間宮祥太朗が語る「近所のコンビニ店員」「初主演ドラマで最高の出会い」「8年目の本音」 モデルプレスインタビュー
2016.01.09 23:06
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ドラマ「学校のカイダン」「ちゃんぽん食べたか」、映画『ライチ☆光クラブ』など話題作出演が相次ぐ若手実力派、間宮祥太朗(22)がモデルプレスのインタビューに応じた。待望のドラマ初主演作は、彼自身も「いい意味で、期待を裏切ることができた」と話す異色の“コンビニコメディ”。私生活でのコンビニエピソードから8年目を迎えた役者業への想いまで、勢いにのる今をたっぷりと語る。
間宮と浦井健治がW主演をつとめる連続ドラマ「ニーチェ先生」がHuluで1月14日独占先行配信スタート(読売テレビ=関西エリアは1月20日深夜1時29分~、日本テレビ=関東エリアは1月23日深夜3時~、その他日本テレビ系列にて順次放送スタート)。原作のコミック「ニーチェ先生~コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた~」(原作:松駒、作画:ハシモト)は、原作の松駒氏がTwitterに投稿したリアルなコンビニバイトライフを元に描かれたもので、130万部を突破した人気作。「神は死んだ」―とあるコンビニにやってきたさとり世代の新人バイト、“ニーチェ先生”こと仁井智慧(にいともはる)を中心に、個性的すぎるコンビニ店員たちの日常が描かれる。
新感覚の痛快コメディをドラマ化したのは「アオイホノオ」「コドモ警察」「勇者ヨシヒコ」などを手がけた福田雄一氏(脚本・演出)。ビジュアル解禁とともに「再現度がすごい」と反響を呼んだ間宮の“ニーチェ先生”、浦井の“松駒”をはじめ、元SKE48の松井玲奈、内田理央、松田凌、菅裕輔、シソンヌ・じろう、佐藤二朗ら個性派キャラが顔を揃える。
間宮:そりゃ行きますよ(笑)!もう毎日。毎日行きますよ。
― そうですよね(笑)。どういうものをよく買うんですか?
間宮:コーヒーとか、飲み物全般。結構、商品の種類が多いコンビニが好きで。プラスチックのカップに入ったタイプのコーヒーあるじゃないですか。あの種類がいっぱいあると嬉しい。選ぶのはだいたいエスプレッソとかノンシュガーとか。それであんまりピンとくるものがない、もしくは甘いやつばっかりだったら、レジの横にあるコーヒーメーカーでブラックコーヒーを飲むんですよ。
― 原作の「ニーチェ先生」を読んだ後、コンビニにいる時の視点が変わった自分に気づきまして。
間宮:変わりますよね。商品の陳列の仕方とか。レジ前に置いてあるのってイチオシなんだ~とか思いながら。買った試しないけど(笑)。そもそも俺が甘いものを食べないっていうのもあるんですけど、それでもレジの横の大福買うやつあんまり見たことないなと思って(笑)。
― おでん70円セールにもつい目が行って、店員さん大変なんだろうなぁと。
間宮:コンビニのおでんって食べたくなるんですよね。あれほんと不思議。原作で「おでんが食べたかったらおでん屋に行けばいいと思います」「でも、私おでん好きだけどおでん屋には行かない」ってやり取りがあるんですけど。確かに考えてみたら「おでん屋に行こうよ」っていう会話って日常的にほとんどないなと思って。
― 確かにそうですね(笑)。
間宮:でも冬になるとコンビニとかではおでん食べたくなるんですよね!すごい気持ちわかります。
― 印象に残ったコンビニ店員とかいますか?
間宮:すごいのがいるんですよ(笑)。すごいのが1人いて。うちの近くなんですけど、まずはとにかく声がでかいんですよ。ほんと始めたての役者か!って思うくらい「いらっしゃいませ~!」ってすごい大きい声で言うから、毎回入るたびに「うっ」ってなるっていう。大きくて甲高いというか…ちょっと度が過ぎる(笑)。
― 男性ですか?
