モデルプレスのインタビューに応じた若槻千夏(C)モデルプレス

進化して帰ってきた若槻千夏「全て整った、今がベストなタイミング」 4年間でつかんだ“自信と野望”語る モデルプレスインタビュー

2016.03.09 06:00

グラビア、バラエティ番組で一世を風靡した若槻千夏がまた、私たちの前に帰ってきた。テレビに映るその姿にブランクなどは一切感じられず、彼女のSNSには「また千夏ちゃんをテレビで見られて嬉しい」「相変わらず可愛くてめちゃくちゃ面白い」と喜びのコメントが殺到している。テレビ露出を控えた約4年間はアパレルブランド立ち上げを経て、デザイナー業に専念し、プロデュースするキャラクター「KUMATAN(クマタン)」は台湾で大ブレイク。「侍ジャパン」とのタイアップも実現するなど裏方での手腕が絶好調な中、なぜこのタイミングでタレント活動を再開しようと思ったのか。モデルプレスのインタビューで、以前より一回りも二回りも成長し、充実した今の心境を語ってくれた。

  

自分よりも有名になったクマタン「最初はちょっと悔しかった(笑)」

― 「クマタン×侍ジャパン」のタイアップはビッグニュースでしたね。3月5日の「侍ジャパン強化試合 日本 VS チャイニーズ・タイペイ」ではファーストピッチセレモニーをつとめられましたが、今回のタイアップの経緯をお聞かせいただけますか?

若槻:クマタンが去年から台湾で活動していまして、台湾の女の子たちが結構応援してくれて。そんな中、日本対台湾の強化試合ということで、台湾の女の子も知っているキャラクターのクマタンを選んでいただきました。侍ジャパンさんと組むことによって、女性の野球ファンをもっと増やしていこうという意図もあり、すごく光栄なことですね。私たちにとっても、野球ファンの皆さんにクマタンを知ってもらえるのはすごくありがたいことなので。

― はじめから「クマタンを世界に発信していこう」というビジョンがあったのですか?

若槻:本当に何も狙ってなかったです(笑)。なんかこう、狙ったものほど違う方向に行ってしまうことが多いと思っていて。もともと洋服をやっていた時(※2009年に立ち上げたブランド『w◆c(ダブルシー ※◆=ハート)』。2013年をもって退任)に、デザインの中に入れたキャラクターで。そこから人気が出て、アパレルではなくキャラクター会社を立ち上げることになった時は、色んな人に好きになってもらえるキャラクターになったらいいなという夢はありましたけど、まさかこうして本当に台湾で仕事ができるとは思ってなかったです。今ではクマタンに台湾名がつくぐらい活躍してくれて、すごくありがたいですね。

― ここまで大きくなることは想定していなかったんですね。

若槻:正直、今台湾では知名度で言うとクマタンが私よりも有名なんですよ(笑)。“若槻千夏が生みの親”という部分を売りにしていたものが、台湾に行くとちょっと逆転するというか。「クマタンのデザイナーです」みたいな紹介の仕方をしてもらえるので。まさか自分よりも有名なキャラクターになるとは全く思っていなかったですね。最初はちょっと悔しくて「もう!私もなんか台湾で活躍したい!」とか思ってましたけど(笑)、今はクマタンと一緒に協力しながら、日本と台湾のエンターテイメントのつながりを強くできたらいいなと思っています。

― 今後はどういった展開を考えていらっしゃいますか?

若槻:本当に今回は、まさか侍ジャパンとオフィシャルでタイアップしていただけるとは思わなかったので、その看板を背負った以上「ちゃんとしなきゃいけない」ってすごく背筋がピンと伸びる思いを改めて感じることができました。そういう意味では、私が今、また露出を始めたタイミングとクマタンが活躍するタイミングがうまく重なれば、侍ジャパンの皆さんにも「クマタンとやってよかったな」と思っていただけると思いますし。これから先もこのようないい企画をやっていけたらなとは思いますね。

「表と裏」を経験した今―「私の中では全て整った」

― 今少しお話が出ましたが、テレビ露出のほうも好調ですね。

若槻:たまたまです!本当にオンエアが重なっただけで、そんなにたくさん出てないですよ(笑)。

― 率直な心境はいかがですか?

若槻:バラエティは今のほうが楽しいですね。

― たくさんご出演されていた数年前よりも?

若槻:そうですね。一番出ていた時に比べて、今の出方のほうが個人的にはすごく楽しいです。

― それはなぜでしょうか?

