モデルプレスのインタビューに応じた絢香(C)モデルプレス

絢香「本当に大きな決断でした」2年間の活動休止・復帰後の葛藤・出産…これまでの歌手活動&30歳の節目に想うこととは<モデルプレスインタビュー>

2018.11.16 08:00

シンガーソングライターの絢香がモデルプレスのインタビューに応じた。昨年12月18日に30歳の誕生日を迎えたからこそ作ることができたのが11月14日にリリースされたオリジナルアルバム「30 y/o」(サーティーワイオー)。さらに、2006年2月のデビューから12年…そんな節目の年だからこその思いとは?たくさんのことに悩み、決断してきた絢香にとってこの12年とは?

  

絢香、アルバム「30 y/o」とは?

今回のアルバムコンセプトは“時間”と“変化”。節目の年を迎えた絢香が今、一段と感じるのは“時間には限りがある”ということ。心の奥底で願う変化を止めたいコトは、時の流れと共に無情にも変容していく。反対に、変わりたい!変えたい!と願うコトほど早く行動に移さないと、あっという間に過ぎて行く時間にショックを受けるという。「結局は自分次第。たった1度きりの人生。私は堂々と30歳であることを、自分が選択してきたことを誇らしく生きたい」。

― 30歳の節目にリリースということで、大きな意味が込められているそうですね。

絢香:もう30歳なんだと実感したときに、ここから自分がどう生きていきたいか、どんな歌を歌っていきたいか、ということをすごく考えるようになりました。デビューしたのが18歳で、それから一回り。気づけば12年経っている…本当にあっと言う間だなって。あっというまに過ぎていく時間の中だからこそ、1つ1つの選択が大事になってくるなと。そんなことを感じていたタイミングだったので、色々な視点から「時間」と「変化」を描いたアルバムになっていきました。人生は1回きりだし、まわりに言われたことじゃなくて「自分がどうしたいか」というところを常に自分に問いかけて選んでいきたい、進んでいきたい。その中で、そのときそのときの私が想うことだったり、目に映る景色だったり、そういうモノを音楽にして形に残したい。そんな気持ちの中で制作していたアルバムなので、今の私が詰まった一枚になりましたね。

― 今回のアルバムに収録されている曲一つ一つにこのような想いが込められていると。

絢香:時間が経過していくことでの変化には、時代の変化もありますよね。例えば「カラフル!!」という曲の大サビ『色の無い時代 Hello 私らが色になる』っていうフレーズがあるんですけど、今ちょうど私は30歳で、進化していく新しい時代の便利さと、古き良き時代の温かさの両方を知っているちょうど狭間の世代だと思うんです。今の時代は過去にない情報化社会で、進化していく一方ですよね。スマホ1つでだいたいのことはできてしまう、極端に言えば人に会わなくても暮らしていけちゃう。そんな時代になることで個性が薄れていってしまうんじゃないかなって。でも、AIの時代が来たとしても、AIには表現できないものが絶対ある。クリエイティブなものや愛情とかね。「変化」を受け入れつつも変わらない大事なものは見失わないようにと、そんな想いも込められている作品です。

「パマラ」という曲は、『Wi-Fiをつなぎ みんなと繋がり 手を繋ぎ歩こう』という歌詞が出てくるのですが、時代が進化したことによって瞬時に誰とでも繋がることができるようになりましたよね。例えば、私が活動を休止していた期間も、SNSを開いたらファンのみんなとすぐに繋がることができました。昔では考えられなかったことですが、そういう場所でファンとの絆が育まれたりもしています。時代が進化したことに感謝するところですね。反対に、時間が過ぎていくことで複雑な気持ちにもなるのは、日々成長していく娘の姿を見ていて、成長は嬉しいんだけどあっという間に大きくなっていくんだぁと寂しくもなる。時代が変化していくことの良さと寂しさの複雑な気持ちの揺れを歌っている曲でもあります。

― 社会の流れだけでなく、絢香さんの人生も反映されているんですね。

絢香:そういうことを30代になってからより強く感じるようになったんだと思います。娘が生まれて、親になったことは私の中で大きな出来事でした。日々の変化を感じさせてくれる。それと同時に例えば、自分の母やおばあちゃんの年齢を聞いてびっくりしたり…いろんなところで時間はあっという間に過ぎていっちゃうんだと感じますね。

― 「365」という楽曲はどのような想いで書かれた楽曲でしょうか?

