健太郎(提供写真)

健太郎、初挑戦完走で「泣きました」山田裕貴との絆語る<映画「デメキン」インタビュー>

2017.11.29 18:24

俳優の健太郎がインタビューに応じた。長編初主演映画『デメキン』が12月2日より公開となる彼は、撮影時のエピソードや作品にかける思いを語った。

  
同作は、お笑いコンビ・バットボーイズの佐田正樹の実話を基にした青春グラフィティ。タイマン、抗争、死、別れ、そして友との絆…。お笑いコンビ・バッドボーイズの佐田正樹の不良時代を描いた実録自伝小説・コミックスを実写映画化したものだ。幼少期から“デメキン”と呼ばれいじめられた佐田が、喧嘩無敗と数々の伝説を作り出し、福岡最大勢力の暴走族の総長へと登り詰める物語を描く。

健太郎が演じるのは、主人公・佐田正樹。また、正樹に匹敵する問題児・合屋厚成を山田裕貴が演じるほか、柳俊太郎(※柳は正式には旧字)や今田美桜らが出演する。

映画『デメキン』メインビジュアル(C)よしもとクリエイティブ・エージェンシー/ワニブックス/秋田書店・ゆうはじめ(C)2017映画『デメキン』製作委員会

健太郎が語る『デメキン』撮影エピソード

― 長編初主演映画ということですが、『14の夜』のお仕事をきっかけにプロデューサーさんからオファーがあったとか。

『デメキン』はもともとコミックでずっと知っていて読んでいたので、最初は映画化するんだぁと思っていたら、自分が主人公正樹役で。一読者として読んでいた作品だったので、本当に嬉しかったです。初主演、しかも自分が知っていた作品。感情が高ぶりました。

映画『デメキン』より(C)よしもとクリエイティブ・エージェンシー/ワニブックス/秋田書店・ゆうはじめ(C)2017映画『デメキン』製作委員会
― 共演者には年上の方が多いですが、クランクイン前から相当気合いが入っていたと聞いています。

はい。気合いだけは誰にも負けたくないと思ったので、めちゃめちゃ気合いを入れていました。年上の方が多いと言う点は、あまり意識していませんでした。親友の厚成役の山田(裕貴)さんもすごくフランクに接してくれて、本当に同級生のように一緒にいてくれました。ほかのキャストもみんなも仲良くしてくれて、でもライバル視もしていて、年が離れたという感覚はありませんでした。みんなで高め合ってやっていきました。

映画『デメキン』より(C)よしもとクリエイティブ・エージェンシー/ワニブックス/秋田書店・ゆうはじめ(C)2017映画『デメキン』製作委員会
― クランクイン前にみんなの前であいさつしたとか。

そうなんです。「ついてきてください」と(照)。迷ったんですが、作品的にも僕は総長ですし、ここは言ってやろうと思って、ついてきてください!って言ったんです。周りに伝えたかったのはもちろんですが、自分としても言ったからにはやるしかないので、自分を追い込むために言ってよかったです。

健太郎(提供写真)

実在する佐田正樹を演じるにあたって…健太郎は何を意識した?

― 正樹を演じるにあたって、何を一番意識しましたか?

とにかく楽しんで撮影しようというのが一番でした。作者の佐田さんに当時のことを聞くととにかく楽しそうに話してくださいます。ケンカもして辛いこともたくさんあったと思うけれどすべて全力で生きてきたから、楽しかったと思うんです。だから自分も楽しんで撮影すればそれに近づけるかなって。デメキンに関わった期間は全力で楽しんで正樹として生きていました。

― 監督からは何かリクエストはありましたか?

