松尾太陽 (C)モデルプレス

“松尾太陽元年”をどう振り返る?悔しさ&劣等感をバネに“けだもの男子”で新境地<モデルプレスインタビュー>

2017.10.28 10:00

7人組メインダンサー&バックボーカルグループ・超特急のメンバーで、俳優としても活躍する松尾太陽(まつおたかし・21)。今年は「一週間フレンズ。」(2月18日公開)、「一礼して、キス」(11月11日公開)と2本の出演映画が公開、さらに10月30日より配信スタートとなるdTVとFODによる共同製作ドラマ「花にけだもの」で連続ドラマ初出演を果たす。まさに“松尾太陽元年”といえるこの1年を本人はどのように振り返るのか。「悔しい」「反省」「劣等感」をバネに、“けだもの男子”で新境地を拓きたいと力強く意気込む…!

  

人気少女漫画が原作“胸キュン”シーンにも挑戦

今作「花にけだもの」は、少女マンガ誌「Sho-Comi」(小学館)で2010年から2012年まで連載され、累計発行部数200万部を突破した同名コミックが原作。見た目や発言は男らしいが、好きな人の前だけでたまに可愛らしい一面をみせる“けだもの男子”たちとのちょっと危険な恋を描く胸キュン青春ラブストーリーとなっている。

中村ゆりか、杉野遥亮(C)エイベックス通信放送/フジテレビジョン
松尾が演じるのは、純真無垢で愛されすぎる主人公・久実(中村ゆりか)を支えるクールでミステリアスな和泉千隼。劇中では、胸キュンシーンの数々に挑戦している。

和泉千隼役の松尾太陽(C)エイベックス通信放送/フジテレビジョン
自身が演じる千隼を、松尾は「クールだけど、感情的な部分もあって人間らしい。なので、千隼の人間らしさを追求して演じています。『一週間フレンズ。』で演じた桐生将吾もクールな男の子でしたが、将吾のような無機質なクールではなく、もう少し何かあってもいいのかなって。そういった意味では新しいクールです」と真摯に役に向き合う。

松尾太陽 (C)モデルプレス
松尾太陽 (C)モデルプレス

役作りの工夫

連続ドラマの撮影は今回が初。映画とドラマの撮影は「全然違う」と感じているそうで「映画はドラマよりも短い期間で1シーン、1シーンをゆっくりと撮るイメージがあります。対してドラマは長期間だけど、詰め込まれていてスピード感がある。より頭の柔軟性が求められます」と話す。

スピーディーな撮影で、役の気持ちに入り込むことが大変だというが「例えばセリフの前に『…』があるとするなら、この『…』は何を思っているんだろうと考えます。それが大きな意味を持っていることもあるので。それから台本に描かれていないところも『千隼は何をしていたんだろう』とか『何を思っていたんだろう』と想像します。描かれていないところを考えることを大切にしています」と想像を働かさせる。「役の気持ちになれていなかったら、そのシーンは成り立たない」と、入念な準備を怠らない。

作品で描かれる“けだもの男子”は、女の子に優しく、強引で男らしい、好きな子の前だけ素直といった、女好き・ワイルド・一途といった側面を持つ新しい男性像。そんな“けだもの男子”を演じる松尾だが、自身はというと「好きな子に対してぐいぐいアプローチはできないかも…。本当に好きならバッといけるのかもしれないけれど、ライバルがいたり、現れたりしたらきっと退いちゃいますね。相手のことを思うと、修羅場に持っていかせたくないので(笑)」と奥手なよう。そんな彼が正反対だという“けだもの男子”を演じるというのだから楽しみだ。

松尾太陽 (C)モデルプレス
松尾太陽 (C)モデルプレス

撮影現場の雰囲気は?

