斎藤工、上戸彩(C)モデルプレス

上戸彩&斎藤工「昼顔」があったから…ドラマから3年、今映画化する意味とは<モデルプレスインタビュー>

2017.06.09 12:00

2014年、当時社会現象を巻き起こしたテレビドラマ「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」(フジテレビ系)が3年の時を経て、映画化される。劇場版「昼顔」(6月10日公開)の舞台は、ドラマから3年後。決して許されることのない恋が再び動き出す――。

  

上戸彩・斎藤工モデルプレスインタビュー

映画「昼顔」より(C)2017 フジテレビジョン 東宝 FNS27社
主演は女優・上戸彩(31)。演じるのは、道ならぬ恋に人生を狂わせてしまった主人公・紗和。ドラマ版放送時には、爽やかで健康的なパブリックイメージを持つ彼女からはかけ離れた役柄が、世間に大きな衝撃を与えるとともに、新境地ともいえる挑戦で“女優・上戸彩”がネクストステージを立ったこと感じさせてくれた。

映画「昼顔」より(C)2017 フジテレビジョン 東宝 FNS27社
相手役となる北野を演じたのは、俳優・斎藤工(35)。ドラマ版への出演が本格ブレイクへのきっかけとなり、以後、その甘いマスクと色気で人気を博す。“セクシー“の肩書が彼の紹介に欠かせなくなったのは、この作品からだ。

2人に大きな転機をもたらした「昼顔」。ドラマ放送終了直後から、続編の噂は囁かれ続けていたが、なぜ今なのか――?3年経った今、このタイミングで「昼顔」が映画化される意味を、2人は確かに感じていた。

映画化は、なぜ今なのか――

上戸彩、斎藤工(C)モデルプレス
― ドラマから3年。なぜ、このタイミングだったのでしょう?

上戸:続編の話は何回もいただいていたんですけど、改めてお話をいただいたときに、今の自分なら出来る気がしたんです。もちろん、悩んだ時期もありましたけど、今の環境なら出来るかもって思えたし、何より(西谷弘)監督、工くん、(伊藤)歩ちゃんと一緒に現場で過ごすことが出来るっていうのは、(産後の)復帰作としてすごく恵まれてるなと。不安材料を減らしてくれる人ばかりだし、井上(由美子)さんの脚本も大好きだし、環境的に「つまらない作品になったらどうしようって」って心配が全くなかったから、今だって思えたんだと思います。

― 何度か続編の話が上がる中で、そのことについて斎藤さんとお話することはありましたか?

上戸:その度に、工くんとも歩ちゃんとも。映画には出演していないですけど、吉瀬(美智子)さん、(鈴木)浩介さんとも話しました。毎回毎回話しが上がる度に「どうする?どうする?」って。

斎藤:「昼顔」は、上戸さんがおっしゃったように、チーム力や総合力でより補い合って作ってきた作品だなという感覚はすごくあります。

― 来るべきして来たタイミングだったという感覚でしょうか。

斎藤:結果的には。今振り返ると、色々なことが必要なプロセスだったのかなと思うし、内容も出来上がりもタイミングも、自然だったなと感じています。

反響を受け止める姿勢

上戸彩&斎藤工が出演する映画「昼顔」のポスタービジュアル(C)2017 フジテレビジョン 東宝 FNS27社
― 映画化の発表の際には、大きな反響でしたね。

上戸:ポスター公開のときは、本当にすごかった!

斎藤:確かに。

― 反響やファンの方の声は、見るタイプですか?

上戸:私は目にするようにしています。気になる方なのかもしれない…。例えば、自分たちが会見に出た後のニュースも見るようにしています。ドラマにしても終わったら、良い意見も悪い意見も見て、アドバイスとしていただくタイプです。

― それは昔からですか?それとも何かきっかけが?

上戸:昔からです。無駄に人を傷つけちゃうことがあるから、「こういう言葉で人が傷つくんだ」とか「これは言わなくてもよかったかも」とか見て考えます。誰かが傷ついたことを知らずに同じ発言を繰り返してしまうことは避けたいので、自分の発言や姿勢を注意してくれる意見っていうのはすごくありがたいです。

― 斎藤さんはいかがですか?

斎藤:良し悪しは別として、(ネットでの反響は)本音だと思います。やっぱり面と向かってお話するときというのは、自分もそうですけど、相手に自分がどう反射するのか分かった上で会話する。でも、匿名になれば、相手を考えない分、暴力性も高くなり、本音も浮き彫りになる。辛辣なこともしょっちゅう言われますけど、それって的を射ていると思えるものもあるので、次のエネルギーに変えていきたいなと思って見ています。

すべてが必然に…現場で築いた確かな信頼関係

映画「昼顔」より(C)2017 フジテレビジョン 東宝 FNS27社
― 3年経った今もこれだけの反響があるということは、それだけ待ち望んでいたファンの方が大勢いるということでもありますよね。

上戸:そう思ってもらえていると、嬉しいです。

― 撮影で考えると、ドラマ終了から2年ぶり。現場ではすぐに紗和と北野のスイッチが入りましたか?