間宮:男性です。「はじめましてトライストーンから来ました、間宮祥太朗です!」みたいな、そういうテンションなんですよ(笑)。そんな感じで「いらっしゃいませ~」って言った後、新発売やセールの商品をすごい大きい声で宣伝するんですね。
― 珍しいですね!
間宮:それこそ「ニーチェ」の台本にもありましたけど「そんなPRしても時給変わんないだろ!」って思うくらい(笑)。それで、僕がドリンクを選んでた時なんですけど…(立ち上がってその状況を再現し始める間宮さん)コンビニのドリンクって、棚の後ろから在庫を補充するじゃないですか。その時、僕は棚の前で「炭酸?いや無難にお茶にしようか、紅茶にしようか」って結構悩んでいたんです。そしたら裏で補充をしていた店員が突然、棚の隙間から「いらっしゃいませ~!」って言ってきて!俺すっごい驚いちゃって、それで顔見たら「アイツや!」ってなって(笑)。
― それは若干のホラー要素も(笑)!
間宮:そればっかりはちょっと「お前、そんなところから…!」ってツッコミたくなるくらい。彼に悪意はないんですよ。驚かせようとかはなくて、どこの場所にいてもお客様と目が合ったら挨拶をしなくちゃっていう。それはすげー面白かった。それでも近所だから通うんですけどね(笑)。
間宮:自分も結構ヘソが曲がってる部分があるんで、仁井の行動ってすごい理解できるんですよね。いつも棚の一番奥から商品を引っ張り出す客がいれば、わざと賞味期限が迫っているやつを後ろに置いておいたりとか(笑)。確かに消費者としては新鮮なものを食べたい気持ちもわかるけど、やっぱり商品が陳列してあるなら一番前から取ったらいいと思うし。それをひっくり返してまでって…地味に仕返ししたくなりますね(笑)。
― 私も原作を読み終わった後、仁井という人物の大ファンになっていました。
間宮:あんな風にとっぴで奇想天外な行動をしますけど、それが悪意じゃないっていうのが仁井のすごいとこだから。なおかつ求心力があって、愛される。それは松駒さんとハシモトさんの書き方が上手いところですよね。福田監督が「仁井を愛されるキャラクターにしないと、この作品は破錠する」と言ってたくらいなので、僕も“愛せる人”という重要な核は意識して役に入りました。作品自体が面白いので、僕は仁井という役をただただ真面目にやるだけ。コメディと言っても「笑わせよう」としたらそれは仁井ではなくなるし、僕自身の「笑わせたい」欲もいらないと思ったんですよね。
― 仁井は子どもにも優しいですし…
間宮:そう。小さい子が作ったボロボロのカスカスのクッキーをみんな食べない中、仁井は食べて「安全性抜群!」とか…心がほっこりする(笑)。
― 今回、ビジュアル面で「原作の仁井そのままだ!」と反響が大きかったですね。
間宮:松駒さんもハシモトさんも現場のみんなも、発表を見たファンの方々も、本当にありがたいことに「ビジュアルが似てる」と言ってくださったので、それを信用して変に表情を作らず、ただただやるっていう。
― 人気コミックの実写化という中で、大きな自信につながりますよね。
間宮:そうですね。そこに自信が持てたのは、Twitterで「本当に忠実だね」と言ってくださった皆様のおかげです。実写化ってわりとネガティブに捉えられることも多いじゃないですか。そんな中、仁井として発表された自分をポジティブに捉えてくれたことは、僕自身はもちろん作品全体としても後押しになりました。皆さんのことは、視聴者でありながらサポーターだと思っているので、放送が始まってからも一緒に盛り上げてくれたらいいなと思います。やっぱり今回は、何よりも口コミなんですよ。そもそもTwitterから派生した作品だから、見た人が「あれ面白いぜ」ってつぶやいたり、友達に教えたりして芋づる式に広がっていくのが理想ですね。どんな謳い文句よりも、人が「面白い」って言ったことが一番信用できますから。SNSというものも最大限に利用していきたいですよね。