撮影現場は、同世代のキャストと、意見やアドバイスを出し合い、一丸となって作品作りに励める環境のようだ。シーンごとに話し合いをし、キャスト・スタッフ全員が良い作品を作ろうと一つになる。「一緒に作っていける」現場から得る刺激は大きく、松尾を成長させる。

中でも、王子様の仮面を被った超プレイボーイ・豹を演じる杉野遥亮とは、メンバーのタクヤ(草川拓弥)が映画で共演していたこともあって「二人が共演していたことはとても大きくて、自分自身、現場に入りやすかった理由の一つになったかと思います。遥亮くんは超特急の曲をよく聴いてくれているそうです。ライブにも来てくれたことがあります」と嬉しそうに語った。

松尾太陽 (C)モデルプレス
松尾太陽 (C)モデルプレス

悔しさや劣等感…活躍の裏側で

今年CDデビュー5周年を迎えた超特急では、自己最長期間のツアーに挑んだり、2枚のシングルをリリースしたりと、節目の年ということもあって多忙を極めた。そんな中で、今年2月にはグループ結成後、初の映画単独出演を果たした「一週間フレンズ。」、11月には闘病生活を送る少年という難役に挑んだ「一礼して、キス」が公開に。今作では初の連ドラ出演と、まさに俳優“松尾太陽元年”になったのでは?と伝えると「そう言っていただけるとすごく嬉しい」と顔を綻ばせながらも「でも、反省点は山ほどあります」と謙虚な回答が返ってきた。

「松尾太陽としてお芝居をさせていただける機会も多くなりましたが、その分だけ悔しいことも。『できなかった』『もっとこうしておけばよかった』と反省点は山ほどです。でも、後悔はしたくない。経験を積むうえで反省は大切ですし、次に繋げていきたい。この1年は本当にいろんな作品に関わることができました。それをどう次へ繋げていくかが勝負」

甘んじることなく、自身を厳しく評価し「まだスタートラインにも立てていない」とも。

「本当に魅力的な方がたくさんいるわけですよ。その中で自分はどうその役で生きていけるんだろうかと思うこともありますし、劣等感もめちゃくちゃ持ちます。『ここはどうなんだろう?』とか『どういうふうに思われてるんだろう?』と感じるときもあるんです」

飾ることなく、今の胸の内を素直に語ってくれた松尾は、自身を厳しく評価しながらも前を向く。「俳優のお仕事もやっていきたいし、超特急だってやっていきたい。どっちも成功させたいんです」と強い信念を持ち、進んでいく。

松尾太陽 (C)モデルプレス

俳優業と音楽活動

どの作品に対しても、謙虚に、そして真摯に向き合っているが「今はまだスタート地点にも立てていない。スタート地点に立つ前の準備運動」だと語るのは、妥協することがないストイックな性格がゆえだろう。そんな松尾太陽元年はいろんな感情にぶつかったが「すごく充実した」と振り返る。成長した部分に関しては、丁寧な役作りもあってか「ふとした瞬間に、そのシーンの気持ちになっていること」とあげる。

「このシーンは“怒っていないといけない”とか、そういう事を考えず自然にできている気がします。蓄積されたものがあるから、その場その場の感情になる。そういう感情のコントロールや持って行き方をすごく大事にしています」

松尾太陽と超特急タカシ。彼は2つの顔を持つ。「俳優の松尾太陽も、超特急のボーカル・タカシもどちらも好き」といったファンの声を「それって本当に嬉しいこと。全部ひっくるめて好きといってくださる方がたくさんいて幸せです」と思いっきり喜び「だからこそ、いい作品ができたと報告したい」とファンの応援を力に気合いを入れる。

俳優業と音楽活動は、表現するといった点では共通するが、別物だ。スイッチの切り替えは「朝、起きたら自然に切り替わっている」そうで「自分でも不思議なのですが、今日はこの撮影、今日はここでライブと認識した瞬間に『今日は松尾太陽としてがんばろう』『今日は超特急タカシとしてがんばろう』という気持ちになります」と話す。家から出た瞬間から、気持ちも仕事に向かい「現場に着いても『まだ眠い』とか思っていたら、絶対に良いものはできないんですよね」と断言する。