若槻:なんでですかね?多分、昔出ていた時は自信がなくて。もちろん今もないんですけど、バラエティに関しては。昔は「私はなんのために?」みたいなことをやたら考えていて。「今後何になっていくんだろう」「これを一生続けていくのだろうか」という疑問をふと考えてしまう年齢だったんですね。ハタチ弱で、すごく忙しかったので。

― バラエティ番組は特にキャラクターが求められるので、日々の葛藤も大きかったと思います。

若槻:自分にとにかく自信がなくて。それで一回「自分に自信が持てるものを探そう」とちょっとお休みすることにして、洋服やキャラクターのビジネスに専念したんですけど、その中で色んなことを経験して、社会の仕組みをちょっと理解できたといいますか。

実際まだまだなんですけど、もともと表の仕事しかしていなかったので、裏の仕事とか全然わからなくて。現場に行ったらお弁当があって、メイクされて、写真撮って…みたいな流れが全て当たり前だと思っていたんです。それがいざ自分が裏方になった時、カタログ撮影のキャスティングからアルバイトの面接まで全部自分でやってみたら、メイクさんにこのぐらいの予算がかかって、お弁当をこのぐらいのタイミングで注文して…とか色々。当たり前だと思っていたことが、実は裏で色んな人に支えられているっていうことに気づいたんですよね。まぁ普通に考えたらわかるんですけど、表に出ていた当時の私には気づけませんでした。

― 若槻さんはスカウトからのデビューだったので、なおさらですよね。

若槻:そうですね。自分はオーディションを受けたわけでもなく、ボーッと歩いてたところをスカウトされたので、本当に苦労を知らないんですよね。そういう意味では「自分で一回苦労しなきゃいけないな」と気づけたことはよかったです。当時の私はすごく色んな人に迷惑をかけてしまっていたので、恩返しじゃないですけど、今はちゃんと頑張ろうと。

― 表と裏を一通り経験したことが、露出再開のタイミングにつながったということでしょうか。

若槻:はい。「色んな人がいて若槻千夏が成り立っている」と気づいた時、これを全部しっかり会社としてやれれば、自分が個人で出て行った時にもうちょっと人間としての説得力が出るんじゃないか。そういった意味での「今」ですね。もうちょっと歳をとってしまったら、それはそれで違うと思いましたし。この金髪も今ならギリギリ許されるみたいな(笑)。皆さんほどではないかもしれないですが、私なりに社会経験をして、やっと色んな人の立場に立ってものごとを考えられるようになった今、昔みたいに安易なことだけで場を繋ぐようなトークはしないですむんじゃないか。そう感じたんですよね。

― なるほど、経験に裏付けられた自信ですね。

若槻:「なんでこのタイミングで出るの?」ってすごく聞かれがちなんですが、わかりやすく言うと私の中では全て整ったというか。前の自分の「なんでこうなる?どうすればいい?」という不安が今はなく、全てがクマタンに繋がればいいし、クマタンも全て若槻千夏に繋がればいいなという。自分の中にすごく堅い芯ができた今がベストなタイミングだったんじゃないかなと思っています。

去年、キャラクタービジネスの関係者の方々に「なんでテレビ出ないの」ってすごく言われたんですね。「テレビに出たほうが絶対にいいじゃん、宣伝にもなるし」って。私自身、そのスタンスを拒否していて、テレビで「クマタンですよ」と宣伝するのって、ちょっと自分の中では今までやってきたバラエティの形とは違うなというか。何も宣伝がなくても一生懸命出るのが自分らしかったのに、「宣伝だから来ました」というのは、これまでずっとテレビに出てきた方々に対して、すごく失礼だと思っていたんですよね。

でも結局キャラクターもエンターテイメントで、テレビという仕事もエンターテイメントだから、宣伝かどうかに関わらず、若槻千夏が出るっていうことがエンターテイメントの一つで。それがクマタンに繋がればいいから、別にもう一回出てもいいんじゃない?と。そういったことを仲の良いプロデューサーの方に言われて、ちょうどそのタイミングでクマタンの会社に密着したいというお話(※2015年7月放送の日本テレビ系『人生が変わる1分間の深イイ話』。4年ぶりのテレビ出演)があったので、じゃあ久々にやらせていただこうかと。そこからですね。「若槻さんってテレビ出るんですか?」とお問い合わせをいただくようになって。

― 久しぶりに出演するテレビで変化を感じたことは?

若槻:今のところ特に感じないですね。あっ、でもこの間AKB48の若い方たちと一緒にお仕事したんですけど、16歳なんですね。そうなってくると、私と16歳違うわけですよ(笑)。私は当時一番年下ですごくドキドキしていたのに、今現場に行ったら年下ばかりで。そういうのは若干ありますね。「あ、時が経ったな」と。でもやっぱり以前にも共演していた方々が多いので、そこは「おっ、久々だな」みたいな。意外とドライで、そこまで私にフィーチャーしていないです(笑)。

― でも本当にブランクを全く感じないですね。

若槻:昔からいましたよ、ぐらいのテンションでやってますけどね(笑)。最初はブランクを感じようとしていた自分がいたんですけど、しれっと座ってしれっとこなしたほうが、なんかしれっと編集してもらえて(笑)。“ずっといる感”出してるけどいっか!みたいな。しばらくテレビから離れていた人が、久々にテレビつけて「えっ、若槻が久々に出てんの?俺が久々にテレビ見たの?」っていう、ちょっとした錯覚が起こればいいなと(笑)。

― ファンの皆さんからは「またバラエティで見られて嬉しい」という声が本当に多いですね。そういう反応はやっぱり嬉しいですよね?