間宮:まさか自分の初主演ドラマが福田雄一監督で、コメディだとは思わなかったです(笑)。
― 確かに、パブリックイメージからすると意外性が抜群だったかもしれません。
間宮:あまり明るくないテイストの作品で、重い役柄で…という想像も自分もしていたし、そんなイメージがあったと思うんですけど、いい意味で期待をめちゃくちゃ裏切れたなって。それに福田さんとの出会いが主演だったというのも大きかったです。ずっと福田さんの作品が好きで関わりたいと思っていたんですけど、これが例えば連ドラの何話目かのゲスト出演で、撮影も1日だけ…ってなると、福田さんに対して自分のことをあまりプレゼンできないまま終わってしまったと思うから。今回、10日間の撮影で毎日顔を突き合わせてガッツリ出来た上に、巻き巻きで終わったから一緒にご飯も行けて。本当に幸せだったし、最高の出会い方でした。福田さんも「ずっとやりたかったんだ」と言ってくれて、タイミングを探ってくれていたみたいなので、それがこういう形で実現して嬉しかったです。
― ゼロからじっくり関係性を築くことができたんですね。本当に撮影現場が楽しそうでした!
間宮:めちゃくちゃ楽しかったです(笑)。あんな楽しかった現場は初めて。4~5時間巻くのが当たり前みたいになってて(笑)。オンタイムでもすごいことなのに。
― それはやっぱり全体のフィーリングがうまく噛み合ったからこそですよね。
間宮:そうですね。まず、福田組のスタッフワークの抜群さ。福田さんがあまり言わなくても全員、監督の意図を理解しているんですよ。それも少ない人数で。この人数でこの手際、このクオリティで…って、半端じゃないチームワークだなと。それはキャスト陣もそう。現場では全く待ち時間が発生しないから、台本を覚えたりする時間もないんです。みんなで「舞台の本番やってるみたいだよね」って話してたんですけど、前日に次の日のスケジュールとシーン、セリフを全部頭に入れておいて、現場に行ったら段取り確認してすぐ「じゃあ本番いこうか!」みたいな。ワンシチュエーションで移動もないので、OK出たらすぐ次のシーン。
― すごいスピード感ですね…!初めてだと戸惑いそうですけれど。
間宮:それに対応していく役者も素敵だなと思いました。僕は1日目で「あっ、こういう感じか」って、こんなにもリズムを感じたのは初めてで。常に歯車がいい感じに回ってるから、みんな「ここで止めたくない」っていうのがあって。圧倒されましたね。でもだんだんそれが心地よくなってくるというか、ランナーズ・ハイみたいに撮影しながらどんどん気持ちよくなっていくから、長台詞なんかもスッと出てくるんですよね。いいグルーヴが生まれていたなっていう。それがなかったら10日間で10話分、あんなに順調に撮れなかったですよね。
間宮:本当に毎年毎年、色々出会いがあったなと思うので、着実に前には進んでいるな…という感じですね。実は「来年の抱負は?」「今年の目標は?」とか聞かれると困っちゃうんですよ(笑)。作品ごと気合入れてというよりは、意外に飄々とやっているので「絶対今年は主演1本とるぞ!」とか「休みなく働くぞ」とか、そういう強迫観念もない。1年という区切りはあっても僕自身は変わらず、ずっと1本の線でつながっている感覚ですね。必要に迫られれば一度頭をリセットするなり、特別なリスタートの意識を持つこともあるかもしれないですけど、今のところは今年も来年も、目の前の仕事を楽しんで面白いものにしていくっていう感じですかね。
― とはいえ、今年は映画のほうも『ライチ☆光クラブ』『高台家の人々』などの公開が控え、またひとつ大きな波が来そうですけれど。
間宮:そうなんですよね。昨年撮った映画の公開がいろいろと控えているので、すごい嬉しいことですし、そこの反響はすごく楽しみです。去年はドラマを撮りながらリアルタイムで反応があるというのが当たり前だったので、不思議な感じですね。自分が気づくことも多いと思います。色々な作品に関わりつつ、去年撮った芝居がヘタクソだなって思えれば、ある程度は進歩してるってことだから。
