森川葵、結婚は「現実的」「近いもの」―“直感を信じる”恋愛観と女優論 モデルプレスインタビュー(C)モデルプレス

森川葵、結婚は「現実的」「近いもの」―“直感を信じる”恋愛観と女優論 モデルプレスインタビュー

2016.11.01 07:00

女優の森川葵(21)が、モデルプレスのインタビューに応じた。ドラマ、映画と次々に活躍の幅を広げ、“カメレオン女優”と称されるほど、役によってその表情を変える彼女が新たに挑戦しているのは、NHK初主演作となるドラマ「プリンセスメゾン」(NHK BSプレミアム/毎週火曜23:15)。演じるのは、26歳、彼氏なし、結婚の予定なし、居酒屋勤務、だけど家を買う―そんなミステリアスな主人公だ。

  
同ドラマは池辺葵氏による原作コミックを実写化。「マンション購入」という夢を持つ主人公“沼ちゃん”こと沼越幸が、家探しを通じてさまざまな人と出会い、生き方を模索していくヒューマンストーリー。普段は無口で掴みどころのない雰囲気だが、夢のために懸命に生きるまっすぐな幸を、森川はピュアな魅力たっぷりに演じている。

森川葵/「プリンセスメゾン」より(画像提供:NHK)
― 今回、主人公・幸を演じるにあたってどのようにして現場に入っていきましたか?

森川:原作者の池辺葵さんが「ドラマと原作とではちょっと違った沼ちゃんのイメージがある」とお話されていたのを聞いていたので、「どうやって私は動いたら良いんだろう?」と不安が大きかったです。それから何回も何回も原作を読んだのですが、その度にわからなくなって、台本を読んでもつかめなかった。これはもう現場に行って動いてみるしかないと思ったので、監督と「ここはこうだ」、「こうじゃないかもしれない」、「もっとゆっくり頷いてみよう」と話しながら作っていきました。完成したものを観た時に、ドラマならではの、でも原作とも離れすぎない世界観を作れたんじゃないかなと思って安心しました。

― 演じる中で、幸をつかむことができた感覚はありましたか?

森川:クランクインして1日目2日目くらいは、ずーっと沼ちゃんの家のシーンを撮影したんです。最初は「これでいいのかな?」っていう感じだったんですが、沼ちゃんが一人で今まで暮らしてきた場所での行動っていうのが全てのベースにあるんだなと感じることができました。その後で、周りの人たちと関わるシーンを撮ったので、周囲の支えで沼ちゃんがどんどん成長していく姿を自然と演じられたし、自分も新しい沼ちゃんを見つけられたと思っています。

森川葵/「プリンセスメゾン」より(画像提供:NHK)

森川葵が影響を受けた人物

― 沼ちゃんが様々な人との関わりの中で成長していく姿がこの作品のテーマにもなっていますが、森川さんは誰かに影響されたりするタイプですか?

森川葵(C)モデルプレス
森川:あまり誰かに影響されたりせずに、自分を大事にしたいとは思いますが、気付かないうちに影響を受けているんだろうなとは思います。特に母親の影響は一番大きいと思います。子供の頃からずっと見てきているので、母が強いのも知っているし、私も母のように強くて、一人でも何でも自分できるような女性になりたいんです。

― では森川さんの思う理想の女性は“強い女性”?

森川:うーん、生きてることだけでもう素敵だなって思います(笑)。たとえば家がほしいとか、服が欲しいとか、自分の好きなもののために働いている。それだけで、自分のしたい事のために生きてる感じがするし、大きな目標や夢でなくても、それだけで素敵だなって思います。

「自分にふさわしい作品は自ずと近づいてくる」

― 幸に共感できる部分はありましたか?

森川:私も今家を探している最中なので、自分の場所を求めるという感覚はすごくわかります。人に対して自分の場所を求めるのではなくて、家っていうものに自分の居場所を求めている感じ。私も休みの日は一人で引きこもって過ごす時間が長くて家は大事な空間なので、そこはすごく共感しました。

深川麻衣、森川葵/「プリンセスメゾン」より(画像提供:NHK)
― 森川さんも一人暮らし中とのことですが、居心地のいい家にするためにこだわっていることはありますか?

森川:リフレッシュしたいときは家をキレイにすること。結構散らかしてしまうタイプなんですが、それをバッと片付けて、洗濯物も済ませてゴミも全部捨てて、部屋から何もなくなるぐらいキレイにした時に「あー、気持ちいい!」ってなります(笑)。ものを溜め込むと、どんどん苦しくなっていくような気がして。「これじゃダメだ!」って思い立ったら一気に捨てるようにしています。

― 沼ちゃんは「マンションを買う」という夢に向かって一直線なタイプですが、そこは森川さんと重ねていかがですが?