楽しんでくれればそれでいいよという感じでした。ケンカもスタイリッシュなアクションよりもなるべく泥臭くとか、考え方、見ている方向は一致していましたし、僕が考える正樹を受け入れてくださいました。

映画『デメキン』より(C)よしもとクリエイティブ・エージェンシー/ワニブックス/秋田書店・ゆうはじめ(C)2017映画『デメキン』製作委員会
― 正樹の好きな点を教えてください。

仲間をめちゃめちゃ愛しているところ。とにかく自分より誰かを大切にするという考え方がすごく好きです。自分にはなかなかできない。僕ら同世代だと、そう思えない人が多かったり、大人の方だと忘れてしまっていたり。この作品を観て感じてもらえると嬉しいです。

― 撮影前のリハーサルには原作者の佐田さんもいらしたそうですね。

初顔合わせの本読みの終わりに、学校の授業みたいに佐田さんが前に立って、博多弁の暴言を言うんです。それを自分たちが繰り返すという(笑)。身体に叩き込む授業でした。『デメキン』らしくて楽しかったです。

映画『デメキン』より(C)よしもとクリエイティブ・エージェンシー/ワニブックス/秋田書店・ゆうはじめ(C)2017映画『デメキン』製作委員会

山田裕貴との絆

― 特に覚えているシーンを教えてください。

全シーン、鮮明に残っています。ただ唯一最後の屋上でのシーンだけあまり覚えてないんです。役と一体になりすぎていたのか、あのとき何を考えていたんだろうって。

映画『デメキン』より(C)よしもとクリエイティブ・エージェンシー/ワニブックス/秋田書店・ゆうはじめ(C)2017映画『デメキン』製作委員会
― 撮影最終日だったそうですね。

物語としても一番盛り上がるシーンでもあるし、自分が正樹として生きる最後だったので、寂しい気持ちもあったのかなと。印象的なシーンです。撮影は下から屋上に向けて階が上がるごとに終わりが近づいていくので、終わっちゃう、終わっちゃうって。その瞬間をすごく楽しみながら。取材で話していると、撮影時に戻りたくなります。

映画『デメキン』より(C)よしもとクリエイティブ・エージェンシー/ワニブックス/秋田書店・ゆうはじめ(C)2017映画『デメキン』製作委員会
― クランクアップのときには胴上げされたとか。

普段、胴上げされることなんてなかなかないですよね。こんな感じかぁって。嬉しかったです。正樹自身が胴上げされたかどうかは分からないですが、でもそれくらい周りに愛されていたと思うし、最後の最後までみんなが自分を総長として見ていてくれたと思うと、すごく嬉しかったです。

― 少し泣いてしまったとか。

そうなんです。泣きました。今までの現場ではなかったことです。しかも、僕、山田さんが大好きなんですけど、山田さんが最後に「サイコーだったよ」と耳元で言ってくれたんですよ。もう、あぁってなっちゃって。ラストが山田さんとのシーンだったんです。年齢も上ですし、僕がこんなことを言うのもなんですが、本当に親友みたいにずっといてくれて。大好きです。ははは。

映画『デメキン』より(C)よしもとクリエイティブ・エージェンシー/ワニブックス/秋田書店・ゆうはじめ(C)2017映画『デメキン』製作委員会

健太郎、特攻服に身を包んだ思い

― 特攻服の感想は?

すっごいテンションが上がりました。シーン的にもテンションが上がっているところでしたし。2代目総長として特攻服を着るシーンは、たまらなかったです。震えました。泣きそうになりましたし。お前に託すって言われて、ぱって振り返ったら、自分が守らなければいけない仲間たちが座っていて。奥で厚成と「幻影」の仲間たちがわ~って喜んでいるのを見たときは、なんかすごく、うん、なんだろう…。本当にその世界に生きていたというか、嬉しかったし、覚悟も感じたし。とにかくすごかったです。初の主演という立場と、役柄とで重なる部分があって、とてもよかったと思っています。

映画『デメキン』より(C)よしもとクリエイティブ・エージェンシー/ワニブックス/秋田書店・ゆうはじめ(C)2017映画『デメキン』製作委員会
― 出来上がりをご覧になったときは?

