映画『いきなり先生になったボクが彼女に恋をした』で初の主演をつとめるイェソン/モデルプレスは沖縄ロケ中にインタビューを実施(C)2016「いきなり先生」製作委員会

SUPER JUNIORイェソンの夢が叶うとき―11年目で立ったスタート地点「普通では終わらせない。命をかけて取り組む」 モデルプレスインタビュー

2016.09.01 06:00

韓国アーティスト・SUPER JUNIOR(スーパージュニア)のイェソンが今年1月、佐々木希とW主演をつとめる映画『いきなり先生になったボクが彼女に恋をした』(11月3日公開)のロケを沖縄県で行った。初の主演映画にして日本語での演技に挑戦、さらに主題歌「雨のち晴れの空の色」も自ら担当する意欲作。このころ、映画出演に加えて韓国でのソロ1stアルバムリリース、さらに初の日本全国ソロツアー開催などのビッグニュース発表を控えていた彼は、モデルプレスのインタビューに対して「今まさにスタート地点に立っているような感覚」と語る。イェソンというひとりのアーティストが、デビュー11年来の夢を実現させる瞬間。そこにかける意気込み、胸に秘めていた率直な思いとは?

  
― 今回の『いきなり先生になったボクが彼女に恋をした』は“ロマンティック・ラブストーリー”というジャンルで、クスッと笑えるコメディのテイストもあり、とても温かい愛のあふれるお話ですね。

イェソン:最初に脚本を読んだ時、「面白そうだな」と思いました。でも“ロマンティック・ラブストーリー”というジャンルを演じるのは初めてでしたし、やはり日本と韓国では文化の違いもありますので、とにかく台本をしっかり理解するところから始めました。その上で、この作品はラブロマンスというよりも、どちらかといえばヒューマンドラマであり、家族にまつわる物語で、同時にヨンウンの人生を表現していると思いました。だから僕がこれまで生きてきた経験に沿って表現をすれば、さらに面白くできるんじゃないかなと。ところどころ上手く理解できないところも出てきましたが、自分の経験と調和させることができれば、と意識して演じています。

イェソン、佐々木希(C)2016「いきなり先生」製作委員会
温かな家族の物語(C)2016「いきなり先生」製作委員会
― 昔から映画をたくさんご覧になっているようですね。

イェソン:はい。映画は本当にたくさん観ていて、沖縄にいる間にも23本観ました。

― ご自身の人生や価値観に特に影響を与えた作品を挙げるとしたら?

イェソン:好きな映画はいろいろあってジャンルは問わないんですが、生きていく中で自分自身を振り返ったり、考えさせられたりする映画というとやはり家族をテーマにした作品ですね。SNSでもよくおすすめの映画を紹介したりしますが、例えば『みんな元気(Everybody's Fine)』(2009)というロバート・デ・ニーロさんが主演した映画。これは家族とは、そして子供とは何なのかを本当に考えさせられる映画でした。

日本の映画では『明日の記憶』(2006)も好きですし、映画に限らずアニメや漫画も好きで、子供の頃は『スラムダンク』や『ドラゴンボール』が僕のメンタルに強い影響をもたらしました。それと宮崎駿さんのアニメーションも本当に感じ取ることが多い作品ですよね。もうこれからは作品を作らないという記事を読んだ時は本当に悲しかったです。僕の人生の中の楽しみのひとつが失われたように感じるほどでした。

― ご自身が「いい」と思った作品はその魅力を伝えていきたい?

イェソン:そうですね。個人のSNSだけでなく、韓国のポータルサイトで僕のおすすめの作品を紹介したこともあります。

― これまでの人生を振り返って、ターニングポイントを挙げるとしたら?

イェソン:当然デビューの時だと思いますが、表向きのターニングポイントではなく、僕自身の内面的な部分で言えば、デビューするまでの2年間、そしてデビューしてからの3年間が挙げられると思います。これは似ているようで全く違うんですが、この5年間というのはトータルして、いつも悩んでいたような気がするんですね。そしてこの悩んでいた時間は僕自身を強くしてくれた時間でもありました。

― 壁にぶつかった時はどのように乗り越えてきましたか?

