「半分、青い。」は「明らかに異端である」 朝ドラに革命を<脚本・北川悦吏子インタビュー【1】>
4月2日からスタートする平成30年度前期連続テレビ小説「半分、青い。」(月曜~土曜あさ8時)。連続テレビ小説第98作となる同作は、故郷となる岐阜と東京を舞台に、ちょっとうかつだけれど失敗を恐れない永野芽郁演じるヒロイン・楡野鈴愛(にれの・すずめ)が、高度成長期の終わりから現代までを七転び八起きで駆け抜け、やがて一大発明を成し遂げるまでの物語を描く物語。この度、放送に先駆け、脚本・北川悦吏子氏がインタビューに応じた。<1>
「半分、青い。」は「明らかに異端である」
3年前、左耳を失聴したという北川氏。「ショックだったんですけど、傘をさすと、左側だけ音がしない。これはドラマになるんじゃないか、民放でやるとよくある話に聞こえてしまうかもしれないけれど、“朝ドラ”でこれをやれたら画期的じゃないか、と。思いついたときには、『半分、青い。』というタイトルも一緒に出てきた」とその瞬間、北川氏の中で企画が動き出した。“朝ドラ”のタイトルといえば、ヒットする作品には「5文字が多い」ことや「“ん”が付く」ことなど、いくつかの法則があると言われている。そんな中、強烈なインパクトを放つ今作。脚本を手掛ける北川氏も「過去のラインナップを見ても明らかに異端である」と語るこのタイトルこそが、この物語の始まりだった。
「第1週を観ているときに娘がスッと通ったんですけど、『これ本当に朝ドラ?』って。かといって、民放のドラマとも違う。面白くて続けて5回観ました。この冒険ができたというだけで新しいことだし、これをよくやらせてくれたと、NHKさんに感謝しています」と「異端」なのはタイトルだけではないようで、「もしかして朝ドラに革命を起こしたんじゃないかと思った」と力を込めた。
さらに、「このお話が立ち上がったときに、『本当にいた人の話』『戦時下の話』を書けば当たるって言われたんです。本当は3つあって、あと1つ何だっけ…?」と思い出そうとするも、最後まで出てこない。「でも、その全部を外して書いています」とあっけらかんと語る姿こそが、今作がいかに「冒険」であり「異端」であるかを印象付けた。
北川悦吏子氏の集大成がここに
「愛していると言ってくれ」(1995年)、「ロングバケーション」(1996年)、「ビューティフルライフ」(2000年)、「オレンジデイズ」(2004年)…数々の名作を世に送り出してきた北川氏でさえ、「この15分をどう見せきるかの勝負なので、クリエイターとしてはすごく面白い経験をさせてもらっている」と“朝ドラ”は新しい挑戦。「フジテレビの明るくポップな“月9”ドラマで軽やかな会話劇を学び、TBSでもう少し重たいシックなものを書いてきた。そしてもう一つ、自分の原点になっているのが、『世にも奇妙な物語』の『ズンドコベロンチョ』。あれは全くのアイデア勝負。それが今書いている15分の“朝ドラ”と使う頭が似ていて、どう思いついて、どう攻めるか。そのときは、週に3本企画を通すっていう100本ノックみたいなことをやらされていて、フジテレビ、TBS、『ズンドコベロンチョ』、それらのノウハウが全部重なって『半分、青い。』になったんだなって、第1週を観ながら興奮してました」――この言葉に、期待を寄せられずにはいられない。
放送は2018年4月2日から9月29日の全156回を予定。(modelpress編集部)
「半分、青い。」ストーリー
ヒロイン・鈴愛は高度成長期終わりに岐阜県東濃地方に誕生。子どものころ、左耳を失聴するが、暖かな家族と同じ日に同じ病院で生まれた幼なじみに励まされ、前向きに乗り越える。その後、バブル期に漫画家になるという大志を抱いて上京し、修業に打ち込むが、やがて挫折。結婚して娘を授かるも離婚されてしまう。そんな失敗だらけの人生だが、その度に、「やってまった(=やってしまった)」と明るく呟きながら生き抜いていく。シングルマザーとして帰ったふるさとで、思わぬ転機を迎える…。
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