「美女採集」清川あさみ、出産を大島優子も祝福 産後その裏側を初告白 モデルプレスインタビュー
2017.01.21 08:00
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写真に刺繍を施すという独特な手法で、美しく繊細な世界観を作り出すアーティスト・清川あさみ。創作活動15周年となった2016年は、ライフワークとなっている「美女採集」の他、NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」のヒロインポスターやタイトル映像などのビジュアルを担当。10月には第一子が生まれるなど、公私共に充実の時間を過ごしている。人生の新たなステージに突入した清川がインタビューに応じた。
15周年の多忙の中、第一子を出産
― ご出産おめでとうございます。 すっかりママの顔をされていますが、出産を振り返ってみていかがでしたか?清川:ありがとうございます!夜中に入院し、産まれるまでは16時間程かかりましたね。赤ちゃんの角度が悪く、なかなか産むことができない状況なのもあって、病室で7時間くらい先生と奮闘。折り返し地点の頃には高熱で意識が朦朧となり、壮絶な状況で朝を迎えたんです。そのとき、たまたま「べっぴんさん」が流れていて旦那さんと観るという偶然がありました(笑)。
― ご自身が担当した作品を見ながらとは、感慨深い出産だったんですね。
清川:そうなんです。実は妊娠が分ったくらいに「べっぴんさん」のオファーをいただきました。朝ドラは多くの方が観ている作品ですし、“その日1日が前向きになれるような作品を作らないと”と、覚悟を決めましたね。妊娠中だったからか、自然と“胎教にいいもの”という意識になり、あの時期にしか作れなかった作品が出来上がったと思います。チビと一緒に作ったような感覚なので、出産時に「べっぴんさん」を観るのは不思議な感覚でした。
出産には各方面から祝福のメッセージが届く
― 女優の大島優子さんをはじめ、多くの方から出産の祝福メッセージが寄せられた清川さん。大島さんとは姉妹のように仲良しだそうですね。清川:「AKB48×美女採集」をきっかけに意気投合して以来、仲良くさせていただいてます。優子ちゃんのファンには、お姉ちゃんの「あーちゃん」って呼ばれる事も(笑)。「優子ちゃんと昨日握手してきましたよ」などの情報をファンの方から教えてもらうことも多いんです。ファンの子もすごくかわいいし、私の作品のことも好きでいてくれる子がいたり、作品を通して色々なつながりを実感しています。
ライフワークとなった「美女採集」で築いたもの
― その「美女採集」は、女優、アーティストをはじめ、多くの方から出たいと声が上がるほど人気。評価されることはどう受け止めていますか?清川:自分ではあまり実感がないんですが、女優さんにお会いしたときに「展覧会に行ってきました!」とか、マネージャーさんが「本人がスケジュール調整して出たがってます」とおっしゃっていただくことも多く、いつも驚いています。もともと女性に興味があり、女の人が見る女の人のグラビアをやりたくて、趣味で「美女採集」を始めたんですね。始めは一般の人を採集していたんですが、こんなにシリーズが続き、みんなが知ってくれる作品になるとは思ってもみなかったです。
女性は毒があるからこそ美しい
― 「美女採集」では繊細な刺繍や色使いなど、そのセンスに驚かされます。清川:いろんな女性の性格や本質を覗いてたら、オタクみたいにいろんなものが見えるようになってきて。「美女採集」は、人の本質をキャッチする能力を生かして、採集した方を植物や動物に例えています。その意図を伝えるとご本人は見抜かれたことに驚かれることも多いですね。美しいだけでは、「キレイでいいわね」で終わってしまうけど、その裏側には、努力、失敗、コンプレックスがあるもの。きれいな装飾をしているけど、蓋を空けるとその中には毒もある、というのが「美女採集」なんです。
― 人の本質を見抜く洞察力が生かされているんですね。
清川:女性って強いし、ものすごく変化するし、私の中で興味がつきません。子供を産んだり、仕事したり、とにかく忙しい女性を勇気づけるというのも、自分の中で「美女採集」のテーマになっているのでこの“採集”はずっと続いていきたいと思いますね。