歳で言うと8年目に入ったのかな。メディアでは若手って言ってくれますけど、8年って考えてたら意外と自分やってるなと思って。周りからもよく「間宮くん、いつからやってんの」と言われて、「15の時からです」と答えると「意外とやってるね~」みたいな(笑)。ただ、その8年があったことが僕にとって強みになっているから、全然焦りもないし、いろんな作品に出させてもらうことで、可能性はちょっとずつ広がってると思います。なんか感慨深いテンションになりましたけど…8年やってまだ22かっていうのもありますね(笑)。
― では最後に、ファンのみなさんに伝えたいことを。
間宮:「ニーチェ先生」見てください(笑)。ほんと、見れば絶対好きになるんだから!作品を代表して言わせてもらうと絶対面白いし、裏切らないから、まずは軽い気持ちで見てもらえればいいかなって。寝る前に風呂入って歯磨いて布団入って、30分ぐらい「ニーチェ」見るか!みたいな、ほんとにそんな軽い感じで良くて。親近感を持って見てもらいたいんですよね。別にこの作品から意図を汲みとってくれみたいなのは全くないし、大層なメッセージもないから(笑)。ただただ、くだらないことを真面目にやってるだけ。何より、あんなにコメディのプロが集まった現場で笑っていたことが、面白くないことはないから見てほしい。見ても何もないけど(笑)。
― 毎日の何気ないコンビニ通いがちょっぴり楽しくなるだけでも大きいかと(笑)。
間宮:見ても何もプラスなことはないかもしれない。でも「何もなくてもいいじゃない!」っていう(笑)。
― ありがとうございました!
(modelpress編集部)
新感覚の痛快コメディをドラマ化したのは「アオイホノオ」「コドモ警察」「勇者ヨシヒコ」などを手がけた福田雄一氏(脚本・演出)。ビジュアル解禁とともに「再現度がすごい」と反響を呼んだ間宮の“ニーチェ先生”、浦井の“松駒”をはじめ、元SKE48の松井玲奈、内田理央、松田凌、菅裕輔、シソンヌ・じろう、佐藤二朗ら個性派キャラが顔を揃える。
近所のコンビニに「すごいのが1人」
― まず間宮さん、コンビニって行きますか?間宮:そりゃ行きますよ(笑)!もう毎日。毎日行きますよ。
― そうですよね(笑)。どういうものをよく買うんですか?
間宮:コーヒーとか、飲み物全般。結構、商品の種類が多いコンビニが好きで。プラスチックのカップに入ったタイプのコーヒーあるじゃないですか。あの種類がいっぱいあると嬉しい。選ぶのはだいたいエスプレッソとかノンシュガーとか。それであんまりピンとくるものがない、もしくは甘いやつばっかりだったら、レジの横にあるコーヒーメーカーでブラックコーヒーを飲むんですよ。
― 原作の「ニーチェ先生」を読んだ後、コンビニにいる時の視点が変わった自分に気づきまして。
間宮:変わりますよね。商品の陳列の仕方とか。レジ前に置いてあるのってイチオシなんだ~とか思いながら。買った試しないけど(笑)。そもそも俺が甘いものを食べないっていうのもあるんですけど、それでもレジの横の大福買うやつあんまり見たことないなと思って(笑)。
― おでん70円セールにもつい目が行って、店員さん大変なんだろうなぁと。
間宮:コンビニのおでんって食べたくなるんですよね。あれほんと不思議。原作で「おでんが食べたかったらおでん屋に行けばいいと思います」「でも、私おでん好きだけどおでん屋には行かない」ってやり取りがあるんですけど。確かに考えてみたら「おでん屋に行こうよ」っていう会話って日常的にほとんどないなと思って。
― 確かにそうですね(笑)。
間宮:でも冬になるとコンビニとかではおでん食べたくなるんですよね!すごい気持ちわかります。
― 印象に残ったコンビニ店員とかいますか?