若槻:でも私、そこの自覚がなくて。ずっとバラエティの人に言われていたのが「ファンなんてゼロだと思ってやったほうがいいよ」と。そうしないと上から目線になっていくというか。「ファンは~」って言うのってちょっと上からっぽいじゃないですか。10代の頃の私も「確かにそうだな」と思ったので、そこからはもう私のことなんて誰も知らないと思ってやってこうと。なので私がテレビに出たからって喜ぶのは…うちの両親ぐらいですかね、めっちゃ喜んでますよ(笑)。あと親戚が喜んでます(笑)。クマタンに関してはすごくファンの方がいるので、そういう意味では「作っている人、こんなに下品なしゃべり方なの?」とか、そういうマイナスイメージはつけないようにしようとは心がけています。

― 復帰された時、ブログでは「需要があって成り立つ仕事」と書かれていましたね。

若槻:有吉(弘行)さんに言われましたけどね。「お前に対しての需要なんてすぐ生まれねえ」って(笑)。確かにって思いました(笑)。

― 若槻さんが今見せていける“強み”とは?

若槻:強みは…「久々の露出」じゃないですか?(笑)「久々なんですよ」って言ったら何個かいただける仕事があるので、それが多分私の強みで。これをいかに本当の強みに変えられるかっていう。久々だから一回呼んで終わりじゃなくて、それをつなげていく作業がバラエティなので。今は久々っていうのを頼りに、しれっと居座ってるくらいです(笑)。

“タレント”若槻千夏がクマタンに託す夢

― お話を聞いていると、人生の計画というものをカッチリ決めてきたわけではないけれども、さまざまな選択肢の中で冷静に判断し、しっかりとした理由をもって進んできたという印象です。

若槻:決めてないですね、本当に決めてないです。休むとかは自分でも極端だなとは思いましたよ。「来年からちょっと休みます」って言ったら、社長とか本当に言葉を失っていたので(笑)。今は全然大丈夫ですけど、当時は笑い話じゃなかったんで。なんかそういう意味では、常に自分は極端な人間だと思っています。でも今は家族もいるので、相談をちゃんとして、できるだけ極端にならないように。大人にもなったし、前のように極端な選択はしないですね。「イエスかノーか」をはっきり言うタイプというのは昔から変わらないですけど。

― 人生のあらゆる選択には、壁にぶつかることや後悔、迷いがつきものだと思うのですが。

若槻:そういう時は「しょうがないか」ってなります。それで悩んでてもしょうがないし、結構ドライですね。できるだけ自分のせいだと思うようにします。自分のせいでこうなっちゃったんだろうなって。

― 最後に、今の野望をお聞かせいただけますか?

若槻:野望かぁ…。もっともっとクマタンが世界で活躍できるように、私が日本でサポートできたらと思いますね。個人のタレントであれば誰しも「世界進出したい」っていう願望を抱くと思うんです、口には出さなくても心のどこかしらで。でも私はクマタンのビジネスを通じて、言葉の壁や文化の違いが思ったよりも高いことを痛感したし、自分の身の丈を知っているので、語学もままならない中での世界進出は無理だろうと。

ただ、私が作ったクマタンというキャラクターが世界に行けているというところが、今の私の得であって。だからもう自分の子供じゃないですけど、自分ができなかったものを全てクマタンに託してるんですよ。そこで「若槻千夏として出来ることは何なの?」って考えたら、おしゃべりしかないですよね。しれっとしゃべり続けることなので、その部分でうまいこと、クマタンと私が共有できたらいいなと思います。

― ありがとうございました。

やりたいことや夢が見つかっても、自分が本当にそれを実現できるのか。何かを得るためには、何かを諦めなくてはならないかもしれない。10代で思わぬ芸能界入りとなった彼女もそんなことを考えて、キラキラした表の世界から一転、実力勝負の裏方に回ることを決断した。

一度落ち着いた場所から離れて、新しい世界に飛び込むことは怖いし、勇気がいる。それを何度も経験して成長した彼女の強さと、そこから出る「自信」という言葉を、モデルプレス読者である全ての女の子に届けたいと感じるインタビューだった。(modelpress編集部)

若槻千夏(わかつき・ちなつ)プロフィール

17歳の頃、渋谷109でスカウトされデビュー。その年からグラビア界を席巻し、名だたる雑誌の表紙を飾り一躍トップグラビアアイドルに。バラエティ向きのキャラクターもうけ、人気を集める。かねてから興味のあった古着の買い付けを海外で学び、2009年、自身のアパレルブランド『w◆c(ダブルシー ※◆=ハート)』を発表。デザイナー・プロデューサーとして活躍。2012年には東京コレクションへも参加した。2013年に同社ブランド退任。以降、自身のキャラクター「クマタン」のデザイン&プロデュースを行い、さまざまな企画を展開している。

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