<高橋一生×齊藤 工インタビュー>同世代2人が互いに抱く“特別な思い”「半ば諦めかけていた」奇跡のタッグ実現の裏側
俳優の高橋一生(37)が主演を務め、俳優・斎藤工(36)の“齊藤 工”名義での長編監督デビュー作となる映画「blank13」(シネマート新宿にて公開中、2月24日より全国順次公開)。今をときめく同世代2人が初タッグを組む本作は、静かに観客の胸を打つ家族の物語。今回モデルプレスは2人にインタビューを実施し、企画が実現するまでの経緯や、互いへの思いを聞いた。
高橋一生×齊藤 工監督 初タッグが実現するまで「半ば諦めかけていたかも」
2人がタッグを組むのは今作が初めて。齊藤からオファーを受けた際の率直な心境を、高橋は「なぜ工さんからお話をいただけたのだろうというのが最初の心境でした。実際にお会いして、お話をすると、僕の作品をいろいろと見てくださっていたことがわかりました。僕も工さんのお話は人伝に聞いていたので、こういった形で繋がるんだと嬉しかった」と振り返る。しかし、オファーを承諾するまでには、高橋の中にある葛藤があった。「僕自身、近親者の死というものが間近にあったので、お芝居をする上で、自分と役が離れられないのではないかと思ったんです。作品として興味がありましたし、お声がけしてもらったのでぜひ、と思ったのですが、自分の素が出てしまうことが危険かもしれないと思ったんです」。
そんな思いから出演を一度は断った高橋だが、決め手となったのは、それまで齊藤と何度もやりとりを重ねて出来上がった本だった。「最後のほうはもしかしたら半ば諦めかけていらっしゃったかもしれませんが、最後に受け取った台本を読んでお受けしようと。工さんは人として素敵な方。そこも後押しされた一つの理由です」と齊藤への信頼感を滲ませる。
一方の齊藤は、「一生さんに出演の許諾をいただく前から脚本についてのやりとりをさせていただいて、作品の方向性ができあがり、それを通して脚本がナマモノになっていきました。もし一生さんが出演されていなくても、主演という形でなくても、原案として名を連ねて頂いても遜色ないやりとりをさせていただきました。十二分に“一生さん色”が出ていて、そこにどこか頼らせて頂いた」といかに高橋との脚本を介したラリーが濃密だったかを語る。
「以前の台本は、余計なものが書かれすぎていたり、感情がいろいろと表現されすぎていたのかもしれない。だけど人間って悲しい時に泣くだけではないじゃないですか。そういう人間らしさみたいなものを、一生さんと出会ったことで作品につなげられた。ただ主演として出ていただいたという感じでは全くなく、見守って、さらに先導していただいた感覚です」。
監督、主演という枠を越え、長く、濃い時間をかけて作り上げたからこその思いを、高橋は「人の死というものが淡々と描かれている中で、どこか本質に迫っているように感じました。本作は実話を基にしているとはいえ、作品はやはりどこまでいっても虚構なので、リアリティってなんだろうと思うところもあるんですが、本当でも嘘でもなく、ある種の真実みたいなものが作品に落とし込まれる、奇跡的な瞬間があるんです。この作品でもその奇跡みたいなものを感じました」と語った。
時代を彩る高橋一生×齊藤 工、相思相愛ぶりが止まらない
着実にキャリアを積み重ねてきたからこその今がある2人に、“ブレイク俳優”という言葉は似合わないかもしれないが、ともに時代を彩る俳優同士。互いへの思いを聞いてみると、齊藤は「多くのものが手前、手前に表現されがちな世界の中で、一生さんは奥行きが果てしない。映画やドラマの線引きってないと思うんですが、一生さんは映画的な方だなと思います。表現していない時間にも、こちら側の思考を増幅させてくれる、日本の伝統芸能のような魅力がある。本当に代わりがいない方。真似したくても全くもって届かない領域にいらっしゃいます」と高橋へのリスペクトが止まらない。照れくさそうに「そんなことないです」と小さく笑った高橋は、「人柄ってどうしても修正がきかないし、肉体や顔に出てしまうものだと思うんです。お芝居もそうで、上手いも下手もないと僕は思うんですが、最終的には人柄が出る。ですから工さんは誠実な方だとよく分かるんです。いろいろなメディアで拝見していましたけれど、それは見る度に思っていたこと。ご一緒できると聞いた時点で『工さんとだったら』という思いがありました。工さんはとても愛せる人柄。すごく大事に、大事にしたい人です」と返した。
(modelpress編集部)
映画『blank13』
出演:高橋一生、松岡茉優、斎藤工、神野三鈴、リリー・フランキー ほか監督:齊藤 工
脚本:西条みつとし
音楽:金子ノブアキ
原作:はしもとこうじ
主題歌:笹川美和「家族の風景」cutting edge
スチール:LESLIE KEE
配給:クロックワークス
【ストーリー】
13年前に突然失踪した父が余命3カ月で見つかった。借金を残し消えた父に母と兄は会おうとしなかったが、キャッチボールをしてくれた優しい父の記憶が忘れられないコウジは病院へ向かい再会を果たす。しかし、2人の間にある13年間の溝は埋まらないまま、父はこの世を去ってしまう。果たして父は13年間なにをしていたのか?もう取り戻せないと思っていた13年間の空白が、葬儀当日の参列者が語る父親のエピソードで、家族の誰も知らなかった父親の真実とともに埋まっていく…
高橋一生(たかはし・いっせい)プロフィール
1980年12月9日生まれ。東京都出身。ドラマ・映画・舞台で幅広い役柄を演じ実力派俳優として確かな地位を築く。2017年は映画『3月のライオン』、『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY‐リミット・オブ・スリーピング ビューティ‐』、大河ドラマ『おんな城主 直虎』(NHK)、ドラマ『カルテット』(TBS系)、『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』(フジテレビ系)など多数の作品に出演。現在、連続テレビ小説『わろてんか』(NHK)に出演中。2018年は映画『blank13』のほか、『嘘を愛する女』(公開中)に出演し、『空飛ぶタイヤ』(6月15日公開)の公開を控える。齊藤 工(さいとう・たくみ)プロフィール
1981年8月22日生まれ。東京都出身。2001年に俳優デビュー。主な出演作にドラマ『最上の命医』(11/テレビ東京系)、『昼顔』(14/フジテレビ系)、『臨床犯罪学者 火村英生の推理』(16/日本テレビ系)などがある。監督としては2012年、ショートムービー『サクライロ』でデビューし、15年の『半分ノ世界』では国際エミー賞デジタル部門にノミネートるなど高い評価を得る。映画館のない地域に映画を届ける移動映画館プロジェクトの主催、モノクロ写真家としてKinKi Kidsのシングル「薔薇と太陽」のジャケット写真、フィガロジャポンで話題の人物を撮影する連載『活動寫眞館』をもつなど多彩な活動を続ける。あわせて読みたい
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