間宮:すごいのがいるんですよ(笑)。すごいのが1人いて。うちの近くなんですけど、まずはとにかく声がでかいんですよ。ほんと始めたての役者か!って思うくらい「いらっしゃいませ~!」ってすごい大きい声で言うから、毎回入るたびに「うっ」ってなるっていう。大きくて甲高いというか…ちょっと度が過ぎる(笑)。
― 男性ですか?
間宮:男性です。「はじめましてトライストーンから来ました、間宮祥太朗です!」みたいな、そういうテンションなんですよ(笑)。そんな感じで「いらっしゃいませ~」って言った後、新発売やセールの商品をすごい大きい声で宣伝するんですね。
― 珍しいですね!
間宮:それこそ「ニーチェ」の台本にもありましたけど「そんなPRしても時給変わんないだろ!」って思うくらい(笑)。それで、僕がドリンクを選んでた時なんですけど…(立ち上がってその状況を再現し始める間宮さん)コンビニのドリンクって、棚の後ろから在庫を補充するじゃないですか。その時、僕は棚の前で「炭酸?いや無難にお茶にしようか、紅茶にしようか」って結構悩んでいたんです。そしたら裏で補充をしていた店員が突然、棚の隙間から「いらっしゃいませ~!」って言ってきて!俺すっごい驚いちゃって、それで顔見たら「アイツや!」ってなって(笑)。
― それは若干のホラー要素も(笑)!
間宮:そればっかりはちょっと「お前、そんなところから…!」ってツッコミたくなるくらい。彼に悪意はないんですよ。驚かせようとかはなくて、どこの場所にいてもお客様と目が合ったら挨拶をしなくちゃっていう。それはすげー面白かった。それでも近所だから通うんですけどね(笑)。
「再現度すごい」反響が自信になった
― 今回の作品も、ニーチェ先生はじめ濃いキャラ揃いで。間宮:自分も結構ヘソが曲がってる部分があるんで、仁井の行動ってすごい理解できるんですよね。いつも棚の一番奥から商品を引っ張り出す客がいれば、わざと賞味期限が迫っているやつを後ろに置いておいたりとか(笑)。確かに消費者としては新鮮なものを食べたい気持ちもわかるけど、やっぱり商品が陳列してあるなら一番前から取ったらいいと思うし。それをひっくり返してまでって…地味に仕返ししたくなりますね(笑)。
― 私も原作を読み終わった後、仁井という人物の大ファンになっていました。
間宮:あんな風にとっぴで奇想天外な行動をしますけど、それが悪意じゃないっていうのが仁井のすごいとこだから。なおかつ求心力があって、愛される。それは松駒さんとハシモトさんの書き方が上手いところですよね。福田監督が「仁井を愛されるキャラクターにしないと、この作品は破錠する」と言ってたくらいなので、僕も“愛せる人”という重要な核は意識して役に入りました。作品自体が面白いので、僕は仁井という役をただただ真面目にやるだけ。コメディと言っても「笑わせよう」としたらそれは仁井ではなくなるし、僕自身の「笑わせたい」欲もいらないと思ったんですよね。
― 仁井は子どもにも優しいですし…
間宮:そう。小さい子が作ったボロボロのカスカスのクッキーをみんな食べない中、仁井は食べて「安全性抜群!」とか…心がほっこりする(笑)。
― 今回、ビジュアル面で「原作の仁井そのままだ!」と反響が大きかったですね。
間宮:松駒さんもハシモトさんも現場のみんなも、発表を見たファンの方々も、本当にありがたいことに「ビジュアルが似てる」と言ってくださったので、それを信用して変に表情を作らず、ただただやるっていう。
― 人気コミックの実写化という中で、大きな自信につながりますよね。
