清原果耶 (C)モデルプレス

迫真“泣きの演技”で絶賛浴びる清原果耶、名シーン誕生秘話と神木隆之介からの言葉<モデルプレスインタビュー>

2017.04.20 20:00

俳優の神木隆之介が主演を務める映画『3月のライオン』後編が4月22日より公開される。公開中の前編で披露する、迫真の“泣きの演技”が感動を呼び、いま注目を集めているのが女優・清原果耶(15)。オーディションで、大友啓史監督から「抜群によかった」と見出された彼女は、後編でますますその存在感を色濃く放つ。モデルプレスは、今作に込めた思いや撮影中のエピソード、女優・清原果耶の今後について本人に話を聞いた。

  
同作は、羽海野チカ氏の同名人気コミックを実写映画化。中学生という異例の若さで将棋のプロとしてデビューし、東京の下町にひとりで暮らす17歳の棋士・桐山零(神木)が、親子、兄弟姉妹、友達、師弟など、人と人を結ぶ愛を求めてぶつかり合う感動のエンタテインメント作品。清原は、零が出会う川本家3姉妹の次女で、思いやりと正義感に溢れる頑張り屋の中学生・ひなた役を演じる。

神木隆之介(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会

立ち上がれないほど涙 感情をぶつけて挑んだ“ひなた”

― 完成した作品をご覧になっていかがでしたか?

まず映像としてとても美しいなと感じました。対局シーンや街の景色が綺麗で、自分もそこにいるかのような気分になりました。それから、撮影で「ここ特に頑張った!」というシーンを観た時は感動しました。

― 特に頑張ったシーンというのは?

顔に大きく変化をつけたり動きを出したりするお芝居が苦手だったんです。なので感情を大きく表現するシーンは大変だったけど特に頑張ったなと。ひなた役が決まった時も、嬉しい気持ちと、「私こんなに笑えるかな、こんなに泣けるかな」という不安な気持ちの両方がありました。

― 前編で見せたひなたの涙のシーンには感動の声がたくさん上がっています。

ありがとうございます。お母さんのことで泣くシーンは、撮影が始まってすぐのシーンだったので、「どうしよう!」て焦っていて。撮影は無事終わったのですが、泣きすぎて脱水症状みたいになっちゃって、立ち上がるのが難しかったです(笑)。

清原果耶の号泣シーンに感動広がる(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会
― 脱水状態!涙を出し尽くしたんですね。

清原:涙ってこんなに出るのかってくらい泣いてしまって。涙を出す加減をしなきゃなって、そのシーンで勉強しました。

― そこまでひなたに入り込めたということですよね。どんな役作りや準備をされたんですか?

撮影前に川本家3姉妹(倉科カナ、新津ちせ)でお泊まり会をさせていただきました。一緒にスーパーに買い物に行って、ご飯を作って、モモ(新津)をお風呂に入れて、一緒に寝て。1泊だったんですけど、そこで“姉妹”になれたなと思います。

(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会
今回ひなたが人気のキャラクターということで、不安もあったんですが、監督から「好きにやってください」と言っていただいたので、自分が1番最初に感じたひなたを演じれば良いのかなと思ってお芝居をしていました。川本家のあたたかい雰囲気もそのままに伝えられたかなと思います。

― 3姉妹のあたたかさが後編では零の心を動かすことになります。特にひなたと零のシーンは物語の鍵となる場面でしたよね。

そうですね。後編の零とのシーンは本当に大切なシーンだったので、撮影する時はすごくプレッシャーを感じていました「自分がやらなきゃ!」って。でも神木さんは「NG出しても全然大丈夫だからね」って側にいてくださったので、すごく支えになりました。

清原果耶 (C)モデルプレス

神木隆之介からもらったアドバイス

― 素敵ですね。神木さんから何かアドバイスをもらったりもしましたか?

私はセリフを噛んでNGを出してしまうとすごく落ち込んでしまうんです。撮影現場で「はぁ~」となってしまって。川本家と零くんとのシーンでNGを出して落ち込んでいた時に、神木さんに「そんなに考え込まなくてもいいんだよ、もっと軽く考えて大丈夫だよ」と言っていただきました。でもやっぱり現場では落ち込んでしまって…(笑)。

清原果耶、神木隆之介(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会
神木さんは現場を優しく支えてくれるような存在でした。本当に素敵な大先輩だなと改めて尊敬しています。カメラが回ってからカットまでは、本当に“桐山零”っていう人物がそこにいるんです。なのに、カットがかかるとすぐに神木さんに戻っていて、ゲームをしていたり、眠っていたり、そのギャップも面白くて、毎日楽しかったです。

成長続ける15歳の注目女優―清原果耶が見据える今後

清原果耶 (C)モデルプレス
― “愛の後編”では人とのつながりや絆が色濃く描かれていますが、清原さんにとって刺激や影響を受ける存在は?