絢香:365日の中にはハッピーな日ばかりではなく、悩んだり辛いことがある日もたくさんあります。でも、だからこそ「なんて幸せなんだ」と思える瞬間も訪れる。そういう積み重ねで未来はできていくんだって改めて感じながら書いた曲です。

― 「あいことば」は映画「人魚の眠る家」の主題歌として書き下ろしたんですよね。

絢香:原作、台本を読んでから書いたのですが、1本の映画を観た後に作った感覚に近くて、それくらいこの映画に寄り添って書くことができました。映画は意識のない娘に対して奇跡を信じて常に向き合っている母の思いが描かれている物語です。合言葉って本当なら目と目を合わせて交わすもの。でも交わせない状況でどうやって2人の繋がりを表現しようかと思った時に浮かんだフレーズが「透明な愛言葉」でした。実際に触れることはできないけど、心で触れて感じられるようなそんな言葉。誰しも、時間が過ぎて行く中で大事な人を失うことは避けては通れない。深く愛した人と別れた後の世界でも、希望や救いが求められたらなって。そんな想いで書きました。自分の日常を思っても、例えば、この前普通に会って話した瞬間は当たり前なことではないんだなって思ったりします。全部繋がっているんですよね。

― ご自身のご家族にも繋がったんですか?

絢香:そうですね。大切な存在がずっとそばにいるというのは、決して当たり前ではないですもんね。その瞬間を大事に生きたいって改めて思います。

絢香、デビューからの12年を振り返る!活動休止期間が“大きなターニングポイント”に

絢香(C)モデルプレス
― このアルバムには「誇らしく生きたい」という意味も込められているそうですが、実際にそう思うことができていますか?

絢香:もちろん、1つ1つの選択を振り返れば、あのときもっとこうしていればよかったなとか、あれでよかったのかなと思う瞬間もありますが、その時々の自分が精一杯考えて決断したから今の私がいる。だから、1つ1つの選択をして生きてきたことを誇らしく思いたい。

― 誇らしく生きていると言えるようになるまで、先ほども話していましたが、いろんなことがあったと思います。これまでの絢香さん自身の活動を振り返ったとき、大きなターニングポイントとなった時期はいつでしょうか?

絢香:いくつもありますが、1つは活動休止したこと。これは本当に大きな決断でした。病気がきっかけだったのですが、1回立ち止まれたことはすごく大きかったです。もちろん自分の体とも向き合えましたし、支えてくれる家族の大切さ、歌わない期間があったことで、心から音楽が大好きだということに改めて気づくことができました。あのまま無理をして止まることなく進んでいたら、歌うこと自体が嫌になっていたかもしれない。その期間を経た今は、昔よりも歌うことに対してまっすぐ向き合えるようになったし、今ものすごく楽しんで活動することができるのは、あの2年のおかげ。それがなかったら絶対に今の私はいません。

― 約2年のブランク後はいかがでしたか?活動再開したときにも同じように葛藤があったのでしょうか?

絢香:もちろんありましたね。私の音楽を聴いてくれる人がどれだけいるんだろうか、ステージでまた歌えるのかな、といった不安はありました。でも、そういう不安がなかったら復帰作の「The beginning」という作品は生まれていなかったと思います。だから、そういう意味でも、とても貴重な時間でした。実際に復帰できたとき、全てに対して有り難みを感じましたから。

― 先ほどもお話にでましたが、この12年で変わったことはどのようなものことを指しているのでしょうか?

絢香:歳を重ねて声も変わってきたなと感じます。10代のデビューした頃と今では全然違いますし、表現という意味でも声質という意味でも、どんどん変化が出てきています。今のところは良い変化なので、響きや質感の変化を楽しみながら歌っていきたいなと思っています。

― 出産されると声が変化するというお話をよく聞きます!

絢香:そう言いますね。私も変化を感じました。出産前よりまろやかになったというか、深みが出せるようになった気がします。すごく微妙な変化なのですが、やっぱり変わったと思います。

― では、逆にこれまで活動してきて変わらないこととはなんでしょうか?

絢香:やっぱり音楽が大好きだということ。歌うことがすごく好きという気持ちは一貫して全く変わりません。より好きになっているという意味では多少の変化はあるのかもしれませんが、デビューしたときに持っていた音楽に対する愛情を変わらず持ち続けられるのはすごく嬉しいことです。12年間、私の歌を聴いてくれる人がいるということに、本当に感謝しています。時代のように変化していくことがあるから、変わらない大事なことに気づける、そういう意味では2つセットだと思います。結婚して大事な存在ができて、そして出産してまたさらに大事な存在が増えて。その変化が感謝する思いにも繋がっているんだと思います。

― そんな絢香さんが節目を迎えた今、挑戦したいことはあるのでしょうか?