松尾太陽 (C)モデルプレス

かっこいいところを見せていきたい!新境地開拓にかける思い

今作の撮影では、それぞれの役割やキャスト・スタッフが良い作品を作ろうとする姿勢の大切さを学んだ。それは「みんなに教えてもらったこと」だと目を細める。

どんな仕事にも、丁寧に向き合っているが今作にはより強い思い入れがある。自身が視聴者をドキドキさせる胸キュンシーンに挑戦しているからだ。

ファンに対して期待することを聞いてみると「超特急の末っ子が“けだもの男子”やるんですよ(笑)?この一言に全てが詰まっているかと思います(笑)」と自信をのぞかせ、新境地に胸を膨らませる。自身とは正反対としながらも「21歳になって、いろんなことに挑戦していきたいなと思っています。かわいいだけでなく、男らしくワイルドでかっこいいところもそろそろ出していけたらと思っていました」とまさに絶好のタイミングだった。「今の自分の気持ちにぴったり」な千隼という役との出会いを噛み締め「だからこそ、この作品を成功させたいと強く思っています。千隼と出会えたことに感謝して、これからもどんどん育てて、温めていきたいと思っています」と語る優しい眼差しからは強い決意も感じさせた。

松尾太陽 (C)モデルプレス

これからの2つの夢

松尾太陽としてのこれからの夢は世間に認めてもらえる俳優になること、超特急タカシとしての夢はボーカリストとしてより磨きをかけることだという。自分で限界を決めないためにも、目標は大きく持つ。できる範囲で考えることが多かったそうだが「それって損するんじゃないかと思って。一回、はまっていた枠を外してみたらどうなんだろうと考え方が変わったんです」と、志を高く「世間に認めてもらえる俳優になりたいです。それから、飾らない自然体な俳優を目指していきたいです」と走り始めたばかりの俳優としての未来の姿を思い描く。

超特急タカシとしては「『超特急ってボーカルいいよね』と言ってもらえるようになりたいですね」とボーカリストとしてさらなる高みを目指す。また、最近では以前に増してダンスに参加するパートも多くなったといい、ダンスにも意欲的だ。

そんな彼が思う夢を叶える秘訣は「“やらない”と思ったことでもやってみること」。松尾自身、まだ夢を叶えたわけではないと控えめながら「いろんなことに挑戦して、自分を磨くではないけれど、僕自身、最初は超特急のボーカルをやるなんて思ってもみなかったです。でも、それが今は、大きな軸になっています。本当に未来ってわからないなって。だからこそ、絶対に無理と思ったこともやってみることが大切だと思います。それが夢に近づく方法なんじゃないかな」とこれまでを思い返すように語った。

松尾太陽 (C)モデルプレス

記者が見た“松尾太陽”の姿

俳優業にかける熱い思いと、その裏で感じる葛藤、それらを包み隠さず語ってくれた松尾。これまで、超特急のタカシとして彼を何度も取材してきたが、この日のインタビューでは松尾太陽の中で静かに燃える闘志を見たように思えた。きっと、ドラマ「花にけだもの」でも超特急のタカシとは違う“松尾太陽”の新しい姿を見ることができるだろう。(modelpress編集部)

dTV×FOD共同製作ドラマ「花にけだもの」は10月30日(月)よりdTV&FODで配信スタート
公式サイトURL:http://video.dmkt-sp.jp/ft/s0004072

「花にけだもの」(C)エイベックス通信放送/フジテレビジョン

松尾太陽プロフィール

1996年9月23日生まれ、大阪府出身。2011年より、史上初のメインダンサー&バックボーカルグループ「超特急」のバックボーカル・タカシとして活躍中。2017年2月に公開された映画「一週間フレンズ。」では、映画単独初出演を果たし、公開待機作には映画「一礼して、キス」(11月11日公開)がある。

松尾太陽 (C)モデルプレス

「花にけだもの」ストーリー

名門・蓮高に転校してきたキューちゃんこと熊倉久実(中村ゆりか)。そこで出会ったのは王子様のようにカッコ良くて優しい人、柿木園豹(杉野遥亮)だった。友達になりたい!と思っていたが、豹の口から出たのは「友達じゃ足りない」の言葉と熱いキス。初めての彼氏と思っていたが、なんと豹は学校では超有名なプレイボーイで全校女子生徒の憧れの人物だった。王子の皮をかぶった“けだもの男子=豹”に、ファーストキスをささげてしまったキューちゃんの学校生活の行方は?



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