草川拓弥 (C)モデルプレス

<草川拓弥インタビュー>超特急と俳優業の両立をどう捉える?「難しかった」挑戦で“まだ知らない”一面

2018.10.18 17:30

メインダンサー&バックボーカルグループ・超特急の4号車・タクヤとしても活動する俳優の草川拓弥(23)がモデルプレスのインタビューに応じた。お笑いタレント・宮川大輔が主演を務めた映画「サクらんぼの恋」(10月27日公開)に出演している草川に、今作の撮影をはじめ、俳優業と音楽活動の両立などについて語ってもらった。

  
今作は、お人好しな性格のせいで周囲からバカにされ、冴えない日々を送っていた45歳の童貞男が、大ファンだったAV女優と出会い、ピュアな恋に落ちる姿をハートウォーミングに、そしてリアルに描いた恋物語。大手ファミレスチェーンの店長として働く45歳の主人公・山川則夫を宮川、ヒロインで則夫が憧れるAV女優・恩田リナこと相馬美咲を桜井ユキが演じる。

草川が演じるのは、美咲の弟・相馬大地役。怒鳴るなど荒々しい性格の大地だが、そこには悲しい理由があった…。

映画「サクらんぼの恋」(C)2018吉本興業

草川拓弥の新境地に期待

― 45歳の童貞の男性とAV女優の恋模様を描いた今作。台本を読んで、まずどのように感じたかを教えてください。

率直に泣きました(笑)。台本を読んだら「こういうふうに撮るんだろうな」と自然と画が浮かび上がるのですが、想像していたらつい…。主演は宮川大輔さんなので一見コメディチックで面白いのかなと思っていたら、特に中盤にかけては180度、役がガラッと変わり、すごくピュアな恋愛作品で感動しました。

― ご自身の役に対してはどのような印象がありましたか?

すごく難しそうだなと。それほど出演作があるわけではないですが、この役をいただいたとき、自分にとってすごく新しいなと思い、嬉しかったです。恋愛映画ということも嬉しかったのですが、なかなかこういう役柄を演じる機会はないので、自分にとって挑戦で、同時にすごく楽しみでした。

草川拓弥 (C)モデルプレス
― 実際に演じてみていかがでしたか?

台本を読んで、撮影に入る前、いくつか自分の中でアイディアがあったのですが、芝居は一人でやるものではないので、宮川さんや桜井さんと一緒に演じるときに出てくる言葉などを大切にしました。それから古厩(智之)監督とのコミュニケーションも。監督が思っている大地と、僕が演じる大地が違うこともあるので、コミュニケーションをとりながら作り上げていきました。

― 荒々しい性格の大地にびっくりしましたが、美咲と大地の姉弟には悲しい過去があることが明らかになります。そんなバックボーンがある大地ですが、工夫したところなどはありますか?

自分が経験したことではないのですごく難しかったのですが、僕自身、弟がいるので、置き換えて想像しやすかった部分もありました。悲しく、辛かったのだろうなと台本を読んでいても思いましたし、姉弟で重い過去を抱えているんだと感じました。

草川拓弥/スタイリスト:山本隆司・ヘアメイク:青山佑綺子 (C)モデルプレス

宮川大輔・桜井ユキとの共演エピソード

― 大地の心情を表現することは挑戦になったかと思いますが、現場はどのような雰囲気でしたか?

僕自身、人見知りな性格なので、現場に馴染めるか不安でしたが、宮川さんが気さくに話しかけてくださって。外ロケのときも、宮川さんの車の中に待機させていただき、優しくしてくださりました。冬の撮影だったのですが、その車内で飲んだホットココアが美味しかったことも忘れられません(笑)

― 桜井ユキさんとの共演シーンも多かったですが、芝居をするうえでのやりとりなどは?

密にコミュニケーションをとり、話し合ってというよりも、芝居の中で自然と作り上げていきました。それから、撮影の合間に、ストーブの前で丸まっていたら「座敷童子みたい」と声をかけてきてくれて(笑)それが印象に残っています(笑)

― そんな桜井さんとの共演シーンで、大地が一瞬ガラリと変わる場面がありましたが、とても印象的でした。

そこも難しかったところの一つです。単に恐いとか猟奇的な感じに見せるつもりはなかったので。多分、大地はすごく不器用で、すごく姉のことが好きなんです。でも、そんな姉がAV女優になって、それで自分も嫌な思いをして…。自分の気持ちを伝えられず、守りたいがために空回りしてしまうのを表現するのはすごく苦戦をしました。

― 美咲と大地の関係もストーリーの中で大きなポイントですが、一風変わった恋を描いた今作。草川さん自身が見てほしいところを教えてください。

童貞の役を演じられた宮川さんが本当に素敵!素晴らしいキャスト・スタッフのみなさんと作り上げた「サクらんぼの恋」は僕にとっても思い出の一作品となりました。個人的には新しい役柄だったので、その点を見てもらえると嬉しいです。

草川拓弥 (C)モデルプレス

超特急と俳優業の両立

― 超特急での活動も充実されていますが、俳優業との両立はいかがですか?

