高橋一生(C)NHK

高橋一生、“レギュラーで朝ドラ”にかける思い 「わろてんか」ヒロイン・葵わかなを絶賛<インタビュー>

2017.10.08 05:00

NHK連続テレビ小説「わろてんか」に出演する俳優の高橋一生が、出演が決まったときの思いや、現場に入ってからの印象を語った。

  

「わろてんか」出演 高橋一生の役どころ

平成29年度後期第97作連続テレビ小説「わろてんか」は、“笑い”をテーマに、舞台は、明治の後半から第二次世界大戦直後の大阪。タイトルの「わろてんか」は大阪弁で“笑ってください、笑ってほしい”という意味で、「吉本興業」の創業者である吉本せいをモデルに、いつも周りに“笑い”をふりまくヒロイン・藤岡てんがひょんなことから小さな寄席経営を始め、ついには日本で初めて“笑い”をビジネスにした女性と言われるまでに成長していくさまを描いていく。ヒロイン・藤岡てんは女優の葵わかなが演じる。

高橋が演じるのは、青年実業家の伊能栞役。東京生まれの東京育ちの伊能栞は、大阪の伊能製薬社長の息子だが正妻の子でないため、神戸で貿易会社を興して実家とは距離を置いている。てんの結婚相手になるはずだったが、てんが藤吉を好きだと知って、てんを後押ししてやる度量の広い男だ。エンターテインメントに関心があり、それが縁で藤吉やてんと親交を深め、日本に華やかなショービジネスを根付かせていくことになる。

以下、高橋のインタビュー。

高橋一生(C)NHK

朝ドラ“レギュラー”に期待

― 今回「わろてんか」に出演する事が決まった時のお気持ちは?

僕は若い頃、“朝ドラ”のオーディションを受けていたんです。その後、『おひさま』(2011年度前期)に出演したのですが、あの時は1週だけの登場で、ゲスト的な立ち位置でした。なので今回はいよいよ“レギュラーで朝ドラか!”という感じです。

“朝ドラ”って、月曜から土曜まで、毎日続いていくという仕組みがおもしろいと思います。15分という短い時間の中に、毎回物語を作っていくわけですから。そんな濃い密度の物語の中でお芝居ができるのは、非常におもしろい経験ができるのではないかと期待しています。

伊能栞というキャラクター

― ご自身の役柄についての印象や、演じるうえで楽しみにしていること、役のここに注目してほしいという点などは?

一見、完璧に見える男を演じることはとても楽しいです。完璧な人間なんていないわけで、誰しもどこか滑稽であったり情けないところがある。この伊能栞という人間も、完全無欠に見えて実はもろさのある男です。時代を先取りした洋装をよろいのように着こなし、インテリジェンスのかたまりのように見えるけれど、一度誰かに心を許してしまうと、無意識のうちにダメなところを見せてしまう。その複雑な階層が見え隠れするように、演じたいと考えています。

藤吉(松坂桃李)と伊能栞は、真逆に見えて、実は同じラインの人間なんだと思います。おてんさん(葵わかな)のことを大切に思うライバルのような関係でありながら、エンターテインメントの世界でお客さんを幸せにしたいという思いを持つ同志のようであり、困っていれば手助けしたいという友情もあったりする。置かれた境遇や性格は違うけれど、純粋さは一緒だと思います。男同士、殴り合って心通わせる…というような気質がお互いにあるのも、おもしろいです。「結局、それで仲よくなっちゃうんだ」といった感じで(笑)。

ヒロイン・葵わかなの姿

― 収録に参加されてみて、現場の印象や共演者やほかの役の印象は?

大河ドラマ『軍師官兵衛』で一緒だった松坂さんや濱田さんなど、見知った方がいるのですっと現場に入らせてもらっていますが、周りから大阪の言葉が聞こえてくるので、「あぁ、ここは大阪なんだ」と実感しています。

松坂さんが演じる藤吉にはまったく悪意のない純粋さを感じるし、栞は自分とはかけ離れた藤吉の明るさが好きなんだろうと感じます。濱田さんが演じる風太は、心の動きが分かりやすくて、おてんさんをしゃにむに支えている姿に、おもしろ味を感じます。自分とは違う感覚を持っている人に、栞はとても興味が湧くんだと思います。

おてんさんを演じる葵わかなさんとは、初めての共演です。彼女は、ただ快活なヒロイン像を表現するだけじゃなく、しっかりと「人間」を演じている印象があります。笑う時はよく笑うし、苦しい時は苦しいと表現する。おてんさんの内面にある「心」がお芝居に出てくるので、とても魅力的だなと感じています。

視聴者へのメッセージ

― 放送を楽しみにしている視聴者の方々へのメッセージをお願いします。

伊能栞という男がこれからどう描かれていくのか、おてんさんへの感情はどう動いていくのか、僕自身も気になることがたくさんあります。

彼にはある境遇ゆえのコンプレックスがあるのですが、決してそこにくすぶっているわけではなく、「笑い」をみずから求めていくバイタリティーを持った人間です。自分がワクワクできるものを求め、それをいかにエンターテインメントとして日本に根づかせていくのか、楽しみにしていただきたいです。

『わろてんか』は、たくさんの人々が「笑い」を共有して、みんなが幸せになっていく物語だろうと思います。そこに参加させていただいている僕自身も、その幸せな行く末を期待したいです。

なお、高橋は10月9日の放送より登場する。(modelpress編集部)
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