あまりちゃんと観ることができなかったです。いろいろと思い出しちゃって。終わるときも、みんな本当に終わりたくないって言っていて。出来上がった作品を観ていても、このシーンのときはこんなことをしていたなとか思っているうちに、どんどんシーンが進んでいって、また、ああこのシーンではとか思い出しちゃって。だから最初に観たときは、感傷に浸ってしまいました。

― いま客観的に見られるようになってみて、こういう部分が『デメキン』の魅力だと思うところは?

正樹だけじゃなくて、厚成やほかのみんなもそうですが、みんなが仲間を大切に思っていて、そういう思いがエンジンになって動いていく。自分が傷ついても、でも仲間のためにっていう。それってすごくいいなって。そこを感じながら観てもらえると嬉しいです。

映画『デメキン』より(C)よしもとクリエイティブ・エージェンシー/ワニブックス/秋田書店・ゆうはじめ(C)2017映画『デメキン』製作委員会

健太郎のこれからの夢

― 二十歳になりましたが、これからどんな俳優になっていきたいですか?

山田さんに出会ったみたいに、もっともっとこれからいろいろな人に出会って、振り幅のある役をやって、おもしろい作品にどんどん携われたらいいなと思います。いろいろな役を演じ分けられる、イメージのつかない人になりたいです。役者としてもそうですし、人間としても、ひとつの言葉で表現されたくないです。

― 私生活でもいろんなことに挑戦して。

挑戦していきたいです。以前やっていたドラマのときに、いろいろなことに挑戦するのが大事だよと先輩の役者さんに言われたんです。そのときも、言っていることは分かったんですが、身に染みてまでは感じていなかった。いまは、いろいろなことに挑戦するのは大事だと心から思うようになりました。

映画『デメキン』より(C)よしもとクリエイティブ・エージェンシー/ワニブックス/秋田書店・ゆうはじめ(C)2017映画『デメキン』製作委員会
― モデル時代から応援されているファンは驚いているかもしれませんね。今は役者のお仕事が楽しいですか?

自分でも役者になるとは思っていなかったので、驚いているかもしれませんね。いまはとても楽しいです。特殊な仕事だと思うし。いまじゃない時代や、自分じゃない人を演じて、仲間同士の熱い思いを感じられたり。お仕事という形で体験させてもらえているというのは、すごく幸せなことだと思っています。

― ありがとうございました。

健太郎(提供写真)

健太郎(けんたろう)プロフィール

1997年6月30日生まれ。東京都出身。

モデルとしてデビューし、雑誌・広告を中心に活動後、2014年、ドラマ『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(CX/14)で俳優業を開始。以後、映画『俺物語!!』(15)、『ミュージアム』(16)やドラマ『学校のカイダン』(NTV/15)、『私結婚できないんじゃなくて、しないんです』(TBS/15)、『仰げば尊し』(TBS/16)などで魅せた演技で鮮烈な印象を残し、注目を集める。そのほかNHK土曜時代ドラマ『アシガール』(17)、映画『先生!、、、好きになってもいいですか?』(17)などに出演。2018年公開作も多数控えている。

映画『デメキン』ストーリー

幼少期からデメキンと呼ばれ、いじめられていた佐田正樹(健太郎)は、ある日、“強くならなきゃ”と覚悟を決めて拳を握った。そしてかつてのいじめっ子集団を返り討ちにするほど腕っぷしが強くなり、喧嘩では敵なしの存在となっていた。赤髪リーゼントがトレードマークの正樹。小学校からの親友・厚成(山田裕貴)と喧嘩やバイクに明け暮れる日々を過ごす。中学卒業後、正樹は高校へ進学し、厚成はラーメン屋で働き始める。環境は変われど人は変わらず、年上の不良に目をつけられてはひたすら喧嘩ざんまいの日々を過ごしていた。ある日、バイク事故で死んだ憧れの暴走族の総長・真木(柳俊太郎)のことを思い返していた厚成は正樹に福岡一のチームを作ろうと持ちかける。二人はチーム「亜鳳」を結成するが、次々と血気盛んな敵が待ち受けていて…。

(modelpress編集部)

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