絢香:たくさんあります!私旅が大好きなんですよ。行ききれないぐらい行きたい場所があります。その1つ1つの場所で新たな経験をして、いろんな景色を見て、多くのことをインプットしていきたいという思いがあります。あと、歌うという意味では、海外でもいつかライブをやってみたいので、着実に叶えられるようにしていきたいなと。もちろんその前提には、作品を作ってファンの方にライブで直接届けるということが私の活動の軸だと思うので、そこは大切にしながらやっていきたいです。

― 今後も絢香さんの活動を楽しみにしています!

絢香:この先大変なことがあったとしても、その経験までもが自分の音楽に深みとしてプラスを生めるなら、全て意味のあることだって思えますね。頑張ります!!

絢香、全国ツアーの内容を明かす

絢香(C)モデルプレス
― 12月には全国ツアー「絢香 “30 y/o” Tour 2018-2019」が始まりますね。どのようなツアーになるのでしょうか?

絢香:今回はこのアルバムを引っさげてのツアーなので、まずはこの「30 y/o」を聴き込んで来てもらえるとより楽しんでいただけると思います!今回は、ピアノ、ギター、パーカション、チェロというなかなかない編成でやりますので、ライブアレンジも楽しみです。あとは、このアルバムの曲以外にもいろんな時代の曲も盛り込んで構成していくので、初めて来られる方にも楽しんでいただけるんじゃないかな。

― ライブ後はどのような予定ですか?

絢香:ライブで得るものって毎回すごく大きいので、それがまたその先の楽曲制作に繋がっていくと思います。ツアーが終わったら、少し旅に出てインプットしつつ、また次の作品の準備をする期間にできたらと思っています。

絢香、夢を叶える秘訣を語る

絢香(C)モデルプレス
― 最後に夢を追いかけているモデルプレス読者に向けて、夢を叶える秘訣を教えてください。

絢香:もちろん、叶えられなかったこともあるのですが、叶えられたことって、本当に強く絶対にこうなるって決めて動いていたので、強く思うことがまず大事なのかなと思います。どこかで「無理かも」って思っていると、そっちに引っ張られてしまう気がするんです。例えば、歌に関しては「私は絶対にデビューする」って決め込んで動いていたので、ほかのプランはなにもないという状況でした。もちろん10代だったから突っ走れた部分もありますが、絶対にこうなるって決めると、ちゃんと行くべき方に導いてくれる、引き寄せてくれる。今もそう信じています。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

絢香 5枚目オリジナルアルバム「30 y/o」(サーティーワイオー)収録曲

絢香のオリジナルアルバム「30 y/o」(画像提供:avex)
01. カラフル!!
02. ネオンライト
03. パマラ
04. センチメント
05. コトノハ
06. Woman
07. ディジー
08. 365
09. サクラ
10. あいことば
11. ハートアップ(絢香&三浦大知)
12. Glory(絢香&KREVA)

絢香(あやか)プロフィール

絢香(C)モデルプレス
2006年2月1日「I believe」でデビュー。ファーストアルバム「First Message」は出荷枚数140万枚を超え、2009年にリリースしたベストアルバム「ayaka’s History 2006-2009」でもミリオンを記録。2年間の活動休止を経て2012年2月1日に復帰アルバム「The beginning」をリリース。2014年、NHK朝の連続テレビ小説「花子とアン」の主題歌「にじいろ」をリリースし、現在総ダウンロード数100万を突破!ロングヒットを記録中。2016年2月1日にはデビュー10周年を迎え、これまでの絢香を完全網羅できる究極のベストアルバム「THIS IS ME~絢香10th anniversary BEST~」を7月にリリース。そのベストアルバムをひっさげ、開催した全国アリーナツアーを実施。10周年を経て、ライブツアーも勢力的に活動しながら、絢香&三浦大知コラボレーションソング「ハートアップ」や絢香“初”となる卒業ソング「サクラ」のリリース。現在では会場以外でも手にしたいという要望が多数集まり配信もスタートし、大きな反響を呼んでいる。また、今秋3年半ぶりのオリジナルアルバムのリリースとそれを引っさげた全国ツアーを開催する。

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