人によっては俳優とアーティストで切り替えている方もいると思いますが、僕はあまり変えようとは思っていません。意識をせず、一人での仕事も大切していければ、それが超特急に還元できると思うので。とくに、この映画で僕を知ってくれた人が動画サイト等で超特急を調べたらびっくりするだろうなと思います(笑)それだけ幅広いことをやらせていただけて嬉しいです。

― 俳優のお仕事をきっかけに、超特急のファンが増えたなと感じることは?

例えば昨年の「兄に愛されすぎて困ってます」では映画が公開されてから、特典会などお客さんとのコミュニケーションの中で「『兄こま』で好きになりました」と言ってくださる方がいて、僕が出演した映画が超特急の入り口になったんだと思うと嬉しいですね。

― 人見知りな性格ということですが、気心の知れたメンバーと離れて仕事をするとき、緊張や気持ちの持ち方が変わるなどはありますか?

やっぱり、一緒にいると安心感もあるからかメンバーを頼っている部分はありますよね。それではダメなんですけど(笑)だから1人の仕事の場合、より気を引き締めているところはあるかもしれません。

草川拓弥 (C)モデルプレス

草川拓弥の転機

― 映画では、一歩を踏み出し、前へ歩み始める大地の姿も描かれますが、大地のように挫折などから一歩を踏み出した経験があれば教えてください。

すっごくくだらないことですが…(笑)今年、仕事でタイへ行く機会があり、そこでいただいたものがほとんど辛くて…。おいしかったのですが、とにかく辛く…。ちょっと大変な思いもあったのですが、日本に帰ってきてから辛いものを食べたら今まで以上においしく感じました(笑)そこから、少し苦手だった辛いものが好きになりました(笑)

― (笑)では、お仕事をしてきた中で転機になったときや意識が変わった瞬間は?

ずっとサッカーをやっていたのですが、高校に入る時、サッカーを取るか、このお仕事を取るかといった選択は転機だったかと思います。そこで仕事ともうまく両立できる学校を選んだのですが、自分の中では大きな選択だったかなと。もしも、サッカーを取っていたら、今どうなっていたんだろうと思いますし。当時はけっこう迷ったのですが、間違った選択ではなかったと思います。

草川拓弥 (C)モデルプレス
― 最後に、草川さんが思う夢を叶える秘訣を教えてください。

僕独自の考えですが…つまらなかったらやめればいいと思うんですよね(笑)楽しいことの方が続くし、伸びようと思う。どんなに辛いことがあっても、楽しかったらやっぱりやれちゃいますし。なので、つまらなかったらやめるといった心持ちでいいと思うんです。そして、楽しいことを貫く。あとは人とのコミュニケーション。人見知りの自分が言うなって話ですけど(笑)、コミュニケーションをたくさんとり、いろんな人を知るというきっかけもすごく大切だと思います。

― ありがとうございました。

モデルプレスでは、超特急タクヤとして取材したことは何度かあるが、草川拓弥として俳優の顔に迫ったのは今回が初。俳優業と超特急の活動を切り替えて取り組むことはないというが、今回のインタビューでは、まだ知らない顔を見せてくれたように思えた。真摯に役に向き合い、丁寧に表現していく草川。今作「サクらんぼの恋」では、本人も「新しい」「難しかった」と語るように、新たな一面を見せてくれ、ファンを驚かせることだろう。(modelpress編集部)

草川拓弥 (C)モデルプレス

草川拓弥(くさかわ・たくや)プロフィール

生年月日:1994年11月24日
血液型:A型
出身地:東京都

メインダンサー&バックボーカルグループ・超特急の4号車としても活動。出演作にドラマ・映画「兄に愛されすぎて困ってます」、ドラマ「花嫁のれん」シリーズ、「ウルトラマンギンガ」シリーズなどがある。出演映画「サクらんぼの恋」が10月27日に公開。

草川拓弥 (C)モデルプレス
草川拓弥 (C)モデルプレス

「サクらんぼの恋」ストーリー

その性格が故、社会に馴染めず、自分の殻にこもって生きてきた中年童貞男・山川則夫(宮川大輔)。彼は今まで一度も女性と関係をもったことがなかった。他人に対する嫉妬、憎しみを常に持ちながら生きる彼の前に、一人の天使が舞い降りる。それは、則夫が長年憧れ続けていた女優、相馬美咲(桜井ユキ)だった。憧れていた女性がいきなり目の前に。一体何故…!?美咲の存在が、則夫の人生を大きく変えていく。この物語は「自分など誰からも認められていない…」そんなことを常に思い、社会に順応できず、社会から逸脱してしまった人間が、一人の女性の存在によって、人間として、そして男としての自信をもち、社会に戻っていく様を描く、ヒューマンドラマ。

草川拓弥 (C)モデルプレス
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