モデルプレスのインタビューに応じた新木優子(C)モデルプレス

新木優子、吉沢亮・杉野遥亮がトリコになるヒロインがハマり役 最後だと思って挑んだ少女漫画原作にかける思い<「あのコの、トリコ。」インタビュー>

2018.10.05 12:00

映画『あのコの、トリコ。』(10月5日公開)で、ヒロインを演じる女優の新木優子(あらき・ゆうこ/24)が、モデルプレスのインタビューに応じた。同作は地味で冴えないメガネ男子が大好きな“あのコ”のためにかっこよく変わっていく様と、幼なじみ3人が恋と夢を追いかけるシンデレララブストーリーで人気を集める白石ユキ氏の同名コミックを実写映画化。新木演じる雫(しずく)は、夢に真っすぐなモデルで、主人公・頼(より/吉沢亮)と人気俳優にのし上がった昴(すばる/杉野遥亮)の2人から思いを寄せられるという役どころ。誰もが“トリコ”になる美貌で、天真爛漫なヒロインを全身で体現している。

  

新木優子、制服学生役に嬉しさ

― はじめに役のオファーを受けたときの心境を教えて下さい。

新木:撮影時23歳だったのでこの役を頂いて、「まだ高校生できるんだ」という嬉しさがありました(笑)。

映画『あのコの、トリコ。』(C)2018 白石ユキ・小学館/「あのコの、トリコ。」製作委員会
― それから原作や実際の脚本を読まれてみて、作品の印象は初めと変わりましたか?

新木:原作漫画を読ませて頂いて、「すごくキラキラした夢のような3人だな」と思っていたんですけど、脚本を読んだときは印象が変わりました。芸能界に憧れる学生の方ってリアルにいらっしゃると思っていて、私も身近に感じているんですけど、この作品はそういう方に対してすごく背中を押してくれる作品になるんじゃないかなと思いました。

― 雫のストーリーは、新木さん自身の芸能界での生き方に重なる部分もあったんでしょうか?

新木:そうですね。私自身、小学校の頃から事務所に入っていて、物心ついたときから女優さんになりたくて、並行してモデルのお仕事をさせて頂いたことが自分にとって新鮮で、色んな幅が広まったなと思います。

新木優子、2人の男性を虜にするヒロインに

頼と昴から想いを寄せられる雫 (C)2018 白石ユキ・小学館/「あのコの、トリコ。」製作委員会
― 今回は2人の男性に思いを寄せられる役ですね。こういった少女漫画のヒロインは観る側を納得させるだけ、魅力的に演じあげるのはなかなか難しいと思うのですが、新木さんの演技が素晴らしく、違和感なく観ることができました。魅力的な女性を演じるにあたって役作りとして意識されたことはありますか?

新木:ありがとうございます。とにかく夢、目標に向かって、すごくまっすぐ一生懸命に取り組んでいる子だったので、私も役とまっすぐ向き合おうと思いました。少女漫画の世界観を壊さずに、映像だからできるリアリティみたいなものをしっかり表現できるように、例えば頼に駆け寄る走り方とか、1つ1つのことに対して、「雫だったらどうするかな?」と考えながら演じたのが良かったのかなと思います。

天真爛漫な雫がハマり役に (C)2018 白石ユキ・小学館/「あのコの、トリコ。」製作委員会
― 雫は自分と似ているなという部分はありますか?

新木:性格の軸みたいな部分で、すごくポジティブに物事を捉えようとしているところが私自身にもあるので、そこは共感できました。

劇中劇の「ロミオとジュリエット」も見どころ (C)2018 白石ユキ・小学館/「あのコの、トリコ。」製作委員会
― この作品を演じる上で参考にした作品はありますか?

新木:作品の中で、劇中劇として『ロミオとジュリエット』を昴とも頼ともやるんですけど、その中で石原さとみさんと佐藤健さんがやられた舞台の『ロミオとジュリエット』(2012)を観させて頂きました。私自身、舞台をまだやったことがないので、どう演じたらいいかなと思ったんですけど、吉沢さんが舞台の経験がおありだったので、そこに寄り添う形で、演じようと思いました。

(C)2018 白石ユキ・小学館/「あのコの、トリコ。」製作委員会
― 芸能界が舞台ということで華やかなシーンも多いですが、雫のビジュアルの点で見て欲しいポイントはありますか?

新木:ウェディングドレスとか女子の憧れになるような衣装が多いし、劇中でもたくさん衣装が変わって、制服も着させて頂いているので、全体的に女の子は観ていて楽しいと思います。

吉沢亮・杉野遥亮、それぞれの役柄とのギャップは?

新木優子(C)モデルプレス
― 吉沢さん、杉野さんとの共演はいかがでしたか?