斎藤:期せずして、劇中の再会のシーンが初日だったんです。天気の都合で撮影順が入れ替わり、必然的に本当に距離がある場面になったので、あの再会のシーンはリアルでした。一言に表現できない感情で、触れられない認識、認識はできていても、なんて言うのか…2人のリアルな距離感というか、会っていない時間も別れ方も含めた、程良い距離感だった気はします。

上戸:一緒にクランクインする3日前くらいにお祓いをしたんですけど、その時工くんは長髪でひげを生やして後ろで縛ってて、「これは北野先生になれるのかな」って…。私は連ドラが終わってからも、いつでも紗和に戻れる準備ができているくらいあまりイメージが変わってなかったんですけど、あまりの工くんのイメージの違いに「うわっ大丈夫かな」って思ったんです(笑)。でも、撮影当日、目の前には北野先生がいてびっくりしました。北野先生がいるって…。

斎藤:イモっぽいって誰かが…。

上戸:「うわ、“もっさ”」って(笑)。

斎藤:“もっさ”って一言で表現していただいたんです(笑)。

映画「昼顔」より(C)2017 フジテレビジョン 東宝 FNS27社
― (笑)。撮影順の変更も偶然とは思えない、すべてが結び合わせのような現場ですね。

上戸:北野先生が目の前にいるって、ドライから泣いてました。でも、映画の台本の中には泣きポイントが1か所しか書かれてなかったんですよ。私は北野先生とのシーン全て泣いちゃうくらいすぐに感情移入しちゃって、2年前にタイムスリップしちゃった気持ちになっていたんですけど、監督と1個1個確認しながら、「ここはまだ早いね、ここは泣くの我慢して」とご指示をいただきました。

斎藤:台本にないシーンも増えていったよね?

上戸:クライマックスもね。監督が最後の最後まで悩まれていて、私にも工くんにも相談してくださって。当日、台本じゃなくて紙で台詞をもらいました。

― 最初の段階では、クライマックスが違ったということですか?

斎藤:そうですね。実は、ドラマ版のときもそうだったんですよ。受け身でいさせないという愛情を感じましたし、現場で監督が感じて出来たシーンはやはりいいんです。自分が関わっていないシーンも変わっているところが結構あったので、出来上がったものを観たときは衝撃でした。最初の設計図になかったものを、監督が心に従って増やしてくださったんだなと。

― 効果的に活きているんですね。ほかの現場と比較しても多いですか?

上戸:役者さんに相談してくださるっていうこと自体が、珍しいと思います。やっぱり作品って監督のものですし、脚本家さんありきなので。「昼顔」の現場では、質問や相談をしてきてくださることが多く、一緒に作っているんだなって実感があって、信頼関係も築けたと思います。

「昼顔」変えた2人の運命

上戸彩、斎藤工(C)モデルプレス
― 上戸さんにとって「昼顔」は、新境地とも言える作品だと思いますが、改めて振り返って、この作品への挑戦をどう受け止めていますか?

上戸:私は、10代からずっとお仕事をさせていただいているので、ステップアップの時期でもあったんですよね。例えば、学園モノから卒業する時期が来たり、職業モノが続いているところに主婦の役が来たり。でも、自分の実生活やイメージにない、主婦や母親の役を自分がやるってことが、周りの方に違和感を与えてしまうんじゃないかなって思ってたんです。背伸びをしてないかって。だから、連ドラの話も最初は悩んだ末、お断りしようと思っていましたし、私もこういうお話は「どっちかと言ったら視聴者として家で観ていたいタイプです」って伝えて。それでも、私が無理しないような脚本にしてくださったり、役の年齢を下げて私に近づけてくださったり、すごくかっこいい監督さんだなと思って、ついて行きたいって感じて受けました。それは、自分の中で賭けでした。結果的に数字として受け入れてもらって、オファーを受けて良かったなと思いますし、このタイミングで改めてこの役を観ていただくことが出来るのは、また挑戦だなと。私に対しては、まだ、幼いころのイメージが強いと思うんですけど、今年で32歳になるので、そこを打破して。イメージを壊すのは大変ではありますけど、今回はどう受け取ってもらえるかな?と思っています。

― 「昼顔」に出演して、変わった部分や影響を受けた部分はありますか?

上戸:それこそ、今回の映画は、連ドラがなかったら受けることが出来なかったと思います。いきなりこの作品だときっと受けることは出来ない。連ドラがあったからこそ。

― 斎藤さんは、具体的に変化した部分は?

斎藤:年収が…あと、車も変わりました。

一同:(笑)

上戸:まだまだ頑張ろうね。

斎藤:まだまだ頑張ります。

― これは大丈夫ですか(笑)?