森川:私は今まで「こうなるんだ!」と決めたり、「これがやりたい」って思ったりすることがあまりなく生きてきたんです。「人生、生きていればどうにかなる!」くらいの感じで。なので、一つの目標に向かって走っていく姿は自分の中にはないかもしれないなと思いました。

― それはお仕事の面でも同じですか?

森川:そうですね。「この役がやりたいからこう動こう」ということはなくて、その時の自分にふさわしい作品は、自ずと向こうから近づいてくるんじゃないかなと思っているんです。自分が良くなっていけば良い作品も近づいてくる。だから今この役に出会えたのも意味があるんだろうなと思います。もちろん、台本を読むとか自分でやらなきゃいけないことはありますけど、しっかり自分が生きていたら何とかなるんじゃないかなと思います。

結婚は現実的「素敵な人に出会えれば…」

森川葵(C)モデルプレス
― 幸と同じ26歳の女性にとって転機があるとしたら、家を買うことよりも結婚のほうがより現実的な気がします。森川さんは21歳ですが、家を買うことと結婚することではどちらがより現実的ですか?

森川:どちらもすごく現実的です。私は本当に素敵な人がいれば、いつ結婚してもいいなと思っているんです。もちろんその相手がいればですけど、結婚は近いものだと思っているんです。家を買うのも、このドラマに入る前から「家を買ってもいいんじゃないか」みたいなことを考えていたんです。「家賃を結局払うんだったら、買うのもありなんじゃないか?」って。だけど4年後にはオリンピックもあって今はどんどん高くなっている時期だから「今じゃないな」と思いとどまりました(笑)。

― とても現実的ですね(笑)。

森川:はい。家を買うのはあと4年待たなきゃいけないので、もしかしたら結婚の方が自分には近いのかもしれないです。

― そういった大きな決断をするのは勇気がいることだと思いますが。

森川:私はすぐ決断しちゃいますね。「あ、これだ!」って思ったら迷いません。迷いがある時は自分の中で何かダメなところがあるんだろうなと思っているので。これだと決めたらすぐに動きます。演じるときもプライベートでも直感を信じるタイプです。

― ありがとうございました。

「難しいことは考えすぎない。なんでも直感です」とさらりと言って笑う森川は、ふわっとしていてどこか掴みどころがない。だけど芯の通った強さがあって幸にそっくりだ。幸の成長とともに森川がこの作品を通して見せる新たな一面に期待したい。(modelpress編集部)

「プリンセスメゾン」あらすじ

森川葵/「プリンセスメゾン」より(画像提供:NHK)
東京。居酒屋の連なる駅前を過ぎ、狭い脇道を通り抜け、高層ビルが建ち並ぶ街のアパートに暮らす沼越幸(26)。トレードマークの三つ編みで幼く見える幸は、街にあるマンションギャラリーに通うのが休日の日課である。彼女を迎える持井不動産のマンションギャラリーでは、お客様の案内を務める伊達政一(35)、受付の女性・要理子(39)、阿久津(23)、新人研修中の奥田くん(22)が働いている。冷やかしとは思えないほど真剣にモデルルームを吟味し、プロ顔負けの質問をする幸。「地上の楽園」を求めて集うカップルや家族連れに紛れて1人で淡々と見学に通う幸の存在は彼らの中の密かなミステリーとなっていた。なぜ、彼女はひとりでマンションを買おうとしているのか…。実は、家族の集う「家」を突然失った過去があったのだ。

森川葵(もりかわ・あおい)プロフィール

生年月日/1995年6月17日/出身地:愛知県/趣味:睡眠

2010年、女性ファッション誌『Seventeen』専属モデルとしてデビュー。2012年に女優デビュー、『スプラウト』(日本テレビ系)でドラマ初出演。主な出演作に映画『スクールガール・コンプレックス‐放送部編‐』(13年)、映画『渇き。』(14年)、映画『チョコリエッタ』(15年)、映画『おんなのこきらい』(15年)、ドラマ『ごめんね青春!』(TBS系/14年10月)、ドラマ『監獄学園‐プリズンスクール‐』(MBS・TBS系/15年10月)など。『テディ・ゴー!』で連ドラ初主演を飾る。2016年は映画『NINJA THE MONSTER』『ドロメ【女子篇】【男子篇】』『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』などに出演。さらに映画『金メダル男』(10月22日公開予定)『花戦さ』(2017年公開予定)も控えている。またドラマでは『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系/16年1月)『遺産相続弁護士 柿崎真一』(読売テレビ・日本テレビ系/2016年7月)などに出演。映画「A.I.love you」が12月10日より全国順次公開される。
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