新木:吉沢さんは同い年でしたし、杉野くんも年下ではあるんですけど同世代っていうことで、2人ともすごくフランクで、気づいたら仲良くなっていました。「あの日は何も喋ってなかったな」という日がないくらい本当に撮影期間は楽しく充実していて、良い関係性ができたなと思います。杉野くんはなんとも言えない弟感というか、守ってあげたくなるピュアさがあって、天然なことをしているのを吉沢さんとよく笑っていました(笑)。

― 特にどんな話をして盛り上がりましたか?

新木:待ち時間があるときに、心理テストをやったり、UNOやったりしていました。

― カードゲームは誰が強かったですか?

新木:結構ぼちぼちだったけど、吉沢さんがちょっと強かったかな(笑)。

頼のギャップを堪能できる (C)2018 白石ユキ・小学館/「あのコの、トリコ。」製作委員会
― 吉沢さんと杉野さんの素顔は、役柄と比べてどう違ったか教えて下さい。

新木:吉沢さんは、頼よりももっと砕けているというかカジュアルにその場にいて下さります。バスのボタンを押しても降りられないところとか、そういうちょっとした頼のドジな演技も似合っているから普段もそうなんじゃないかと思うぐらいなんですけど(笑)、彼はちゃんと降りられるタイプですね(笑)。

頼とは対照的な超人気イケメン俳優・昴(C)2018 白石ユキ・小学館/「あのコの、トリコ。」製作委員会
― じゃあ頼がスイッチ入っているときの方が、本物の吉沢さんに近い?

新木:そうですね。そちらの方が近いと思います。杉野くんは全く昴とは逆ですね。私が想像していた昴って少女漫画に出てくる、ちょっとチャラチャラとした部分もあるイメージで、もっと近づきがたいキャラクターができあがるんじゃないかと思っていたんですけど、それを杉野くんが演じることによってちょっと紳士になるというか、自然と受け入れやすいキャラクターになっているなと思いました。

新木優子が雫の立場だったら…頼と昴、どっちに惹かれる?

新木優子(C)モデルプレス
― 実際頼さんのような男性はどう思われますか?

新木:私自身ギャップのある人がすごく好きなので、素敵だなと思います。おどおどした内向的な見た目から、誰かのためになると人が変わって全然違う男性に見えるところが魅力的だなと思いました。

― 自分が雫の立場だったら、頼と昴どっちに惹かれますか?

新木:えー?どっちだろう?最初はやっぱり昴のグイグイ引っ張っていってくれそうなところに惹かれると思うんですけど、私だったらやっぱり頼かなと思います。結局頼ってしまうというか、結果的に頼が離れていく寂しさに耐えられなさそう。気づいたら隣にいてくれる存在でもあるので、最終的には頼に行くんだろうなと思います。

― それぞれから告白されるシーンもすごくロマンチックなシチュエーションでしたが、演じていたときはどんな気分でしたか?

新木:この職業の特権だなと思って素直に嬉しかったです(笑)。撮影はスムーズに進んだんですけど、頼と昴のそれぞれの個性が出ているシーンだなと思いました。

(C)2018 白石ユキ・小学館/「あのコの、トリコ。」製作委員会
― 他のシーンでもいいんですけど、リアルにキュンとしたお気に入りのシーンを教えて下さい。

新木:昴とは、劇中劇の中で、カップル役で映画撮影をしているというシーンがあって、そこでやったバスケのシーンはすごく青春という感じでキュンとしました。頼とは、雫は気づいてないけど頼が見守って背中を押しているシーン。レッサーパンダの着ぐるみを着て「頑張れ!」って言っているシーンとかはすごく可愛いなって思いました。

新木優子のトリコになる魅力

新木優子/スタイリスト:髙野夏季 ヘアメイク:中山友恵(Three PEACE)/トップス:バウム ウンド フェルガーテン スカート:オンリー ハーツ イヤリング:ケネス ジェイ レーン(全てシティショップ) ブーツ:トゥデイフル (LIFE’s 代官山店)(C)モデルプレス
― 今作では高校生の恋愛を描いていますが、新木さん自身の学生生活のなかで、思い出に残る青春のエピソードをお聞きしたいです。

新木:高校生のときはハンドボール部のマネージャーをやっていたんですけど、今思うとすごく青春だったなと思います人を支えるっていうことをマネージャーを通して学べたし、私も普段から支えて頂いている立場なので、支える側の気持ちも分かって良かったなと。あとはやっぱり男子を応援することが今思えば青春だなと思います。私含めてマネージャーは4人いたんですけど、すごく仲が良くて今でも付き合いがあって、「楽しかったな、戻りたいな」とちょっと思います。

― タイトルにかけて、新木さんが自分で思う、人を虜にさせる魅力を教えて下さい。

新木:新しいですね(笑)。なんでしょう…?割とこうオープンにしているというか、人との距離を遠ざけないようにしています。作品とか役の状況にもよりますが、私自身は閉じずに常に扉を開けるようにしているので、そういうところは近づきやすいのかなと思います。

新木優子、少女漫画原作は「最後だと思ってやらせて頂いた」

とにかくキラキラした雫の笑顔が印象的 (C)2018 白石ユキ・小学館/「あのコの、トリコ。」製作委員会
― この作品の撮影を終えて、演技の面で成長を感じたことは?