どの角度から見ても違う子供はまるで唯一無二の“作品”のよう
― 出産を経て、創作活動に変化はありましたか?清川:妊娠中はホルモンのバランスで多少創作意欲が落ちる瞬間がありましたが、頭にイメージが湧いてきていたし、創作ペースはほぼ変わりません。ただ、今は仕事の合間にも子供との時間を作るようにしています。撮影中でも10分顔を見に家に帰ったり。大変と思うこともないし、育児の苦労話も色々と聞いていたので覚悟はしていましたが、想像以上に毎日が楽しいしかわいくて。子供って毎日進化しているし、どの角度から、どの状態から見ても違うんですよね。
― 育児も楽しみながら、創作活動を両立されているんですね。
清川:忙しい私達夫婦に上手いタイミングで子供がやってきてくれて、これは神様から15周年の私へのプレゼントかなと。人生の鍵になる“作品”が誕生したなと思っています。
― ママになってもスタイルが変わらず、ファッションも素敵な清川さん。本日のコーディネートのこだわりを教えてください。
清川:今日は「N°21(ヌメロ ヴェントゥーノ)」のワンピースに、「Marn(マルニ)」のピアスを合わせました。私150cmなのでファッションを選ぶときは、サイズ命。ファッションってルーティーンだから、サイズさえ合えばずっと着られるんです。ただ、肌触りだったり素材は大事。着た瞬間に、チクッとして「痛っ!」となるのはストレスを感じてしまうので、着ていて気持ちいいと感じるものを選ぶようにしています。ハイブランドのものもあるけれども、手頃なアイテムをミックスするのが好きで、今日もカーデイガンは随分前に購入したものです。SNSでは楽しい瞬間や“この服かわいい”って思ってアップしたりもしますが、家ではTシャツに半パンといった“お母ちゃん”みたいなラフな格好も全然していますよ(笑)。
個展「清川あさみ展」を京都で開催
― そんな意外な一面もあるんですね(笑)。1月21日から京都の美術館「えき」KYOTOで個展を開催される清川さん。今の心境をお聞かせ下さい。清川:2016年は人生がぐるっと変化した年になりました。京都での個展は、本に刺繍した「わたしたちのおはなし」、新しい手法に挑戦した「I:I」、全部ではないですが「美女採集」などを展示し、清川あさみってこんな作品も作るんだって、一気に見られるものになっています。京都は私たちにとって縁がある場所なので、ここから新たなスタートを切っていけることを嬉しく思っています。さらなる新しい自分を見せていけるように創作を続けていきたいですね。
強運の持ち主 願いが運を呼び寄せる
― 最後に、清川さんが思う夢を叶える秘訣とは?清川:18歳の頃からまったく休みなくお仕事をしていて、今の姿は想像していなかった。自分から夢を掲げるタイプではないのですが、目の前にあるものに感謝しながら、全力で取り組んできた積み重ねだと思っています。続けていくことと同じくらい、願うことも大切。美女でいうとナタリー・ポートマンとお会いする機会があったり、ティム・バートンに会いたいと思ってたら彼をモデルに作品にする機会があったり、アラーキー(荒木経惟)と仕事したいなと思ってたら、1年後に作品を撮って頂きました。谷川俊太郎さんと作品を作りたいなって思っていたら、絵本を共作する事などが実現したんです。願うことで、引き寄せてくれたのかもしれません。ただ、どんなチャンスでも不安や心配がついてまわるもの。でも“どうにかなる”って飛び込むんですよ。自分を高く見積もるのではなく、どんなときも肯定し信じてあげることが大切だと思っています。
― ありがとうございました。
女性を観察することが好きという好奇心が道を切り開き、生きることすべてが創作活動へと結びついていく清川。彼女の目を通すと、アーティスティックに変貌を遂げ、見たものの心にダイレクトに響かせてくれる。そんな彼女の作品に今後も注目していきたい。(modelpress編集部)
ヘアメイク:向井理沙(Aqure)
「清川あさみ展」
期間:2017年1月21日(土)~2月14日(火)場所:美術館「えき」KYOTO
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