イェソン:壁にぶつかった時、何よりも最初に考えたのは家族のこと。次に自尊心。この2つを考えながら踏ん張ることができたと思います。

― 「自尊心」について具体的にお聞かせいただけますか。

イェソン:もともと負けず嫌いなタイプなんです。先ほど5年間を「悩んでいた」と表現しましたが、自尊心が傷ついた時間でもありました。でも、それが逆に災い転じて福となり、もっと努力する自分自身を見つけることができたんですね。それまでも努力はしてきたと思いますが、「これじゃなきゃダメだ」という切迫感はその頃に生まれてきた気がするんです。そういう痛みを通じて、もっと強くなれたような気がします。

― 約2年の活動休止を経て昨年、SUPER JUNIORに復帰。ソロ活動も充実している今、すごくいきいきとして見えます。

イェソン:本当にこれからが始まりだと気持ちを新たにしています。デビュー11年目ではありますが、全てが新たに始まっているような、スタート地点に立っているような感覚です。やりたいことはいろいろありましたが、今それがひとつずつ実現している、ようやくできるようになったという気持ちで。だからこそ「普通では終わらせない」という意気込みを持って、本当に命をかけて取り組んでいます。

― スタート地点に立った今、これから先の未来をどのように見据えていますか?

イェソン:今はいろいろなことを同時にやっているので時間が足りないというのも事実なんですが、ずっと前からやりたかったこと、何年もかけて準備してきたことに取り組んでいる充実感を噛み締めているところです。演技もずっとやりたかった。歌を歌う人が演技をすることに対して、時に否定的な見方をされることもあるようですが、これからも積極的に挑戦していきたいです。

そして、僕はグループのリードボーカルなので、ソロアルバムを大きな目標として音楽を作り続けてきました。今いろいろな方と協力しながら、試行錯誤して準備に取り組んでいるところです。やりたい音楽があったからこそ時間がかかったとも言えますが、今は急いでアルバムを出すよりも、自分のやりたい音楽をしっかり準備して発表したい。随分後ろ倒しにはなってしまいましたが、よりいい音楽をみなさんにお届けするために必要な時間だったと考えているので、期待していてほしいと思います。

今年、楽曲をリリースする計画がありますが、それは数年間ずっと僕が作ってきたものがついに世の中に姿を現すということでとても緊張しています。みなさんも楽しみにしていて欲しいですし、待ってくれていたみなさんにお見せすること、聞いていただけることを考えるだけでとても幸せです。(※2016年4月、韓国でソロアルバム『Here I Am』をリリースした)

― モデルプレス読者に“夢を叶える秘訣”のアドバイスをお願いします。

イェソン:僕も長い間、歌手になることを夢見て、俳優になることを夢見てデビューしたわけですが、5年の練習生期間を経て、本当に紆余曲折が多いメンバーの1人でもあったと思います。当初は関心も持たれていませんでしたし、黙々と、誠実な時間を過ごしてきたタイプでしたから。

冷静に考えると、やはり大事なのはしっかりと結果を出すこと。結果を出すためにはもちろん努力や才能も必要ですが、何よりも大切なのは目標意識をしっかりと持つことではないでしょうか。僕の場合、歌手になるということは僕1人の夢ではなく、家族にとっての夢でもありました。だからこそつらい時や「諦めたい」と感じた時も、家族がいて、家族が諦めなかったからやり遂げることができたと思うんです。みなさんも切実な目標意識を持って、切実に夢を追い続けてほしいと思います。

▼モデルプレスでは後日、イェソンが映画『いきなり先生になったボクが彼女に恋をした』の役作りや佐々木希との共演エピソードを語ったインタビュー第2弾を配信予定。(modelpress編集部)

映画『いきなり先生になったボクが彼女に恋をした』(2016年11月3日公開)

イェソン&佐々木希W主演/映画『いきなり先生になったボクが彼女に恋をした』(C)2016「いきなり先生」製作委員会
イェソン(SUPER JUNIOR)と佐々木希が初共演でW主演。『武士の献立』(13)、『愛を積むひと』(15)の朝原雄三監督がメガホンをとったロマンティック・ラブストーリー。彼女にフラれ、沖縄出張中に会社もツブれたヨンウン(イェソン)と、韓国語をマスターしなければ会社をクビになるシングルマザーのさくら(佐々木)。さくらがヨンウンに韓国語の個人レッスンを頼んだことをきっかけに距離を縮めていく2人をコミカルに描く。2016年11月3日(木・祝)全国ロードショー。

イェソン プロフィール

イェソン(SUPER JUNIOR)
1984年生まれ。マルチエンターテインメントグループ「SUPER JUNIOR」のメンバーで、リードボーカル。また、メンバー3名で構成されたユニット「SUPER JUNIOR-K.R.Y.」としても活躍している。韓国にて2016年4月、ソロとして初の1stミニアルバム『Here I Am』をリリース。自身初の日本全国ソロツアー「SUPER JUNIOR-YESUNG JAPAN TOUR 2016 ~BOOKS~」が9月1日、大阪国際会議場メインホールよりスタート。10月19日には日本初ソロシングル「雨のち晴れの空の色」(映画『いきなり先生になったボクが彼女に恋をした』主題歌)をリリースする。アーティストとしてはもちろん、俳優としても今後の活躍が期待される。

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