有村架純/「中学聖日記」第8話より(C)TBS

<「中学聖日記」有村架純&岡田健史インタビュー前編>「ずっと泣いていた」シーン・空白の3年間の“黒岩くん”の変化…互いに生まれた信頼を語る

2018.11.27 23:07

女優の有村架純(ありむら・かすみ/25)が主演を務めるTBS系ドラマ『中学聖日記』(毎週火曜よる10時~)がついに佳境を迎える。中学生と女教師の“禁断の恋”を、儚くも美しく描くヒューマンラブストーリーである今作は、清純派と言われる有村が挑むチャレンジングな役柄や、その相手役に事務所に所属して間もないまっさらな新人である岡田健史(おかだ・けんし/19)を起用したことなどが大きな話題に。今回、新井順子プロデューサーとともに2人が報道陣の取材に応じ、作品にかけた思いやお互いについて語った。【前編】

  

「中学聖日記」怒涛の後半戦

前半となる5話までは、片田舎の中学校を舞台に、クラス担任を務める新任教師・末永聖が、不思議な魅力を持つ10歳年下の中学生・黒岩晶と恋に落ちるまでが描かれ、5話のラストでは2人の密会やキスが問題となり、聖は依願退職、婚約者の勝太郎(町田啓太)と破局し、晶の目の前からも去った。

有村架純/「中学聖日記」第8話より(C)TBS
6話からは、3年後のストーリーとなり、7話で、先輩の千鶴(友近)の紹介で、聖は小学校で教師を続けていた28歳の聖と、18歳になった晶が運命的な再会を果たした。

9話からは最終章に突入するが、有村は6話から8話までの撮影を「どのシーンも難しかった」と振り返る。

有村架純、渡辺大/「中学聖日記」第8話より(C)TBS
「自分の気持ちを隠して、ごまかして嘘をついて生きなきゃいけないのが、言っていることと見せているものと裏腹な気持ちをずっと抱えて表現しなきゃいけなかったので、晶くんに対しても千鶴さんに対しても色んな人に対して嘘をつき続けるのが苦しくてすごくしんどかったな、という印象に残ってます。学校を離れた3年間色んなことを思ってきて過ごしてきて、千鶴さんがいてくれたからこそ小学校の先生をできて、その恩があるのにまたそれを裏切ることができないとか、色んな聖が抱える事情があって、晶くんを思っているけどそれだけじゃいけないとか…。どのシーンをやっていても『本当はちゃんと晶くんを思っているってことをちゃんとできていたか分からない』と新井さんに言っていた気がします」と葛藤だらけの撮影期間だった。

有村架純/「中学聖日記」第8話より(C)TBS
8話では晶から「がっかりしました」と告げられるシーンがあるが、有村はそのシーンを演じて「ドライのときから涙が出て。ずっと泣いていました」と涙が止まらなかったといい、監督も「もう泣いてる!」と心配になるほどだったという。「失望させてしまった情けなさに、『悔しい』というか『何やっているんだ私』という気持ちにすごいなって『悲しい』じゃないけど晶くんの切ない顔が忘れられないです」とそのときの感情を思い返し、「晶のまっすぐさに聖は毎回気持ちが持っていかれそうになって、揺れ動きが常にあって、どのシーンも本当にまっすぐ目を見てくるから逃げられない」と岡田の演技に惹き込まれたようだ。

「中学聖日記」有村架純&岡田健史、お互いへの思い

中学生と女教師の“禁断の恋”―――セクハラ・モラハラ…といった言葉を聞かない日はなく、コンプライアンスを重視するようになった昨今、ここまで攻めた内容には放送開始当初はネット上で賛否両論が上がっていたが、ストーリーが進むにつれ、批判の声は少なくなり、純粋にストーリーを楽しむ人が増えたように感じる。それはきっと有村、岡田を始めとしたキャスト陣が真剣に役に向かい合い、スタッフとともに丁寧にストーリーを紡いでいることが画面越しにしっかり伝わったからだろう。

