有村架純/連続テレビ小説「ひよっこ」より(画像提供:NHK)

有村架純、周囲の期待にプレッシャーも…「不安とはさよなら」して挑む“新たな代表作”誕生への道<朝ドラ「ひよっこ」インタビュー>

2017.03.27 05:00

女優の有村架純(24)がヒロインをつとめる、連続テレビ小説「ひよっこ」が4月3日よりスタートする。脚本は岡田惠和氏が担当し、東京オリンピックが開催された1964年から始まる波乱万丈青春記を描く。有村とデビュー当時から親交があるという岡田氏の希望もあり、今回はオーディションではなくキャスティングによりヒロインが決定した。放送に先駆け、モデルプレスでは有村にインタビューを実施。今、最も多忙な女優のひとり“有村架純”の次なる挑戦――放送直前、その胸の内を語ってもらった。

  

ヒロイン抜てき「想像していなかった」

有村が演じるヒロイン・谷田部みね子は、茨城県北西部のある6人家族の農家に生まれた、おっとり、のんびりした少女。とくに大きな夢もなく、高校を卒業したら畑仕事を手伝って、いつかお嫁さんにと思っていたが、高校3年の冬、東京に出稼ぎに行った父が行方不明になってしまったことで、人生が動き始める。“金の卵”として集団就職で上京したみね子は、町工場で働きながら父を捜すことに。慣れない都会での生活や突然のトラブルに巻き込まれながらも、殻を自ら破って成長していく…というストーリー。

平成25年度前期「あまちゃん」で主人公の母親の少女時代を演じブレイクした彼女。「あまちゃん」の出演は、ヒロインオーディションに参加したことがきっかけだった。

「過去に何度かオーディションを受けたことがありましたし、朝ドラ=オーディションというイメージで、決められた方だけが出られる作品という印象が本当にありました。まさか、こういう形で出演させていただけるとは、自分の女優人生の中では本当に想像していなかったです。もちろん憧れというものはありましたが、本当に信じられなかったです」。

「『え?』って思われるんじゃないかなっていう不安がすごくあった。その気持ちが大きかったですね」――それが、最初の心境。

周囲からの期待にプレッシャーも…

近年は、朝ドラヒロインから、その年の「NHK紅白歌合戦」紅組初司会へ…という抜てきも多い中、有村は逆で昨年末には「第67回 NHK紅白歌合戦」の紅組の司会を初担当。それだけ、周囲からの期待が大きいとも言い換えることができるが、そのプレッシャーは計り知れず「紅白の司会が終わった瞬間、思った以上にプレッシャーを感じていたんだなと実感した瞬間があったんです。『ひよっこ』も始まるまで皆さんの声は聞けないし、作品に対する反響も分からないまま進んでいくので、不安もありました」と明かす。

そのプレッシャーが消えたのは、脚本の岡田氏や黒崎博監督らと話し合いを重ねていくうちに…。

「どの作品もクランクインする前ってすっごく不安で、クランクインしたときの第一声ってすっごく緊張するんです。声のトーンはそこから動かせないし、撮ったものは変えられないから、『その第一声で、全部が決まっちゃうんじゃないか…』って。でも、不安がなくなるまで準備をするのは当たり前だし、『自分はここまで準備ができた!よし!』って思えるまで、考えようって思っていつも臨みます。今回の現場も、周りのスタッフさんと監督さんと自分とキャストの皆さんを信じてやっていくしかないなって。とにかく撮影をすることで、そういう不安とはさよならしてます」。

新たな代表作誕生へ

物語は、茨城を舞台とした物語と、東京を舞台とした物語に分かれており、子役の起用はなく1話から最終話まで有村がみね子を演じる。

有村自身、女優になることを夢見て兵庫県から上京してきた地方組。「みね子と一緒で、東京は希望とか夢がたくさんある場所だなって印象がありました。学生でしたし、東京にも行けなかったので、オーディションで来たときも『すごい!』っていつも思っていました(笑)」と過去の自分と役を重ねる。

東京という憧れの土地で、自ら殻を破って一歩踏み出す決意をするみね子。では、有村は――?

「20歳の瞬間、ありました。17歳で本格的にお芝居を始めてまだ3年くらいで、ちょっとだけお仕事に慣れてきて、『楽しいな』って思える瞬間が出てきたときだったんです。でも、イマイチお芝居に対してもう一歩が踏み切れなかったというか…。『これじゃダメだな』って思う状況がずっと続いて、このまま行くとずっと変わらないなと感じていたのが19歳。『じゃあ、20歳の節目で変われるようになろう』って決意しました。小さなものだったとは思うんですけど、このお仕事をさらに頑張って続けていく覚悟ができた気がします」。

ヒロイン発表会見で、「有村架純の代表作を更新したいと思っています」と語っていた岡田氏。有村も今回の現場では「第一声から、みね子になれた気がしてます」と、手応えを感じているのかもしれない。決意の瞬間から4年…ここでまたひとつ、新たな代表作が生まれる予感がする。(modelpress編集部)

有村架純(ありむら・かすみ)プロフィール

生年月日:1993年2月13日
出身地:兵庫県
身長:160cm
血液型:B型

2010年「ハガネの女」(テレビ朝日系)でドラマ初出演。その後は、「SPEC」(2010年、TBS系)、「11人もいる!」(2011年、テレビ朝日系)など数々の作品に出演し、2013年放送のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」で、小泉今日子の若かりし頃を演じブレイク。2017年の出演作には、ヒロインをつとめる連続テレビ小説「ひよっこ」のほか、映画「3月のライオン」「関ヶ原」「ナラタージュ」がある。
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