刺激というより、憧れなんですが、先輩の吉高由里子さんは特別な存在です。吉高さんのお芝居が大好きなんです。それから今回ご一緒した神木さんの役への向き合い方は本当に勉強になることばかりでした。今回、原作の実写映画を初めて経験して、キャラクター通りに作らないといけないのかな、と思っていたんですけど、自分の好きなようにまずは挑戦してみることが大事なんだなって感じました。神木さんは役作りのために自分で髪の毛を切ってらっしゃいましたし、現場に行って演じるだけじゃなく、普段から役のために出来ることをどんどんしていかなきゃ、と思いました。

― 女優デビューして約2年、ご自身で変化を感じることはありますか?

まだまだ知識も足りないし、勉強しなきゃいけないこともたくさんあるので、新しいことをどんどん吸収してる最中って感じです。でも変わった部分で言うと、早起きができるようになりました(笑)。それと母には「空気が読めるようになったね」って言われました(笑)。

― 素晴らしい(笑)!では今後演じてみたい役柄はありますか?

機会があれば悪役をやってみたいです。今までやったことのない役にも挑戦していけたらいいなと思っています。

夢を叶える秘訣

清原果耶 (C)モデルプレス
― では最後に、清原さんが思う“夢を叶えるための秘訣”を教えてください。

私もまだ夢を叶えたわけではありませんが、今回の撮影で大友監督に「イメージすることが大事」と言っていただきました。「自分が喜んでる姿や頑張ってきたことを考えていると、本当にそういうルートに進んでいくよ」と。自分に自信がなかったのですが、イメージを持つことで自然と視界が広くなったり、明るくなったりしました。夢を実際にイメージしていくことって大切だと思います。

― ありがとうございました。

ニコニコと笑って叫ぶように泣いて、まっすぐで力強い、太陽のような “ひなた”。「今、お芝居をすることがとにかく楽しい。ひなたになれたことも嬉しくて、楽しかった」と語る清原の表情は、充実感で満ち溢れていた。清原が魂を吹き込んだひなたの輝きを、スクリーンで見届けてほしい。(modelpress編集部)

映画『3月のライオン』

公開日:前編 2017年3月18日(土)、後編 4月22日(土)
監督:大友啓史
出演:神木隆之介、有村架純、倉科カナ、染谷将太、清原果耶、佐々木蔵之介、加瀬亮、伊勢谷友介、前田吟、高橋一生、岩松了、斉木しげる、中村倫也、尾上寛之、奥野瑛太、甲本雅裕、新津ちせ、板谷由夏、伊藤英明、豊川悦司
原作:羽海野チカ「3月のライオン」

(C)2017 映画「3月のライオン」製作委員会
<ストーリー>
中学生という異例の若さで将棋のプロ棋士としてデビューし、東京の下町にひとりで暮らす17歳の棋士、桐山零(きりやまれい)。彼は、幼い頃に両親と妹を交通事故で亡くし、孤独を抱え、来る日も来る日も、すがりつくように将棋を指し続けた。そんなある日、零は同じ下町に住む3姉妹・川本あかり、ひなた、モモと出会う。それは、将棋盤以外の“自分の居場所”との出会いでもあった…。激しい才能と激情がうごめく棋士たちの生きる将棋の世界と、陽だまりのような川本家の食卓。数々の対局とあたたかな人々との交流を通じ、零は棋士として、人として、ある覚悟を決めていく――。

清原果耶(きよはら・かや)プロフィール

2002年1月30日生まれ、大阪府出身。2014年に行われたアミューズオーディションフェス2014で満場一致でグランプリに選ばれる。その後、異例のスピードで三井不動産グループ『三井のリフォーム』をはじめ2つのCM契約、さらに新潮社『nicola(ニコラ)』の専属モデルが立て続けに決定。NHK連続テレビ小説『あさが来た』(15~16年)で女優デビューし、存在感を放つ。2016年には映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』、ドラマ『精霊の守り人(シーズン1)』(NHK)、『素敵な選TAXIスペシャル~湯けむり連続選択肢~』(フジテレビ)、『毒島ゆり子のせきらら日記』(TBS)、『死幣―DEATH CASH―』(TBS)と立て続けに出演。今最も期待される才能として急成長を遂げている。
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