岡田健史/「中学聖日記」第8話より(C)TBS
お互いに戦友のような感覚は生まれているか?という質問に有村が「毎シーン毎シーン、さらっと終わるシーンは一つもなくて1つ1つのセリフもそうですし、セリフがないところもそうですし、1ミリ2ミリ感情の動きを紡いでいったので、私は晶くんとのシーンはすごく充実していたなと思うし、『こうしたいああしたい』と特に大きく話すこともなく、相手から来るものを受けて自分も返すに徹したいと思っていたので、そういった意味ではとても信頼出来る方でした」と答えると、岡田も「なにもかもが未熟な自分を晶として受け入れて下さった」としみじみと感謝を口に。「本当にできないことが多くて、何度も監督にも粘ってもらって撮ったシーンが沢山あるんですけど、それでも嫌な顔一つせず毎回、色々な表情をされているのをすごいなと思って。心の底から有村さんのことを尊敬しています」とまっすぐに話した。

岡田健史、有村架純/「中学聖日記」第1話より(C)TBS
特に岡田が印象に残った有村の演技は1話の聖の車内で会話をするシーンだそうで、「晶的には先生が自信なくしていて、心配になるシーンだったんですけど、有村さんが涙ぐまれて、晶として必要ない感情で『すごい綺麗だな』と思っちゃった」と19歳らしい素顔をのぞかせる。「想定外なリアクションされるのがすごく楽しくて、『こんな演技されるんだ』と印象的に思った1つのシーンです」と語る目は輝きに満ちており、初めての現場で有村始め、多くの先輩から彼がいかに学びを得ているか、想像することができた。

「中学聖日記」細かく作り込んだ3年間の“黒岩くん”の変化

有村架純/「中学聖日記」第7話より(C)TBS
5話から6話までの、空白の3年間はどのように意識したのだろうか。

25歳から28歳になった聖の変化は本当に繊細なもので、有村自身も「晶くんに対して『もう二度と来ないで』とか、突き放す言葉を言えているのは少し成長しているのかなと思います。でも聖は変わっているようで変わっていないというか。6話でも『私はあの頃のまま、止まっている』と言っていて、止まってて進めていない気がしていたので、大きくなにかを変えようという意識はなかったです。感覚の問題なので言葉にするのが難しいんですけど…、『何か違うな』という意識はありました」と語るように、その違いを演技で表現することはたやすいことではなかっただろう。

有村架純、岡田健史/「中学聖日記」第5話より(C)TBS
対して、15歳から18歳になった晶の成長は顕著に分かるように、新井プロデューサーと3年間何があったかを細かく話し合い、作り込んだ。長めだった髪が短めになり、前髪をあげ、さっぱりと変化。中学時代の同級生とクラス会で再会するシーンでは垢抜けた私服姿で現れ、同級生の目を奪い、「高校生になった黒岩くんもかっこよすぎる」「一人だけオーラ違う」と視聴者からも大きな反響を呼んだ。

岡田健史/「中学聖日記」第6話より(C)TBS
中学ではXXLのTシャツを着せて幼さを出し、高校生になるとぴったりのサイズの服を着せることで大人っぽさを表現。話し方もぼそぼそとしていた話し方からはっきりと話すようにし、岡田は「中学生の晶は愛想笑いとか社会性が富んでいない少年だったんですけど、高校生は社会性が少しでもついているように見せようと意識しました。6話の冒頭でもお店の人と会話しているシーンで笑えるようになっていたりそれは3年前の晶になかったことです」と内面的にも意識したことを明かした。

また新井プロデューサーは「業界内視聴率が高くていろんな局の人から感想が送られてくるんですけど、『髪切った方が良い』って人が多いです」と業界内での反響も感じているようだ。(modelpress編集部)

第8話あらすじ


有村架純/「中学聖日記」第8話より(C)TBS
野上(渡辺大)との交際を決めた聖(有村架純)の前に、突然現れた愛子(夏川結衣)。動揺を隠せない聖だったが、「晶(岡田健史)と会いましたか?」という愛子の問いに真摯に答えようとする。そんな様子を見ていた美和(村川絵梨)は聖の過去を探ろうと愛子に接近するが…。

その頃、小宮第一小学校では学習発表会が近づいていた。聖は野上とともに懸命に準備を進めていたが、ある朝教室の扉を開けると、子どもたちが誰も登校しておらず…さらには聖と晶の3年前の事件が保護者に知れ渡り、母親たちが乗り込んで来て…!?

小野莉奈、岡田健史/「中学聖日記」第8話より(C)TBS
一方晶は、るな(小野莉奈)に自分の本当の気持ちを伝えようとするが、るなは一向にそれを受け入れようとはしない。思い悩み、学校にもアルバイトにも全く行かない状況を見兼ねた上布(マキタスポーツ)は晶に説得をするが、口論の末、晶は思わぬ行動にでる!?
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