斎藤:年収はある程度発表しているので、怖いものなしです(笑)。まあ、文字にして残るのはすごく強いことですし、親戚が100%鵜呑みにしてしまう可能性がありますが(笑)。

…すみません、ちゃんとお答えします(笑)。僕はそれまで強いイメージがマジョリティに対してなかったんです。自分の親戚などに会うと特に思うんですけど、それが1つ広がった作品が「昼顔」でした。こういう作品に出会えたことで、絵の具を1つ渡された気がしていて。その色でしか描けないものがあると思いましたし、その真逆の色ってなんだろうって考えましたし、そこがすべての基準になって今に至るというか、ターニングポイントになった作品です。

― 「昼顔」があったからこそ、真逆の色を演じてみたいと思うことも?

斎藤:思いますね。

上戸:“サンシャイン斎藤”?(※「絶対に笑ってはいけない科学博士24時!」(日本テレビ系)で披露したお笑いタレントのサンシャイン池崎のパロディ)

斎藤:それもそう(笑)。あと、最近発表された「東京ヴァンパイアホテル」(Amazonプライム・ビデオ)でのタトゥーまみれの役もそうです。“北野先生”がそこに存在しない、“北野先生”を感じられない、その時々で別の植物として咲かないとダメだと思っているんですけど、その振り子の重りを「昼顔」でもらったなと。それを振っていけば、どんどん大きくなるのかなと思います。

― ありがとうございました。

ついに完結 衝撃のラストへ

上戸彩、斎藤工(C)モデルプレス
プライベートでも親交のある2人は、自他ともに認める“仲良しコンビ”。作品から離れれば、紗和と北野は消え、まるで幼馴染のような男女の垣根を超えた関係に見える。しかし、冗談を飛ばし合いながらも、真剣な場面で一瞬でスイッチが入るのは、役者としての信頼関係があってこそ。「昼顔」は2人だから成立したのだろうと、改めて思わされる空気感だった。

映画「昼顔」より(C)2017 フジテレビジョン 東宝 FNS27社
映画「昼顔」より(C)2017 フジテレビジョン 東宝 FNS27社
ドラマ版のクライマックス、道ならぬ恋に落ち別れざるを得なくなった紗和(上戸)と北野(斎藤)。そこから3年、夫も仕事も家さえも失った紗和は、誰も知らない別の街に移り住んでいた。

「決して、もう二度と。せめて、もう一度。」――そこで、再会を果たした2人を待ち受けていたのは、衝撃のラスト。物語が完結する。(modelpress編集部)

上戸彩(うえと・あや)プロフィール

1985年9月14日生まれ。東京都出身。1997年8月「第7回全日本国民的美少女コンテスト」審査員特別賞を受賞しデビュー。以降数々のドラマ・映画に出演し、国民的女優として人気を博す。近年の出演作は、ドラマ「半沢直樹」(TBS系)、「アイムホーム」(テレビ朝日系)、映画「テルマエ・ロマエII」など。2014年放送のフジテレビ系連続ドラマ「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」では、道ならぬ恋に溺れる主人公を演じ、新境地を開拓。劇場版「昼顔」が6月10日公開となる。

斎藤工(さいとうたくみ)プロフィール

1981年8月22日生まれ。東京都出身。高校生の頃より雑誌のみならず国内外のショーでモデルとして活躍。2001年、映画「時の香り~リメンバー・ミー~」で俳優デビュー。2014年放送のフジテレビ系連続ドラマ「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」で本格ブレイクを果たして以降、ドラマ・映画・CM・雑誌など各方面にひっぱりだこに。2017年は、劇場版「昼顔」(6月10日公開)のほか、映画「蠱毒 ミートボールマシン」、7月9日放送開始のWOWOW連続ドラマW「アキラとあきら」など。初長編監督作「blank13」の公開も控える。

映画「昼顔」

映画「昼顔」より(C)2017 フジテレビジョン 東宝 FNS27社
公開日:2017年6月10日公開
監督:西谷弘
脚本:井上由美子
キャスト:上戸彩 斎藤工 伊藤歩 平山浩行ほか

<ストーリー>
お互いに結婚していながら、惹かれあい愛し合うようになった紗和と北野。その一線を越えた関係はいつしか明るみになり、ついに2人は別れざるを得なくなってしまった。そして、紗和は夫とも別れ一人になった。

あれから3年――

紗和は海辺の町で慎ましく暮らしていた。オーナーの杉崎尚人が営むレストランでの見習いと狭いアパートの往復が日課で、北野の夢を見る事さえ既に無くなっていた。海岸沿いの小さな町には、彼女の過去を知る者は誰もいない。

一方、大学の非常勤講師となっていた北野は蛍に関する講演を、ある街で行う事に。講演中、客席に目を向けたとき、彼は言葉を失ってしまう。そこには、紗和の姿があった。

「神様は、私を試していたのでしょうか」

運命のいたずらか、再びめぐり会う二人。あの時に交わした愛を忘れられず、どちらからともなく逢瀬を重ねていく。清流ながれる蛍の住処が“約束の場所”。

そんな中、2人の前に現れたのは、北野の妻・乃里子だった…。

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