間宮:そうですね。そこに自信が持てたのは、Twitterで「本当に忠実だね」と言ってくださった皆様のおかげです。実写化ってわりとネガティブに捉えられることも多いじゃないですか。そんな中、仁井として発表された自分をポジティブに捉えてくれたことは、僕自身はもちろん作品全体としても後押しになりました。皆さんのことは、視聴者でありながらサポーターだと思っているので、放送が始まってからも一緒に盛り上げてくれたらいいなと思います。やっぱり今回は、何よりも口コミなんですよ。そもそもTwitterから派生した作品だから、見た人が「あれ面白いぜ」ってつぶやいたり、友達に教えたりして芋づる式に広がっていくのが理想ですね。どんな謳い文句よりも、人が「面白い」って言ったことが一番信用できますから。SNSというものも最大限に利用していきたいですよね。
初主演ドラマで「最高の出会い」
― そんな「ニーチェ先生」が、間宮さんにとって記念すべき初主演ドラマとなりました。間宮:まさか自分の初主演ドラマが福田雄一監督で、コメディだとは思わなかったです(笑)。
― 確かに、パブリックイメージからすると意外性が抜群だったかもしれません。
間宮:あまり明るくないテイストの作品で、重い役柄で…という想像も自分もしていたし、そんなイメージがあったと思うんですけど、いい意味で期待をめちゃくちゃ裏切れたなって。それに福田さんとの出会いが主演だったというのも大きかったです。ずっと福田さんの作品が好きで関わりたいと思っていたんですけど、これが例えば連ドラの何話目かのゲスト出演で、撮影も1日だけ…ってなると、福田さんに対して自分のことをあまりプレゼンできないまま終わってしまったと思うから。今回、10日間の撮影で毎日顔を突き合わせてガッツリ出来た上に、巻き巻きで終わったから一緒にご飯も行けて。本当に幸せだったし、最高の出会い方でした。福田さんも「ずっとやりたかったんだ」と言ってくれて、タイミングを探ってくれていたみたいなので、それがこういう形で実現して嬉しかったです。
― ゼロからじっくり関係性を築くことができたんですね。本当に撮影現場が楽しそうでした!
間宮:めちゃくちゃ楽しかったです(笑)。あんな楽しかった現場は初めて。4~5時間巻くのが当たり前みたいになってて(笑)。オンタイムでもすごいことなのに。
― それはやっぱり全体のフィーリングがうまく噛み合ったからこそですよね。
間宮:そうですね。まず、福田組のスタッフワークの抜群さ。福田さんがあまり言わなくても全員、監督の意図を理解しているんですよ。それも少ない人数で。この人数でこの手際、このクオリティで…って、半端じゃないチームワークだなと。それはキャスト陣もそう。現場では全く待ち時間が発生しないから、台本を覚えたりする時間もないんです。みんなで「舞台の本番やってるみたいだよね」って話してたんですけど、前日に次の日のスケジュールとシーン、セリフを全部頭に入れておいて、現場に行ったら段取り確認してすぐ「じゃあ本番いこうか!」みたいな。ワンシチュエーションで移動もないので、OK出たらすぐ次のシーン。
― すごいスピード感ですね…!初めてだと戸惑いそうですけれど。
間宮:それに対応していく役者も素敵だなと思いました。僕は1日目で「あっ、こういう感じか」って、こんなにもリズムを感じたのは初めてで。常に歯車がいい感じに回ってるから、みんな「ここで止めたくない」っていうのがあって。圧倒されましたね。でもだんだんそれが心地よくなってくるというか、ランナーズ・ハイみたいに撮影しながらどんどん気持ちよくなっていくから、長台詞なんかもスッと出てくるんですよね。いいグルーヴが生まれていたなっていう。それがなかったら10日間で10話分、あんなに順調に撮れなかったですよね。
もう8年?まだ8年?