新木:年齢的にもこうして少女漫画原作の作品に出させて頂くのは、最後なんじゃないかと思いながらやらせて頂きました。だから、さっきも話に出てきたんですけど、少女漫画のキラキラしたストーリーを表現するにあたって、役が映画の中でキラキラ生きていなければいけないと思ったので、振り切って元気にやろうと思って、それがすごく成長できたかなと思っています。

― これまでの役柄ではあまり振り切った役柄はなかったんですね。

新木:『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』など、抑え気味が多かったですね。『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』の横峯あかりは、振り切るとは違いますが、感情が顔や仕草に出る役だったので、そこは近いかなと思うんですけど、今回は職業も違えば学生役だったのでまた違った角度の振り切り方かなと思います。

新木優子(C)モデルプレス
― 女優としてどんどんステップアップされていると思うんですが、今後やりたい役柄はありますか?

新木:時代物の作品にすごく出てみたいなと思っています。大変だとは思うんですけど、着物を着て、昔の女性を演じるというのはどういう感覚なんだろうなと。

― 着物、すごく似合いそうです。

新木:着るのはすごく好きなので、やってみたいです。

(C)2018 白石ユキ・小学館/「あのコの、トリコ。」製作委員会
― 雫は女優という夢にまっすぐな女性だと思うんですけど、新木さんの今の夢はなんですか?

新木:夢…、最近夢だったことが1つ叶ったんです。つい最近まで『コード・ブルー』でお医者さんの役をやらせて頂いていて、私が演じた横峯あかりに刺激されて「お医者さん目指しています」とか「看護師目指しています」とか「背中を押してもらえました」という報告をファンの方から沢山頂きました。直接その人の夢や目標に私が演じた役が寄り添えることができたのがすごく嬉しかったです。私自身がそういう女優になることを目標としていたので、1つ夢が叶いました。これからまたファンの方も周りも幸せになれるような夢を見つけられたらいいなと思っているところです。

― 素敵なお話をありがとうございました!

(modelpress編集部)

新木優子(あらき・ゆうこ)プロフィール

新木優子(C)モデルプレス
生年月日:1993年12月15日
出身地:東京都
血液型:A型
身長:165cm

2014年より雑誌『non-no』の専属モデルとして活躍。2015年、ゼクシィ8代目CMガールに抜擢されるなど、CMにも多数出演し話題に。最近の出演作としては、ドラマ『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(カンテレ・フジテレビ系)、『100万円の女たち』(テレビ東京系)、『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』(フジテレビ系)、ドラマ『重要参考人探偵』(テレビ朝日系)、『トドメの接吻』(日本テレビ系)、『チア☆ダン』(TBS系)、映画『悪と仮面のルール』、『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命』など。10月8日スタート月9ドラマ『SUITS/スーツ』(フジテレビ系)にも出演。

映画『あのコの、トリコ。』(2018年10月5日公開)

(C)2018 白石ユキ・小学館/「あのコの、トリコ。」製作委員会
出演:吉沢亮
新木優子 杉野遥亮
水上剣星 大幡しえり・内田理央 古坂大魔王/高島礼子(友情出演)/岸谷五朗
原作:『あのコの、トリコ。』白石ユキ(小学館 Sho-Comi フラワーコミックス刊)
監督:宮脇亮
脚本:浅野妙子
音楽:吉俣良
主題歌:「トリコ」Nissy(西島隆弘)

<ストーリー>
地味で冴えない男子高校生の鈴木頼(吉沢亮)は、ある日、幼い頃から好きだった立花雫(新木優子)と再会する。モデルの仕事をしながら女優を目指す雫の付き人として同行した広告撮影では、共演するはずだった、頼と雫の幼なじみでもあり人気俳優の東條昴(杉野遥亮)が、あるアクシデントで帰ってしまい、雫は降板させられそうになる。そんな雫を助けるために頼はなんと昴の代役を受けることに!そして、頼がカメラの前に立つと別人のような輝きを放ち、雫は思いがけずときめいてしまう。そしてこの広告が話題となり、頼、そして雫と昴の未来を変えていく―。

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