかもわかんないし。気付いたらまあまあ飲んでるみたい(笑)。

山本舞香(C)モデルプレス
― (笑)。お酒飲むとどうしても体型が気になるかと思いますが、そこは気にしないタイプですか?

山本:いやー太るんじゃないですか?酔っ払うとお腹空くからラーメン超食べちゃうし。夜は餃子にお米もいっちゃう。でも運動しないので、太ったらもう食べないし飲まない。1回太って痩せれば良いかなって思います。

― そこの意思は強いんですね。楽しいお話ありがとうございました。

山本舞香(C)モデルプレス

お茶目な山本舞香にスタッフもメロメロ

多忙な山本さんは、まさにこの日絶賛、体調不良。「体調悪いと不機嫌になっちゃう(笑)」と言いながらも、インタビュー中はそんな素振りは全く見せずに応えてくださいました。見ているだけでうっとりしちゃうビジュアルなのに、何でも包み隠さずに話してくれるサービス精神と茶目っ気を持ち合わせた姿にスタッフもすっかり虜…。2019年はさらに多方面で活躍する山本さんが楽しみです!(modelpress編集部)

山本舞香(C)モデルプレス

山本舞香(やまもと・まいか)プロフィール

山本舞香(C)モデルプレス
1997年10月13日生まれ、鳥取県出身。身長155cm。「鳥取美少女図鑑」に掲載されていた写真を見てスカウトされ、2011年、14代目リハウスガールを務めた。同年7月号よりファッション雑誌「nicola」の専属モデルに加入。ぱっちりとした目や高い鼻の端正な顔立ちはティーンの憧れとなり、人気を博した。

2011年7月クールのドラマ「それでも、生きてゆく」で女優デビュー。2015年には“若手女優の登竜門”といわれるJR東日本グループ「JR SKISKI」のCMヒロインに抜てきされ、世間の注目を集めた。以降、数々のドラマ、映画に出演し、2019年は映画「東京喰種 トーキョーグール2(仮)」(7月19日公開)でヒロインを務めるほか、舞台「漫画みたいにいかない。第2巻」(東京公演@かつしかシンフォニーヒルズ:2月19日~/神戸公演@神戸国際会館:3月8日~)、ドラマ「遊戯みたいにいかない。」(春放送/日本テレビ)などが控える。

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