― 昨年も多くの作品で活躍されましたが、終盤にそういった貴重な現場を経験し、2016年も勢いよくスタートできそうですね。間宮:本当に毎年毎年、色々出会いがあったなと思うので、着実に前には進んでいるな…という感じですね。実は「来年の抱負は?」「今年の目標は?」とか聞かれると困っちゃうんですよ(笑)。作品ごと気合入れてというよりは、意外に飄々とやっているので「絶対今年は主演1本とるぞ!」とか「休みなく働くぞ」とか、そういう強迫観念もない。1年という区切りはあっても僕自身は変わらず、ずっと1本の線でつながっている感覚ですね。必要に迫られれば一度頭をリセットするなり、特別なリスタートの意識を持つこともあるかもしれないですけど、今のところは今年も来年も、目の前の仕事を楽しんで面白いものにしていくっていう感じですかね。
― とはいえ、今年は映画のほうも『ライチ☆光クラブ』『高台家の人々』などの公開が控え、またひとつ大きな波が来そうですけれど。
間宮:そうなんですよね。昨年撮った映画の公開がいろいろと控えているので、すごい嬉しいことですし、そこの反響はすごく楽しみです。去年はドラマを撮りながらリアルタイムで反応があるというのが当たり前だったので、不思議な感じですね。自分が気づくことも多いと思います。色々な作品に関わりつつ、去年撮った芝居がヘタクソだなって思えれば、ある程度は進歩してるってことだから。
歳で言うと8年目に入ったのかな。メディアでは若手って言ってくれますけど、8年って考えてたら意外と自分やってるなと思って。周りからもよく「間宮くん、いつからやってんの」と言われて、「15の時からです」と答えると「意外とやってるね~」みたいな(笑)。ただ、その8年があったことが僕にとって強みになっているから、全然焦りもないし、いろんな作品に出させてもらうことで、可能性はちょっとずつ広がってると思います。なんか感慨深いテンションになりましたけど…8年やってまだ22かっていうのもありますね(笑)。
― では最後に、ファンのみなさんに伝えたいことを。
間宮:「ニーチェ先生」見てください(笑)。ほんと、見れば絶対好きになるんだから!作品を代表して言わせてもらうと絶対面白いし、裏切らないから、まずは軽い気持ちで見てもらえればいいかなって。寝る前に風呂入って歯磨いて布団入って、30分ぐらい「ニーチェ」見るか!みたいな、ほんとにそんな軽い感じで良くて。親近感を持って見てもらいたいんですよね。別にこの作品から意図を汲みとってくれみたいなのは全くないし、大層なメッセージもないから(笑)。ただただ、くだらないことを真面目にやってるだけ。何より、あんなにコメディのプロが集まった現場で笑っていたことが、面白くないことはないから見てほしい。見ても何もないけど(笑)。
― 毎日の何気ないコンビニ通いがちょっぴり楽しくなるだけでも大きいかと(笑)。
間宮:見ても何もプラスなことはないかもしれない。でも「何もなくてもいいじゃない!」っていう(笑)。
― ありがとうございました!
(modelpress編集部)
間宮祥太朗(まみやしょうたろう)
1993年6月11日生まれ、O型。神奈川県出身。身長179cm。2008年「スクラップ・ティーチャー~教師再生」にて役者デビュー。その後、ドラマでは「ヤンキーくんとメガネちゃん」「花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011」「山田くんと7人の魔女」「ミス・パイロット」「弱くても勝てます~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~」「水球ヤンキース」「信長協奏曲」「学校のカイダン」「ちゃんぽん食べたか」など。2016年は映画『ライチ☆光クラブ』『高台家の人々』の公開が控える。
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